目的・課題
- 本体とフレーバーという複雑な商品構成のカート実装
- 1人で立ち上げることによる知見や人的リソースの制限
効果
- ストレスフリーにECサイトの構築が実現
- 自動処理等による運用コストの削減
- 販売〜分析まで1ツールで運営ができる
はじめに事業概要を教えてください。
私たちは電子タバコ「SPADE」(スペード)を販売しています。2021年11月にMakuakeのクラウドファンディングで先行販売し、2021年末に正式ローンチしました。
電子タバコにはニコチンとタールが含まれていないのですが、それではニコチン独自の喉にぐっとくる吸い心地を感じることができません。SPADEでこだわっているのは他の電子タバコと違い、「タバコに近い」吸いごたえを実現することです。
実は、この事業は株式会社北の達人コーポレーションの新規事業としてスタートしました。私自身が事業企画を立案し、最終目標100億円の売上を目指して、日々努力しています。
喫煙者に厳しい世の中になっていく中、なぜ電子タバコなのでしょうか。
健康需要の増加に伴い、日本国内の喫煙者は減少しています。中国やロシア、アメリカでも同様の動きがありますが、ニコチンとタールを含まない電子タバコの市場は拡大傾向です。今後、日本でも電子タバコの市場が拡大していくだけではなく、将来的に海外での販売も見据えて事業を始めました。
SPADEのターゲットは紙巻きタバコを吸っている40~80代です。他の電子タバコメーカーさんのような「カッコよさ」ではなく、紙巻きタバコに近い味と吸いごたえを提案し、「紙巻きタバコを吸いたいけど、身体に悪い。」という方へ「ニコチン・タール0でも一服を楽しめる紙巻きタバコの代替品」としてお届けしたいと考えています。
SPADEにしかない魅力はなんでしょうか。
SPADEの一番の特徴は、次世代吸いごたえ成分「シガニチン」の開発に成功したことです(特許取得済み)。これは電子タバコにニコチンに近い吸いごたえを与える成分です。シガニチンは食品由来の原料で、フレーバーの香りを損なうことなく、吸いごたえだけを得ることができます。
SPADEのリキッドは熱意に賛同してくれた国内の老舗香料メーカーと共同開発しています。共に30回以上の試作を実施し、商品化に成功しました。また、デバイスは100回の落下試験や10,000回の連続吸引試験など35項目の耐久テストをクリアしていて、「電子タバコは壊れやすい」というイメージを覆せると考えています。
ecforceの柔軟性と定期管理機能がサービスの世界観を実現
EC/D2Cビジネスの中で重要視していることはどんなことでしょうか。
今はブランドを育てるという感覚はありません。まず考えるべきことは、お客様の満足度をどう積み上げていくのかです。「これを買ってよかった。」というお客様の経験が積み上がれば、ブランドは育っていきます。北の達人の根底にあるのも、この「お客様第一主義」です。
具体的にはどのような機能がecforceを選んでいただく決め手となりましたか
SPADEは複雑な構成をしています。購入時に、本体のカラーを2種類のうちから1つ、フレーバーを3種類のうちから2つを選ぶ仕組みです。ecforceと初めて打ち合わせさせていただいた時に、この複雑な構成を定期通販で問題なく実現できると言っていただきました。
他にも私たちが実現したいことを相談すると、その場ですぐに回答をいただけました。そのスピード感と勢いが印象に残っています。また、EC/D2Cへの豊富な知見を共有していただけることも魅力的でした。
元々、最初のECサイトの構築はどこのカートを使っても同じように大変な作業だと思っていました。そこで将来的に売上100億円を目指すのであれば、最初からそこに耐えられる機能があるecforceを選ぼうと考えたのです。
導入から使い方までをフルサポートで伴走してくれてストレスフリーだった
実際にecforceを使ってみた印象はどうでしたか。
最初のECサイトの構築は複雑になりそうな予感がしていたのですが、ecforceの担当者が初期設定や使い方など全てを教えてくれたため、ストレスフリーに導入することができました。導入後に必要となる設定なども分かりやすいマニュアルを作っていただき、非常に役立っています。
また、分からないことをサポートセンターに連絡すると翌営業日には必ず回答いただいています。基本的に1人で進めている事業なので、スピーディーな対応や自動化機能の部分などに何度も助けられました。
システムに任せられる部分が多く、売上規模が拡大しても少数精鋭でやっていける
普段の業務の中で特に役立っている機能があれば教えてください。
与信落ちなどへの対応を自動化できる「自動再オーソリバッチ機能」です。
例えば、本来与信落ちのお客様は全てチェックして対応しないといけません。そこに自動化の設定を入れることでフラグが立ち、与信落ちしたお客様だけに連絡を入れることができます。
このようにecforceはシステムに任せられる機能が多く、これから売上が30億円や50億円になってもそこまで人を増やす必要がないかもしれないと感じています。
どういった部分にレベルの高さを感じていらっしゃいますか。
ecforceの販売面と分析面のそれぞれにレベルの高さを実感しています。
まず販売面では、LPの複製をワンクリックで実現できる点が便利です。広告運用をする上で訴求に合わせてLPを複製する作業がスムーズにできて助かっています。
次に分析面では、別のツールを使わずに定期継続率などを確認できる点が実用的です。ecforceは定期通販・単品リピート通販に特化した、かゆいところに手が届く機能が実装されていると感じています。
またSPADEは70代のお客様からの購入もあるのですが、購入までの導線が分かりにくいといった問い合わせが少ないのが印象的です。フォームをシンプルな構成にしているのもありますが、ecforce自体が使いやすい設計だからだと思っています。
今後、ecforceの機能で使ってみたいものはありますか。
チャットボット機能のひとつ「ecforce efo」*は最初の段階から導入していましたが、当時はCVRに良い影響は出ませんでした。これはSPADEのターゲット層がスマホでの買い物に慣れていないことから、チャットが立ち上がるとエラーだと勘違いして離脱しているのではないかという仮説があります。
そこで今後は、比較的年齢層が若い方に向けのクリエイティブでecforce efoを導入し、CVRの違いを分析してみたいと考えています。
他にも、同じくD2Cをやっている企業様からecforceについて教えてほしいという声が届くことがあるので、「こういう使い方してるよ。」とecforceの情報交換をしていけたら嬉しいです。
*ecforce efo:チャット型対話式EFO。ECサイト上にチャット形式の注文フォームを簡単に設置できるサービス。
タバコが原因で悲しむ家族をゼロにする
Makuakeでの先行販売開始からそろそろ1年になります。ネクストステップとしてはどのような目標を設定していますか。
まずは単月黒字。やはりD2Cは初期に赤字になるビジネスモデルです。いかに新規の獲得数を上げ、LTVを伸ばし、短期で黒字に持っていけるかが勝負だと考えています。もちろん売上だけではなく、利益を保ったまま黒字化できることが重要です。
また、定期通販だけではなくオフラインでの販売にも取り組みたいと考えています。タバコはどこでも買えないと意味がありません。例えばコンビニでリキッドを販売するなど、欲しいと思った時にすぐに買いに行けるようにしたいです。
では最後に、貴社が掲げる今後のビジョンを教えてください。
SPADEのミッションは、タバコが原因で亡くなる方や悲しむ家族をゼロにすること。
私たちはニコチン依存で吸うタバコではなく、味や香りを楽しむ文化としてのタバコがあると考えています。まるで「本物のような味と刺激」の電子タバコでその文化を残し、趣味で香りを楽しむことや仕事の合間の息抜きとして発展させていきたいです。