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一人ひとりの腸内フローラに適した商品を提供する「Body Granola」とは
ーBody Granolaについて教えてください。
藤井 麻季氏(以下、敬称略):カルビーが提供する「Body Granola(ボディグラノーラ)」は、お客様の腸内環境を検査し、個人に合ったグラノーラを届けるサービスです。カルビーでは、2020年より海外事業と新規事業を成長の軸とする中期経営計画を掲げており、そのうちの「食と健康」にまつわる新規事業の一つとしてBody Granolaは立ち上がりました。
Body Granolaのプロジェクトは、「もっと一人ひとりの健康状態に寄り添ったサービスでお客様の健康に寄与したい」という想いから発足しました。2021年に腸内環境研究で国内最先端をいく株式会社メタジェンと出会い、腸内細菌を活性化させる「プレバイオティクス」をベースとした事業創出の考えに共感し、腸内環境に関する共同研究を進めていきました。その後、国内トップクラスの腸内フローラ検査を手がける株式会社サイキンソーが加わり、三社の知見を結集しながら2023年4月にサービスをリリースしました。
ーBody Granolaの商品について教えてください。
藤井:Body Granolaは、ベースグラノーラに3つのプレバイオティクストッピングを混ぜて召し上がっていただきます。お客様には、まずBody Granolaの公式ECサイトより腸内フローラ検査キットを注文していただき、ご自身で採便してポストに投函していただきます。その後、お客様の腸内環境を検査し、全57タイプから判定された腸内フローラの検査結果をもとに、トッピング6種から3つ選んで注文していただくと、自分専用グラノーラが定期的に届く仕組みとなっています。この検査結果は、サイト内のマイページ画面からいつでも確認することができます。
藤井:6種類のトッピングは、「イヌリン」「レジスタントスターチ」「スーパー大麦」「ガラクトオリゴ糖」「フラクトオリゴ糖」「ハイカカオ」のプレバイオティクスで作られていて、日本人が多く持つ主要な6種類の腸内細菌に対応しています。今回の商品開発にグラノーラを選んだのは、カルビーの人気商品「フルグラ」で培った技術を最大限に活用できること、そして腸内環境に合った食事を日々の食生活に取り入れてもらう上で、グラノーラは朝食としても気軽に食べやすいと考えたからです。トッピングごとに味や食感が異なるので、飽きずに食べていただけると思います。
現在は自社ECサイトのみで販売しており、購入いただく方の多くは比較的健康に対する意識が高く、「腸内環境」に興味・関心を持たれている30代から50代の女性が中心となっています。
信頼できるパートナーとして「ecforce」を選択
ーECサイトを構築するにあたり「ecforce」を選択した理由はなんですか。
藤井:Body Granolaをサービスリリースする前から、同じ事業部でパーソナライズ宅配食サービス「OMA MESI(おまめし)」を提供していました。その運営を支えるEC構築システムとして「ecforce」を導入しており、ecforceの機能や操作についてすでに把握していたこと、そしてOMA MESIのEC運営が安定的に行えていたことから導入を決めました。
当初は他のSaaSシステムも含めて比較検討していましたが、Body Granolaは腸内環境の検査を経て商品を購入していただく流れとなるため、この座組を実現するのは容易ではありませんでした。そんな中で、ecforceの担当者の方はecforceで実現できることとできないことを明確にした上で、外部サービスとの連携や代替案などを提案してくださり、信頼できるパートナーになり得ると感じました。
ーecforceを活用してどのような施策を行っていますか。
田口 夏菜氏(以下、敬称略):ecforceの「セット販売機能」を活用して、ベースグラノーラとお好みのトッピング3つを選んでいただけるようにしています。マイページ画面からグラノーラを購入できる導線を設けており、はじめに何食ずつお届けするのかプランを選択いただいたのち、お好みのトッピングを選んでいただきます。その際、検査結果に応じて自分に合ったトッピングがデフォルトで選択されるようにしています。お客様の好みに合わせて選択し直すこともできますし、2回目以降のトッピングもマイページ画面より変更可能です。
CRM施策では、ecforceの「ステップメール機能」を用いてコラムやメールマガジンを配信しています。Body Granolaは、腸内フローラの検査に約1ヶ月ほどかかるため、検査後にお客様のモチベーションが下がってしまわないよう、検査結果が届くまでのコミュニケーションに注力したいと考えています。また、商品をカートに入れたまま購入完了せずに離脱してしまう「カゴ落ち状態」のお客様に対しては、オプション機能でメールを配信しています。その他にも、お客様のステータスに応じてオファーメールでクーポンを配布したり、お友達紹介キャンペーンで招待した方・招待された方へ購入時に使用できるポイントを付与したりしています。
実際に、検査完了から購入に至っていないお客様に対しては、Body Granolaが選ばれている理由や始め方のステップ、お客様がSNSに上げてくださった投稿や利用しての感想などをビジュアルに起こしてメルマガで配信したところ、多くのお客様にグラノーラを購入していただくことができました。2024年8月には「ecforce ma」*を導入したので、今後はecforce maを活用しながらお客様一人ひとりに寄り添った、より精緻なコミュニケーションを取っていきたいと考えています。
また、運営上で何か困ったことがあれば、「ecforce compass」*を通してecforceの導入企業様と相談し合うこともできますし、ecforceのサポート窓口の方も真摯に対応してくださるのでとても助かっています。
*ecforce ma:MAツール。簡単で正確なデータ連携が可能、且つ効果的なプリセットを用意。CRM施策の売上効果を可視化し、効率的なマーケティング施策を実行可能とする。
*ecforce compass:ecforceユーザー限定コミュニティ。EC業界を盛り上げていく仲間との交流・情報交換を行うことができる。EC運営やecforceの運用で困った際にヒントとなる知識や情報、知見などを共有できる場として活用されている。
幅広い施策でブランドの認知を拡大しながら継続利用を促進
ーecforce以外にはどのような施策を行っていますか。
田口:テレビCMやタクシー広告を出稿したほか、YouTuberとのタイアップ企画やオフラインイベントへの出展、リリース1周年を記念したウェビナーの実施など、オンライン・オフラインともに幅広い施策を展開しています。テレビCM放映時には、Body Granolaの公式Xアカウントをフォロー&キャンペーン投稿を引用リポストしていただいた方を対象に、プレゼントキャンペーンを行いました。
Body Granolaを購入していただくには、事前に腸内フローラを検査していただく必要があるため、商品の認知から即時的な購入に至るケースは少なく、商品のコンセプトを丁寧にお伝えすることが重要です。サービスについて理解を深めていただくためには、きちんと説明を行う必要があると考えていたなか、目の前のモニターにじっくりと向き合っていただけるタクシーCMであれば、動画を用いて上手くサービスの説明ができるのではないかと考え、出稿を決めました。
また、タクシー広告では二次元バーコードを表示しました。スマホなどで読み取っていただくとLPへ画面遷移し、そのまま購入手続きを行うことができるため、販促に繋げられる点も重要なポイントとなりました。実際のタクシー広告では、予めBody Granolaのシズル感のある画像を表示しておき、タクシーが移動する際に、Body Granolaの純広告動画に切り替わるように設計しました。純広告は認知がメインですが、その後のサービス概要の説明動画では、Body Granolaの特徴や検査を受ける意義を伝えることができました。
ーそれらの施策で利用者はどのくらい増加しましたか。
藤井:広告出稿中、ビジネスマンを中心に40代男性の購入が増加し、会社経営層からの受注数が約3.5倍に増加しました。また、掲載週における腸内フローラ検査キットの受注数は前週比で約1.7倍となりました。広告画面内に掲載した二次元バーコードを経由した受注もあったことで、タクシー広告が購買にダイレクトに繋がることも実証され、これまでコミュニケーションを取ることが難しかった層にもリーチすることができました。
2023年4月にBody Granolaをリリースして以降、2025年1月時点で2万人以上の方に腸内フローラ検査を受けていただきました。
「食と健康」を軸にecforceと事業を展開
ー今後はどのような展開を考えていますか。
藤井:Body Granolaでは、2024年4月より「パーソナルオンライン食事コーチングサービス」を開始し、マンツーマンで栄養や食事に関する相談ができる体制を整えました。これまでも腸内検査を行う企業はいくつか存在しましたが、その後どのように日常生活へ取り入れていくのかまで、具体的なソリューションを提供している事例は多くなかったと思います。お客様からも「腸内検査の結果をどう活用すれば良いか分からない」といったお声が寄せられていたため、Body Granolaの会員に向けて管理栄養士がアドバイスを行えるようにしました。今後はアップセルなどを通じて、本サービスの利用を拡大させていきたいと考えています。
昨今、腸内環境の悩みを抱えている方はとても多いので、そのような方にまずBody Granolaを想起していただけるよう、引き続きサービスの認知拡大に注力していきたいです。特に「腸活」に注目が集まっていますが、一人ひとりの腸内環境にあった食材を摂取することは、よりクローズアップされていくと考えています。今後も「食と健康」というテーマで、カルビーとしてできることを考えながら、より広い範囲で「食と健康」事業を拡大させていきたいです。
ー今後のマーケティング戦略については、どのように考えていますか。
田口:主に、認知拡大・新規獲得・継続利用といった3フェーズに分けて進めていきたいと考えています。認知拡大では、サービス名を知っていただくフェーズからサービスへの理解を深めていただくフェーズへ移行していきたいと考えています。そのためにも、ご自身の腸内環境を調べて自分専用のグラノーラを食べるメリットや腸内フローラ検査の流れについて、引き続きテレビCMなどを活用しながら伝えていきたいです。
新規獲得については、最初の接点である腸内フローラ検査キットの利用について、自分の腸内フローラを知る重要性をアピールしていくこと、そして継続利用については、ecforce maを活用しながら個々の状況に応じたコミュニケーションを行うことで、リピーターを増やしていきたいと考えています。
ー最後に、この記事をご覧になっている皆さんにメッセージをお願いします。
藤井:私はECシステムの導入を検討する段階からBody Granolaに携わっていますが、ecforceの担当者の方は、運用において実現しがたい部分まできちんと明示してくださる点がとても信頼できると思っています。また、サポート体制が整っており、どんな時もスピーディで手厚い対応をしていただけるので、今後の導入を検討されている方は安心して運用を開始できると思います。
田口:私はecforce導入後にBody Granolaのプロジェクトに参画したのですが、ECシステムを使ったことのない私でも、すぐに基本的な操作は覚えられました。協力を仰ぐこともありましたが、インタフェースが分かりやすく、どんな方でも操作しやすいシステムだと思います。
さらに、ecforceのパートナー企業を紹介していただけたことも非常に助かりました。自分たちで一から連携先を探すことは難しいですが、ecforceの担当者の方が一緒に連携先の企業まで出向いてくださり、パートナー企業もすでにecforceとの連携に慣れているので、素早くシステムを連携させることができました。ecforceには、これからもトータルでお世話になりたいと思っています。
ー本日はありがとうございました。