目的・課題
- 別カートは自社開発の必要があった
- 毎月違う商品が届く特殊な仕組みの定期通販サービスに対応
効果
- F2転換率90%
- 柔軟なシステム開発のおかげで望んでいた販売手法を実現
- 広告分析を活用した効果測定で、ターゲティング選定などにも着手
はじめに事業概要と立ち上げの思いを教えてください。
株式会社WINE TRAIL 代表取締役社長 佐々木 健太 氏(以下、敬称略):私たちは自宅に届くワインスクール「HOMEWiNE」(ホームワイン)を運営しています。ソムリエでもある私が代表を務める弊社と、株式会社カスタムライフが業務提携して、2021年10月にスタートしました。
株式会社カスタムライフ 岡前 亮介 氏(以下、敬称略):弊社はHOMEWiNEのマーケティング支援を行っています。この事業は教育×小瓶ワインのサブスクリプションで、全12回のプログラムを通してワインを学べるサービスです。
佐々木:事業を立ち上げたきっかけは、コロナ禍でレストランの営業が制限され、ソムリエの仕事が無くなったことでした。厳しい状況でしたが、私はこれをチャンスと捉え、ソムリエという職業の概念を考え直しました。
ソムリエの仕事の本質は、ワインのことを「いかに消費者に伝えるのか」にあります。そこで、新しいワインの伝え方としてHOMEWiNEを立ち上げました。
岡前:立ち上げ当初から、オンラインとオフラインの組み合わせでワイン業界をアップデートすることで、チャンスを掴めると考えていました。ECにこだわった理由は、店舗という場所に縛られず、日本全国どこでもワインを学べるサービスを目指したからです。
EC事業で重要視していることを教えてください。
岡前:私たちが重要視していることは2つあります。
1つ目はブランディングです。ブランディングの狙いはオーガニック検索の比率を高めること。広告流入で購入に繋げるだけでなく、公式ホームページや口コミを見てから購入いただく比率を50%以上にしたいと考えています。
2つ目はサブスクリプションの継続率です。ここでの狙いは、ワインの理解度を高めていただくこと。HOMEWiNEは、3回×4セットの全12回のプログラムを通して理解を深めていく仕組みになっています。
佐々木:毎月100ミリリットルのワインが4本届くのですが、パンフレットに加えてワイン1本あたり10分の解説動画がついています。
さらに全部で344ページのワインのバイブルを現在制作中です。ただワインを届けるだけでなく、ワインのテイスティングや知識など、続ければ続けるほど「もっと知りたい」と思うサイクルを意識したプログラムにしています。
柔軟なシステム開発が要望を実現し、F2転換率は90%を記録
導入の経緯と導入後の成果を教えてください。
岡前:ecforceに決める前に、複数のカートシステムを比較検討していました。
しかしecforce以外のシステムは、自分たちで実装・開発しないといけない部分が多く、リリースまでに時間がかかってしまうことが判明しました。また、カスタマイズできる部分が少なく、手数料も高いと感じていました。
ecforceに決めた理由は、管理画面のUI・UXのデザインが綺麗で使いやすいこと。そして、充実したサポート体制やFAQのページなどが、現場責任者が自走する際の支えとなり、非常に安心感があったことです。
HOMEWiNEは通常の単品通販と違い、毎月違う商品が届き、全12回で通販が終了する特殊な定期通販です。しかし、システム開発時のecforceには、全12回で通販を止めるという機能がありませんでした。
そこでecforceの担当者に、どう対応すればよいか一緒に考えていただきました。私たちがどう処理を加えれば、定期通販が止まるのか。それをどのように運用していくのか。細かく相談させていただきました。
このようにHOMEWiNEのような通常では対応できないサービスでも、柔軟にシステム開発を進めていただきました。結果として私たちの要望をそのまま実現できており、非常に助かりました。
佐々木:ecforce導入後の成果として、F2転換率は90%という成果が出ています。HOMEWiNEの場合は1セット3回なので、3回目から4回目へ移る時がF2転換のタイミングです。商材にもよりますが、一般的なEC/D2CのF2転換率が60〜75%という中で、当社は3ヶ月毎の契約で38,400円と高単価にも関わらず、F2以降も90%という結果が出ていることにとても満足しています。
岡前:高い継続率を維持できているのは、HOMEWiNEを全12回のプログラムとして設計しているということもありますが、ecforceで簡単に定期継続分析ができている成果でもあります。
ecforceの定期継続管理では顧客情報を一元管理できるため、顧客情報を基にしたCRM施策を実施できます。データを活用して、ユーザーに合わせたメールや動画コンテンツを届けるなど、丁寧で細やかなコミュニケーションを取れていることが成果に繋がっていると感じています。
さらに、ecforceはユーザーからのお問い合わせが非常に少ないのも特徴的です。
「購入に進むまでが面倒」というお声は、これまでに一度も届いていません。マイページについてのお問い合わせも数件しかなく、ユーザー目線でも使いやすいサイトであることは間違いありません。
お問い合わせが少ないおかげで返答作業に多くのリソースを割くことなく、ユーザーの継続率の向上にも繋がっていると考えています。
他にもデザインの自由度が高く、ブランディングがしやすい点や、流入経路ごとに細かい効果測定ができる点を最大限に活用しています。やはり媒体ごとにユーザーの違いがあるので、媒体に合わせてターゲティングを考えるようになりました。
今後の展望について教えてください。
岡前:今のHOMEWiNEは全12回で終了するサービスなので、今後は13回目以降の継続商品の開発を進めていきたいです。さらに、既存の商品のレベルアップにも注力し、ユーザー数を伸ばしていきたいと考えています。
佐々木:現在、ユーザーとの直接的なコミュニケーションの取り方としてライブ配信を始めています。これまでのHOMEWiNEはインプットのサービスでした。今後はユーザーのコミュニティ作りを目指していきたいと考えており、その実験の1つがライブ配信です。
ワイン業界の視点から考えると、やはり巻き込む人数を増やしていく必要があると思っています。ワイングラスやワインセラーのメーカーやインポーター(輸入業者)など、ワイン業界全体を巻き込み、ワインを学びたいと思った時にHOMEWiNEを想起していただけるようになりたいです。