目的・課題

  • グローバルメーカーに対応できる管理・分析機能
  • 日本でのD2Cビジネスの知見

効果

  • 拡張性があり、要望に対応しシステムの構築
  • サポートによるD2Cノウハウの補完

はじめに事業概要と立ち上げの思い、現在のビジョンを教えてください。

ユニリーバ・ジャパンは1964年に世界最大級の消費財メーカー、ユニリーバの日本法人として設立されました。以来50年以上にわたり、日本の消費者の皆様にLUX(ラックス)、Dove(ダヴ)、POND’S(ポンズ)、AXE(アックス)などのブランドをお届けしています。

グローバルで流通網を持ち、各国で構築した大規模な販路を活用して成長を続けてきたユニリーバですが、昨今の日本国内外でのD2Cのトレンドを捉え、消費者の方々へ時代に合った形で製品を届けるために新ブランドである「&H(アンドエイチ)」を立ち上げました。

実は弊社内にユニリーバベンチャーという取り組みがあります。ただの社内の新規事業ではなく、もっとアジャイルにスタートアップのようなかたちで社内起業を推進する仕組みで、このコンペティションで2020年に優勝し、生まれたブランドが「&H」です。

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「&H」はアルコールのハンドサニタイザーで、簡単に言えば“毎日の消毒を楽しくするハンドスプレー”です。
新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言発令後、弊社で何ができるのかを考えてハンドサニタイザーに行き着きました。もちろんマーケティング視点で、この先の有望市場であるという背景もありますが、私たちには社会の中の消毒、除菌という行為自体の捉え方を変えていきたいという想いがあります。

消毒という行為は基本的にネガティブです。感染したくないから消毒をする人が殆どで、ポジティブな気持ちで消毒する人なんて聞いたことがない。
では、それは本当に素敵な世の中なのかと考えた時にそうではないと感じました。だからこそ、私たちは日常のワンプッシュで胸がワクワクするようなポジティブな世の中を製品を通じて作っていきたいと考えています。
消毒も製品を通じて、自分らしく心が躍るコトに変えていきたいです。

さらにコロナ禍、働く人を応援することを目的とした時、ブランドバリューを強固にするためにも、まず最初に届けるのは法人様だと考えました。そのため今は法人様向けの販売のみとしています。今後はもちろん一般の消費者様向けにも販売の幅を広げていきたいです。

 

ecforceを高く評価する3つのポイントとは

ecforce導入の決め手と導入後の成果を教えて下さい。

導入の決め手となったのは、他社のカートシステムと比較してecforceが圧倒的にライジングスター*だからです。日本のマーケットへ特化しているだけではなく、グローバルな大企業に対応できるフレキシビリティも持っていると考えています。
*意訳:期待の星・注目度急上昇の成長株

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ユニリーバホールディングス合同会社 Assistant brand finance manager 岡島礼 氏
2022年からは、出向でユニリーバグループ ラフラジャパン経営管理部長

私たちはその上で「システムの機能性」、「支援体制」、「セキュリティアセスメント体制」の3つのポイントを非常に高く評価しています。

1つ目の「システムの機能性」ですが、ユニリーバは今回ecforceの導入に際して、分析を行う為にも細かい点まで要望を出しました。ecforceチームにとっては初めてのことが多々あったと思いますが、すべて柔軟に対応し、機能面でも弊社の要望に合わせて自由度高く実装していただきました。

弊社のようなグローバルメーカーは基本的に管理会計に基づいてビジネスを構築しています。そのため未来の経営数値を予測するのに、SKUごとの値引率の設定が必要ですし、実績値を分析する粒度も細かくなります。この点も、私たちの要望に応える形で実装して頂きました。

ここまで実現できたのは、もともとアドオンのシステム変更に耐えられる堅牢で柔軟性の高いシステムの土台ができあがっているからこそだと感じました。私たちのような大企業の要望に対しても拡張性の余地が残されているため、フレキシブルに対応できるのだと思います。

2つ目の「支援体制」ですが、ecforceのチームは信頼が置けるビジネスパートナーであると同時に、支援体制が素晴らしいと感じています。

多様性の富んだ人材が集まり、異なるファンクションの人々が共通してビジネスの全体感を抑えて仕事をしている印象です。その上で個々人が一丸となってビジネスを成功させるというマインドを持っていることは非常に刺激になりました。全員がオーナーシップを持っているからこそ、速いスピードでビジネスを推進し続けられるのだと思います。

また私たちが持っていない知見をecforceのチームからいただくことも多くあります。私たちはマスマーケティングの領域では世界でもトップクラスの会社であると自負していますが、D2C領域のナレッジや知見、リーンにブランドを立ち上げるノウハウはまだ日本では弱いので、自社でも多数のD2Cブランドを立ち上げて運営しているecforceの知見で支援*していただきました。
*ユニリーバ様にはD2C事業の成長を支援するコンサルティング&オペレーティングサービス「ecforce consulting」もご提供しています。

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例えばサイトデザインの面では、ユーザーが購買までどう進むのかをビジネス言語に落として説明していただき、開発まで支援してくださいました。また、倉庫とecforceの繋ぎの部分では、弊社のシステムと倉庫のシステム、ecforceのシステムを繋ぐため、いくつものインターフェースが生まれて複雑になります。しかし、そのプロセス構築も力強くサポートしていただいた結果、スムーズな繋ぎ込みが実現できました。

3つ目は、ecforceの「セキュリティアセスメント体制」です。

弊社では、システムセキュリティ体制にグローバル基準で監査が入りますが、ecforceには世界基準のセキュリティアセスメントに耐え得る出来るシステム基盤があり、弊社がecforceを導入することが出来た理由の一つになります。

国内のECカートシステム自体は、まだ若い企業も多く、グローバルビジネスに対応できるシステムと人材を持っていないことがほとんどですが、ecforceの担当者が英語でコミュニケーションを取ることができ、対応がスムーズだったことは非常に助かりました。

 

今後の展望について教えてください。

「&H」を伸ばしながらD2Cビジネス全体を拡張させていきたいと考えているため、国内において最先端のシステムを持っているecforceには、ぜひこれからもビジネスを大きくするために伴走していただきいです。

今後もシステムのアップデートは続いていくと思いますし、ecforceを通じてより深い分析や、我々だけでは知ることが出来ない市場ニーズをもっと理解できるようになっていくと期待しています。

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日本は人口減少に伴いマーケットが縮小していくので、一般的な消費財の消費量は下降傾向にあります。そうなると大衆向けだけではなく、個々に焦点を当てた製品を作ることが求められると考えます。
その中で、消費者の皆様に必要な製品を届ける為に生まれた一つのビジネスの形がD2Cであり、社会に求められているからこそD2Cのマーケットは拡大し続けているのだと思います。

私たちの主力製品は卸や、小売店の皆様のご協力を得て、多くの方に届けることで社会に価値を提供しており、それはこれからも変わらないと考えます。一方で、現状のやり方だけでは製品を届けることの出来ない消費者の方々もいるのではないか。そう考えております。
例えば、コロナ禍で多くの人が外出を伴う購買を控えていましたが、家から外に出ることが困難な方々の中には以前から購買体験に不便さを感じている方がいました。

今後も消費者の皆様との接点を増やしていきながらD2Cビジネスを拡張することで、より多くの方へ製品を届けていきたいです。
既存ビジネスからD2Cに切り替えるのではなく、双方を一緒に伸ばすことが消費者の皆様へ価値を提供する一つのカタチだと信じて、これからも企業として挑戦を続けていきます。

 

※掲載内容は取材当時のものです。
ecforce

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