今回は、健康食品や化粧品を展開する株式会社エポラがECカートシステム「ecforce」に移行したことによって得られた成果について、同社新規接点開発課課長の河田様にお話を伺いました。
柔軟なカスタマイズ性と豊富な機能がECカート移行の決め手に
ー株式会社エポラはどのような事業を展開していますか?
弊社エポラは健康食品やサプリメントからスタートし、現在では化粧品やヘアケア育毛剤まで幅広い商品展開をしています。通信販売を主軸としつつ、親会社である株式会社ユーグレナの技術力も活用しながら成長してきました。
今では化粧品やヘアケア商品が主力商品となっています。特に通信販売という形態が、お客様との密なコミュニケーションを可能にしている点が強みだと思います。
さらに、同社は「ミドリムシ」を活用した製品開発でも知られていますが、現在では化粧品やヘアケア商品が売上の大部分を占めており、顧客層も徐々に広がってきています。

ーecforce導入以前にはどのようなシステムを使用していましたか?
以前導入していたECカートシステムでは、定期通販に強いという触れ込みで導入したものの、実際はLP周りの管理も仕様が複雑かつ、制限が多く、モヤモヤしていました。さらに、特に重要視していたマイページ機能が充実しておらず、弊社が求める形のマイページをお客様に提供することが難しかったです。また、また運用面においても、一人で運用を行っていたのですが、日々の受注管理や分析など業務における負担が地味に大きかった印象を持っていました。
ーなぜecforceへの移行を決断したのでしょうか?
ユーグレナグループとしては、よい顧客体験を提供し、それを向上させ続けることが最優先事項となっています。それを実現するためには、柔軟なカスタマイズ性と豊富な機能を持つシステムが必要でした。ecforceはその要件に合致する選択肢だったと言えます。
特に、お客様自身でかんたんに自身の定期受注を確認・変更できるマイページ機能や、かんたんにLPの作成・編集ができるLP管理機能、購入の選択肢を広げるセット販売機能など、これまで実現したくても実現できなかった施策を可能にする点は魅力的でした。また、データ移行や運用面でのサポート体制についても信頼できる印象を受けました。他社事例を見る中で、「これなら自社でも再現できそうだ」と感じたことも大きかったです。他社の成功事例から得た安心感は社内のスタッフや上司を説得するうえで非常に重要でした。
ーECカートシステム移行時にはどのような課題がありましたか?
ECカートシステムを移行する際の課題として、やはり商品データや顧客データなどを新しいECカートシステムへ正確に紐づけできるかが課題でした。そもそものデータ量が膨大だったので、そこは大変だった印象があります。商品数が多いため、移行前には商品マスタの整備ももちろん必要ですし、運用が分かれていて散らばっていた顧客データをecforceの顧客マスタに一元化するための整備など、移行前に対応しなければいけないタスクは多くありました。しかし、ecforceの移行チームとの密な連携によってその課題は解消することができ、当初の想定よりもスムーズに移行を実現することができました。
マイページの利用率が10%→30%に向上、EC販売比率も20%→50%に
ー移行後、具体的にどのような成果が得られましたか?
顕著だった点は、3点あります。まず1つ目はマイページ利用率が以前の10%から30%まで向上した点です。お客様自身で定期受注の次回発送タイミングの確認、支払方法の変更、また定期注文のスキップやキャンセルなどを自発的に行える環境が整備されたことで、利便性が大幅に向上したのだと考えています。
次に、ecforceに移行したことでマーケティング施策の実施数が増えた点です。有期間定期(※契約期間を定めて、割引する定期商品のこと) やセット販売など施策として実現したかった販売手法を実現できるようになったり、ECサイト上にチャット形式の注文フォームを簡単に設置できる「ecforce efo」*やアンケート回答や購買情報などをもとにデータを蓄積し、パーソナライズな商品提案やサービス提供ができる「ecforce profile」*などを活用することで販売戦略として施策を実施できる幅が広くなり、販売手法が拡張されたのはとても実感しています。業務効率という面でも、以前は属人的に対応していた部分もあったのですが、施策ごとに役割を分担できるようになり、多様な施策展開にも取り組めています。
最後に電話注文とEC、オフラインとオンラインの販売比率も劇的に変化した点です。元々のターゲット層が高齢者の方向けだったので、これまで電話注文での販売が主体でオンライン経由での獲得に課題を感じていた弊社ですが、以前は20%程度だったECの販売比率が、50%まで増加しました。これは移行により、いろいろな施策ができるようになったおかげかなと正直思っています。
ーecforce導入後のサポート体制についてどう感じていますか?
導入当初は、社内メンバーのリテラシー不足もあり、弊社から無理な要望を多数出してしまいました。それでも担当者の方々には素早く根気よく対応していただきました。あえて苦言を呈するなら時折、サポートの問い合わせ時に期待する回答と微妙に異なる場合もあり、その点は改善される余地があると思います。また、定期的なアップデートによって新しい機能が追加される点は非常に良いと思います。
*ecforce efo:チャット型対話式EFO。ECサイト上にチャット形式の注文フォームを簡単に設置できるサービス。CVRを向上させ、広告投資のROIを最大化させる。
*ecforce profile:一人ひとりにあった最適なコトやモノを提案するパーソナライズシステム。訪問者の属性や購買、行動履歴などを紐解き、マーケティングに新たな可能性を提案する。
パーソナライズな情報を届け、お客様が自然と集まるECサイトを目指す
ー今後ecforceをどのように活用していきたいですか?
現状、どうしてもLPが主戦場となっていて、まだまだECサイトが主戦場になっていないと思っています。究極、お客様が何もなくてもECサイトに来ていただけるような環境を作っていきたいと思っています。その環境を実現するにあたって、例えばECサイト内にコラムが定期的にアップされていたり、ECサイトに来るとお得な情報を得ることができたり、お客様ごとにパーソナライズされた情報が展開されたり、そういった環境を作り上げていきたいですね。
まだまだ電話注文(オフライン)のお客様も多く、EC(オンライン)での販売よりも取れていないデータが多いのが実態です。EC(オンライン)のお客様を増やして、よりお客様のデータを多く取得できるような状態にし、今後はそれらのデータを活用した効果的な戦略を取っていきたいと思っています。
ーシステム移行を検討している企業へのアドバイスはありますか?
まず、自社で実現したい要件を明確化し、それをecforceに相談することが大事です。たとえ無理だと思っても一度相談してみるべきですね。ecforceの運営チームも可能性を模索しながら提案してくれると思います。また、データ移行や運用変更には慎重さが求められます。特に決済データなど重要な情報については信頼できるECカートシステムや移行ベンダーとの連携が重要です。ECカートシステムのサポート体制もしっかり確認し、自社内での教育体制も整えることがECカートシステム移行の成功への鍵となると思います。
ー本日はありがとうございました!