愛犬のためのヘルスケアブランド「MOREMOTTO」とは
ー「MOREMOTTO」の事業概要を教えてください。
天野 克哉氏(以下、敬称略):「MOREMOTTO(モアモット)」は、ワンちゃんのためのヘルケアブランドです。商品ラインナップは、かゆみ・涙やけを軽減する「フムスキンウォーター」や植物性乳酸菌と植物性DHAを配合したふりかけサプリ「フリコ」、洗い流し不要で手軽にケアできる「フォーミードライシャンプー」などがあります。MOREMOTTOでは、今ある悩みをケアするだけでなく、ワンちゃんが一生涯にわたって元気で過ごせるよう、スキンケア・インナーケア・オーラルケアの総合的なヘルスプロデュースで、パピーから高齢犬になるまでのライフタイムに寄り添う商品を展開しています。
MOREMOTTOの事業開始は2022年の初めで、現在は5名体制でブランドを運営しています。ワンちゃんのなかでも、特に小型犬〜中型犬に向けた商品の企画から製造委託まですべて自社で手がけています。弊社はもともと事業成長コンサルティングとオペレーション支援を主要事業としており、パートナー企業の成長戦略の立案やD2C事業支援・立ち上げなどを行っていました。そうしたなか、主要事業でのノウハウを自社のブランド運営に活かしつつ、その実績を主要事業のクライアント様へ還元できるのではないかと考え、自社D2Cブランドの立ち上げを視野に入れていきました。そこでワンちゃんのヘルスケア商品に目をつけました。弊社では過去に人向けのヘルスケアブランドの事業に携わったことがあるのですが、人向けの化粧品やサプリメントといったヘルスケア商品は様々な選択肢がある一方、ワンちゃん用のヘルスケア商品は種類が少なく、ワンちゃんの悩みにあった商品を入手することが難しいという課題に気が付きました。そうした課題を解決し、人と同じようにワンちゃんにあった商品を選択できる社会を目指していきたいという思いから、MOREMOTTOを立ち上げました。
現在は、自社ECサイトを主軸にAmazonや楽天市場といった大手ECモールでも販売しています。オフラインの展開はこれから本格化していきたいと考えています。先日、千葉県・柏の葉T-SITE|蔦屋書店でポップアップストアを展開し、多くのお客様に足を運んでいただきました。また、ペットと一緒に泊まれるホテルのアメニティとして導入いただいたり、ホテルの売店で販売していただいたりもしています。今後もオフラインを通じて多くのお客様との接点を増やしていきたいと考えています。
増田 湊介氏(以下、敬称略):弊社では、「MOREMOTTOどうぶつ病院 青山院」も併設し、MOREMOTTOの会員限定でオンラインの無料相談を行っています。獣医の現場では、涙やけの治療法やオススメできる商品が少なく、飼い主の方に日頃のケアを徹底していただくようお伝えすることしかできないケースも少なくありません。MOREMOTTOのオンライン相談でも涙やけを治してあげたいという飼い主の方が多いため、そうした悩みや不安をお伺いしたり、自社ブランドの商品をご紹介したりしています。その他にも、ドライシャンプーで皮膚の弱いワンちゃんを清潔に保ったり、サプリメントで内面からケアしたりなど、獣医師の医療行為では解決できないような課題や悩みをMOREMOTTOの商品を通じて解決していきたいと思っています。
天野:増田はMOREMOTTOのマーケティング領域を担当する傍ら、獣医師の資格も持っています。他にもう1名専業の獣医師がおり、2名体制で飼い主の方の対応を行っています。医療知識のあるスタッフが飼い主の方の困りごとに真摯に対応することで、飼い主の方と信頼関係を築きながら長く自社の商品を愛用していただくことを目指しています。
一時は別のカートシステムを導入、再びecforceに決めた理由とは
ー事業開始時にecforceを導入したのち別のカートシステムへ移行した理由、そして再びecforceに決めた理由はなんでしょうか。
天野:ecforceは、ECサイトを立ち上げた2022年の初めから5月頃まで導入していました。しかし、ブランド立ち上げ初期だったということもありシステムに掛けられる予算が少なく、なるべくコストを削減したいという理由で別のカートシステムへ移行しました。
しかし、移行後のカートシステムではEC/D2C業界のトレンドを取り入れるスピードがecforceよりも遅く、何か施策を行いたいという場合に機能が不足して実現できないことが多くありました。また、API連携可能なツールが少なく、場合によっては開発しなければならない状況でした。世の中のマーケティング手法は日々変化していきますし、新しいツールもどんどん登場します。そうしたなか、機能開発に数ヶ月や半年もかかってしまうと施策のスピードが落ち、開発コストなども上がっていきます。施策の幅が狭まってしまうと事業成長や売上に影響が出てしまうと感じ、再度ecforceの導入を決意しました。
ーecforceへの移行においては、なにか不安はありませんでしたか。
天野:ecforceから別のカートシステムへ移行したときには、まだブランド運営を開始したばかりでデータ量もそれほど多くなく、大きな問題はありませんでした。しかし、再びecforceへ移行を図ったタイミングでは、売上も大きくなり顧客数も増えていたので、移行によりデータが欠損してしまわないかが不安でした。実は、ecforceを再導入する際に別のカートシステムも比較検討していたのですが、そのカートシステムではデータ移行時に他社サービスを利用する仕様となっており、データ破損や情報漏洩が不安だったため見送った経緯があります。ecforceへの再移行は、すべてecforce側の社内で対応してもらえるという点で安心感がありました。
増田:私自身は途中からの入社だったため、ecforceの知識がほとんどない状態での移行だったことと、システム内の各種設定や物流システムとの整合性を図らなければならないこともあり、色々な懸念を抱えていました。しかし、そんな不安を解消してくださったのがecforceの担当者さんでした。私たちの意向に沿って対応していただいたり、エンジニアの方に掛け合って移行前のカートシステムから必要なデータをecforceに追加で移行していただいたりと、システム移行において発生する細かい対応を迅速かつ丁寧に対処していただけたのは非常に助かりました。移行作業が全て、ecforce側の社内で完結するという点は大きかったです。移行作業が完了してしばらくの間、担当者さんがずっとサポートに入ってくださり、疑問点や不安などを解消してくれました。
ecforce導入によりLTVやアップセル・クロスセルを通じたCVRが大幅改善
ーecforceを再導入して大きく変化したことはありますか。
購入直後のサンクスページでアップセルやクロスセルを促すことができるようになったことが、一番の改善ポイントだと思います。以前のカートシステムでは、サンクスページで商品を訴求したとしても、改めて個人情報の入力や確認画面への遷移が必要な設計となっていたため、サンクスオファーからのCVRが低下してしまうことが課題でした。また、弊社では「ecforce efo」*も活用しており、LPに設置しているチャットボットからもサンクスオファーを実装することができます。LTVを向上させる上でアップセルやクロスセルは有効な手段だと思うので、サンクスページからボタン1つでオファー商品を購入できる状態を実現できたのは、大きな改善点ですね。お客様にとってもストレスフリーな体験を提供できていると思います。実際にecforceの再導入によってサンクスアップセルからのCVRは200%増加、サンクスクロスセルからのCVRは180%増加し、LTVは125%向上しました。
増田:以前のカートシステムでは、サンクスクロスセルでお客様が購入すると元の受注と分かれて受注が作成されてしまう仕様でしたが、ecforceでは1つの受注にまとめて作成されるため、元々購入いただいた商品とサンクスクロスセル商品を同時に配送することが出来るようになりました。そうしたフレキシブルさもとても使いやすいと感じています。
*ecforce efo:チャット型対話式EFO。ECサイト上にチャット形式の注文フォームを簡単に設置できるサービス。CVRを向上させ、広告投資のROIを最大化させる。
ーecforceで取り組んでいる施策はどのようなものがありますか。
増田:ワンちゃんの情報をecforceの「カスタム項目機能」を活用して収集し、お誕生日にあわせて、ポストカードやワンちゃんと一緒に写真を撮れるようなグッズなどをプレゼントしています。まだ始めて数カ月ではありますが、MOREMOTTOの名称とともにポストカードのお写真をInstagramにアップしていただくなど、多くの飼い主からの反響をいただいています。こうした投稿を目にすると我々も嬉しいですし、ほかのお客様への認知も広がるため相乗効果が期待できます。これも、ecforceのカスタム項目機能を利用しなければ実施できない施策でした。 また、現在は公式LINEアカウントの運用を積極的に行っており、新規のお客様のうち40〜50%はLINEの友だち登録をしてくださっている状況です。定期購入の情報確認だけでなく、先述のオンライン相談サービスやLINE限定のキャンペーン・イベント情報なども発信しています。今後もLINEを通じて、お客様との接点を増やしていきたいと考えています。
オペレーションを改善し、業務効率化を実現
ーecforce再導入における社内の声はいかがですか。
天野:弊社のメンバーは新規チームとCRMチームに分かれているのですが、新規チームからは今まで時間がかかっていたオペレーションがかなり効率化できたと聞いています。LPに設置するタグの管理がしやすく、広告URLやLPテンプレートの構造も整理されているので、煩雑な作業がなく簡単に設定しやすい点が非常に好評です。
私が所属するCRMチームでも、定期購入の回数ごとに販売価格や送料、同梱物などの詳細を設定しやすいほか、受注の変更履歴から過去の操作内容を把握しやすく、カスタマーサポートやコールセンターの対応工数も削減することができました。こうしたオペレーションの改善により、空いた時間をコアな業務に割くことができるのは非常にありがたいです。
ーお客様からの嬉しい声はありましたか。
「ecforce chat」*の導入により、お客様自身で定期購入の情報を更新できるようになった点は好評いただいています。これまで定期購入の情報やお届け日の変更、お届け日のスキップや解約といった操作はコールセンターでしか対応できませんでしたが、現在はマイページ画面のチャットから24時間365日対応することができます。その結果、受電数を600件近く減らすことができ、ecforce chatや電話などを含めた定期の解約抑止率を10%ほど改善させることができました。
*ecforce chat:ウェブ接客自動化システム。問い合わせに対して適切な応対から提案まで自動化し、顧客LTVの向上やオペレーションコストの削減をサポートする。
ecforce chatを活用し、お客様とのコミュニケーションを強化
ー今後、ecforceを活用して実現したいことはありますか。またecforceやSUPER STUDIOに期待することを教えてください。
天野:現在実装しているecforce chatで、医療的な質問にも細かく対応できるようにしていきたいです。機能開発が必要な部分だと思いますが、質問内容に応じて途中からオペレーターが対応する形も実現していけたらと思っています。現在公式LINEアカウントで運用しているようなオンラインサービスなども、ecforce chatを用いてマイページ画面から遷移できるようにしたいです。
また、ecforce efoやecforce chatの導入にあたっては、ecforceの担当者さんにかなりお力添えいただきました。設定方法や操作について細かく教えてくださり、どうすれば我々が望むことを実現できるのか、具体的にアドバイスしていただきました。先述したecforce efoでのサンクスオファー施策を実施する際にも、我々は全く経験がなかったのですが、SUPER STUDIOの自社D2Cブランドの運営で培った知見をもとに、効果的な施策などを教えていただきました。他のecforce利用者様の施策や定量的な成果などは公開できない部分だと思いますが、SUPER STUDIOでは自社でD2Cブランドの運営を行っているので、自分たちが試してみて「この施策が良かった」というナレッジを具体的に教えてもらえる点はとても心強く感じます。今後もecforceの担当者さんと併走しながら、共にMOREMOTTOの事業を伸ばしていきたいです。
ー最後に、ecforceの導入を検討されている方へメッセージをもらえますか。
天野:昨今、多くのカートシステムがありますが、その中でもecforceの強みは圧倒的な開発力と開発スピードだと思います。毎月平均10〜20個もの新機能がアップデートされ、世間のトレンドに合わせた機能をすぐに利用することが可能です。できることは同じでも、すぐにできるかどうかで成果は変わります。カートシステムの選定は、一概にコストや機能だけで比較しづらいと伝えたいです。
増田:やはりお客様が使いやすいECサイトこそが、CVRやLTVの向上といった成果につながると考えています。少しでも使いにくいUI/UXになっているとお客様は簡単に離脱してしまいますし、お客様のユーザビリティを向上させるためにも、ecforceは魅力的なカートシステムだと思います。
本日はありがとうございました。