目的・課題

  • 新規ブランドの立ち上げと売上向上
  • 購入チャットボットの効果改善
  • データ分析による成果改善

効果

  • 売上 前年比5.7倍(2022年度)
  • 購入チャットボット経由のCVR1.5%アップ
  • 流入元分析とLP最適化による決済承認率の向上

自社の強みを活かしたコミュニティブランドの実現

「ライスカレー」という社名の由来はなんでしょうか

社名はよく聞かれるのですが、実はカレーそのものではなく、その背景に意味があります。

ある時ゴッホが好きな社員がInstagramで「ゴッホ」と検索してみたところ、世界的に有名な画家のゴッホではなく、あるカレー屋さんがトップに表示されたんです。

キーワード検索とは異なる体験で、情報が発信され続けることで、ユーザーが想定しない情報との遭遇や新たな気づきが生まれることに「コミュニティーデータの力」を感じました。これが私たちの事業を象徴する出来事となり、「ライスカレー」が社名となりました。

 

事業内容を教えていただけますか。

コミュニティデータプラットフォーム事業を軸として大きく2つの事業領域があります。

ひとつは、コンシューマー領域で、コミュニティメディアの運営とコミュニティブランドの創出を行っています。自社でコミュニティメディアを運用しているからこそ得られるコミュニティデータを、コンサルティングサービスにフィードバックできるのが私たちの強みになっています。特定のジャンルに特化したニッチメディアの運用を得意としていて、コミュニティユーザーとのコミュニケーションやインタビューができるのも特長だと思います。

コミュニティブランドの創出として、コミュニティデータを最大限に反映した商品開発を行っています。コンサルティングサービスを展開する中、商品開発を目的としたコミュニティデータの活用についてご相談いただくこともあり、弊社が自ら商品開発を行うことで私たちならではの価値を提供したいという想いも、この事業をスタートしたきっかけでした。
コミュニティブランドでは、メディアのフォロワーを商品企画メンバーと捉えて商品開発を行っているので、すべての商品にフォロワーの意見が取り入れられています。自社メディアだからこそ得られる良質なコミュニティデータが、高品質な商品開発を可能にしていると考えています。

2つ目が、エンタープライズ企業向けにいわゆるコンサルティング事業を行っているエンタープライズ領域です。SNSのアカウント運用サポートなど、企業様のSNSやコミュニティ活用のコンサルティングを提供しています。

MiiS部長 荻原 萌々佳 氏
MiiS部長 荻原 萌々佳 氏

このように、コミュニティデータを軸として、コミュニティメディア、コミュニティブランド、コンサルティングが相乗効果を得られる構造になっているのが私たちの事業の特長ですね。

 

徹底的にこだわって作ったコミュニティブランド「MiiS」で前年比売上5.7倍を実現

そのコミュニティブランドのひとつが「MiiS」(ミーズ)ですね。

運営するInstagramメディアのひとつ「MiiLabo」(ミーラボ)から生まれたのが、オーラル美容ブランドのMiiSです。
自社コミュニティデータを軸としたブランド、コミュニティブランドを作りたい!という私たちの想いを実現したブランドで、MiiS部を組成して運営しています。

商品写真

MiiSが目指しているのは、オーラル美容を広めて人々の生活を輝かせることです。
まずMiiLaboでオーラルケアに関するアンケートを実施してデータを取得し、そこで明らかになった悩みや課題を解決するための商品開発をスタートしました。

MiiLaboのフォロワーにインタビューしたり、開発過程のサンプルを使用していただいて意見を開発にフィードバックするなど、20名ほどのフォロワーの協力を得て商品化したのが現在販売しているホワイトニングジェルとマウスウォッシュです。こういったプロセスを経てブランドや商品に明確な背景やストーリーが生まれるのも、コミュニティブランドだからこそだと思います。

MiiSのブランドづくりで重視しているのはどんなことですか?

まずMiiSの商品開発に携わる私たち自身が、本当に「使いたい」「かわいい」と思うかどうかに徹底的にこだわっています。
メディアを起点に開発されたというだけでなく、妥協しない商品開発で、購入した方が自身のSNSアカウントで拡散してくれたり、インフルエンサーが紹介したいと連絡をくださったりする「愛されるブランド」になっていると考えています。

取材の様子

MiiSのEC展開について教えてください。

コミュニティブランドは大きく分けて3つのチームで運営しています。

メディアのフォロワーとのコミュニケーションも含めた商品企画や商品開発を行うプロダクトマネジメントチームと、CRMやロジスティクスを担当するCXチーム。そして、ECサイトを運営するのがプロジェクトマネジメントチームです。

MiiSでは、まずホワイトニングジェルを開発し、2021年7月にECサイトで販売をスタートしました。商品の性質上、長く利用していただきたいので当初から定期販売を主軸に考えていました。そのため、定期販売で成功している他のブランドが最も活用しているecforceを導入したのはごく自然な選択だったと思います。

当時、ECの立ち上げ経験のある社員がいなかったので、ECサイトの仕組みの把握に多少時間はかかりましたが、スムーズに導入から実運用まで開始できたと感じています。

ECサイト画面

定期購入と単品購入の利用比率は6:4ほどで、単品購入から定期購入への引き上げは注力していないながらもおよそ2%前後となっています。単品購入はモールなどでシェアが高く、メディアの投稿などのオーガニック施策の影響が大きいです。

LTVの観点を考慮すると、単品購入から定期購入への転換もある程度は必要ですが、単品購入はギフト需要や認知拡大といった定期購入とは異なる役割があると考えているので、現状は転換率の向上にはこだわっていません。
2021年7月の販売開始から約1年半で定期購入の会員数は約1万人まで増加し、全体の売上は2021年度から2022年度で5.7倍となり、大幅アップを実現しています。

 

ecforce efoの導入で、CVRは2.6%→4.1%と大幅アップ

最近ではecforce efoも導入いただいていますね

はい。それまでは他社のチャットボットを利用していたのですが、2023年3月に「ecforce efo」*に切り替えました。他社のチャットボットに大きな課題があったというより、より良い購入体験を提供できるのではという期待を込めて導入を決めました。

ECサイト画面

実際に導入してみると、レスポンスもスピーディになった上、カスタマイズの幅が広がり、ユーザー体験の面でも運用の面でも改善しました。例えば、複数のLPを並行して走らせている際に、それぞれのLPに対応したメッセージに素早く切り替えられるので、スピーディな施策展開を行っているMiiSチームにとってecforce efoは最適解だと感じています。

ecforce efoの導入により、チャットボット経由のCVRは以前のシステムと比べて2.6%から4.1%と、1.5%もアップしました。また導入後1か月程度で、チャットボット経由の購入が全体の97%近くにまでになっています。

*ecforce efo:チャット型対話式EFO。ECサイト上にチャット形式の注文フォームを簡単に設置できるサービス。CVRを向上させ、広告投資のROIを最大化させる。

 

お客様からの反応や手応えはいかがでしょうか。

今まさにマイページでのサービスや機能改善に注力しているところです。MiiSのホワイトニングジェルはフレーバーが複数あるのですが、定期購入の途中でフレーバーを変更していただけるよう、先日マイページを改修しました。

また、毎月商品を受け取るのが面倒というお客様向けに、商品をまとめて発送する手続きもマイページでできるようにしています。この実装で、お客様ご自身のニーズに合わせてマイページで変更、手続きをしてくださる方が増えていて、必要以上のアナウンスをせずともマイページの機能も便利に活用してくださっていると感じています。これも、ecforceのお客様側のマイページの使いやすさによるものだと感じています。

商品変更画面

現在、定期購入の継続率は平均80%超と高い状態をキープしています。商品はもちろんECサイトでの体験もポジティブに受け止めていただけていると感じているのですが、今後はロイヤリティプログラムや定期的なユーザーインタビューなど、さらに既存のお客様とのエンゲージメントを高める施策も計画中です。

 

流入分析とLP最適化で、CV数や決済承認率の改善を実現

ほかにもecforceの機能による効果や成果はありますか?

ひとつはスピーディにLPの最適化ができることですね。
ブランドの立ち上げ当初は、メディアやインフルエンサー発信による認知拡大に向けた施策を実施していたのですが、よりコンバージョンを重視したマーケティング戦略に変更したことでぐっと成果が上がってきました。

以前と比較すると広告LP経由の購入が最も多くなっており、今購入してくださっているお客様のほとんどはMiiLaboを知らない方たちです。そのためLPの最適化は非常に重要で、ABテストも頻繁に実施しています。 例えば先日はLP上の購入ボタンをフローティングにするテストを実施し、CV数の向上に成功しました。

ABテストの実施も簡単な上に、広告からのCVの変化もすぐに把握できるので、スピーディな判断ができて助かっています。

広告ABテスト画面

ecforce導入後の成果を教えてください。

また、さまざまなデータの取得と分析ができる点も高い成果を上げる要因になっています。 定期購入で2回目以降の決済時に、決済承認がとれず決済NGになる割合がかなり高くなってしまった時期がありました。
そこで、NGになりやすい受注の流入元をecforce上で分析し、流入元別に支払方法を組み替えたり、再度決済手続きをする際の決済方法の種類を増やしたりするなどの細かな対策を行い、決済NGの割合を半減させることに成功しました。

これも、細かな分析・設定が可能なecforceだから実現できたと思っています。もちろん、機能だけでなくサポートが充実しているのも安心して利用できる理由です。

機能に関するFAQが充実しているので、わからないことがあればすぐに調べられますし、それでもわからないことは質問や相談をするとスピード感をもって担当の方が対応してくれるので、とても助かっています。
「ecforce compass」*にも参加していて、新機能の説明も定期的に開催されるセミナーで教えていただけるので、そこで得た情報をチームで共有しながら運用に役立てています。

*ecforce compass:ecforceユーザー限定コミュニティ。EC業界を盛り上げていく仲間との交流・情報交換を行うことができる。EC運営やecforceの運用で困った際にヒントとなる知識や情報、知見などを共有できる場として活用されている。

 

ありがとうございます! それでは、今後のMiiSの新商品や目標について教えてください。

MiiSを、オーラル美容のフラッグシップブランドにするのが目標です。
そのためにオーラルケアに関わるすべてのアイテムを網羅したいと思っています。 直近では9月頃に新商品として歯磨き粉を発売予定です。現在まさに商品開発中なのですが、これもMiiLaboのフォロワーを巻き込んで、かなりこだわった商品開発をしていますので、楽しみにしていただけると嬉しいです。

取材の様子

また、販売チャネルも増やしていきたいです。
今年3月からLOFTなど小売店への流通も始まっており、オフラインでのブランディングや販売にも力を入れていく予定です。今後は購入チャネルごとにコミュニケーションを取るなどきめ細かなCRM施策も実行していきたいと思っています。オフラインとオンラインのデータ統合や分析が重要になってくるので、そのあたりにもecforceの機能を活用できるのではないかと期待しています。

現在準備中ですが、今後オーラル美容に特化した歯科サロンのようなサービスを展開していくことも検討しています。オンライン、オフライン問わず、またメーカーという枠組みにもとらわれず、「オーラル美容」という考えをスタンダードに引き上げるためのサービス展開をしていくことが目下の目標です。

 

※掲載内容は取材当時のものです。
ecforce

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