目的・課題

  • 自社ECサイトの構築によるモール依存の脱却
  • 自社ECサイトにおけるブランディングの体現・ユーザーの「ファン化」

効果

  • サイトデザインの統一によるブランディング向上
  • 自社ECサイトの新規獲得パフォーマンスの向上
  • 定期販売の実現やCRMなど顧客とのコミュニケーションの強化

モール依存を脱却し、ecforceで自社ECサイトのブランディングを実現

まず御社の事業について教えてください。

商品写真

私の実家は宮崎県都城市で三代続くしいたけ農家でした。
もともと、しいたけというのは価値の高い商品だったのですが、20年ほど前から、海外からの輸入や他業種企業の参入などで価格競争が激しくなり、次第に日本のしいたけ産業が衰退し始めました。
そんな時、九南サービスの創業者である私の父が「日本のしいたけ」というブランドを守りたいという想いで、全国のお客様に本物のしいたけを届けるために、大手ECモールで「タマチャンショップ」をオープンしたのが事業の始まりです。

私自身もちょうどそのころ東京から地元に戻ってきて事業を手伝うことになったのですが、今では多くの企業が出店しているECモールも、当時は数千店舗程度で「お取り寄せ」が注目され始めた時代でした。
しいたけがニッチな商材だったこともあり、モールの出店ページのアクセスが伸びないことに課題を感じていました。そのため、他商品の取り扱いについても検討を始め、自然食品や健康食品を少しずつ販売するようになりました。

そこから自社ECサイトを運営するに至りました。そこから、ありがたいことに会員数も年々増え続けていて、現在は全体で140万人ほどのお客様にご利用いただいており、年間の売上は約50億円にのぼります。

 

自社ECサイトに注力されたのはなぜでしょう。

ECモールTOP画面

ECモールで購入してくれるお客様が増えてきても、ECモールではブランド特有の世界観を表現することが難しく、お客様にとってはどうしてもECモールの中の一店舗に過ぎませんでした。「楽天で購入した」という体験や印象が強く、なかなか「タマチャンショップ」として認知されにくいことを実感していました。
また、そのような認知があったからか、商品のリピーターがつきづらいことも課題に感じていました。

このようなことから、タマチャンショップのストーリーや世界観を表現することでブランディングに力を入れていきたいという目標のもと、自社ECサイトの立ち上げに至りました。

取材の様子
代表取締役 兼 キャプテン  田中 耕太郎 氏

ECモールは流動性があるので、お客様が戻ってこられる場所として自社ECサイトを用意することで、リピーターを増やしたいという想いもありました。

実際にECモールのみで販売していた時は、お客様から「欠品などで欲しい時に商品が買えない」「定期購入をしたい」という声も頂いていて、お客様を第一に考えた結果として自社ECサイトの運営と定期販売の導入も行い、今では高いリピート率を継続できています。

 

ecforceを導入いただいたきっかけはなんだったのでしょうか。

自社ECサイトを開始した時は、ecforceとは別のカートシステムを3年ほど使用していました。しかし、当時のカートシステムはカスタマイズの限界があり、TOPページしか表現を変更できない状況で、理想的なUI/UXの実現が難しい点に大きな課題を感じていました。

その頃のタマチャンショップは、健康と美容にいいものを全国の皆さんに勧める「日本のおかあちゃん」というコンセプトができあがっていて、その想いを支持してくださるたくさんのファンやリピーターがいました。特に自社ECサイトを使用してくださるお客様は、商品を愛用してくださっていて熱量も高い状態でした。

自社ECサイトを運営していく中で、よりコミュニケーションデザインにこだわりたいという想いが強くなり、新規顧客の獲得やリピーターを増やす観点でもカスタマイズ性の高いecforceを導入することにしました。

ECモール商品画面

他のカートシステムも2〜3社ほど検討しましたが、デザイナーのこだわりにも対応できて、カート周りを含めたUI/UXを改善できるecforceの自由度の高さに大きなメリットを感じました。

 

お客様同士がつながるコミュニティサイトで持続可能なビジネスモデルを実現

実店舗も10店舗展開されているかと思いますが、自社ECサイトとのすみ分けはどのように考えられているのでしょうか。

(写真左)都城本店   (写真右)なんばマルイ店
(写真左)都城本店   (写真右)なんばマルイ店

店舗は「体験型」という位置づけで、あくまで自社ECサイトのタマチャンショップを体験できる場所として展開しています。店舗と自社ECサイトをいかにシームレスにつないで、ワンストップの体験を提供できるかに力を注いでいて、「食のワンダーランド」の実現を目標にしています。

現在は、新商品を月に3〜4種類のペースで出していますが、店舗では自社ECサイトで販売する前にテスト販売などを行うこともあります。主軸は自社ECサイトですが、お客様の「ちょっとここが知りたいな」という要望にも店舗でお応えできると嬉しいなと思っています。

今年(2023年)11月にちょうど20周年を迎えたことを記念して、地元で食のイベントを実施しました。
タマチャンショップだけで運営するイベントで、実際のお客様にメニュー開発から当日の販売までお手伝いいただいたファンブースもあり、準備段階からお客様の生のお声をたくさんうかがえる貴重な機会となりました。

 

本当にお客様を大切に、自社ECサイト運営をされているんですね。

はい。タマチャンショップのお客様とビジョンを共有しながらタマチャンショップのコンセプトを育んだり、商品開発に繋げたりと、持続可能なビジネスモデルを構築したいと常に考えています。

公式コミュニティサイト「タマリバ」画像

その一つの形としてコミュニティサイト「タマリバ」も運営しています。タマリバの中でお客様同士がおすすめ商品の話題で盛り上がったり、商品を使ったレシピを提案し合ったりと、驚くほど自然な形で口コミが発生しています。
お客様同士で交流が活発化することにより、こちらが意図せずとも商品の魅力が発信されていて、そこから実際の購入に繋がっているため、すごく理想的なコミュニティ形成ができています。

こういったタマチャンショップのファンになってくださるお客様との村づくりをしていきたいと思っています。そういう意味でも自社ECサイトはタマチャンショップの心臓部となっています。

現在3回以上リピート購入してくださっているお客様が全体の70%を超えていて、これが私たちの強みだと感じています。

 

ecforceのLP作成機能により、カゴ落ちの割合を20%改善

素敵ですね。一方で、新規顧客の獲得や新しい世代の獲得といった取り組みはされているのでしょうか?

先ほど申し上げたとおり、タマチャンショップは「日本のおかあちゃん」というコンセプトで美容や健康にいいものにこだわった商品を展開しています。
そのコンセプトに賛同してショップを利用してくださっているファンのご家庭では、生活にタマチャンショップが根付いていて、ご家族に継承されているんです。
私たちとしては新規獲得に注力するというより、ファンの方々のご友人やお子さんとの会話の中で商品を話題に挙げていただけるよう力を注いでいます。

ただ、もちろん広告での新規獲得の施策も実施していますし、そこにはecforceのLP作成機能が大きく貢献しています。
ecforceの導入前は、LPの個人情報の入力フォームにおいてわかりづらい箇所があったり、ブランドの世界観が統一されていないことが原因で、当時のLP経由のアクセスは6割近くカゴ落ちしていました。

フォーム一体型LP画像

ecforceを導入したことで、入力フォームを含めた購入導線や操作性が大きく改善されたことにより、LPからのコンバージョン率が20%ほどアップしました。
また、LPの分析がわかりやすいため、PDCAも回しやすいところが助かっています。

 

定期購入の利用者は増えていますか?

当初、定期購入はお客様からのリクエストでスタートしましたが、適切なサイクルを2週間と1か月のどちらにすべきか、などの設計には苦労しました。
今では2万人ほどのお客様に定期購入をご利用いただいているのですが、長く飽きずに続けていただけるよう、途中でフレーバーなどを手軽に変更していただけるようにしています。

現在は、新規購入者の多くは定期商品を購入してくださっています。初回はモールで商品を買ってくれた方が、商品を検索して自社ECサイトに流入し、定期商品を購入してくださるといった流れが作れていると思っています。

取材の様子

 

タマチャンショップのファンであるお客様を最優先に考えたコミュニケーション

「村づくり」のお話もありましたが、CRMは具体的にどんな取り組みをされているのでしょうか。

2年ほど前からLINEの活用に注力しています。ecforceとLINEを連携させることで、購入してくださったお客様との継続的なコミュニケーションを取れるようにしています。
健康と美容のためには継続することが重要なので、LINEでお客様に合わせたコンテンツを届けるのが目的です。
現状は購入者のうち半数近くのお客様はLINEを登録してくださっていて、LINEから商品の到着確認や定期商品の味の変更、定期解約などもできるようにしているので、お客様にとってメリットも大きいと思います。

LINE連携の画像

このような導線の実現も、お客様のユーザビリティの改善に繋がり、高い継続率を維持できている要因だと考えています。

 

自社ECサイト「タマチャンショップ」について、お客様からの評判はいかがですか?

正直なところ、モールでは「ここが見にくい」、「どうしてこの情報がこの位置にあるの」などの意見をいただくことがありますが、自社ECサイトではそういったご指摘は全くないので、サイトの使い勝手にはご満足いただけていると思っています。

 

オンライン×オフライン×グローバルでタマチャンショップを次のステージへ

ecforceのサポートについてはいかがでしょうか。

とにかく私たちのビジネスを理解し、寄り添ってサポートしてくれるので、私たちも何でも相談しやすい関係ができていますね。
「あれはいつできますか?」「こういう機能は作れませんか?」と気になることがあればすぐお伝えしますし、スピーディかつ丁寧に対応いただけるので助かっています。

これからecforceに求めるのは、オムニチャネル対応の強化です。
先ほどお話ししたように、当社は実店舗と自社ECサイトのシームレスな連携を図っています。
オンラインに比べてオフラインの弱いところは、常時コミュニケーションをとるのが難しいところです。
購入後にレシピなどの関連情報が届くといったオンラインならではの強さをオフラインでも活かしながら、オムニチャネル化を促進できるようになってほしいと思っています。

 

今後の目標や目指す方向性を教えてください。

取材の様子

お客様の「ファン度」をより高めながら、3年後には売上100億円のステージを目指しています。

また、中長期的には二つの取り組みを実現したいと思っています。

一つ目は海外展開、越境ECです。
当社のプロジェクトとして、日本が誇るプロダクトをもっと世界に届けていきたいという想いがあります。
今は国内向けに自社ECサイトを作っていますが、海外からのアクセスにも対応した、見やすくて読みやすいサイト設計に少しずつ取り組んでいきたいと考えています。

二つ目が、AIを活用したマーケティングのオートメーション化ですね。
例えば、オフラインのスタッフのように個々のお客様に対しておすすめの商品を提案したり、お客様が夜中に問い合わをされたときにAIが一次回答した上で、重要な部分をスタッフがフォローしたりといったことが、近い将来できるようになると思います。
お客様にとってより利便性の高いサービスやコミュニケーションを実現できるよう、我々も進化していきたいです。

何より、今後も変わらずお客様と二人三脚で並走していけたら幸せだと思っています。

 

※掲載内容は取材当時のものです。
ecforce

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