この記事でわかること
「ECサイトと実店舗ビジネスの違いや現状が知りたい」「ECサイトの実店舗を連携させるメリットと実現できることが知りたい」と考えている方は多いでしょう。
ECサイトと実店舗はオンラインとオフラインで集客を実施する場所が異なります。両者を連携させることで、それぞれの長所をいいとこ取りすることが可能です。
この記事では、実店舗とECサイトのビジネスの違いやそれぞれの店舗数の推移、両者を連携させるメリットや実現できること、注意点についてご紹介します。
実店舗とECサイトを連携させて、自社ビジネスの仕組みを強化しましょう。
実店舗とECサイトの違い
実店舗とECサイトの違いは、次の3つの点にまとめられます。
- 営業時間・対応できる時間帯が異なる
- コミュニケーション方法が異なる
- 運営コストの規模が異なる
実店舗とECサイトでは、対応できる時間帯が異なります。実店舗は決まった営業時間内でしか対応できませんが、ECサイトでは24時間対応可能です。コミュニケーション方法もオフラインとオンラインでは異なり、運営コストについても大きく異なります。
実店舗とECサイトの店舗数の推移
実店舗が一部のコンビニなどの業態をのぞいて減少傾向です。その一方で、ECサイトは増加傾向にあり、オンラインでの出店が一般化しつつあります。
経済産業省が発表した『令和4年度 電子商取引に関する市場調査』によれば、BtoC向けのEC市場が拡大しつつあり、それに伴ってEC化率も伸び続けているのです。
年度 |
EC市場規模 |
EC化率 |
2022年 |
13兆9,997億円 |
9.13% |
2021年 |
13兆2,865億円 |
8.78% |
2020年 |
12兆2,333億円 |
8.08% |
2019年 |
10兆515億円 |
6.76% |
2018年 |
9兆2,992億円 |
6.22% |
そのため、実店舗ビジネスに加えてECサイトも活用するのが賢い選択肢でしょう。
実店舗とECサイトを連携させる3つのメリット
実店舗とECサイトを連携させるメリットは、主に次の3点にまとめられます。
- ユーザーのお買い物体験を向上できる
- データに基づいたマーケティングがおこなえる
- 機会損失をへらす効果がある
連携させることで生まれるメリットを確認して連携に向けた検討材料にしましょう。
1.ユーザーのお買い物体験を向上できる
実店舗とECサイトを組み合わせることで、お買い物体験を向上し、満足度をアップさせる効果が期待できます。実店舗を訪れる時間がない顧客でもECサイトで気軽に商品を購入できたり、ECサイトで気になった商品に目星をつけた上で店舗を訪れることで、お買い物にかかる時間を大幅に削減できたりなど、顧客が受けられるメリットは大きいです。
2.データに基づいたマーケティングがおこなえる
実店舗とECサイトを組み合わせることで、実店舗での購入履歴やECサイト上での閲覧履歴・購入履歴をもとに、顧客ごとのデータ分析をおこなえます。データに基づいて定量的に分析できるので、最適化されたマーケティングをおこなえる可能性が高まるでしょう。
3.機会損失をへらす効果がある
データに基づいて定量的に分析することで、現状のマーケティングの課題や問題点が明らかになるので、改善に向けた効果的なマーケティングを実行できます。その結果、顧客にとってベストな接客や販売方法を実施でき、機会損失をへらす効果も期待できるのです。
実店舗とECサイトの連携で実現できること
実店舗とECサイトの連携で、次のようなことが実現できるようになるかもしれません。
- ネット注文して店舗受け取りが可能に
- ポイントの共通化
- ネットクーポンやキャンペーンで店舗へ誘導
- 実店舗の顧客をネットのサブスク販売に誘導
- 返品対応をスムーズにおこなえる
- 店舗での取り置き・取り寄せ
- スタッフによるライブコマースの実施
ここでは、両者を連携した場合に実現できる事柄について確認しましょう。
1.ネット注文して店舗受け取りが可能に
ECサイトで商品を注文すると発送手数料が高くついてしまうこともありますが、実店舗と連携して店舗受け取りにすることで送料をおさえながら注文できるようになります。実店舗に訪れてもらうきっかけを作ることで、さらなる売上アップも見込めるでしょう。
2.ポイントの共通化
実店舗とECサイトで貯めて使えるポイントを共通化することで、顧客が実店舗もECサイトもどちらも利用しやすくなります。どちらかしか使えないポイントだと、ユーザーが実店舗に行けずに機会損失してしまいますし、ユーザーがECサイトではなくて実店舗でお買い物したい場合には、ほかのお店に顧客が流出してしまう可能性があります。
自社商品・サービスの購入の流れを持続させるためにも、ポイントの共通化は重要です。
3.ネットクーポンやキャンペーンで店舗へ誘導
ECサイト経由で実店舗限定クーポンやポイントアップキャンペーンなどを告知することで、ECサイトの利用者を実店舗に誘導する流れも作れます。とくにアプリのプッシュ通知やメールマガジンは、潜在顧客に対して効果的にアピールできるのでおすすめです。
4.実店舗の顧客をネットのサブスク販売に誘導
長期的に使用することが想定される商品は、定期販売やサブスクに誘導するのもいいでしょう。実店舗に訪れた顧客に対してお得な定期販売をおすすめして、ECサイトでの契約をうながすことで、実店舗のスタッフに追加の業務負担がかかることはなく、その上で企業としては継続的に売上をあげることができます。
5.返品対応をスムーズにおこなえる
洋服や化粧品など、実物を見ないと失敗してしまう可能性があるジャンルの商品をECサイトで販売している場合は、近隣の実店舗で返却できる仕組みを作るのもおすすめです。返却をスムーズにおこなえることで、顧客満足度の向上につながるでしょう。
6.店舗での取り置き・取り寄せ
ECサイトで事前に買いたい商品を取り寄せて取り置きできる仕組みがあれば、実店舗で欲しい商品が買えずに落胆してしまうリスクをへらせます。ECサイトだけでは把握しにくい洋服や時計、ジュエリーなどの商品には、実店舗に取り寄せて試着してもらうような仕組みを設けることで、顧客が安心してお買い物できるようになるでしょう。
7.スタッフによるライブコマースの実施
店舗スタッフが商品を実際に使っている様子を画像や動画でアップしたり、ライブコマースで実演販売したりして、店舗とECサイトの売上をどちらものばす取り組みを実施している企業も。実店舗とECサイトの垣根を超えたマーケティング手法に活用できます。
実店舗とECサイトの連携で注意すべきこと
実店舗とECサイトの連携で注意すべきは、現場スタッフへの周知に務めることや実店舗とECサイト双方に顧客の流入をうながす必要がある点です。
具体的な注意点を知って、実店舗とECサイトの連携に役立てましょう。
現場スタッフの協力が必要不可欠
実店舗とECサイトを連携する際は、現場スタッフの理解が求められます。集客戦略の一環であることを周知して、必要な接客や販売戦略を実行していく必要があるでしょう。スタッフとの認識のすり合わせと綿密なコミュニケーションを心がけることが重要です。
実店舗やECサイトへの流入を促す必要がある
実店舗とECサイトを連携するなら、積極的に実店舗からECサイト、ECサイトから実店舗へとユーザーを回遊させる必要があります。実店舗を訪れた顧客に対してはECサイトでキャンペーンの実施や限定商品の販売などを伝え、ECサイトを訪れたユーザーに対しては、実店舗で試着やお取り寄せが可能であることなどを周知することで、顧客が実店舗とECサイトを往来する循環ができあがり、効果的な売上アップにつながるはずです。
実店舗とECサイトを連携して、顧客満足度を向上させよう!
この記事では、実店舗とECサイトのビジネスの違いや両者を連携させるメリット、実現できること、具体的な注意点についてご紹介します。
実店舗とECサイトをうまく連携することで、実店舗とECサイトを回遊する流れが生まれ、さらなる売上アップと長期的な顧客獲得につなげられます。
実店舗とECサイトの連携で業務を効率化しながら、顧客満足度をアップさせましょう。
※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月