この記事でわかること
自社のサービスを改善する際に、よく「ユーザーの声を聞いて〜」や「ユーザーの意見を取り入れて〜」などユーザーボイスを活かそうとするショップは多いのではないでしょうか?
中でもコールセンターでの解約抑止につなげるために「どういった理由でやめるのか」をヒアリングしているショップも多いことでしょう。
しかし実際に解約理由をヒアリングしてみると、解約理由の大半が「価格が高い」「自分には合わない」などの理由に収斂してしまい、なかなか解約抑止につながらないことはよくあることです。
「ユーザーの声を聞く」を真に受けると「価格を下げればよいのか?」「成分を変えればよいのか?」など、方針が迷走することになりかねません。
そこで今回はD2Cの定期通販において、コールセンターから日々上がってくるユーザーボイスを正しく分析し、解約抑止につなげるコツをご紹介したいと思います。
この記事を最後までご覧いただいた方のために、事業にすぐ使える実践フォーマットを配布させていただいております。ぜひご活用下さい。
これからECカートを決める方・いまのECカートに満足してない方へ。以下の記事にも、あなたのお悩みが解決する情報が満載です。
【ECサイト構築サービス22個の比較表】おすすめ国産SaaS型ECシステムもご紹介
4つのECサイト構築事例。新鋭D2Cブランドの動向から読み解く「狙い」とは?
コールセンターで解約理由を取るべき2つの理由
まずは「解約理由の分析の必要性」についてです。
ほとんどのショップが、コールセンターで解約を受け付ける際に、解約理由を取得していると思います。
しかし、もし取得していない場合はすぐにでも取得するよう運用を見直した方が良いです。
理由としては
① 自社の商品がなぜ解約されているのかの原因分析のため
② 商品に万が一、健康リスクや商品トラブルがあった際の迅速な検知のため
の二点となります。
①自社の商品がなぜ解約されているのかの原因分析のため
言わずもがなですが顧客から直接解約する理由を聞くことができるため、商品改善や同梱物、メールマガジンなどの施策に活かすことが可能となります。
②商品に万が一健康リスクや商品トラブルがあった際の迅速な検知のため
万全を期して商品をリリースしていると思いますが、万が一の健康被害や商品に不具合があった場合は保健所や行政からの指導が入ることになります。
その前にユーザーの声から検知することで被害を最小限に抑え、回収などの対応をすることができます。
上記の2点が主な目的となります。
解約理由を取得しなければならない理由はご理解いただけたでしょうか?
解約抑止にユーザーの意見を正しく取得する必要性
ユーザーの解約理由を取得する必要性が理解できたところで、次に重要になるのが、解約理由を正確に把握することです。
当然、正確に把握できなければ解約抑止につなげることなどできません。
よく解約理由としてヒアリング項目のカテゴリー分けにあげられるのが「肌に合わない」「価格が高い」だと思います。
コールセンターでも特に多い項目は上記ですが、仮に自身が定期商品を購入しているユーザーだった場合、解約するときにどのような理由で伝えるでしょうか?
「ちょっと肌に合わなくて。。」とか「毎月続けるには金額が高くて。。」と言うのではないでしょうか?
つまり「肌に合わない」等の解約理由はユーザーが言いやすい解約理由ということです。
もちろん実際に肌に合わないユーザーや金額を高いというユーザーもいると思いますが、解約ユーザーの大半が「肌に合わない」ことはないでしょう。
そのため、ユーザーの声を額面通りに受け取って成分を変更したり価格を変更してしまうと本来の解約理由がわからないばかりか、正しい解約抑止つなげることができなくなってしまします。
解約理由の裏側にある心理を引き出すコツ
大切なことは解約理由を聞くだけで終わらず、解約理由の深堀りを行うことです。
例えば「価格が高い」という解約理由については大まかに2種類に分類できます。
①収入の状況から、継続して購入するのが難しい(経済的に継続が難しい)
②支払った金額に対して商品の満足度が低い(商品期待値に対して満足度が低い)
①のユーザーに関しては解約を抑止する手立てはありませんが、②のユーザーに関しては「商品満足度が低い」という本質があるため、商品に対しての満足度を上げる施策を行うことで解約抑止が可能になります。
ここで気をつけたいのが、「商品の満足度が低い=商品の品質が低い」ではなく、「商品の満足度が低い=期待していた効果を得られていない」ということです。
この本質を捉えたトークスクリプトに変えることで、適切な解約抑止につなげることができるのです。
また、トークを進めていく中でさらにお客様の本音がヒアリングできれば、商品の改善など、具体的な方針に落とし込んでいくことも可能となります。
このように解約理由のカテゴリー分けを考える際に、ユーザーの立場に立って解約の理由にしやすい項目は、さらに細分化して言葉の裏を読み取れるように考慮しておくことが大切です。
ところで、EC・D2Cビジネスを総合支援するecforce consultingをご存じですか?
2022年1月時点で50件近くの支援実績があり、有名ブランドを陰で支える知る人ぞ知るサービスです。常に最新のトレンド・情報にアップデートしているので、まずはお気軽にご相談ください。
ecforce consultingへのお問い合わせ
解約理由から解約抑止率を改善させた事例
実際に「価格が高い」というユーザーに対して返すトークの実例を以下に記載しますので、ご参考にしてみてください。
① 1~2ヶ月しか継続していないユーザー
・私(オペレーター)も使用しているのですが、3~4ヶ月くらいから周りに「最近肌きれいだね〜」って言われるようになったんですよ。
・半年以上継続されてるお客様から「最初は効果ないと思っていたけど続けてよかった」という声をいただくことも多いですよ。
などと、まずは長期間続けることで実感が得やすいということをユーザーへ伝え、「今やめるともったいない」という意識を与えるトークを行います。
② 3~6ヶ月以上継続しているユーザー
・始める前と比較して最近お化粧のノリとかはいかがですか?
・以前より〇〇が気にならなくなったりしていませんか?
など、「効果は出ているけどユーザーが気づいてないだけ」というようなトークを行い「そういえばそうかも...」という意識をユーザーに与えます。
もちろん医薬品ではない場合は具体的な効果を謳うことはできませんが、記事広告やLPで謳っていることをオペレーターという第三者から伝えることで、より納得感のある情報としてユーザーに伝えることができます。
実際に上記のトークを解約抑止の一部として使用することで、解約希望に対する解約抑止率が5%ほど向上しました。
解約理由を引き出す方法はユーザボイスの細分化
どのショップでも行っている「解約理由の分析」ですが、最初にヒアリング項目のカテゴリ分けを行い、その後にカテゴリの見直しや深堀りを行っていないショップは多いのではないでしょうか?
ユーザーの声を正しく反映させるためには蓄積されたユーザーボイスの細分化が必要になってきます。
事業を健全に成長させるために一度見直ししてみてはいかがでしょうか?
D2Cブランド事例:自動解約抑止率19.6%・CSコスト80%削減
D2Cブランドにおいて定期通販を展開する場合、当然ながら解約抑止、それにともなうカスタマーサービス(CS)コスト削減は最重要課題です。
それにも関わらず、事業者は売上作りに必死でCS改善にほとんどリソースが使えない現実がありますが、CS改善を怠ると場合によっては公的機関からの指摘にも繋がるため、早急な対応が必要です。
ちなみに現在ではチャットボット活用が主流になってきており、多くのD2Cブランドがチャットボットを採用し始めています。
チャットボットの利点をまとめると、以下の3つにあります。
・工数削減
・ノウハウの汎用化(CS担当者に頼る必要がない)
・データドリブンなPDCA
実際にチャットボットを活用した弊社実績もあり、これらの利点を活かした結果、自動解約抑止率19.6%、CSコスト80%削減を実現しています。
さて、ここまで読んでいただいた方に、お伝えしたいことがあります。
「コールセンターKPI管理FMT」が無料ダウンロードできます!
- リスクの低い事業運営をする上で必須な、コールセンターの健康状態をデイリーで把握
- 消費者センターへの入電数や、コールセンターの対応状況を可視化することで事業リスクの高まりを事前に把握して致命的なトラブルになる前の対処が可能な状態に
- リスクチェック観点での健康状態把握だけではなく、定期販売の解約抑止提案率、抑止成功率を可視化することで事業全体のLTV改善にも活用が可能
ダウンロードはこちら
※問い合わせ内容に「コールセンターKPI管理FMT」とご記入ください。【ご提供の背景】
昨今のEC・D2C事業において、新規顧客を増やし、売上成長をし続けることも大事ですが、リスクのない事業運営も同じく重要。特に、コールセンターは顧客対応の要になるタッチポイントであり、消費者庁等からのリスク指摘を受けるEC事業は往々にしてコールセンター管理を蔑ろにしており、必ずと言っていいほど「電話応答率≒消費者への適切な向き合い」が低い状態にあります。
コールセンターの稼働状態を適切に把握し、リスクに直結する数字の変動に対して日々対処できる状態を構築することで、事業規模が大きくなっても事業リスクがつられて上がっていかない状態の実現が可能です。
また、既存顧客に“継続的に”自社ブランドの商品を購入してもらうのはとても重要なこと。つまり、デジタルタッチポイントだけではなく、コールセンターも活用したCRMでいかに質の高い施策を、(単発ではなく)組み合わせて走らせるかが大事になります。
多くの施策が混在すると管理が煩雑になるのは必至。上記のCSリスク把握とCRMアクション結果の管理にフル活用できるのがこの「コールセンターKPI管理FMT」です。
私たちは、D2C顧客体験型ECプラットフォーム「ecforce」を通じて、様々なクライアント様と向き合いサポートしてきた知見を集積してFMTをつくりました。この御社の事業に貢献できましたら幸いです。
当フォーマットは自社で運営しているD2Cブランドでも日々活用している内容です。
ダウンロードはこちら
※問い合わせ内容に「コールセンターKPI管理FMT」とご記入ください。
※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月