基礎知識

Tシャツ販売の利益率はどのくらい?成功のコツや販売価格の決め方も

Tシャツ販売の利益率はどのくらい?成功のコツや販売価格の決め方も

この記事をシェア

この記事でわかること

    Tシャツ販売の利益率の目安は20〜30%

    文字が描かれた木のブロック
    Tシャツ販売における利益率は、一般的に20〜30%が1つの目安とされています。利益率とは、売上全体の中でどれだけ利益を確保できているかを示す指標で、ビジネスとして継続できるかを判断する重要な数値です。

    <計算式>
    利益率(%)=(利益額 ÷ 売上金額)×100

    Tシャツの販売価格は自由に設定できるため、原価や手数料を把握したうえで価格を調整すれば、目標とする利益率に近づけることが可能です。

    原価率や利益率とは?計算方法・業界別の目安・販売価格の決め方を解説

    利益額の求め方

    利益額とは、Tシャツ販売によって得た売上から、商品原価や販売に必要な経費を差し引いた後に残る金額を指します。

    <計算式>
    利益額(円)=売上金額(円)-商品原価(円)-諸経費(円)

    たとえば、1枚2,800円でTシャツを販売し、本体価格が1,300円、印刷費・送料・決済手数料などの諸経費が900円かかった場合、利益額は600円となります。利益額を正しく把握することで、価格の見直しやコスト削減の判断がしやすくなり、収益改善につながります。

    原価の内訳

    原価とは、Tシャツを製作・販売するために必要な費用を合計したものです。利益率を正しく把握するためにも、どの項目にコストがかかっているのか明確にしておきましょう。

    • Tシャツ本体の仕入れ費用
    • プリントや加工にかかる費用
    • デザイン制作費
    • 梱包資材・包装費
    • 送料
    • ECサイトの販売・決済手数料

    利益率のシミュレーション

    Tシャツ販売の収益構造は、実際の数字を当てはめて考えると、より具体的にイメージできます。ここでは販売価格や原価の異なる2つのシミュレーション例を紹介します。

    販売価格 原価・諸経費 利益額 利益率
    3,000円 2,100円 900円 30%
    2,800円 2,200円 600円 約21%

    このように、販売価格や原価のわずかな違いによって利益率は大きく変動します。事前に複数パターンをシミュレーションしておくことで、無理のない価格設定や利益確保につなげやすくなります。

    アパレルブランドの立ち上げに専門資格は不要!求められるスキルや開業方法をご紹介

    Tシャツ販売の利益率を上げる5つの方法

    ペンでグラフをさす女性

    Tシャツ販売の利益率を上げる5つの方法

    画像Alt:ペンでグラフをさす女性
    Tシャツ販売で安定して利益を出すには、利益率を意識した運営が欠かせません。ここでは、売上構造を大きく変えずに取り組める、利益率アップの具体的な方法を5つ紹介します。

    1.客単価を上げる

    客単価とは、購入者一人あたりが支払う金額のことです。Tシャツ販売では「1点あたりの価格」と「1人あたりの購入枚数」を意識することで、効率よく売上と利益を伸ばせます。
    1点あたりの価格を高めるには、品質やデザイン性に加え、話題性や限定性といった付加価値を明確に伝えることが重要です。価格だけで判断されにくくなり、納得感のある購入につながります。
    一方、購入枚数を増やすには、色違いやペアでの着用を想定した提案、まとめ買いの特典などが効果的です。無理な値上げに頼らず、購入体験を工夫することが客単価アップのポイントです。

    2.客数を増やす

    Tシャツ販売で利益を伸ばすには、客単価の向上に加えて、購入してくれる人数を増やすことも重要です。客数は「商品ページや店舗を訪れた人数」と「その中で実際に購入に至る割合」に分けて考えられます。
    訪問者を増やすには、集客力のあるECモールを活用したり、SNSや広告を使って継続的に情報発信を行ったりする方法が効果的です。
    一方、購入率を高めるには、デザインの魅力や希少性を打ち出し、「今買う理由」を明確に伝えることが求められます。集客と購入率の両面を意識することで、安定した客数の増加につながります。

    3.原価を下げる

    利益率を高めるには、販売価格だけでなく原価を見直すことも欠かせません。ただし、安さだけを重視すると品質が下がり、結果的に売上やリピート率を落とす原因になります。原価削減を行う際は、制作工程の簡略化や不要な加工を省くといった方法が有効です。
    また、Tシャツ1枚あたりのコストは印刷方法や発注ロットによっても変わるため、条件に合った方式を選びましょう。品質を保ちながら無理のない範囲でコストを調整することが、安定した利益につながります。

    4.仕入れコストを下げる

    仕入れコストを抑えることは、Tシャツ販売の利益率を高めるうえで重要なポイントです。方法としては、条件のよい業者を比較検討して選ぶことや、発注量を増やして1枚あたりの単価を下げることが挙げられます。
    ただし、大量仕入れは在庫が売れ残るリスクも伴うため注意が必要です。コスト削減と安定的な経営を両立させるため、売れ行きや販売計画を踏まえ、無理のない数量で仕入れましょう。

    5.諸経費を抑える

    利益率を高めるためには、仕入れコストだけでなく、販売や運営にかかる諸経費の見直しも欠かせません。Tシャツ販売の主な諸経費は、人件費や送料、販売手数料などです。
    たとえば、発送方法を工夫したり、手数料の低い販売サービスを選んだりすることで、コスト削減が期待できます。また、実店舗を持たずオンライン販売に注力すれば、家賃などの固定費を抑えることも可能です。

    Tシャツ販売ビジネスを成功させる5つのコツ

    コインの上に浮かんだ電球マーク
    利益率を高めるだけでなく、長く続けられるビジネスにするためには工夫が必要です。ここでは、商品企画から集客まで、Tシャツ販売を成功に導く実践的なコツを解説します。

    1.売れるTシャツをリサーチする

    Tシャツ販売を成功させるには、売れている商品の傾向を事前に把握することが欠かせません。デザインや色、サイズ感は性別や年齢によって好みが分かれるため、ターゲットを意識したリサーチを行います。
    SNSやECサイト、実店舗を参考に、どのようなデザインやテーマが支持されているのかを確認しましょう。流行や季節性を踏まえて商品企画を行うことで、購入されやすいTシャツを作りやすくなります。

    2.ターゲット層を決める

    Tシャツ販売をする際は、誰に向けて商品を届けるのかを明確にしましょう。年齢層や性別、趣味・ライフスタイルなどを具体的に想定することで、デザインの方向性や価格帯、販売方法が定まりやすくなります。
    ターゲットが曖昧なままでは魅力が伝わりにくく、購入につながりません。着てほしい人物像をはっきりさせることで、商品設計や情報発信に一貫性が生まれます。

    3.デザインにこだわる

    Tシャツ販売で差別化を図るには、デザインへのこだわりが欠かせません。デザインはブランドの個性そのものであり、購入を決める大きな要素です。売れ行きが伸びない場合は、販売方法だけでなく、デザインがターゲットに合っているか見直しましょう。自作が難しい場合はデザイナーに依頼するのも1つの方法です。

    4.独自のサービスを展開する

    Tシャツ販売で他店と差をつけるには、商品以外の部分でも価値を提供することが求められます。たとえば、まとめ買い割引や期間限定キャンペーンを実施すれば、購入のきっかけを作りやすくなります。
    さらに、ペアやグループで着られるデザインの提案や、購入特典・ノベルティの付与も効果的です。小さな工夫でも「ここで買いたい」と思わせる要素となり、ブランドの魅力向上につながります。

    5.SNSで発信する

    Tシャツ販売では、SNSを活用した情報発信が集客や認知度向上に効果的です。写真や動画を使って、色味やシルエット、着用イメージが伝わる投稿を行いましょう。実際に着ている様子を見せることで、購入後のイメージが湧きやすくなります。

    Tシャツの販売価格の決め方

    ハンガーにかかった白いTシャツ
    Tシャツ販売では、価格設定が利益を大きく左右します。基本は「販売価格-原価=利益」という考え方ですが、感覚だけで決めるのは危険です。ここでは、原価や利益率を基準にした、失敗しにくい販売価格の決め方を紹介します。

    1.原価率で計算する

    原価率で販売価格を決める方法は、原価が販売価格の中でどの程度を占めるかを基準にする考え方です。

    <計算式>
    販売価格=原価 ÷ 原価率

    たとえば、Tシャツの原価が1,200円で、原価率を45%に設定する場合、販売価格は「1,200円 ÷ 0.45=約2,670円」です。
    この方法を使えば、原価を下回る価格設定を防ぎやすくなります。原価率を低めに設定するほど販売価格は高くなり、利益を確保しやすくなるため、目標とする利益に応じて調整しましょう。

    2.予定利益率で計算する

    予定利益率で販売価格を決める方法は、「どれくらいの利益を確保したいか」を先に決めてから価格を逆算する考え方です。

    <計算式>
    販売価格=原価 ÷(1−予定利益率)

    たとえば、Tシャツの原価が1,500円で、予定利益率を25%に設定する場合、販売価格は「1,500円 ÷(1−0.25)=2,000円」です。
    この方法を使えば、目標とする利益水準を明確にしたうえで価格設定ができます。利益率を高く設定するほど販売価格も上がるため、市場相場とのバランスを見ながら調整することが重要です。

    売上アップにつながる販売価格の決め方は?計算方法や原価率を抑えるコツを解説

    Tシャツが売れないときの見直しポイント

    ポイントの文字を書く人の手
    思うようにTシャツが売れない場合は、やみくもに続けるのではなく原因を整理することが大切です。ここでは、売れ行きを左右しやすいポイントを中心に、見直すべき点を解説します。

    デザインは魅力的か

    Tシャツが売れない場合、まず見直したいのがデザインです。どれだけこだわって作っても、購入者が魅力を感じなければ手に取ってもらえません。作り手の好みだけに偏らず、トレンドや流行色、今のニーズが反映されているかを確認しましょう。

    価格設定はターゲット層に合っているか

    Tシャツが売れない原因として、価格とターゲット層のズレが考えられます。利益を優先しすぎた価格設定では、購入をためらわれる可能性があります。特に立ち上げ初期は、競合商品の価格帯や市場相場を参考にすることが大切です。
    相場より高い価格にする場合は、素材の品質や着心地など、納得してもらえる理由をしっかり伝えましょう。想定している客層の年齢や価値観と価格のバランスを見直すことが改善につながります。

    集客はできているか

    どれほど魅力的なTシャツでも、認知されなければ購入にはつながりません。ECサイトに出品しただけで安心せず、SNSやブログ、SEO対策などを活用して積極的に情報発信を行いましょう。
    売れ行きが伸びない場合は、アクセス数や投稿への反応を確認し、ターゲットに合った集客方法が実践できているかを見直してみてください。

    Tシャツ販売に関する注意点

    注意マークの上に置かれた虫眼鏡
    Tシャツ販売は始めやすい一方で、見落としがちな注意点も存在します。トラブルを防ぎ、安定した運営を続けるために、事前に押さえておきたいポイントを確認しておきましょう。

    デザインは著作権に気をつける

    Tシャツを販売する際に特に注意したいのが、デザインの著作権です。インターネットやSNSで見つけた画像、アニメや映画のキャラクター、ブランドロゴなどには、基本的に著作権や肖像権が存在します。
    たとえ個人利用のつもりであっても、第三者の著作物を無断で使用して販売すると、著作権侵害となり、損害賠償請求や罰則を受ける可能性があります。オリジナルTシャツとして販売する以上、デザインは自作のものを使用するか、商用利用が許可された素材を選びましょう。

    品質のばらつきはクレーム発生・返品コストにつながる

    オンデマンド印刷や外注サービスを利用する場合、商品を自分の目で確認できないことが多く、品質にばらつきが出やすい点に注意が必要です。印刷のズレや色味の違い、生地の質感の差などが原因でクレームや返品が発生すると、再発送や返金対応のコストがかかり、利益を大きく圧迫します。
    また、品質に対する不満はリピート購入の減少や、ブランドへの不信感にもつながります。こうしたリスクを防ぐためには、印刷業者やサプライヤーの実績・レビューを事前に確認し、販売前に必ずサンプルを取り寄せて品質をチェックすることが重要です。

    原価以外のコストも把握しておく

    Tシャツ販売では商品原価だけでなく、そのほかにもコストが発生します。代表的なものとして、配送料や梱包資材費、ECサイトの販売手数料・決済手数料などが挙げられます。これらを考慮せずに価格を設定すると、想定していた利益が残らないケースも少なくありません。
    さらに、キャンセルや返品が発生した場合の返金対応や再発送にかかる費用も見落としがちなポイントです。原価以外のコストを含めた全体像を把握し、事前にシミュレーションしておくことで、利益を圧迫するリスクを抑えやすくなります。

    「Tシャツ販売のECサイトを立ち上げたい」「ECサイトの料金のムダをなくしたい」と考えている方におすすめなのが、ecforceのコマースソリューションです。ノーコードでのサイト構築や売上分析、販促機能、広告管理機能など、さまざまな機能がECサイトでの売上アップを支援します。
    料金体系は、ムダのない「初期費用 + 月額費用 + オプション」。詳しくは、以下のリンクからご確認ください。
    ecforce | AIコマースプラットフォーム/EC構築システム

    Tシャツ販売に関するよくある質問

    人々の上に浮かぶクエスチョンマーク
    Tシャツ販売を始めるにあたって、副業の可否や手続き面など、気になる疑問を持つ人は少なくありません。ここでは、特に質問の多い内容を紹介します。

    Tシャツ販売は副業でもできる?

    Tシャツ販売は、副業として取り組みやすいビジネスの1つです。デザインを用意すれば、制作や発送を外部サービスに任せられるため、仕事や家事の合間でも進めやすい点が特徴です。受注生産方式を利用すれば在庫を抱える必要もなく、初期費用を抑えて始められます。自分のペースで運営できるため、副業として少しずつ挑戦したい人にも向いています。

    Tシャツの販売許可は必要?

    個人でオリジナルTシャツを販売する場合、基本的に特別な販売許可は不要です。ただし、他人が権利を持つキャラクターやブランドロゴ、写真などを使用する場合は、著作権や商標権の問題が発生します。無断で使用するとトラブルにつながるため、必ず権利者の許可を得ましょう。
    自作のデザインや自分で撮影した写真を使う分には問題ありませんが、販売前に各サービスの利用規約を確認しておくと安心です。

    Tシャツ販売で利益が出たら確定申告は必要?

    Tシャツ販売で利益が出た場合、立場や所得額によっては確定申告が必要になります。

    • 給与所得がある人(副業):Tシャツ販売による所得が年間20万円を超えた場合
    • 個人事業主:Tシャツ販売を含めた年間の所得が48万円を超えた場合

    なお、ここでいう所得とは、売上から仕入れ費用や印刷代、送料、手数料などの必要経費を差し引いた金額です。申告漏れを防ぐためにも、日頃から収支を記録しておきましょう。

    利益率を理解して、無理なく続けられるTシャツ販売を実現しよう

    ハンガーにかかった色とりどりのTシャツ
    Tシャツ販売で安定した利益を出すには、利益率の仕組みを正しく理解し、価格設定やコスト管理を丁寧に行うことが重要です。売上だけを見るのではなく、原価や諸経費を含めた全体像を把握することで、無理のない運営が可能になります。今回紹介した考え方やポイントを活かし、自分に合った形で、継続しやすいTシャツ販売を目指していきましょう。

    Ecforce

    D2Cを成功に
    導くために必要なものとは?

    御社のD2Cを成功に導くには、D2Cに必要な要素を全て備えたカートが欠かせません。「ecforce」は数々のD2C事業の立ち上げ経験から生まれたカートサービス。
    多くのD2Cブランドがecforceを導入して、今までに合計1,000億円を超える売上を達成しています。

    平均年商

    2 億円

    以上 ※1

    売上

    230 %

    UP ※2

    継続率

    99.7 %

      ※3

    D2Cを成功に導くために必要なものとは?
    ※1:稼働済みショップの平均年商 / 集計期間 2021年7月~2022年6月
    ※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
    ※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月

    合わせて読みたい記事

    さあ、ECでビジネスの可能性を広げよう。

    サービスの導入や移行、その他様々な運営のお悩みについて
    お気軽にお問い合わせください。

    お問い合わせ