この記事でわかること
海外に自社工場を建設して海外展開をするというのは、中小企業にはハードルが高く感じてしまうでしょう。
しかし、製造業務を委託できるOEMならリスクを最小限に抑えることができます。
この記事では、OEMを利用して海外展開する方法や注意点について紹介していきます。
この記事を最後までご覧いただいた方のために、事業にすぐ使える実践フォーマットを配布させていただいております。ぜひご活用下さい。
日本製品は海外で高い需要を誇る
多くの人が知っている通り、日本製品は海外で高い評価を受けています。
不良品の少なさや品質の高さなど、商品クオリティで高い実績があるため、「メイドインジャパン」という表記には日本人が思っている以上に価値があります。
家電屋やドラックストアで、大量に商品を買い込んでいる外国人を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。
このように日本で製造されている商品や、日本を拠点としているブランドは海外からすると大きなアドバンテージになるため、中国や東南アジアに進出している中小企業も年々増えています。
しかし、メイドインジャパンなら、何でも人気があるわけではありません。
たとえば、アジアでは日本の化粧品が人気など、国や地域によって日本製品の需要が異なるため、入念なリサーチは必須です。
OEM製品を海外展開する3つの方法
ここからはOEM製品を海外展開する方法について紹介していきます。
すべての商品が日本で製造しているだけで人気が出るわけではありません。
販路を拡大させるために海外展開を検討している場合は、以下3つの方法を知っておきましょう。
- 国内向けの商品をそのまま販売する
- パッケージを変更して販売する
- 海外向けの仕様に変更して販売する
それぞれ詳しく紹介していきます。
国内向けの商品をそのまま販売する
国内向けの商品を、あえてそのまま販売する方法もあります。
パッケージに日本語が記載されている商品であれば、一目で日本製品であることをアピールできます。
また、国内用と海外用で商品を分けなくてもいいため、製造コストも削減できます。
それに加えて、国内向けに販売している商品をそのまま販売する場合は、特別な手続きも省けます。
もちろん、販売する国や地域の法律によって提出しなければいけない書類もありますが、そのまま販売する場合は事務処理も簡略化することができます。
パッケージを変更して販売する
商品の中身は変更せずに、パッケージだけ変更して販売する方法です。
先ほどは、パッケージを変更しない方法を紹介しました。
日本語がパッケージに記載されている商品は、メイドインジャパンをアピールしたい場合は効果的ですが、やはり商品の内容を細かく伝えることはできません。
日本語を理解している外国人はまだまだ少なく、商品の使い方や細かいアピールポイントを知ってもらいたいならパッケージを変更して販売しましょう。
また、すべてのデザインを変更しなくても、パッケージの一部だけを変更して販売する方法もあります。
海外向けの仕様に変更して販売する
開発費用に余裕があるなら、海外向けの仕様に変更して販売する方法も検討しましょう。
国内での販売は想定せずに、海外販売専用のオリジナル商品を販売する方法もあります。
やはり日本と海外では文化や流行に大きな違いがあることも珍しくないため、ターゲットにマッチした商品をピンポイントで販売できます。
また、家電製品のコンセントの規格など、必ず海外向けに仕様を変更しなくてはならない場合もあります。
OEM製品で海外展開するときの注意点
それでは次に、OEM製品を海外展開するときの注意点について紹介していきます。
OEM製品で海外展開を検討している場合は、以下3つのポイントに注意しておきましょう。
- 書類上の手続きが煩雑
- 言語の違いによるトラブル
- 国によってニーズが異なる
それぞれ詳しく紹介していきます。
書類上の手続きが煩雑
OEM製品の海外展開で大きなハードルとなっているのが書類上での手続きです。
商品の輸出に関しては、あまり面倒な手続きはありません。
しかし、輸入先であるクライアントに提出しなければいけない書類が数多くあります。
GMP証明書・自由販売証明書・衛生証明書・分析証明書・登録証明書など、商品や状況によって提出しなければいけない書類が必要になります。
どれだけ良い商品でも輸入できなければ意味がありません。
専門的な知識を持っていないと、受理してもらえず手続きをはじめからやり直すケースも珍しくありません。
言語や文化の違いによるトラブル
当たり前ですが海外展開を進めるためには、言語の壁を乗り越える必要があります。
海外のメーカーにOMEを委託する場合は、特に注意が必要です。
言語の違いだけでなく文化も日本とは異なるため、基本的には現地の通訳を雇ったほうがいいでしょう。
細かいニュアンスなどが伝わらないことも多いため、商品の開発期間は長めに見積もっておきましょう。
国によってニーズが異なる
OEMの海外展開において、もっとも重要なポイントは、国や地域によってニーズが異なる点です。
先ほどアジアでは日本の化粧品や家電が人気と紹介しましたが、すべての商品が売れるわけではありません。
日本で人気のある商品が売れるとは限りませんし、逆に日本では不人気な商品がヒットする場合もあります。
現地のニーズを調査して、日本ならではの魅力を商品に反映させることが大切です。
OEMの海外展開を成功させるポイント
最後に、OEMに海外展開を成功させるポイントについて紹介していきます。
はじめて海外事業に参入するのであれば、以下の3つは必ず確認しておきましょう。
- 委託先の選定には時間をかける
- トラブル時の対処法を決めておく
- 事業規模は徐々に拡大していく
それぞれ詳しく紹介していきます。
委託先の選定には時間をかける
製造を委託するメーカー選びはOEMにおいて非常に重要ですが、海外での製造はより慎重に決めなければいけません。
日本製品の基準や検査は海外に比べて厳しく、日本人の考えている「当たり前」が海外では通用しません。
また、現地スタッフのレベルなども商品のクオリティに大きく関係するため、委託先の選定は時間をかけて進めていきましょう。
トラブル時の対処法を決めておく
海外のメーカーにOEMを委託した場合、あらかじめトラブルが起きることを想定しておきましょう。
納期に遅れてしまった・不良品の発生率が高いなど、トラブルの元になる内容はすべて契約前に対処法を決めておきましょう。
事業規模は徐々に拡大していく
リスクを最小限に抑えられることがOEMのメリットの1つです。
しかし、海外のメーカーにOEMを委託した場合、やはりコストも時間も割高になります。
また、必ずしも事業が成功するとは限らないため、なるべく事業規模は小さくしておきましょう。
結果を見てから早期撤退できるように、試験期間を設けておくといいでしょう。
海外OEMまとめ
OEM製品を海外展開する方法や注意点について紹介しました。
販路拡大のためにOEMを利用して、海外展開を狙っている中小企業も増えています。
海外に自社工場を建設するとなると、初期投資は数千〜数億円規模の予算が費用になります。
しかし、OEMを利用すれば、初期投資だけでなく必要になる時間や人的リソースも大幅に削減できます。
しかし、手続きの煩雑さや言語の違いなど、国内販売にはない苦労もあるため、事業をスタートさせる前に十分に社内で検討しましょう。
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※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月