この記事でわかること
集客の方法は、大きく分けて二種類あります。
それは、コストがかかる集客。そして、無償でできる集客です。非常にシンプルですね。
コストがかかる集客の代表例は、バナー広告の出稿や、インフルエンサーを使った集客で、出稿料や、インフルエンサーに支払う対価があげられます。
一方の無償の集客の代表例がSEOです。
厳密にいえば、SEOコンサルタントと契約したり、デザイナーに対する対策費用といったコストがかかる場合があります。
しかし、結論を言えば、顧客目線のサイト設計を心がけるだけで、費用をかけずにSEOで結果を出し集客を行うことは可能です。
すでにSEOに詳しい方はご存知の手法かと思いますが、改めて効果の高いSEOの施し方やサイト設計についてご紹介したいと思います。
SEOは顧客満足度に帰結する
では、効果の高いSEOとは、どのような方法なのでしょうか。
実は、その答えは一つしかありません。それは「お客様が求めた答えが提供されているサイト」であるか否かです。
少し拍子抜けする答えだったかもしれません。
しかし、この視点が抜けてしまうと、結果としてSEO対策にも失敗します。
詳しいテクニックは後述しますが、日本において90%以上のシェアを誇るGoogleが自社の検索エンジンに対して課しているミッションが、「検索クエリに対してもっとも最適なサイトを表示する」ことです。
つまり、ユーザが様々な意図を持って検索し、その意図に沿ったサイトを検索の上位に表示させるように設計されているのです。
それを測る指標の一部が「平均滞在時間」であったり「リピート率」、「直帰率」になります。
詳しい技術情報は明らかにされていませんが、これらの指標が高いサイトは、自ずと検索順位が上昇しやすい傾向にあります。
サイトに長く滞在し、何度も訪れる。そして、何ページも遷移するユーザは、自身が検索した検索クエリと、検索結果に表示されたサイトの整合性が高いと考えられるためです。
つまり、ユーザの検索クエリと自社サイトの内容のギャップを埋めていき、ユーザが望む情報が手に入るサイトに仕上げることがSEOなのです。
検索クエリと自社サイトのギャップを調べる方法
前項でお話したことは、多数の記事を提供するメディアサイトや、自社のブランディング目的としたオウンドメディア。商品の販売に特化したLPサイトのすべてに当てはまります。
そこで、はじめに自社サイトと検索クエリのギャップを埋める方法からご説明したいと思います。
実は、このギャップを無償で調べられる便利なツールが提供されています。
それは、「Google Search Console」です。
Google Search Consoleの「検索パフォーマンス」の項目を使うことでユーザの検索クエリと制作したウェブコンテンツのギャップを調べることができます。
以上の画面は、Google Search Consoleのメイン画面です。
はじめに画面左側の「検索パフォーマンス」をクリックします。
次に「ページ」をクリックしましょう。
自社サイトのURLの一覧が表示されますので、例えばトップページや、検索エンジンの順位を上げたいLPのURLを選択します。
すると、そのページを表示したユーザが、どのようなキーワードで検索したのか一覧で表示されますので、キーワードの一つ一つを精査していきましょう。
果たして、サイトの内容と一致したキーワードが表示されていましたか?
もし、コンテンツの内容と合致していないキーワードが多く含まれる場合、検索結果とサイトコンテンツのギャップが激しく、たとえ、ユーザがあなたのサイトを訪れたとしても期待した内容ではないため、すぐに離脱してしまいます。
当然、このようなユーザが多いほどサイト順位は下がります。
従って、サイトやLPのテキストコンテンツを中心に見直し、適切なキーワードがGoogleへクロールされるように努力すべきです。
なお、画像が多いLPに対してSEOを施す場合、画像のaltタグへテキストを埋め込んだり、デザインの中にテキストを織り込めるような設計が好ましいとされています。
残念ながら画像の中に記述された文章は検索エンジンにクロールされにくいため、適切なキーワードがクロールされず、ギャップが生じやすくなる傾向にあります。
可能な限りテキストを記述するとともに、画像にaltタグを埋め込み、Googleがクロールするキーワードを増やすべきなのです。
ページタイトルを最適化してギャップを埋める方法
加えて、ユーザが検索エンジンに入力した検索クエリとサイトコンテンツのミスマッチは、ページのタイトルで発生する場合もあります。
例えば、20代男性をターゲットにした「制汗剤」のLPを例に、以下のタイトルを比較してみましょう。
① 真夏の汗臭をスッキリさせる!●●制汗剤
② ●●制汗剤!モテる男が使う真夏の汗臭対策
いかがでしょうか?
①のケースでは、制汗剤のサイトであることは分かりますが、性別や年代など誰を対象にしたものかはわかりません。
つまり、女性や高い年代層の男性が訪れる可能性があります。
すると、望んでいた検索クエリに対して大きなギャップが発生したことになるため、サイトからすぐに離脱してしまいます。すると、滞在時間も減りますし、当然、検索順位が上昇しにくくなってしまいます。
一方で、②は、男性向けであることを明示し「モテる」と書いたことで、女性の目線を気にする年代層がターゲットであることがわかります。
このように、サイトのコンテンツはもちろん、タイトルでユーザをミスリードしない設計が非常に重要です。
トップページを重視すること
昨今のGoogleの傾向として、「トップページ」が重視されている可能性があります。
Googleが重視するサイトの評価基準の一つに、EAT(専門性、権威性、信頼性)と呼ばれるものがあります。
例えば、ブログやメディア系サイトの場合、サイトへ来訪するユーザの多くは、悩みや疑問から検索し、トップページではなく個々のURLから流入することがほとんどです。
一方で、専門性、権威性、信頼性の高いサイトであれば、サイト名を検索してトップページ経由で訪問するユーザ数も少なからずいるものです。
従って、トップページの満足度が高いサイト。言い換えればトップページの滞在時間が長めでリピート率の高いサイトも、サイト全体の検索順位が上がりやすいと言われています。
LP型のサイトでは、実質的にLPがトップページとなりますので、同様のことがいえるでしょう。
お客様の悩みや課題は何かを分析し、その解決策まで余すところなく丁寧に記載する。
その先に、解決策の一つとして商品が提示されている。このような作りが大切です。
はじめから商品説明ありきのサイトは、お客様の悩みに対する答えとしては弱く、「商品を買わなければ悩みの解決ができない」というモヤモヤ感を残した状態につながります。
消化不良のお客様は、「このサイトでは情報が得られない」と感じてしまい、商品の購入どころか離脱につながるのです。
お客様を消化不良にさせずに商品の販売へ結びつけるためにも、そしてサイトの顧客満足度を上昇させてSEOに有利なサイト設計にするためにも、サイトのトップページやLPは、お客様の悩みや課題の解決につながる情報をふんだんに掲載すべきなのです。
SEOを巡るウソ・ホント
ここまでお読みいただいて、一貫してお伝えしていることがあります。
それは、SEOをテクニカル目線で改善するのではなく、来訪したお客様が根本的に満足するLPやサイト設計を目指すべきであるということです。
その上で、その他のSEOの施策について、さらに掘り下げて考えてみたいと思います。
被リンク
Googleが順位を決定する要素に外部リンクが重要な役割を果たしていることは周知の通りです。
外部のサイトから、自サイトへリンクが貼られると、それがそのサイトに対する評価と識別され、検索結果の順位が上がりやすいというものです。
確かに被リンクの獲得は重要です。
特にドメインオーソリティが高いサイト。つまり、すでにGoogleから高い評価を受けているサイトからのリンクは、検索順位の決定の上で大きな役割を果たしていることは事実です。
一方で、ドメインオーソリティが低いサイトから大量のリンクを貼っても効果が限定的ですし、たとえ、一時的に良質な被リンクを獲得しても、前半でご説明した通り、ユーザの期待値とサイトの内容が一致していないサイトや情報量が不足したサイトは、やはり顧客満足度の低いサイトと判断され、検索順位が上昇しにくい傾向にあります。
一部では、Googleダンスや、Googleヨーヨー現象と呼ばれる検索順位が乱高下するサイトがあります。
被リンクなどのテクニカル目線の施策ばかり重視されていたり、いわゆるSNSなどで拡散し一時的に注目を集めただけのサイトは、顧客満足度が低いため、結果として評価が安定せず、このような乱高下を引き起こすことがあります。
まずは、顧客満足度の高いサイトを制作し、Google Search Consoleでユーザの検索クエリとサイト内容が一致するように調整する。そして最後のステップとして、良質な被リンクを獲得すれば、検索順位は安定的になり、自然流入が増加するはずです。
サイトの更新頻度やページ数
一部のSEO系記事で、サイトの更新頻度やページ数に関して言及したものがあります。
更新頻度が高く、ページ数の多いサイトは検索順位で優遇されやすいというものです。
中には、SEOの効果を狙って自社メディアを制作し、集客に活かそうとするEC事業者もあるでしょう。
もし、これらの取り組みが、お客様にとって有益な情報を提供する目的であれば、意味はあるでしょう。
しかし、単にSEOの効果を狙ったものであれば、まったくの無駄と断言できます。
まず、確かにGoogleはニュースサイトなど、サイトの種類によっては即時性を重視しますが、一概に更新頻度が高くページ数が多いからといって、サイト全体の検索順位が上昇することはありません。
結果として、検索順位が安定しない事象の原因になる場合がありますので注意が必要です。
これを裏付けるものとしてGoogleのJohn Mueller氏が、
Googleはサイトの更新頻度やページの量、公開されるタイミングに対して評価対象にしていないし、すべきではない
と発言しています。
出典:https://twitter.com/vladrpt/status/971094067114160128
先ほど、トップページの重要性についてご説明しましたが、あくまでも下層ページは、トップページを補完をすべきページであり、悩みなどから検索し情報に辿り着く一部のお客様を拾うためのものと理解すべきでしょう。
サイトの表示速度
サイトの表示速度が速いほうがSEO上有利であると言われています。
確かにGoogleが検索順位を決めるアルゴリズムは200通り以上あると言われており、サイトの表示速度もその一部であるとされています。
しかし、検索順位を上昇するためにサイトの表示スピードにこだわることは非常にナンセンスです。
なぜならば、表示速度はあらゆるアルゴリズムの中の1つのであり、Googleが特に重視する要素とはいえないからです。
確かに、あまりに表示の遅いサイトは、ユーザが表示を諦め、他のサイトに逃げやすい側面もあります。
その意味では、ユーザが不快にならない程度の速度は維持すべきですが、これに固執する必要はありません。
例えば、PageSpeed Insightsのスコアを過剰に意識するSEO担当者をみかけますが、検索上位のサイトでも、スコアが低いことは往々にしてあり、必ずしもGoogleが重要視しているわけではないことが読み取れます。
サイトの構造化
ブログサイトの場合、Hタグの使い方が検索順位を上げる上で重要であると言われます。
H1タグはタイトルへ。そしてH2タグを見出しに使うなど、Hタグを巡る構造化を施すことで検索順位が上がるというものです。
もし、この構造化が来訪したお客様の読みやすさを決定するものであれば重要でしょう。
しかし、サイトの性質によりますし、Hタグの使い方が直接的に検索エンジンに影響するわけではありません。
あくまでも、お客様が読みやすく滞在時間を長くするための1つの要素でしかないのです。
まとめ
繰り返しになりますが、重要なことは検索したユーザに対して、最適な回答が用意されているサイトを制作することです。
目先のテクニックに偏ってしまうと結果が出ずに徒労に終わってしまうでしょう。
お客様は何を求め、たどり着いたページに何を期待するのか。
SEOを成功させるためには、この視点を抜きにして語ることはできません。
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※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月