この記事でわかること
新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより、EC市場は日本や世界で大きく成長し続けています。
この状況下でECサイトで自社の商品やサービスを販売しているものの、売上が今一つ伸びないといった課題を感じている方や、現在のEC市場規模の推移を知って、今後の対策へのヒントを得たいと思っているEC事業者もいるのではないでしょうか。
今回は、EC市場の意味を再確認するとともに、経済産業省の最新データから日本や世界のEC市場の規模や現状を詳しく見ていきます。そして、物販系分野のEC業者が直面している課題への対策方法をお伝えします。
自社のEC運用で課題を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも「EC市場」の意味とは?
はじめに「EC市場」の意味を再確認しておきましょう。
ECとは、英語のElectronic Commerce(エレクトリックコマース)を略した和製英語で、日本では「電子商取引」と訳されています。通販サイトやSNSなど、オンラインで商品の売買が行なわれる取引の総称です。
ECは販売元と販売対象の違いによって、以下の3つの種類に分類されます。
- BtoB-EC(Business to Business)法人同士の取引
- BtoC-EC(Business to Consumer)企業が販売し、消費者に提供
- CtoC-EC(Consumer to Consumer)個人同士の取引
経済産業省データから見るBtoCのEC市場規模は?
2022年8月に発表された「電子商取引に関する市場調査(経済産業省)」の結果から、BtoC-EC市場規模の動向について読み解きます。
引用:2022年8月12日発表「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」
2021年の日本国内におけるBtoC-EC市場規模は、前年の19.3兆円から20.7兆円になり、前年比7.35%増で拡大しています。これは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が強まる前(2019年)の市場規模を超える規模です。
2020年、新型コロナウイルス感染症拡大への対応として出された緊急事態宣言により外出自粛が広がり、「巣ごもり需要」として物販系分野のEC利用が急拡大しました。その後も消費者の間でECの利用が定着しつつあり、2021年も国内のBtoC-EC 市場規模が増加となっています。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、旅行や飲食などサービス系分野のBtoC-EC市場規模は2020年にマイナス成長となったものの、フードデリバリーやチケット販売の市場規模拡大により、2021年は前年比でプラスになりました。
EC化率※も増加傾向にあり、国内BtoC-EC市場は、今後もさらに拡大していくでしょう。
次に、国内BtoC-EC市場を「物販系」「サービス系」「デジタル系」の三分野に分け、それぞれの特徴をお伝えします。
引用:2022年8月12日発表「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」
※EC化率・・・全ての商取引金額(商取引市場規模)に対するEC市場規模の割合
物販系分野のEC市場規模の特徴
引用:2022年8月12日発表「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」
経済産業省の電子商取引に関する市場調査の結果によると、物販系分野のBtoC-EC市場規模の内訳では、以下のような結果が出ました。
1位「食品、飲料、酒類」(2兆5,199億円)
2位「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」(2兆4,584億円)
3位「衣類・服装雑貨等」(2兆4,279億円)
4位「生活雑貨、家具、インテリア」(2兆2,752億円)
実はこの上位4ジャンルの合計が、物販系分野の73%を占めています。
1位の「食品、飲料、酒類」業界は、コンビニやスーパーなど実店舗で買い物をする人が多いため、これまではEC化があまり進まない業界でした。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大を機に外食を控えて自宅での食事を楽しむ人が増えたことで、食品類のインターネット購入が進み、EC化が促進されたと推測されます。
2位の「生活家電・AV機器・PC・周辺機器等」については、もともと大きい市場規模でしたが、自宅で過ごす時間が増えたことで生活家電やAV機器の需要が増えています。また、リモートで仕事をする人が増えたことにより、PCや周辺機器等を購入する人が増加したと考えられるでしょう。
これらの商品はどこで購入しても品質は変わらないため、ECとの相性がよく、今後も伸びる可能性が高いといえます。
3位・4位の「衣類、服装雑貨等」・「生活雑貨、家具、インテリア」業界も、以前から市場規模の大きい分野だったことに加えて、自宅で過ごす時間が増えたことやリモートワークで使う机などの家具やインテリアを買うために、EC利用が増加したと思われます。
引用:令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書 p.5
物販系分野の BtoC-EC 市場規模を見てみると、前年の12兆2,333億円から 1兆532億円増加し、13兆2,865億円に。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費の影響で、市場規模は大きく拡大したものの、2021年は伸び率がやや鈍化しています。
しかし、2020年3月以降はオンラインでの商品注文・購入が急増し、その後二人以上の世帯の約半数以上がECを利用する状況が続いているので、今後も物販系分野のBtoC-EC市場規模の成長は続いていくといえます。
サービス系分野のEC市場規模
引用:2022年8月12日発表「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」
サービス系分野のBtoC-EC市場規模の内訳を見ると、「旅行サービス」(1兆4,003億円)が全体の約3割(2021年)と、大きな割合を占めています。
2020年、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受け、「旅行サービス」「飲食サービス」「チケット販売」の市場規模が深刻な痛手を負い、前年に比べて大きく縮小しました。
2021年は「チケット販売」での市場規模が回復しつつあるものの、サービス系分野全体としては低調が続いています。
しかし、Wondershake社が発表した「アフターコロナに関するアンケート」の結果によると、国内旅行や外食を楽しみたいというニーズは上位2つ。サービス系分野のBtoC-EC市場は、需要が回復していくと考えられます。
デジタル系分野の特徴
引用:2022年8月12日発表「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」
デジタル系分野のBtoC-EC市場規模の内訳を見ると、「オンラインゲーム」(1兆6,127億円)が全体の約6割(2021年)と大きな割合を占めています。
「オンラインゲーム」「電子出版(電子書籍・電子雑誌)」「有料動画配信」市場拡大の背景として、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、自宅で過ごす時間が増えたことがプラスの要因になりました。
分野全体の伸び率が鈍化しており、今後は少しずつ外出の機会が増えると予想されていますが、巣ごもり需要で慣れ親しんだデジタル系分野の需要は、引き続き増加していくと考えられます。
以上のように、2020年のコロナ禍による生活様式の変化が、EC市場の各分野に大きな影響を与えました。
増えつづけるEC市場への参入事業者
ECカート「ecforce」は自社の新規契約数から、以下の通り各ジャンルごとの新規契約数成長率※1を算出しました。
ジャンル |
新規契約数成長率 |
ヘルス/ウェルネス |
310.3% |
フード/ドリンク |
300.0% |
ホビー/ライフスタイル |
233.3% |
パーソナルケア |
208.8% |
ペット |
175.0% |
ファッション/アパレル |
157.1% |
「ヘルス/ウェルネス」で310.3%の成長率など、全ジャンルで非常に高い成長率を見せており、いかに多くの事業者がEC市場に参入し、増えつづけているかがわかるデータです。
各ジャンルでの契約数も伸びておりますが、様々な事業者様のEC強化の流れを受け、最近では、ecforceは「成長率No.1のECカート」という称号も正式に認められました。※2
今後のEC市場規模を予測
今後のEC市場規模の推移について、以下の傾向が予測されます。
- スマホ経由のEC市場と利用者が年々増加
- 「D2C」の本格的な潮流
それぞれ詳しく見ていきましょう。
スマホ経由のEC市場と利用者が年々増加
引用:令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書 p.46
「スマートフォン比率に関する直近 7年間の推移」と「スマートフォン経由の物販 BtoC-EC市場規模」を見ると、どちらも規模が年々増加しており、2021年にはスマートフォン比率が全体の5割以上を占めています。
PCと違って、いつでもどこでも使えるスマートフォンの利便性や利用人口の増加に伴い、スマートフォン経由のBtoC-EC物販市場規模は今後もさらに拡大する見込みです。
また、買い物の情報を得るために、インスタグラムなどのSNSを活用する人も増加しているため、新たな販路としてスマートフォン経由の物販ECに参入する事業者もさらに増えていくと予測されます。
引用:令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書 p.47
これまで、SNSを利用している世代の中心は20代でしたが、今後は60代以降の利用もさらに増え、世代を問わずECとの結びつきが高まっていくと考えられます。ECにとって中長期的なSNS活用は、重要な要素になるといえるでしょう。
自社商品やサービスのターゲット層がどのSNSサービスをよく利用しているかを知り、各SNSサービスの特徴を理解した上で、活用方法を検討していくことが必要になってきます。
引用:令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書 p.49
「D2C」の本格的な潮流
D2Cとは「Direct to Consumer」の略で、メーカーがECチャネルを通して直接消費者と接点を持ち販売するモデルのこと。広告代理店や小売店などの仲介がないのが特徴です。
生産者の思いや開発のストーリーなどを知り「共感した人を応援したい」という消費者心理の変化や、Amazonなどのプラットホームに依存しなくても、自社でECサイト構築や決済システムの導入がしやすくなったことから、古くから存在する通販会社よりも、「D2C」のトレンドをおさえたブランドが増加傾向にあります。
「D2C」という言葉がバズワード化した時期はすでに過ぎ、今後は本格的な成長を遂げるD2Cブランドが生まれてくるでしょう。
世界のEC市場は?
引用:令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書 p.103
経済産業省がまとめた報告書にもあるように、世界の越境EC市場規模は、2019年の7,800 億USドルから 2026年には4兆8,200億USドルへと、大きく拡大するという予測がされています。
引用:令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書 p.102
越境ECとは国内から海外へ向けて販売するECのこと。世界のEC市場の成長率は日本よりも大きく、その中でもとくに中国とアメリカが世界で圧倒的な市場規模となっています。
引用:「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」
日本・米国・中国の3か国間における取引規模は、どの国とも伸び率が年々増加しています。
日本の越境EC規模はまだ小さい状況ですが、ECを利用している企業の7割が、海外向け販売でのEC活用または検討を考えていると回答しており、これからさらに拡大していくと予想されます。
引用:2021年度| 日本企業の海外事業展開に関する アンケート調査p.15
物販系分野のEC市場業者が立たされている課題
ecforceが、主にBtoCの自社ECサイト運営に携わる企業の担当者に実施した調査によると、物販系分野のEC市場業者が直面している課題の上位は以下の3つでした。
- 売上拡大
- ノウハウ不足
- リソース不足
以下、一つずつ見ていきましょう。
EC市場がレッドオーシャン化し、売上拡大が困難
前述したように、EC市場が拡大傾向にある今、人々は日常的にインターネット上で商品を購入するようになりました。
ECサイトを作った当初は売上が上がるかもしれません。しかし、ECは世界中の同業他社が競合となるため、その後何も対策をしないままだとすぐに顧客を奪われてしまい、新規顧客の獲得が難しくなります。
自社のECサイトへの集客も、広告やSEOの対策が不十分だと認知度も上がらず、集客が困難になるでしょう。また、見込み客が一度サイトに訪れただけで終わってしまうと売上増加につながりません。再訪率を上げるように施策をすることも重要です。
消費者庁が定期購入の規制を強化しており、LTVが簡単に伸ばせなくなっていることも、売上増加が難しくなっていることの一つの要因になっています。
また、EC市場のレッドオーシャン化により、CPAが高止まりしています。そのため、カートシステムの機能をフル活用してCVRを最大化すること、そして、事業や商品づくりを通したLTVの向上が重要になっていきます。
参考:インターネット通販の定期購入トラブルには御注意を! 令和4年6月1日から、通販の注文時に内容を確認する際の表示がより明確になります。 | 消費者庁
ECの機能を使いこなして施策に生かすノウハウが不足
ECでは、システムを介して様々な独自のデータ取得やデータ分析が可能です。そして、それらのデータを用いて売上拡大のための様々な施策を打ち続けることが必須です。
しかし、実際にはせっかくの機能やシステムをほとんど使いこなせていないEC業者が多く見られます。
データ分析やシステム機能を理解し、活用して改善施策を打ち出すノウハウがないと、事業課題に対して効果的な施策を打つことはできません。
ECでは、システム面におけるカスタマイズ性や拡張性が大事であることは言うまでもありません。しかし、より大事なのは、ECの成功ノウハウを理解した上で、その成功を再現するためにシステムを活かすことであり、そのためにコアとなる機能がそもそもカートシステムに揃えられているかどうかが重要です。
成功しているEC事業者は、システムを乱雑にカスタマイズしていくことよりも、売り伸ばしのためにコアになる機能に絞って適切に使いこなし、骨太なEC運営をしている傾向にあります。
日々の業務やトラブル対応によるリソース不足
引用:令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書 p.43
EC運用業務には、マーケティング・コンテンツ制作・プロモーション・商品登録・受注管理・物流関係などの通常業務に加え、トラブル対応などもあります。
マンパワーに頼る運用を続けているとEC担当者に大きな負担がかかるため、リソース不足に陥り、データ分析や検証をもとにしたスピード感のある施策が実施できません。
リソース不足が長く続くと、目の前の作業に手を取られるばかりか、日々の業務にも支障が起きてクレームにつながる場合も。
安定的に事業成長をさせるための行動もできないまま、日々が過ぎていくことも往々にしてあります。
物販系分野のEC市場業者がすべき対策
物販系分野のEC市場業者の課題である、売上拡大・ノウハウ不足・リソース不足を解決するためには、それぞれ大切なポイントがあります。
3つの課題を解決するために必要な対策を、それぞれお伝えします。
売上拡大のための対策
売上拡大はCVRによって左右されるため、CVRを上げるための導線や機能を研ぎ澄ませることが重要です。
そのためには自社で運営しているECサイトの問題点や課題を特定し、データを可視化することが必要になります。現在、データの可視化ができていない事業者は、この状態を改善することが急務です。
また、売上を拡大し成長するためにはデジタルマーケティングが重要ですが、EC運営やマーケティングに関する知識は、一朝一夕で身につけられるものではありません。
対策として、新規顧客を獲得するためのデータ分析や、リピーターが増えていくまでのマーケティング や施策を、一貫して実行できるようなシステムの導入が効果的です。
ノウハウ不足に対する対策
ノウハウ不足に対する対策として、最新のECノウハウを持ったパートナーを見つけることが重要です。
EC運営において課題とされることが多い、客単価の低さや購入回数の少なさ、商品満足度の低さなども、パートナーを活用することで課題解決につながる施策を行なうことが可能です。
ノウハウ不足に課題を感じている場合は、早急に最新のノウハウを持ったパートナーをみつけましょう。
リソース不足への対策
リソース不足への対策として、システムを活用して運用の自動化・効率化を進めることが重要です。
たとえば、システムがメール送信や対応状況の変更などを自動で行う機能や、カスタマーサポートの業務効率を改善させる機能などを利用すれば、活用可能なリソース増加につながります。
事業を成長させるための、付加価値の高い活動にのみ集中できるようになります。
EC事業運営成功のためにecforceを
今回は、EC市場の意味を再確認し、経済産業省の最新データから日本や世界のEC市場の現状と今後の予測、物販系分野のEC市場業者が直面している課題と対策方法をお伝えしました。
EC事業運営を成功させるには、パートナー選びが非常に大切です。
私たちがご提供するカートシステム「ecforce」なら、売上拡大に役立つ豊富な機能やコスト削減の仕組みと、より精度の高いマーケティング施策でパフォーマンスを最大化することができます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。ここでecforceのご紹介をさせていただきます。
ecforce(イーシーフォース)は日本国内のEC・D2Cビジネスの現場を知り尽くした、わたしたちSUPER STUDIOが提供する国産SaaS型ECシステムです。EC・D2Cサイト構築の際の要件定義から成長拡大まであらゆるフェーズをサポートします。
累計900以上のショップ様に導入されている国産SaaS型ECシステム「ecforce」。さらなる実績や機能のご紹介は以下からご覧ください。
※1:有料市場調査レポートより自社調べ。尚、当該調査レポートについては、調査機関において調査依頼を行い、当該調査に承諾したSaaS型ECサイト構築市場に該当する企業のみを比較対象として選出 / SaaS型ECサイト構築市場における売上上位10社のみを対象、自社プロダクトを提供していない企業を除く / 集計 集計期間:2020年4月〜2021年3月
※2:直近1年間の新規契約数の成長率を比較。(比較前期間:2021年10月〜2022年9月、比較後期間:2021年10月〜2022年9月)
※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月