この記事でわかること
※この記事は 時点の情報をもとに執筆しています。
ECビジネスの成長とともに、商品の「届け方」の重要性がかつてないほど増しています。商品力や集客だけでなく、スピーディーで安定した物流体制が、売上アップやリピート獲得の鍵となる時代です。
こうした中で注目を集めているのが、ECに特化した物流倉庫=EC倉庫です。本記事では、EC倉庫の役割や種類、外注・内製のメリット比較、さらには失敗しない選び方までを徹底解説。最新トレンドもふまえ、事業フェーズに合った最適な倉庫選びをサポートします。
EC物流倉庫の概要
EC物流倉庫(EC倉庫)は、EC事業に必要な物流機能を一手に担う、特化型の物流施設です。商品の保管から受注処理、梱包、発送までをワンストップで行い、業務の効率化や配送の品質向上に寄与します。
とくに、多品種小ロットや短納期対応が求められるECビジネスでは、こうした倉庫の存在が欠かせません。自社で物流インフラを構えるのが難しい中小規模の事業者にとっては、効率的かつスピーディーな物流体制を構築する有力な選択肢となっています。
さらに、近年では冷凍・冷蔵設備を備えた倉庫も増えており、食品や医薬品などの温度管理が必要な商材にも対応可能です。EC倉庫は、単なる“保管場所”ではなく、ビジネス成長を支える重要なパートナーといえるでしょう。
EC倉庫とは
EC倉庫とは、ECサイトで販売される商品の物流業務に特化した倉庫のことです。商品の入庫から在庫管理、受注処理、出荷までを一元管理し、ECビジネスに必要なスピード感と正確性を両立します。
特にECにおいては、多品種小ロット・短納期といった特徴的な物流ニーズが存在するため、EC倉庫では高度な在庫管理システムや柔軟な出荷フローが活用されています。加えて、流通加工やノベルティの同梱、ギフト包装など、顧客体験を高めるためのサービスも提供されており、満足度向上にも貢献しています。
EC倉庫は、単なる保管場所にとどまらず、EC事業者の業務効率化とブランディング支援の両面で重要な役割を果たしています。
DC倉庫や3PLとの違い
物流にはEC倉庫以外にも、DC(ディストリビューションセンター)や3PL(サードパーティ・ロジスティクス)といった形態があります。
DC倉庫は、小売店や拠点への一括配送を前提に構築された倉庫で、流通全体の中継点としての役割を担います。SKU数や物量が多い大規模流通に向いていますが、ECのような小ロット・高頻度の出荷には対応が難しい場合もあります。
一方の3PLは、企業が自社で物流を行わず、物流業務全体を専門業者に外注する仕組みです。EC倉庫は、この3PLの中でもECに特化した形態で、SKU単位での管理や短納期出荷、返品対応などに強みがあります。
越境ECに対応した倉庫について
EC市場のグローバル化により、海外への販売を行う「越境EC」も広がりを見せています。これに伴い、国際物流に対応できる越境EC向け倉庫のニーズも高まっています。
こうした倉庫では、通関対応や輸出入の法規制への対応、多言語での納品書やラベルの作成など、国際取引に求められるオペレーションを整えています。
また、文化的背景に配慮した梱包仕様、現地倉庫との連携、国別配送網の最適化など、国際的なCX(カスタマーエクスペリエンス)を意識した運用も特徴です。
在庫のリアルタイム管理や配送状況の追跡といったシステム面も重要であり、これらを強化することで、世界中の顧客に対してスムーズかつ信頼性の高い物流サービスを提供することが可能になります。
越境EC対応倉庫の導入は、国際展開を見据える事業者にとって今後ますます重要な選択肢となるでしょう。
EC物流倉庫の特徴
EC物流倉庫の特徴には、主に多品種小ロットでの在庫管理、迅速な注文処理、柔軟な流通加工が挙げられます。多様な商品を取り扱うため、商品の保管場所を正確に特定できるシステムが必要で、これにより誤出荷のリスクを低減します。
在庫管理の精度を高めることで、スムーズな発送業務を実現し、顧客満足度の向上に寄与します。また、顧客のニーズに応えるためには、受注から発送までのスピードが重要であり、倉庫の業務フローを最適化することで、競争力のある迅速なサービスを提供可能です。
さらに、流通加工の柔軟性により、商品の組み合わせやバンドル販売、その他付加価値サービスの提供も行えます。同時に、返品や交換などの管理体制が整っていることも特徴の一つです。
これにより、さまざまなアフターフォロー業務が迅速に対応可能となり、顧客満足度を大きく向上させます。これらの特徴を正しく理解することで、効率的かつ競争力のあるEC物流倉庫を選択するための判断材料とすることができます。
多品種小ロットでの在庫管理
EC物流倉庫では多品種の商品を取り扱い、小ロットの出荷に特化した高度な在庫管理システムを採用しています。効果的な管理を実現するためには、商品ごとの在庫状況を正確かつ効率的に把握する仕組みが重要です。特に、顧客のニーズが多様化している現代のEC市場において、各商品の保管や管理を適切に行うことで、運営のスムーズさと信頼性の確保が可能となります。
また、迅速な在庫の回転を実現するためには、継続的なデータ分析と最適化が求められます。在庫管理技術を活用することで、欠品を防ぐだけでなく、過剰在庫を最小限に抑えることが可能となり、全体的な運営効率が向上します。
このプロセスにおいては、分析結果を基に適正な在庫量を維持することが重要であり、これが顧客満足度の向上に直接つながります。消費者に求められる商品を適切なタイミングで提供するためには、細部にわたる管理が欠かせません。
迅速な注文対応と発送
消費者の購買行動が急速に変化する現代では、迅速な注文対応と発送がEC事業者にとって欠かせない要素となっています。EC物流倉庫では、受注から出荷までのリードタイムを短縮するため、システム化された業務フローが構築されています。
これにより、注文から発送までの一連の作業が効率化され、配送状況をリアルタイムで確認することが可能となり、顧客へ迅速かつ正確な情報を提供することができます。
倉庫内では、商品を効率的にピッキングし、速やかな発送を可能にするプロセスが採用されています。また、配送ルートの最適化や多様な配送手段の導入により、最速で確実な配送が実現されています。
これらの徹底した対応が、EC事業者にとって競争力を高め、市場での優位性を確保する重要なポイントとなっています。迅速な発送は、顧客満足度の向上にも直結するため、今後の持続的な成長のためにも欠かせない取り組みです。
流通加工の柔軟性とカスタマイズ性
EC物流倉庫は、商品の流通加工においても柔軟性とカスタマイズ性が求められています。流通加工には、商品の梱包、ラベル貼り、試供品の同梱など様々な作業が含まれており、EC事業者にとっておすすめのサービスとなります。
これらの対応を顧客のニーズに合わせて柔軟に行うことで、競合との差別化を実現し、満足度の高いサービスを提供することが可能です。
さらに、商品ごとに異なる流通加工要件に応じた適切な体制を整えることで、特定の業界や商品群に特化したカスタムサービスを構築できます。
こうした対応力を備えていることで、EC事業者が望む品質基準を満たしながら、オプションサービスや特別なリクエストにも柔軟かつ迅速に対応可能です。
その結果、事業の成長と顧客満足度の向上につながるため、流通加工に関する柔軟な対応力は特におすすめといえます。
アフターフォローを含む総合的なサポート体制
EC事業では、商品の発送後のアフターフォローが顧客の信頼を築く鍵となります。EC物流倉庫では、返品や交換に関するプロセスを整備し、顧客からの問い合わせに迅速に対応できる体制を構築しています。
また、購入後のフィードバックを受け取り、さらなるサービス向上につなげるための仕組みも導入されています。この仕組みによって、顧客から寄せられるリクエストや意見を大切にする姿勢が組織内で徹底されており、サービスの質が常に改善されることでリピーターの獲得が期待できるでしょう。
顧客の満足度を高める包括的なサポート体制により、競争の激しい市場においても事業成長を実現することが可能です。
EC物流倉庫の主なタイプと特徴
EC物流倉庫には複数のタイプがあり、それぞれ異なる機能や特化分野を持っています。事業の規模や商品特性に応じて、最適な倉庫を選ぶことが重要です。以下では、主要な5タイプの特徴とメリットをご紹介します。
① 販売主体型倉庫:業務全体を一括委託できる体制
販売主体型の倉庫は、EC運営に必要な業務全体を一括で委託できるのが特徴です。受注処理から在庫管理、出荷・返品対応までを一元化することで、業務の効率化とコスト最適化を実現します。
主な特徴
- 受注処理・在庫管理・出荷・返品対応をワンストップで代行
- 高頻度・大量出荷にも柔軟に対応
- スケールメリットを活かしたコスト削減が可能
- ECシステムと連携した自動化による作業負担の軽減
物流業務を丸ごと任せられるため、本業に専念しながら安定した物流体制を構築したい事業者に向いています。
② 業種特化型倉庫:商品ごとの最適環境を提供
食品・医薬品・アパレルなど、特定分野に対応する設備とノウハウを備えた倉庫です。温度・衛生管理が必要な商品を扱う事業者に最適です。
主な特徴
- 冷凍・冷蔵対応
- 業界ごとの衛生・品質基準に準拠
- 商品ごとの流通加工にも対応
③ 倉庫サービス主体型:柔軟なサポート体制が魅力
物流企業が運営し、保管・出荷・流通加工まで細やかな対応が可能です。多品目・多業種に対応できる汎用性とカスタマイズ性を兼ね備えています。
向いている事業者
- 多種類の商品を扱う中規模以上のEC
- 自社ブランドの体験価値を重視する企業
④ システム連携強化型倉庫:デジタル化で在庫管理を最適化
ECシステムとのAPI連携に対応し、リアルタイムで在庫や出荷状況を把握できる倉庫です。業務効率を高め、正確かつ迅速なオペレーションが可能になります。
主な利点
- 自動化による省人化と作業効率の向上
- 需要予測をもとにした在庫最適化
- 顧客対応のスピード向上
⑤ 冷凍・冷蔵倉庫:温度管理が求められる商品に特化
食品や医薬品など、温度管理が必要な商材の保管・出荷に対応した倉庫です。鮮度や品質保持が求められる業界では欠かせない存在です。
備えている機能
- 多温度帯管理機能
- 冷凍輸送ルートへの対応
- 衛生基準に準拠した施設設計
EC物流倉庫の利用にかかる費用
EC物流倉庫を利用する際の費用は、大きく「固定費」と「変動費」に分けられます。
固定費の詳細
固定費には、月額の保管料や管理手数料などが含まれます。
これらは以下の条件によって変動します。
- 倉庫の立地や設備の充実度
- 取り扱う商品の種類や量
保管料は、商品のサイズや数量に応じて毎月一定の金額が発生します。管理手数料には、在庫管理・出荷準備・在庫チェックなどの業務コストが含まれており、倉庫運営に必要な基本的コストとなります。
こうした費用構成をあらかじめ把握することで、無理のない予算計画が可能になります。
変動費の詳細
一方、変動費は出荷量や業務量に応じて発生する費用です。代表的な内訳は以下のとおりです。
- 出荷ごとの送料
- 商品の流通加工(梱包、ラベル貼付など)費用
- 返品処理にかかる費用
出荷量が増えると送料の単価が下がる場合もありますが、商品特性や輸送距離などによってコストに差が出るため、慎重な比較が必要です。
また、流通加工や返品対応といった業務は、商品ごとに内容が異なるため、事前に見積もりを確認し、コストコントロールの計画を立てましょう。
初期費用0円の落とし穴に注意
一部のサービスでは「初期費用0円」をうたっていますが、月額費用や変動費が割高になることもあります。導入ハードルが低い反面、長期的に見るとコスト高になってしまうケースもあるため、総合的なランニングコストの確認が不可欠です。
規模に応じた費用の見極めが重要
- 大規模EC事業者:出荷数が多いため、固定費の比重が下がりコスト効率が良くなります。
- 小規模EC事業者:出荷数が少ないため、固定費や単価の高い変動費が割高になる傾向があります。
このように、自社の規模や出荷量に合わせて、最もコストパフォーマンスの高い倉庫サービスを選定することが、EC物流戦略成功の鍵となります。
EC物流倉庫へ外部委託するメリットとデメリット
EC倉庫への外部委託は、物流業務の効率化やコスト削減といった多くの利点がある一方で、注意すべきデメリットも存在します。ここでは、外部委託する際のメリットとデメリットの両面を整理し、自社に合った判断を行うための材料についてご紹介します。
【メリット】業務の効率化とコスト削減
物流業務を専門の倉庫に委託することで、出荷管理や在庫管理の最適化が図れます。専門企業は最新の物流技術を駆使しており、業務の正確性とスピードを両立できます。これにより顧客満足度の向上やリピーター獲得にもつながります。
また、自社で倉庫を運営する場合と比べて、人的リソースや設備への投資を抑えられるため、初期費用やランニングコストの削減が可能です。料金体系が明確で、変動費と固定費を分けて管理できる点も経営上のメリットです。
【メリット】繁忙期や注文急増への柔軟な対応
季節キャンペーンや予期せぬ注文増加など、需要が急増する場面でも、外部倉庫であれば迅速に対応できます。リソース調整や人員の増強がしやすく、突発的な負荷にも耐えられる柔軟性を持っている点は、事業の安定運営において大きな強みです。
結果として、配送遅延などのリスクを抑えながら、顧客満足度の維持・向上にも貢献します。
【メリット】物流品質の向上
外部の専門業者は、高度な業務フローやノウハウを備えており、精度の高い在庫管理と迅速な出荷体制を実現しています。また、流通加工や梱包などの付加価値サービスにも対応できるため、ブランド力の強化にも寄与します。
信頼できる倉庫会社をパートナーにすることで、「物流のプロ」に任せた安心感と品質の安定性を得ることができます。
【デメリット】業務ノウハウが社内に蓄積されない
物流業務を外部に任せることによって、自社内にノウハウが蓄積しにくくなる点は大きな注意点です。将来的に自社で物流を内製化したいと考えた際に、必要な知識や経験が不足していると、スムーズな移行が困難になります。
また、社員のスキルアップ機会が減ることで、社内リソースの成長にも影響を及ぼす可能性があります。
【デメリット】小規模案件ではコストが割高になる可能性
外部倉庫の料金体系は、大量出荷を前提に設計されているケースが多く、少量出荷の事業者にとっては割高になる傾向があります。一定の固定費が発生する上に、送料や手数料の比率も高くなるため、費用対効果が合わなくなる場合もあります。
事業規模に見合ったサービス選定ができていないと、コスト面での負担が重くなるリスクがあります。
【デメリット】委託先選びを誤ると運営リスクが高まる
倉庫の選定ミスや連携体制の不備により、誤出荷や配送遅延といったトラブルが発生する可能性があります。こうした問題は、顧客満足度の低下やブランドイメージの損失にもつながります。
そのため、契約前にサービス内容や実績をよく確認し、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。
EC倉庫と自社倉庫運用の比較表
比較項目 | EC倉庫委託(外部) | 自社倉庫運用 |
---|---|---|
初期投資 | 少ない(0円もあり) | 高額(施設、人材、システム) |
柔軟性 | 高い(繁忙期対応◎) | 低い(リソース固定) |
在庫可視性 | 高度なシステム連携で可視化 | システム整備次第 |
スピード感 | 即日出荷対応も可能 | 作業者次第 |
ノウハウ蓄積 | 難しい | 蓄積可能 |
リスク管理 | 委託先次第 | 自社で全て把握可能 |
このように、EC倉庫の外部委託には、業務効率やコスト削減といった大きなメリットがある一方で、ノウハウの蓄積やコスト構造など注意すべき点も存在します。
だからこそ、自社の成長フェーズや取り扱う商品の特性を踏まえて、目的に合った委託方法やパートナーを選ぶことが重要です。メリットとデメリットを正しく理解し、事業戦略に即した最適な物流体制を整えていきましょう。
よくある失敗例と注意点
EC倉庫の選定や運用において、事業者が陥りやすい失敗や注意すべきポイントを事前に把握しておくことは非常に重要です。以下に代表的な失敗例を紹介します。
契約前にサービス内容を十分に確認しない
初期費用や月額費用が安価に見えるサービスであっても、返品処理や流通加工などのオプションが別料金になっている場合があります。必要な機能が含まれていないと、想定以上のコストが発生し、長期的な運用に支障をきたす可能性があります。契約前には、見積もりの内訳やサービスの範囲をしっかり確認しましょう。
システム連携が不十分で業務効率が落ちる
ECプラットフォームとのリアルタイム連携ができない倉庫では、在庫状況の更新遅延や出荷ミスが発生しやすくなります。特にセール時などの大量受注時には、システム連携の不備が致命的になることも。API連携の有無や連携実績を事前にチェックすることが不可欠です。
倉庫の繁忙期対応力を軽視してしまう
年末商戦やキャンペーン時期など、短期間で出荷量が急増するタイミングに対応できるかも重要な選定基準です。繁忙期の対応力が低い倉庫を選んでしまうと、遅延や誤出荷のリスクが高まり、顧客満足度の低下につながります。過去の実績やキャパシティも必ず確認しましょう。
迷わない!EC物流倉庫を選ぶ際の6つの判断基準
EC物流倉庫の選び方は、事業の効率化や成長に直結する重要なポイントです。ここでは、選定時に押さえておきたい6つの判断軸をご紹介します。
1. 配送効率を左右する「立地条件」
倉庫の立地は、配送スピードやコストに大きく影響します。顧客や供給元に近い倉庫を選ぶことで、配送時間を短縮でき、運送コストも抑えられます。特に都市部や幹線道路沿いなど、アクセスの良い立地は急ぎの対応にも強く、競争力につながります。
複数の候補がある場合は、交通インフラや配送エリアとの相性を比較し、自社に最適な場所を選びましょう。
2. 商品特性に合った「取扱い実績・専門性」
食品や医薬品、アパレル、大型商品など、扱う商材によって必要な管理方法や設備は異なります。自社の商品特性を理解し、取り扱い経験がある倉庫を選ぶことが重要です。
スタッフの専門知識やトラブル時の対応力も信頼性のポイント。衛生管理や温度管理など、対応が必要な条件をあらかじめ明確にしておきましょう。
3. 必要な業務が揃っているか?「サービスの適合性」
保管・出荷だけでなく、流通加工、ラッピング、返品処理、在庫管理など、自社が必要とする業務をどこまでカバーできるかを確認しましょう。
また、業種特化型の倉庫であれば、商品特性に合わせた最適な対応が期待できます。委託後に「できないことが多い」とならないよう、事前に提供範囲をしっかり確認することが大切です。
4. データ連携の精度を高める「システム連携力」
倉庫側の管理システムと自社のECシステム(在庫管理や受注システム)が連携できるかも重要なポイントです。APIやCSV連携などの手段や、対応範囲をチェックしましょう。
リアルタイムで在庫状況や出荷データを把握できる環境は、業務の透明性と効率を大きく高めます。ミス防止やタイムロスの削減にもつながります。
5. 最終判断の鍵「倉庫見学」
Webや資料だけでは分からない現場の様子を確認するには、実際の倉庫を見学するのが一番です。整理整頓状況や作業フロー、設備の充実度、スタッフの対応など、現場を見ることで安心感も得られます。
また、事前に公式サイトや資料で情報を整理しておくと、見学時の確認ポイントが明確になり、より有意義な判断ができるようになります。
6. 「信頼できるパートナー」かどうかを見極める
最終的には、その倉庫と長く付き合えるかどうかも重要です。質問への対応の速さや姿勢、柔軟な提案力などを通じて、信頼関係が築ける相手かを判断しましょう。
物流は一度委託すると切り替えに手間がかかるため、慎重に見極めることが大切です。
事業規模別 おすすめEC物流倉庫サービスと特徴
月商100万円未満のEC事業者
月商100万円未満のEC事業者は、出荷数が少なく、物流コストを抑えたいケースがほとんどですよね。
そのため、「初期費用0円」「従量課金制」の倉庫サービスのように、使った分だけ支払う仕組みが適しています。スモールスタートでも始めやすく、事業成長に応じて柔軟に対応できるのが強みです。
おすすめサービス
- ロジモプロ
運営会社: 株式会社清長
小規模なEC事業者向けに、初期費用や月額固定費なしで、出荷1件から利用可能な物流代行サービスを提供しています。 - ロジスピ
運営会社: 株式会社ウィズリンクス
個人事業主や中小企業向けに、固定費不要で出荷1件から利用できる従量課金制の物流代行サービスを提供しています。
月商100万円〜1,000万円の成長フェーズ事業者
在庫回転率やリピート率の向上が求められる成長フェーズでは、システム連携強化型や業種特化型倉庫の利用がおすすめです。自社ECサイトとのAPI連携や、アパレル・食品など商品特性に合わせた温度管理・流通加工対応のある倉庫が望まれます。
おすすめサービス
- スクロール360
運営会社: 株式会社スクロール360
ECサイトの規模や要望に応じて、ライトプランとカスタマイズプランを用意し、物流業務を包括的にサポートしています。 - ウルロジ
運営会社: ディーエムソリューションズ株式会社
物流・受注処理・顧客対応など、EC運営に関わる様々な課題解決をサポートする物流代行サービスを提供しています。
月商1,000万円以上の中〜大規模EC事業者
業務の属人化を避け、スケーラブルな物流体制を求める企業では、「販売主体型」や「倉庫サービス主体型」など、BPO的役割を担える外部倉庫がマッチします。繁忙期の大量出荷への対応力、在庫最適化支援、返品処理の仕組み化など、総合的なサポート体制が整っている点が重要です。
おすすめサービス
- エスプールロジスティクス
運営会社: 株式会社エスプールロジスティクス
事業の成長フェーズごとに物流課題を解決する体制を構築し、包括的な物流代行サービスを提供しています。 - 鈴与のEC・通販物流
運営会社: 鈴与株式会社
全国約140拠点のネットワークを活かし、通販事業者の納品先や保管条件に合わせた最適な物流拠点を選定し、コスト効率の高い物流運営を実現しています。
これらのサービスは、各事業規模やニーズに応じた最適な物流ソリューションを提供しています。詳細については、各運営会社の公式サイトをご確認ください。
まとめ:最適なEC物流倉庫を選んで効率的な運営を実現しよう
EC物流倉庫の選定は、ビジネスの効率化と成長を左右する重要な意思決定です。
立地、サービス内容、取り扱い商品の知見、システム連携のしやすさなど、複数の視点から総合的に判断することが求められます。
特に、サービスの品質やシステムの連携性は、日々の業務効率に直結します。可能であれば、実際に倉庫を見学し、運用体制やスタッフの対応を自分の目で確かめることが、選定の精度を高めるポイントになります。
EC市場が変化し続けるなかで、信頼できる物流パートナーと連携し、柔軟かつ安定した体制を構築できるかどうかが、今後のビジネスの成否を分けます。
最適な倉庫との出会いは、コスト削減や顧客満足度の向上だけでなく、持続的な成長のための土台になります。情報をしっかり集め、慎重かつ前向きに、自社にぴったりの倉庫を見つけてください。
【最後に】
ここまで読んでいただきありがとうございます。ここで最後にecforceのご紹介をさせていただきます。ecforce(イーシーフォース)は日本国内のEC・D2Cビジネスの現場を知り尽くした、わたしたちSUPER STUDIOが提供する国産SaaS型ECシステムです。EC・D2Cサイト構築の際の要件定義から成長拡大まであらゆるフェーズをサポートします。
累計1,000以上のショップ様に導入されている国産SaaS型ECシステム「ecforce」。さらなる実績や機能のご紹介は以下からご覧ください。
ecforceには、主に3つの特徴があります。
特徴1. EC/D2Cビジネストレンドを踏まえた最先端のシステム
豊富な搭載機能/カスタマイズ性/アップデートスピードでEC事業スタート・カート切り替えに対応。毎月平均で10-20個の新機能をリリース。
特徴2. 売上を最大化する多彩なマーケティング機能
クライアントニーズや自社経験を元にトレンドを抑えてた「効果がある」機能を搭載。「広告改善・CVR向上」や「LTV向上/CRM最適化」まで顧客獲得〜リピート化といった各フェーズに対応した機能群で、マーケティング施策を一貫して実施できます。
特徴3. CSオペレーションやシステム運用工数を削減
CSオペレーションや広告管理といったEC運営では工数がかかり煩雑化する業務も自動化と操作性の高いUIで効率化。運営コストを削減します。
「ecforce」は、ECサイトの構築はもちろん、サイトを開設したあとの機能も充実。売上を上げるための豊富な機能からコストを削減する仕組みまで、ECビジネスの成長をサポートします。
ご興味がある方はぜひ、以下からお問い合わせをいただければ幸いです。
その他、ecforce公式サイトでは、弊社が実事業経験から得たEC/D2Cノウハウを無料ebookで多数公開しております。弊社が独自に提供しているノウハウをたくさんご活用下さい。
※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月