この記事でわかること
ここまでチャットボットの成功事例や、シナリオ設計にまつわるTIPSをお伝えしてきたので、成果が上がるイメージはできたかと思います。
しかし、導入前と比べて解約抑止率が約4倍になった事例は一朝一夕で実現したわけではなく、数々の失敗や試行錯誤の賜物です。
今回は、そんな失敗や試行錯誤を通じて得た経験から、チャットボット導入を「失敗に終わらせない」ために必要な4つのヒントをお伝えしたいと思います。
※一般的には「解約阻止」と呼ばれていますが、弊社ではお客様の視点に立ち「継続サポート」と呼んでいます。(本稿では一般的な「解約阻止」を採用)
※ここでの「失敗」は、チャットボットを良いタイミングで導入できずに機会損失をすることと、導入後に正しい活用できずに成果が上げられないことを指しています。
チャットボットの導入タイミング
「チャットボットはいつ導入すれば良いですか?」といった質問をよくいただきますが、結論から言うと、チャットボットは初期から導入すべきです。
D2Cブランドはユーザー体験を重要視し、データドリブンでマーケティングサイクルを回すことが求められます。
チャットボットの導入は、「ユーザー体験」「データドリブン」の双方に貢献する選択であり、ブランド立ち上げ初期から導入することで、よりスピーディーな事業拡大が望めます。
もし導入を迷っているなら、購入済みユーザーが少ない初期から導入して、未購入ユーザー向けに様々な施策を打っていくことで十分成果を上げることができるでしょう。
導入に躊躇している時間もユーザーはサイトに来訪し続けます。
迷っている期間を機会損失と考えると、その時間が長ければ長いほど、振り返った時に迷ったのは失敗だったと感じるかもしれません。
未購入ユーザー向けのシナリオもある
一方で、初期からの導入は購入済みユーザーの割合が小さいため、必要ないと考える人もいるかもしれません。
しかし「シナリオ設計にまつわる4つのTIPS」でも触れましたが、チャットボットは購入済みユーザーの解約阻止以外にも様々な用途に使えます。
例えば、未購入ユーザーに対して購入を促すシナリオを作ることもできます。
- ポップアップで「商品を検討している人はこちらへ」と表示。
- 未購入ユーザーが気になりそうなことを選択肢として提示。
- 例えば化粧品の成分を気にする人には、どんな成分を使っているかを表示。
誰が使っているか?が気になる人には、使用している有名人の声を紹介。 etc.
ユーザーのニーズに合わせてコンテンツを用意できるので、買いたいけれど迷っているユーザーの後押しをするイメージでシナリオを作りましょう。
まだ購入済みユーザーが少ない初期でも、このような使い方をすればチャットボットの恩恵に授かることができます。
チャットボットを設置すべきはブランドサイト
成功事例でチャットボットを設置したのはブランドサイトです。
販売ページでは、ありません。
なぜなら販売ページに流入するユーザーは、D2Cにおいて圧倒的多数である「広告から流入するユーザー」で、つまり「買いに来る人」です。
じっくり商品を吟味して購入するユーザーは少なく、マーケティングのために作った広告(期待値)で買いに来るため、機能的な訴求に心を動かされがちです。
そのため、販売ページに来訪するユーザー向けに解約阻止のシナリオを用意しても、そもそも解約希望のニーズがないことは想像しやすいかと思います。
大事なことは、どんなユーザーがどの媒体を通じて流入しているのか、その過程でどんな心理になっているのかを想定することです。
チャットボットを設置する時は、その想定をした上で、最適なページ誘導と最適なシナリオを設置するようにしましょう。
解約阻止率を上げた後の施策
解約阻止率を上げた後には、どのような施策にトライすべきでしょうか。
解約阻止率をある程度引き上げることに成功すれば、あとは間口を拡大することで顧客の母数が引き上がります。
基本的には、その母数がLTVに寄与する規模まで拡大することで施策の幅も広がり、事業自体が成長していくといった考えです。
施策の一例ですが、解約希望の旨を電話してきたユーザーをブランドサイトにご案内したり、購入完了メールにURLを記載したり、商品の納品書にQRコードを添付することでブランドサイトに誘導しましょう。
ブランドサイトに誘導することで、リーフレットや同梱物では伝わりきれないコンテンツに接触してもらうことができ、解約希望者を減らして継続率を上げることができるでしょう。
・・・ここまで、チャットボット導入を失敗に終わらせないために、以下の4つのヒントをお伝えしました。
- 導入タイミング
- 未購入ユーザー向けのシナリオ
- 設置場所
- 解約阻止率を上げた後の施策
もちろん商材や訴求、シナリオ内の各コンテンツなどで、チャットボット導入の成果がどれだけ上がるかは未知数な部分があります。
しかし、このヒントを参照していただければ、導入して成果が全く上がらない(失敗)といったことはないはずです。(今後も情報のアップデートがあれば順次お伝えしていきます。)
※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月