この記事でわかること
インターネットで物を買うことは、今や当たり前になりました。
特に若い世代は顕著で、一度もお店に行かずにECだけで買い物を完結させる人も少なくありません。
しかし経済産業省の発表によると、EC化率はBtoC-ECで6%程度だと言われています。これは様々な商材を全てひっくるめて統計をとっているので、あくまで参考ですが、私たちが体感する以上にEC市場はまだ発展途上なのかもしれません。
歴史を振り返ると、インターネットを通じて商品が買えるようになったのは1990年代後半です。それから約30年が経ちました。右肩上がりでユーザーは増え、インターネットを介して得られる行動ログも飛躍的に増加しました。
ここにテクノロジーの革新が追いつき、集積したデータを経営やマーケティングに活用する「データドリブン〜」という考えを実践できるようになりました。
今回はD2Cを語る上でも欠かせない「データドリブンなEC」とはどのようなものか、一緒に考えていきましょう。
データドリブンなECとは?
まずは共通の認識を得るために、データドリブンの言葉の意味に着目してみましょう。
ドリブン(driven)はdriveの過去分詞ですが、直訳すると「走らせる・駆動する」といった意味があります。
つまりデータドリブンとは常にデータを元に状況を分析し、データによってあらゆる決定を行うことを意味するのです。
では、「データドリブンなEC」とはいったいどんなECを指すのでしょうか。
そもそもECにおいて、CTR・CVR・CPAといったデータは古くからよく使われます。この指標を元に広告をはじめとする施策の費用対効果を判断するのは、ごく一般的だと言えるでしょう。
しかし、これだけではデータドリブンなECとは言えません。
ECを展開する上で取得できるデータはCTR・CVR・CPAだけでなく、D2Cで重要視されるLTVやチャーンレートをはじめとする様々な指標、広告だけでなくSNSやオウンドメディア、オフライン(店舗やイベント)に至る全てのタッチポイントで取得できる顧客の行動ログが含まれます。
これらの全データを活用することで、マーケティング戦略の立案・顧客とのコミュニケーション設計・商品開発・物流の最適化etc. といった、あらゆる選択を行うのがデータドリブンなECなのです。
ECにおけるデータがもつ意味とは?
実はECをとてもシンプルに捉えると、“期待値と実値の差”で見えてくるものがあります。
ここでの期待値とは顧客がブランドや商品自体にかける期待のことで、実値は期待に対して実際に顧客が感じるものだと考えてください。
つまり顧客に対して広告で作った期待値を、ブランドが生んだ体験(実値)が上回れば、顧客は継続してくれます。一方で、期待値を体験(実値)が下回った場合、顧客は二度と商品を買ってくれないでしょう。
また期待値を上回った差が大きければ、自ずとLTVは高くなりますし、差があまりなければ一度の購入で終わってしまうかもしれません。
つまり、広告で期待値をどう作るかにLTVは影響されるのです。
まさにECにおけるデータは、顧客が抱く“期待値と実値の差”がそのまま現れたものだと捉えることができます。
もちろん細かく見れば様々な指標から、多様なデータを得ることができます。しかし、その本質を突き詰めていくと顧客の“期待値と実値の差”に全ては紐づくのです。
販売額3,000万円に伸びた事例
データドリブンなECがイメージできるように、ここで“期待値と実値の差”に関する事例をご紹介したいと思います。
とある妊活サプリは定期購入で年間100個ほどしか売れず、商品リニューアルを余儀なくされました。担当者は頭を悩ませた結果、顧客の期待値自体を変える決断をします。
従来の原料を研究した結果、細胞の活性化という点においては、確かに素晴らしく先進的な商品でした。
そこで妊活サプリを40代以上向けのアンチエイジングサプリに生まれ変わらせたのです。
もともと妊活という非常に限定的なニーズに対して期待値を作っていましたが、アンチエイジングという間口が広いニーズに変更して売価を変えることで、なんとリニューアル後の3ヶ月で受注数が約6,000件、販売額が3,000万円という驚異的な売上を上げたのです。
まさに“期待値と実値の差”を理解して、売れない商品を売れる商品に導いた成功事例ではないでしょうか。
成功事例が詳しくわかる参考記事:「商品開発の極意!売れない商品が売れるまでのマイルストーン」
この成功事例の背後には、データを注意深く見て積み上げた小さな意思決定が多々あります。これはまさに、データドリブンなECだと言えるでしょう。
※ちなみに広告の期待値を変えることでLTVが伸びることは、商材を選ばず様々なショップのデータで証明されています。
データドリブンとは顧客の声を聞くこと?
マーケティングではよく、「顧客の声を聞く」といった表現をします。
ユーザーインタビューなど、実際に顧客と対面して話を聞く場合もありますが、D2Cにおいては顧客一人一人の声を聞いて反映させることだけを指すわけではありません。
D2Cにおける顧客の声とは、つまり全ての顧客が残した行動ログの集積です。膨大なデータに意味を見出し、仮説を立て、PDCAを回すことで初めて成果を上げることができるのです。
データドリブンなECと聞くと機械的な印象があるかもしれませんが、実は究極的に人間への理解が求められるものでもあります。
データに意味を見出すには、人間を理解しようと努め、本当の意味で顧客の声を聞くことが必要だからです。
顧客は時に無意識に嘘をつきますが、データは嘘をつけません。何よりデータは雄弁です。これからはその声を聞き、データドリブンで成果を上げていきましょう。
【最後に】
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※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月