この記事でわかること
「いい商品を作ったのに、なんで私達の商品は売れないの?」
このような悩みをもつEC事業者は少なくないでしょう。
すべての事業で言えることですが、特にD2C事業は顧客視点で商品を作ることが大前提であり、「良いものが作れたからコレは売れるはずだ!」というのはただの自己満足となってしまいます。
「商品が売れない」「事業が上手くいかない」という現象が起きる理由はただ一つ。
圧倒的なリサーチと検証不足なのです。
とはいえ、事業成功に100%などというものもありません。
本記事では、成功する確率を少しでも高めていく思考法をお伝えします。
そもそも事業は誰のため、何のためにやるの?
筆者は事業を作り上げていく時、
「この事業(商品)は誰のため、何のためにやるのか?」
ということから考えます。
そもそも事業というものは誰かしらの課題を解決し、そのフィードバックである「ありがとう」がお金という対価となって成立するものです。
もう少し詳しく表現するのであれば、ビジネスは「顧客が達成出来ていない、お金を出してでも解決したい何かしらの課題が存在し、それに対する最適解を提供することにより対価を得ることで成り立つもの」と定義しても良いでしょう。
前項で述べた自己満足というものは、「こんなに良いものを作ったのだから消費者は買ってくれるはずだ」という思い込みにより招かれるものです。
これでは顧客のことを一切見ていないことになります。
今日、99%の事業が失敗すると言われているのは、ほとんどがこの思い込みが原因です。
※出典『https://www.mag2.com/p/news/353533』
事業を成立させることを想定していくのであれば、もっとロジカルに順序立てて考察を重ねていくことが必要です。
まず事業者がすることは、顧客が抱える課題を明確化、言語化することです。
そしてその課題が、顧客がお金を出してまで解決したい課題なのかを掘り下げて考えることです。
次項では、その思考を助けてくれるツールをご紹介します。
リーンキャンバスとは?
顧客課題からの事業企画をするうえで、世界的に使用されているツールが上記に添付しているリーンキャンバスというものです。
リーンキャンバスを作成するメリットは下記の通り。
1:高速性
数週間から数ヶ月かかる事業計画書と違い、慣れてくれば30分ほどでビジネスモデルの概要を作成することが出来ます。また、更新することも容易です。
2:簡潔性
実はプレゼン資料は最初の数ページ(場合によっては表紙だけの場合もあります)で興味を持ってもらえるかが決まります。リーンキャンバスは要点がしっかりとまとまっているので、無駄なくしっかりと第三者に伝えることが出来ます。
3:携帯性
リーンキャンバスは1枚の資料なので、携帯や共有が非常に簡単です。データを活用してのWeb展開も容易で、より多くの人の目に止まり簡単に理解してもらえます。
また、上記メリットだけでなく機能性も非常に優れております。
リーンキャンバスは9つの項目に分かれており、それぞれが事業を成立させるためのファクターとなっています。つまり、これらのファクターを事実検証のもと、しっかりと構築させた時、この一枚の用紙は「ひと目で分かる、あなたの事業のすべて」となります。
まずはこのリーンキャンバスの考察順序をもとにして、ブレストを繰り返し、顧客の課題にどのようにアプローチできるのか、どういったところに自分たちの事業の勝ち筋があるのかを導き出していきましょう。
リーンキャンバス各項目の考え方
さて、リーンキャンバスについて調べていくと、かなり多くの指南書が出てきます。
しかし、情報が多い分、何をもとに考えたらよいか分からなくなることも多いので、各セクションの考え方を簡単にまとめてみました。
これをヒントに順番通り考えて埋めていきましょう。
1:課題(顧客はどういったところで喜んでくれるか?)
2:顧客セグメント(どこの誰が喜んでくれるか?)
3:独自の価値提案(顧客はなぜ自分たちを選んでくれるのか?)
4:ソリューション(具体的に何を提供するのか?)
5:チャネル(どのように顧客とのコミュニケーションを形成するのか?)
6:収入の流れ(どのような商流で売上が形成されるのか?)
7:コスト構造(コストはどれぐらいかかるのか?)
8:主要指標(顧客の満足度をどうやって計測するのか?)
9:圧倒的な優位性(競合他社の参入障壁はどれくらいか?)
これで事業の設計図が完成しました。
ご覧の通り、具体的なプロダクト(前述を例にするならば”良いもの”)に相当する 「ソリューション」は本来考え始めるのは4番目です。
顧客はあなたのソリューションに興味は無いのです。興味があるのは顧客自身の課題しかありません。
と、アメリカの有名VCである 500 Startups 社のデイブ・マクルーアは表現したことがありますが、非常に本質を捉えている言葉です。
冒頭にも記載した通り、新しい事業を始める際、自分たちの思い込みで作り上げたプロダクトが当初の計画のままで成功する可能性は高くありません。
一か八かのプロジェクトにしないためには、顧客の反応を見ながら適切に軌道修正していく必要があります。
次項からはこの事業が成功する可能性を高めるための思考法を少しご紹介します。
事業の成功確率を上げていこう(CPF/PSF/PMF)
エリック・リースが提唱する「リーンスタートアップ」に沿って考えると、リーンキャンバスが完成したら、次にそれが本当に正しい計画なのかを検証します。
「CPF」「PSF」「PMF」という考え方があります。
顧客の課題の真因を探り、その課題にソリューションが適しているのかを見定め、このプロダクトが市場に適合しているのかを一つずつ検証していくやり方です。
「CPF」カスタマー プロブレム フィット
顧客の課題は本当に正しいのか(誰の課題なのか)を検証するフェーズです。
ターゲットインサイトを徹底的に掘り下げて、想像し抜いて、確かめられるところまで確かめること。カスタマージャーニーマップを作ったり、想定ペルソナを作り込んだり、ターゲットへのインタビューの詳細な方法論を考えたりと、方法は無限にあります。
明確な回答がないことがこのCPFの難しいところでもありますが、スタートアップが頓挫する大きな原因の90%以上は、このCPFの掘り下げ不足とも言われています。
「PSF」プロブレム ソリューション フィット
CPFで深掘ったプロブレムに対して、ソリューションを当て込み、具体商品化するフェーズです。簡単に言うと「本当にその商品(プロダクト)は欲しいのか?」を検証していくということです。
事業開発をしていると、このPSFに注力して前段のCPFは疎かになりがちです。
しかし、顧客の課題が曖昧であれば、ソリューションもそれに伴ってズレていきます。
従って、CPFである程度勝ち筋を見出してからソリューションの質を上げていくことをオススメします。
「PMF」プロダクト マーケット フィット
PSFのソリューションを具体的なプロダクトに仕上げて、実在する市場に投下し、反応を確認するフェーズです。こちらも簡単に言えば「本当にその商品は買ってもらえるのか」を検証することです。
ポイントは、荒削りな商品を展開し、意見を吸い上げ改良したら再度展開。
それを高速で回していくことです。
ただし、市場に投下してみるにしても、そもそもその方法が分からないという方は、まずはHP・LP・SNS等で、自分たちがCPFの際に検証したターゲットと接触できるように各種チャネルを構築するところから始めてみましょう。
以上、事業開発の成功確率を論理的に引き上げていく考え方をご紹介しました。
各検証の壁を越えられた時、事業が成功している確度は何もしていない状態よりも確実に高くなっています。
ただし、PMFを達成したとしても、私たちが行なっている事業はD2C事業です。
もし、数字が悪くなってきた時は、その答えは顧客が持っています。
顧客と近い状態でいられるD2C事業は、顧客の課題を一番早く吸い上げることが出来るものです。
常に顧客の声に耳を傾け、市場の動きに敏感に事業をアップデートし続けていく。
これを繰り返した先で、事業が長い期間継続発展する未来が見えてきます。
【最後に】
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※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月