この記事でわかること
前回の記事でコールセンターは外注した方がおすすめという内容の記事を書きました。
実際にECサイトを運用していても顧客対応業務は外部のコールセンターに外注していることが多いのではないでしょうか?
コールセンターは、ユーザーと直接会話をすることができる唯一の接点です。
通販ではお客様との接点が少ないからこそ、コールセンターの対応次第でユーザーからのショップへの印象が決まってしまうと言っても過言ではありません。
もちろん、どのECサイトでも力を入れているポイントだとは思いますが、果たして「現在のコールセンターが適正だ」と言い切れるでしょうか?
もし、「コールセンターなんてどこも同じじゃないの?」「外注しているが、どのように評価したら良いかわからない」という方はぜひ本記事を読んでみてください。
そもそもコールセンターにはいくつか種類があり、通販における「コールセンター」とはおおまかに以下の3つに分けられます。
通販におけるコールセンターの主な役割
①商品に関する問い合わせを受け付ける
②定期購入の解約希望顧客からの問い合わせに対して解約抑止を行う
③単品購入者に対して架電し、定期商品への引き上げやクロスセルを行う
他に「電話注文を受け付ける」などの役割もありますが、今回はいわゆる「お客様窓口」や「カスタマーセンター」と呼ばれる①・②の役割について説明していきます。
一口にコールセンターへの外注と言っても、その外注の方法には「専任」と「シェアード」の2種類があります。
外注形式によって、同じレポート内容でも改善方法や改善のためのコストが変わってきますので、まずはそちらを解説します。
専任とシェアードの違い
「専任」とは、コールセンター内のブースを借りて自社の案件専用のオペレーターを用意する、といったイメージです。
対して「シェアード」とは、複数の案件を担当しているオペレーターに自社の案件も対応してもらい、オペレーターを他社とシェアするようなイメージになります。
それぞれの特徴を以下にまとめました。
項目/形態 |
専任 |
シェアード |
固定費 |
高い |
安い |
専門性 |
高い |
普通 |
応答率 |
高い |
普通〜低 |
他社案件の影響 |
なし |
大きい |
専任の特徴としては、オペレーターが自社の案件に張り付いて対応をするためオペレーターの商材理解度が高くなり、ある程度高度な質問にも答えられるようになります。
また、他社の案件の影響を受けないため、適切な席数が確保されていれば応答率も高い水準を確保することが可能となります。
費用面では、オペレーターの人件費をすべて負担する形になるため、以下の計算に基づいて算出されます。
1時間あたりの単価×営業時間×日数 = 1席あたりの月間コスト
「現在シェアードで契約しているが、よりコールセンターの品質を高めたい」や、「複数商材を取り扱っていてそれぞれの特徴が複雑」といった場合はコストがかかっても専任で契約を行うことをおすすめします。
対してシェアードの特徴についてですが、オペレーターを複数社でシェアする形になるため、専任と比較するとどうしてもひとりひとりの商材理解度が低くなる傾向にあります。
応答率については、シェアードの性質上、他社の案件の入電数が爆発的に増えた際に自社の案件も影響を受けて応答率が下がってしまうことがあります。
費用面では、基本的には従量課金となり1コールあたりの金額で算出されます。コールセンターによっては「100件までで100,000円、101件以降は従量課金」のように固定費+従量課金の形式をとっているコールセンターも多くあります。
コールセンターの費用については、また別記事で解説を行いますのでそちらをご参照ください。
コールセンターのレポートの読み方
コールセンターの外注形式について説明したところで、本題のレポートについての説明に移ります。
ほとんどのコールセンターでは、外注元に対して毎月レポートの提出を行っていると思います。
レポートの内容は応答率、平均通話時間などの基本的な指標の報告から、一部のコールセンターでは「どういった問い合わせが多いか」などのVOC分析(Voice Of Customerの略)まで行っていることもあります。
コールセンターから提出されるレポートを見ることで、自社が外注しているコールセンターが本当に今の規模、運用に対して適正かどうかをある程度判断することができます。
主なレポートの項目については以下の5項目になります。
主な項目 |
概要 |
応答数 |
入電に対応した件数 |
放棄数 |
通話にならずに切れてしまった件数 |
応答率 |
応答数を入電数で割った全体の対応した割合 |
平均通話時間 |
1通話あたりの平均対応時間 |
平均待ち時間 |
応答するまでにかかった平均時間 |
上記の項目の中で、特に大きな指標となってくるのが「応答率」となります。
一般的なシェアードのコールセンターであれば70~80%程度の応答率があれば十分ですが、ユーザーから「電話してもつながらない」といったクレームが多くなる場合には体制の強化を検討してみてもいいかもしれません。
応答率以外でコールセンターの改善に直結する項目が「平均通話時間」になります。
以上の2項目について、一般的な目安と、目安より悪い場合の原因例、改善のための対応例をあげておきますので、レポートを見る際の参考にしてみてください。
■応答率
専任 |
シェアード |
|
一般的な目安 |
80~90%以上 |
70~80%以上 |
目安より悪い場合の原因例 |
・入電数に対して席数が足りていない ・一通話あたりの通話時間が長く、対応できる件数が少なくなってしまっている |
・他社の案件に圧迫されてしまい、対応できなくなっている ・一通話あたりの通話時間が長く、対応できる件数が少なくなってしまっている |
改善のための対応例 |
・席数が適正かどうか、コールセンター側の担当者と相談し、足りないようであれば席数を増やす ・通話時間が長引いている原因の分析を行い、スクリプトの見直しや、ショップ内のFAQを充実させる |
・他社の案件による影響で応答率が下がっている場合は、オペレーターの数を増やしてもらえないか交渉を行う。難しいようであれば専任への切り替えを検討する ・通話時間が長引いている原因の分析を行い、スクリプトの見直しや、ショップ内のFAQを充実させる |
もし、シェアードで明らかに60~70%と応答率が低く、「電話してもつながらない」などのクレームが多く出ている場合には、委託先へ応答率が低い原因を確認し、オペレーターの数を増やしてもらうようにまず交渉してみましょう。
それでも改善されない場合は、専任への切り替えを検討するか、シェアードでも応答率がある程度担保されているコールセンターへの切り替えを検討するなどの対策をとるのがよいでしょう。
■平均通話時間
専任・シェアード共通 |
|
一般的な目安 |
3~4分 |
目安より悪い場合の原因例 |
・広告やサイト内の表示にユーザーの誤解を招く表現がある ・電話がつながりにくく、クレームになっている ・オペレーターの理解が低く、ユーザーの問い合わせに答えられていない ・オペレーターとユーザー間で親密にコミュニケーションが取れている |
改善のための対応例 |
・通話が長引いている原因分析を行い、改善を行う 商品に関する質問が多い→商品FAQを充実させる 電話がつながりにくい →コールセンターの体制を強化する など |
通話時間が長いということは必ずしも悪いことではありませんが、通話時間が長引いている原因を適切に把握することが重要になってきます。
高齢者や女性をターゲットにした商品を取り扱っている場合は、電話でユーザーとのコミュニケーションを取ることで顧客満足度が上がることもあり、適切なコミュニケーションが取れている場合は通話時間が長くなってもショップの方針として許容している場合もあるでしょう。
しかし、サイト内の表記に関するクレームや、ユーザーからの問い合わせにオペレーターが答えることができずに通話時間が長く鳴ってしまっている場合は、サイト内の表記を見直したり、トークスクリプトの改善を行うと良いでしょう。
また、以上の2項目に加えて「平均待ち時間」も一つの指標となってきます。
短ければ短いほど良いとされる指標なので特に目安は記載しませんが、ユーザーから「電話しても全然つながらない」などのご指摘が多くない限りは特に意識しなくても問題ありません。
基本的には「応答率」と直結してくる指標となりますので、応答率の改善を検討する際には合わせて見てみることをおすすめします。
コールセンターのレポート項目について説明してきましたが、いかがだったでしょうか?
自社のコールセンターの品質評価や、これからコールセンターの外注先を検討する際には上述の項目について質問してみるといいかもしれません。
【最後に】
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※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月