この記事でわかること
「サスティナブル」というキーワードを耳にすることが増えました。
サスティナブル(sustainable)は、sustain(持続する・維持する)とable(~できる)の2つの言葉から成り立っていて、「持続可能な〜」と訳されることが多い言葉です。
D2Cにおいても、決して少なくないブランドがサスティナブルを謳い、プロダクトやマーケティング施策、ブランドの思想そのものに影響を与えているケースがあります。
今回はサスティナブルな取り組みをするD2Cブランドの事例を取り上げつつ、サスティナビリティが重要視される3つの理由に迫りたいと思います。
3つのD2Cブランドに見るサスティナブルな事例
ここではサスティナブルな事例として、3つのD2Cブランドを見てみましょう。
その3つとは、Everlane(エバーレーン)、Allbirds(オールバーズ)、Cotopaxi(コトパクシ)です。
オーガニックコットンに変える宣言をしたEverlane
Everlaneがサスティナブルな取り組みをしているかどうかは、賛否両論あります。
ファッションブランドを発見できるサイト『Good On You』で、Everlaneの評価は「Not good enough.」でした。
しかし、持続可能なブランドであろうと努力をしていることは間違いありません。
Everlaneは2020年3月16日にTwitterで、すべてのコットンをオーガニックに変えることを宣言しました。よりサスティナブルに向かおうとする姿勢は間違いないようです。
参考:Everlaneを理解するための5つのポイント。サスティナブルかグリーンウォッシングか?
靴箱までサスティナブルであろうとするAllbirds
Allbirdsはサスティナブルな取り組みを、以下のような形で実践しています。
・ユーカリの木から生成した素材でアッパーを作る
・環境への負荷が低いとされるサトウキビから生成した素材で、ソールを作る
・炭素排出量を抑えるため、インソールに石油ではなくヒマシ油を使用
・製造・販売の全工程でカーボンニュートラル(※)を達成
・靴箱は90%再生可能
・使用済みのソールはSoles4Soulsを通じて世界中で再活用
※排出されるCO2と吸収されるCO2が同量であるという概念。
靴のアッパーやソールに限らず、靴箱までサスティナブルであろうとする姿勢には、もはや畏敬の念すら生まれます。
参考:Allbirds、5つのキーポイント。Amazonにも屈しないD2Cブランドの信念とは
貧困をビジネスで救うCotopaxi
Cotopaxiは基本的にブランドの哲学“Gear for Good”に沿った商品を作ります。
背景には「貧困をビジネスで救う」という創業者の想いがあり、その想いがCotopaxiというブランドの思想を形作っているのです。
販売を通して貧困に苦しむ人々を助けるという姿勢を見せていて、具体的には以下のようなアクションを起こしています。
・社会貢献目的で採用した働き手が多くいる国内工場にこだわる。
・売上高の1%を貧困の撲滅や教育支援などに関わる非営利組織に寄付する。
・ソルトレイクシティで暮らす難民が書いた直筆の感謝状を添えて発送する。
ビジネスシーンにいながらも、一過性の利益追求だけではなく、関わる人々が共に幸せになるような持続可能な取り組みを心掛けていることがよくわかります。
参考:リャマから始まったD2Cブランド?Cotopaxiにまつわる5つの話
D2Cブランドがサスティナビリティを重要視する3つの理由
Everlane、Allbirds、Cotopaxiの3つのブランドを取り上げ、具体的な事例を見ましたが、ここでは一歩引いてみましょう。
なぜD2Cブランドはサスティナビリティを重要視するのでしょうか。そこには3つの理由が考えられます。
ミレニアル世代・Z世代が重要視するから
D2Cブランドの顧客の多くは、ミレニアル世代、またはZ世代といった若い世代です。
ミレニアル世代は一般的に1980年代前半から1995年頃に生まれた層を指し、彼らが生まれ育った時代を象徴する言葉として、「ソーシャルグッド」が挙げられます。
環境問題や社会問題に対して関心が高いのが特徴で、個人の欲求を満たすためだけの消費に止まらず、問題に対するブランドの姿勢によって購買の有無を決めることもあります。
Z世代はミレニアル世代よりさらに若く、1995年頃から2010年頃に生まれた層を指します。「消費から体験へ」が一つのキーワードで、サスティナブルな取り組みをする「共感できるブランドから買う」といった体験を重視する傾向があります。
D2Cブランドがサスティナビリティを重要視する理由の1つは、ブランドが相対する顧客がそれを重要視しているからです。
「鶏が先か、卵が先か」の議論はありますが、ミレニアル世代・Z世代にサスティナビリティへの関心が無ければ重要視する必要性は薄れるはずです。
意味レベルの価値を作るため
モノが溢れる現代において、D2Cブランドはモノの機能性だけで勝負せず、意味レベルの価値を作ることに尽力しています。
『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』には、こう書いてあります。
「プロダクトがコンテンツ化する」とは、「プロダクトがストーリーをまとう」ということだ。ストーリーをまとったプロダクトは、意味レベルの価値を持つ。そして、意味レベルの価値を持ったプロダクトは、機能レベルでの比較などされない。他のプロダクトとまったく違う価値を持ち、マーケットの中で、ユニークで絶対的なポジションを獲得することができる。
D2Cブランドがサスティナビリティへの理解を示し、実際に行動することでプロダクトは新たなストーリーをまといます。
そしてストーリーは意味レベルの価値を生み出し、顧客は世界を良くしていこうとする行動を共にすることで、より良い体験を得ることができるのです。
D2Cブランドがサスティナビリティを重要視するのは、「意味レベルの価値を作るため」ということもできるのです。
参考:『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』から得られる5つの気づき
サスティナブルな取り組みはPRにつながる
本質ではありませんが、サスティナブルな取り組みがPRにつながることも忘れてはなりません。
Everlaneはアースデイを契機に人々の関心を気候変動に向かわせようと、ニューヨークタイムズと組んで、胸と背中にプリントが施されたTシャツやスウェットを販売しました。
https://www.everlane.com/nytimes
この取り組みで環境問題と同時にEverlaneに注目が集まったことは言うまでもありません。(大手メディアと1つのブランドが共同でメッセージを出すことに、議論の余地はあるようですが)
プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)が囁かれ、SDGsが掲げられた現代において、モノを作るブランドが環境問題を考えることは当然だという声もあるかもしれません。
しかし何もできない企業が多くある中で、D2Cブランドは先進的な事例を作っています。
Allbirdsの創業者であるJoey Zwillinger(ジョーイ・ズウィリンガー)氏の口ぐせ、「より良い世界を作ろう」の通りに、体裁だけではなく、本当の意味でサスティナブルなD2Cブランドが増えることを祈るばかりです。
【最後に】
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※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月