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700万円を利益に変えた在庫処分。とあるEC事業者の事例を徹底解説!

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    EC業者にとって「在庫」は、会社の資産です。在庫が売れて初めて現金化されるため、過剰在庫を抱えていては、コストを回収できないことになります。

    そのため、過剰在庫は資金繰りを圧迫し、売り上げが好調でも経営難に陥る可能性があります。このようなリスクを回避するために行いたいのが、在庫処分です。

    ここでは、在庫処分を行うメリット、在庫処分の方法、実際に在庫処分を実践した事例について詳しく解説していきます。

    この記事を最後までご覧いただいた方のために、事業にすぐ使える実践フォーマットを配布させていただいております。ぜひご活用下さい。

    これからECカートを決める方・いまのECカートに満足してない方へ。以下の記事にも、あなたのお悩みが解決する情報が満載です。
    【ECサイト構築サービス22個の比較表】おすすめ国産SaaS型ECシステムもご紹介
    4つのECサイト構築事例。新鋭D2Cブランドの動向から読み解く「狙い」とは?

    在庫処分の4つのメリットとは?

    在庫処分には、主に以下の4つのメリットがあります。

    在庫処分セールで集客できる

    在庫処分には、値段を下げて「在庫処分セール」として販売する方法があります。

    「商品の魅力で売らずに、値下げで売るなんて」。そう思う方もいるかもしれませんが、在庫として手元に抱えるより、在庫処分セールでお客様に届けた方が良いという考えもあります。

    何より在庫処分セールをきっかけに新規顧客数の増加が見込め、さらにほかの商品を購入してもらえる可能性が高くなります。ECにおいて集客は常に大きな課題。在庫処分セールを集客の一施策とすることで新たな可能性が広がります。

    在庫処分で管理の手間や費用が削減

    別の視点に立つと、在庫を抱えるということは、管理する手間や費用が余分にかかってくるということです。

    それゆえ在庫処分をすれば、在庫を管理する倉庫費や、管理のための人件費や手間などが削減できます。在庫は置いてあるだけでコストがかかっていることを、改めて自覚しましょう。

    在庫処分で商品を入れ替える

    これも当たり前の話ですが、在庫処分を行えば、その分新しい商品を売ることができます。在庫処分で空いたスペースに、売れる商品を入れ替えるだけです。

    売れる見込みがない商品を在庫として抱えるより、売れる新商品を販売するほうが集客にも繋がります。

    在庫処分で節税

    在庫処分の大きなメリットは「節税」にもあります。

    売れずに残ってしまった在庫は決算期末に課税対象になるため、在庫処分すれば節税になるのです。そのため、売れる見込みがない商品は、在庫処分で極力減らすようにするほうが有益です。

    常に適切な在庫管理をするためには、以下の参考記事をぜひ読んでください。

    <参考記事>
    ECサイトの適切な在庫管理3つのポイント!安全在庫の計算式もご紹介

    在庫処分3つの方法

    ここまでご覧の通り、在庫商品を置いておくだけではEC業者に利益をもたらすことはありません。そのため、在庫が発生したら在庫処分を速やかに行いましょう。

    では、どのように在庫処分を行えばいいのでしょうか?ここでは、在庫処分の主な方法を3つご紹介します。

    割引・在庫処分セール

    在庫を売り切るために、定価から値下げして在庫処分セールと称して販売する方法です。

    在庫処分のメリットでも述べたように、在庫処分セールを行うことでほかの商品を買ってもらえる可能性が高まります。

    値下げして販売するため大きな利益は狙えませんが、節税、廃棄コストの削減になる在庫処分方法です。

    買取業者へ売る

    在庫処分セールを行っても在庫が売り切れない場合、在庫商品を買取業者へ売る方法もあります。在庫処分の専門業者に依頼し、破棄証明書を交付してもらうことで、税務調査に対応することもできます。

    在庫処分セールによる来客は見込めませんが、ある程度の利益をあげることができます。

    在庫廃棄

    在庫処分セールを行い、買取業者へ売っても在庫処分できない場合は、損切りと判断して在庫商品を破棄します。

    破棄する際、無料で在庫処分できる場合と、料金を支払って在庫処分する場合があります。料金を支払う際は処分コストと商品価値を比較して、在庫処分を行うか判断しましょう。

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    「デオドラントクリーム」のEC事業者による在庫処分の事例

    EC業者にとって、在庫を抱えることはデメリットでしかありません。売れる見込みがないと判断したら、在庫処分に向けて施策を立てる方が有益です。

    とくに定期通販では広告をめぐる環境の変化などで在庫コントロールが非常に難しく、完全な在庫制御を行うことが不可能になってきています。

    その結果、大量の在庫を抱えたまま、ショップをクローズしなければならない局面も増えました。もちろん、大量に発注した在庫は、そのまま負債として残ってしまうことになります。

    このような状況に陥った「デオドラントクリーム」のEC事業が、実際に在庫処分を行った事例を詳しくみていきましょう。

    在庫を抱えた背景

    こちらのEC業者は「デオドラントクリーム」で事業をはじめた当初から、順調に月間約3,000件の新規顧客の獲得に成功していました。

    この新規顧客の獲得にあわせて在庫の発注を行なっていたため、常に30,000個の在庫を維持していました。

    しかし、市場が変化したことで、突然広告の数字が悪化し、新規顧客の獲得が困難となりました。その結果、在庫処分を行い、ショップが最も最終利益の大きい状態での着地を目指してクローズする決断を迫られたのです。

    クローズを決定した状況

    撤退を決定したタイミングでの既存会員は合計で20,000ユーザであり、そのうちアクティブユーザは2,000人という状況でした。(※アクティブユーザとは、稼働中の定期会員)

    終売が決定し、すぐに新規発注を停止したことで、15,000個まで減らすことはできたものの、アクティブな定期会員2,000人による今後の販売見込みは、およそ5,000個。

    つまり、在庫15,000個から自然に販売が見込まれる5,000個を差し引きしても、10,000個の在庫が残ってしまう計算になります。この在庫がそのまま損失となります。

    金額ベースでは、商品原価は約700円であったため、合計約700万円が損失となるのです。この700万円の損失を緩和する在庫処分方法を検討する必要があります。

    具体的な在庫処分の施策

    700万円の損失を緩和するために行った10,000個の在庫処分方法として、以下の3つを検討しました。

    このショップは700万円もの大きな損失を緩和するために検討を重ねた結果、①の施策から在庫処分セールを実行することにしました。

    キャンペーン内容

    当商品の販売定価は6,000円でしたが、原価の700円を回収することを目的に以下の在庫処分セールプランを用意しました。

    6ヶ月分、在庫処分最終セール(6個で9,000円、送料:無料、手数料:無料)
    12ヶ月分、在庫処分最終セール(12個で14,000円、送料:無料、手数料:無料)

    オファー方法

    既存会員20,000人に、在庫処分セールのHTMLメールを配信することにしました。

    HTMLメール上の購入ボタンで6ヶ月分と12ヶ月分の在庫処分セールへの導線を作ったのです。もちろん、オファーの魅力が伝わるような導線とライティングも加味した上でメールの設計を行いました。

    すべての画像をお見せできませんが、以下が実際のサンプルです。

    メールのサンプル

    オファーに応じた既存会員の購入導線

    オファーに応じた既存会員の購入導線を改善しました。

    当施策は①メール到達率>②メール開封率>③メール内リンククリック率(キャンペーンLP遷移率)>④キャンペーンLP CVR(購入率)という順に対象者数が絞られていきます。各ステップにおける数字を最大化していくことが最終的な売上回収を最大化することに直結します。この導線整備は④のフォーム入力〜購入完了を最大化させる施策のひとつです。

    今回のオファーは、あくまでも既存会員に向けた限定販売であるため、販売ページでログインして購入していただく必要があります。

    しかし、お客様の中にはパスワードを記憶されていなかったり、パスワードの再設定を行なってまで購入を進める意欲がないお客様もいらっしゃいます。

    そこで、在庫処分セールのオファーメールに会員ごとのログイン情報を明記しました。会員が簡単な手続きで購入できるようにしたのです。

    オファーする会員の絞り込み

    もちろん、オファーメールを送信する先は、メールマガジンの配信を許可しているユーザーに限られます。

    しかし、このショップでは、さらにもう1点注意することにしました。

    それは、定期継続中の会員を在庫処分セールのオファーメール配信対象から除外したことです。なぜなら定期継続中のお客様は、まとめ買いをすることで定期を停止してしまう可能性があるからです。

    あくまでも、今回の在庫処分セールのオファーは過去に商品を愛用していただいていたお客様。事情があって、休止に至ったお客様でも過去の満足度が高ければ、改めて購入していただけると考えたのです。

    オファーするタイミング

    既存会員20,000人から、定期継続中の会員を差し引いた残りの会員に対して、2,000人単位で在庫処分セールのメール配信を行うことにしました。

    その理由は、会員の反応から今回のオファーに対するリスクヘッジと配信効果を最大化するPDCAを実行するためです。

    改善できる部分は改善し、次の2,000人のオファーへと生かすこと。これを繰り返し行いました。

    これらを行った結果、CVRが20%という驚異的なまとめ売りオファーを成功させることができました。

    結果的に10,000個あった在庫のうち7,500個を在庫処分することができ、700万円の負債が利益に変わったのです。

    在庫処分方法は自社ショップに状況に応じて要カスタマイズ

    上記の例は、あくまでも1つの成功事例です。同様の問題を抱えているEC事業者は、ぜひ、在庫処分セールのまとめ売りを検討していただきたいと思います。

    もちろん、同じ状況下でも、同等の効果がでるかどうかは分かりません。私たちが考察したことは以下の通りです。

    以下の図は、同様の在庫処分セールでまとめ売りをした別商品との定期継続率の比較です。

    前述のまとめ売りに成功した商品と、まとめ売りが上手くいかなかった商品の定期継続率を比較したところ、まとめ売りが上手くいかない商品は、相対的に定期継続率が低いことが分かりました。

    定期継続率は、いわば顧客満足度です。

    満足度の高い顧客は、商品が終売すると二度と同じ商品を使うことができなくなるため、「今のうちに購入しておきたい」という心理が働き、まとめ売りに応じやすくなります。

    一方で、満足度の低い顧客に対して、まとめ売りを訴求しても顧客のニーズと一致せず、まとめ売りに反応することはありません。

    つまり、既存顧客にまとめ売りを訴求して成果がでるかどうかは、定期継続率を見れば一目瞭然なのです。

    実際に、この記事を読まれているショップ様の中で、在庫処分に悩まれている場合は、本記事の施策を参考に自社ショップの現状に合わせてカスタマイズして試していただくのもよいでしょう。そもそも余らせない適切な在庫管理が重要ですが、それでも在庫が余ってしまう場合は、在庫処分業者を利用すべきです。

    また、オールインワンECプラットフォーム「ecforce」を通じて、様々なクライアント様と向き合いサポートしてきた私たちSUPER STUDIOは、すべての知見を集積して在庫管理フォーマットをつくりました。

    また、これらは実際に弊社が自社D2Cブランドの運営にも活用しているフォーマットで実践ですぐ活用いただける内容となっております。

    在庫管理フォーマットは、事業数値を集約・計算することで、以下を見える化します。

    • 発注点予測
    • 消費期限別在庫の月別サマリ
    • リアルタイム(当日12:00時点)での在庫数、発注点の予測
    • 消費期限別在庫の状況
    • 在庫数、出庫数の日別推移
    • 週別在庫数、受注数の推移
    • 月別在庫数、受注数の推移

    これらのデータから予実管理をすることで、在庫コストやリスクを最小化する在庫管理を実現できるのです。定期通販用と、非定期用の2パターンあるので、ぜひ御社の事業に合うフォーマットを手に入れて活用してみてください。

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    ※問い合わせ内容に「在庫KPI管理FMT・定期通販」もしくは「在庫KPI管理FMT・非定期通販」とご記入ください。

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    御社のD2Cを成功に導くには、D2Cに必要な要素を全て備えたカートが欠かせません。「ecforce」は数々のD2C事業の立ち上げ経験から生まれたカートサービス。
    多くのD2Cブランドがecforceを導入して、今までに合計1,000億円を超える売上を達成しています。

    平均年商

    2 億円

    以上 ※1

    売上

    230 %

    UP ※2

    継続率

    99.7 %

      ※3

    D2Cを成功に導くために必要なものとは?
    ※1:稼働済みショップの平均年商 / 集計期間 2021年7月~2022年6月
    ※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
    ※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月

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