この記事でわかること
最近、D2Cという言葉を耳にすることが多くなったと感じませんか?
特にEC事業に従事する方は自ら口にする機会が増えたでしょうし、すでに様々な情報を得ているかもしれません。
EC自体は1990年代後半にはすでに存在していたので、真新しさは何もないはずですが、なぜここまでD2Cが注目されているのでしょうか。
D2Cは「Direct to Consumer」の略で、言葉の意味から考えると“中間業者などを介さず、直接的に顧客に販売する”といったニュアンスを感じます。
ただ、これだけではD2Cの理解として不十分ですし、何より本質的なものが見えてきません。今回はより深く理解するために、D2Cが注目される背景を紐解いていきましょう。
D2C注目の背景にある2つの変化
世の中はよく複雑系だと言われます。世の風潮が変わったり、新しい文化が台頭したりする時には、背景にいくつもの複雑な要素が絡み合っているものです。
それはD2Cにおいても例外ではありません。D2Cが注目される背景には、いくつもの複雑に絡み合った変化があります。
全てをピックアップするのは難しいので、ここではシンプルに「ユーザー側の変化」と「メーカー側の変化」の2つに分けて、大きな変化を捉えてみましょう。
ユーザー側の変化
まずユーザー側の変化についてですが、大きく以下の3つが挙げられます。
・スマートフォンの普及
・SNSの爆発的な隆盛
・ユーザーが感じる価値の変化
スマホの普及についてですが、総務省の発表によると人々は2010年頃からスマホを持ち始め、2018年時点で20代・30代は90%以上が保有しています。
このデータから想像するに、ほとんどの若者はスマホを持っていて、生活における多くの時間をスマホと共に過ごし、常時インターネットに接続可能な環境にいると言えます。
以前もお伝えしましたが、D2Cはデータドリブンであることが特徴の一つです。その一側面を切り取れば、ユーザーのデータを集積し、大量のデータを元にPDCAを回すことで成果を上げるモデルだと言えます。
メーカーは若者がインターネットを使えば使うほど多くのデータを取得できるようになり、よりデータドリブンなアプローチができるようになりました。スマホの普及がインターネットの利用時間を伸ばしているのは間違いないので、間接的にD2Cの成長を後押ししていると言えるでしょう。
またスマホの普及はSNSの隆盛も後押ししました。人々はリアルな場だけでなく、オンラインでもSNSを介してつながり、そこで膨大な時間を過ごすようになったのです。
メーカーはこの急激な変化で多くのデータを集積できるようになっただけでなく、SNSを介してユーザーとより直接的につながれるようになりました。
D2Cは中間業者を挟まず直接的に商品を販売するだけではなく、ユーザーとのコミュニケーションも極力ダイレクトに行うことが特徴として挙げられます。
若者がSNSで膨大な時間を過ごすようになったことで、メーカーはSNSを介してより長時間にわたり、親密でダイレクトなつながりを作れるようになったのです。
さらにSNSはユーザーの価値観にも変化をもたらしました。
物が不足していた時代に比べ、今は必要に迫られて物を買うというニーズは満たされていますが、一方で体験に対して価値を感じる傾向が強まっています。
この体験価値を増幅しているのは紛れもなくSNSです。誰かが訪れた場所や食べたものをSNSで知り、自分も体験してみたいと思う人が増えることで、その体験自体の価値が上がっていると言えます。
加えてSNSは今まで目立たなかった"少数派の体験価値"にもスポットライトを当てました。
ユーザーの最大公約数であるマスの商品に対して、もっと細分化されたものが欲しいというニーズを掘り起こしたのです。
D2Cで重要なのはまさに体験です。機能としての物が必要だった過去とは違い、物を売るにしても情緒的な体験が求められます。
D2CブランドはSNSで体験価値を増幅しつつ、細分化されたニーズに応えることでファンを増やしているのです。
・スマートフォンの普及
・SNSの爆発的な隆盛
・ユーザーが感じる価値の変化
D2Cが注目されるようになった背景には、ユーザー側に起こったこれら3つの変化が確かに存在しています。
メーカー側の変化
メーカー側の変化を大きく捉えると、Amazonや楽天などのオンラインモールへの出品から、自社チャネルでの販売に舵を切ったことが挙げられます。
かつてメーカーには独自の集客手段がなく、その点をオンラインモールに依存していました。TVCMなどのマスメディアに出稿して認知を得て、最終的にオンラインモールで買ってもらうしか方法がなかったのです。
しかし若者を中心にインターネットに接続する時間が増え、その過程で必然的にアドテクが進化しました。
結果、メーカーはユーザーに直接的にアプローチできるようになり、独自の集客手段を手に入れることができました。つまりオンラインモールに依存せずに、自社チャネルでの販売に舵を切れるようになったのです。
オンラインモールは取得できるデータに大きな制限がありますが、自社チャネルはあらゆるデータを集積できます。そのデータを活用したデータドリブンなマーケティングを展開することで、ここ数年でD2Cブランドが急成長しました。
D2Cが注目されるようになった背景には、メーカーが自社チャネルに販売を切り替えた変化が存在するのです。
D2C注目の根底にアドテクの進化あり
前段でアドテクの進化にさらっと触れましたが、さらに詳しく見てみましょう。
ここで言うアドテクの進化は、顧客セグメントの細分化と施策の最適化が自動的に行えるようになったことを指しています。
例えばFacebook広告1つとっても、「32歳・経営者」のような細かな顧客セグメントに対して広告を自動で最適化し、ある意味で機械的に成果を上げられるように進化しています。
このようなアドテクの進化があるからこそ、D2Cブランドはユニークでニッチな商品を作っても集客できるようになっています。
繰り返しますが、D2CはデータドリブンなECです。
ユーザー側の変化もメーカー側の変化も重要ですが、すべてはデータを分析してPDCAサイクルを回すことが必要です。
そう考えると、D2Cが注目されるようになった根底には、アドテクの進化が外せない要素として存在すると言えるでしょう。
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