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なぜD2Cブランドは実店舗をオープンさせるのか?3つの海外事例で紐解く。

D2C
ecforce blog 編集部
なぜD2Cブランドは実店舗をオープンさせるのか?3つの海外事例で紐解く。

目次

    「D2Cはデジタルで成長していくビジネスモデルだと思う。リアル(実店舗)を出すメリットがわからない」

    時折、こういった声を聞くことがあります。

    確かにこの考えの通り、国内外のD2Cが急速な成長を見せているのはデジタルマーケティングに起因しているからです。デジタルの要素がなければ、ここまでの成長は望めません。

    しかし一方で、実店舗が必要ないと言えばそれは間違いで、デジタルだけの成長や表現できることには限界があります。今回は3つの海外事例を挙げながら、なぜD2Cブランドが実店舗をオープンさせるのか、その理由を紐解いていきましょう。

    リッチな表現ができる実店舗の魅力

    最初に明らかにしておきたいことは、D2Cにおいて顧客に伝えるべき重要なことは何かということです。

    「なぜD2Cが注目されるのか?」でもお伝えしましたが、D2Cにおいて重要なのは「機能的価値」を伝えることではなく、機能的価値に加えて世界観やブランドに込められた想いといった「情緒的価値」まで伝えることです。

    この前提に立つと、デジタルは効率が良い一方で体験としては非常にpoor(プア=貧しい)であると気づくのではないでしょうか。ここ数年で動画やVRなどのコンテンツ面での革新は著しいものの、ブランドの世界観を表現するのに、デジタルはあまりにも制限が多すぎます。

    顧客がわざわざ足を運ぶ必要があるなど、リアル(実店舗)は効率の面ではとても悪いのですが、五感をフル活用したリッチ(rich=豊か)な表現ができる点は言うまでもありません。

    D2Cブランドが実店舗を出した3つの事例

    海外D2Cブランドはリアルの優れた点をよく理解した上で、様々な実店舗を出してきました。ここでは3つのブランドをピックアップしてご紹介します。

    香りのD2Cブランド『Le Labo(ルラボ)』

    わりと最近、日本にも進出したことで話題になったLe Labo(ルラボ)は、香水をはじめとする香りの海外D2Cブランドで、InstagramをはじめとするSNSに力を入れながらも、実店舗を世界中に出しています。


    https://www.lelabofragrances.jp/

    香りを体験しないと顧客が購入してくれないという香水の性質もありますが、Le Laboはただ既製品の香水を売るのではなく、香りのカウンセリングと調合をその場で行ってくれるのです。

    この顧客体験は非常にめずらしく、かつワクワクするものであり、香水を買うという行為にライブ感が加わって唯一無二の価値提供をしています。

    無人店舗を出した『Dirty Lemon(ダーティーレモン)』

    海外D2Cブランドまとめでもご紹介したウェルネスドリンクのD2Cブランド、『Dirty Lemon(ダーティーレモン)』も実店舗を出しています。

    それもただの店舗ではなく、無人店舗です。

    これ自体がユニークなのでPR効果も当然あったでしょうが、何より面白いのは大々的な告知はせず、普段Dirty Lemonを買ってくれる顧客に対して告知をした点です。

    新規顧客を増やすプロモーション的な側面よりも、既存顧客のエンゲージメントを高める狙いがあったのだろうと推測されます。

    ECで商品を買っていた顧客にとっては、よりリッチで深い顧客体験を得ることができるといった意味で、無人とはいえ印象に残る店舗だったはずです。

    <参考記事>
    DIRTY LEMONにまつわる5つの話。一貫して「ミニマル」な独自の魅力とは

    『Casper(キャスパー)』が作った昼寝専用スペース

    Casper(キャスパー)はマットレスのD2Cブランドと紹介されることが多いのですが、「マットレスD2Cブランド」では説明不足だと、以前サクボの記事でお伝えした通りです。

    言い換えるなら、Casperは睡眠における良いライフスタイルを提案して、それをカルチャーとして浸透させたいと考えるブランドです。それゆえCasperは「The Dreamery」を作りました。

    出典:The Dreamery(Casper)

    The Dreameryはニューヨークに作られた昼寝専用スペースで、Casper製のベッドを45分単位で使えるという実店舗です。CasperはThe Dreameryを作ることで、ブランドとして表現したい世界観を、濃密な顧客体験として提供することができるようになったのです。

    <参考記事>
    常識破りのCasperが上場。今までの軌跡や事例を紐解く5つの視点とは

    なぜD2Cブランドは実店舗をオープンさせるのか?

    ここまで3つの事例をご紹介しましたが、「顧客体験」という言葉がよくでてきたと思いませんか?

    冒頭で述べた通り、D2Cブランドは情緒的価値を伝えることが重要で、リアル(実店舗)はそのためのリッチな表現ができる場所だと考えることができます。

    従来、モノを売るときに店舗は必要が不可欠だったわけですが、デジタルの発展によってECが世に浸透した結果、実店舗が必ずしも必要ではなくなりました。

    しかし、D2Cがデジタル起点のビジネスであることは間違いないものの、良い顧客体験を提供するためには実店舗の存在が欠かせないのもまた事実なのです。

    この視点で語ると、D2Cブランドが実店舗をオープンさせる理由は「顧客体験の価値向上のため」ということで説明できます。

    ECの方が顧客にとっても効率が良いと考えがちですが、顧客がモノを買うのに効率だけを重視しているわけではないのです。


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