この記事でわかること
「DNVB(Digital Native Vertical Brand)」という言葉を聞いたことはありますか?
D2Cに造詣が深い方は知っているかもしれませんが、多くの方は聞き慣れない言葉だと思います。
しかし筆者はD2C(Direct to Consumer)という言葉より、DNVBの方がより本質的なコンセプトを体現していると考えます。
今回はDNVBの言葉の意味とブランディングにおける特徴を3つお伝えして、そのコンセプトを深く理解していきたいと思います。
Andy Dunnの造語「DNVB(Digital Native Vertical Brand)」
「Bonobos」をご存知でしょうか。
「Bonobos」はアメリカ発のメンズアパレルブランドで、創業は2007年と10年以上も前です。創業当時は豊富なメンズのカラーパンツに絞り、多彩なラインナップを取り揃えることでファンを増やしてきました。
実はDNVBは「Bonobos」の創業者Andy Dunnの造語で、「Digital Native Vertical Brand」の頭文字をとった略語です。
Digital Native Vertical Brandは「デジタルネイティブのためのverticalブランド」ですが、verticalとは「垂直」の意味です。
わかりにくいので補足すると、DNVBは、生まれた時からスマートフォンなどのデジタル機器が身近にある若者たち(デジタルネイティブ)向けに、何らかのジャンルに特化して、プロダクトの企画から製造・販売までを垂直統合(Vertical )したブランドを意味しています。
「何らかのジャンルに特化」とは、例えば「AWAY」はスーツケース、「Allbirds」は機能性が高い靴、「Casper」はマットレスを若者向けに展開しています。
こう書くと特定のプロダクトに特化しているように聞こえますが、正確にはプロダクトに特化しているというよりは、ブランドが掲げるミッションやビジョンがあり、その達成のために特定の領域に特化していると言った方が良いでしょう。
当初スーツケースに特化していた「AWAY」は「Getting Away means getting more out of every trip to come.(AWAYを手にすることで、これからの全ての旅を豊かにする。)」をミッションとして掲げ、最近ではスーツケース以外にもトラベル用品を展開しています。
DNVBにおけるブランディングの3つの特徴
ここではさらにDNVBの理解を深めるために、DNVBにおけるブランディングの特徴を3つお伝えしたいと思います。
1.ブランディングで買う意味をつくる
現代は、多くのモノがすでに世に溢れています。
モノが足りない時代に比べると課題解決型の訴求は響きにくく、機能面で推してもなかなか若者に振り向いてもらえません。
こんな時代だからこそブランディングに求められることは大きく、課題解決以外に「買う意味をつくる」こともその内の1つです。
例えばAppleのiphoneを買う人は、電話が必要だから買うのでしょうか。
この問いには多くの人が首を横に振るはずです。電話という”機能”が必要であればiphoneでなくても良いですよね。
Appleの秀逸なブランディングは顧客に情緒的な価値訴求を行い、顧客が買う意味をつくっているのです。
参考:ブランドDNAとVIとは?D2Cのブランディングに必要な4つのこと
2.全方位的なブランディングが求められる
Andy Dunnが書いた「The Book of DNVB」には、このような一節が出てきます。
The digitally-native vertical brand is maniacally focused on the customer experience.
(意訳:DNVBは顧客体験に熱狂的にフォーカスする)
DNVBがブランドである以上、顧客体験を一瞬でも損なってしまったら、それは失敗だと言わざるをえません。
つまりDNVBは全てのタッチポイントにおける顧客体験を最高に近づける必要があり、この一貫した良質な顧客体験こそがブランディングにつながるのです。
秀逸なプロダクトデザインや綺麗なWebサイトだけではなく、商品が入るボックスもリーフレットもコールセンターの対応に至るまで・・・まさに全方位的なブランディングが求められると言えます。
3. ターゲット選定はサイコグラフィック(心理的)な要因
前ブランディングに必要なこととして、「ブランドDNA」を作るとお伝えしました。
ブランドDNAではターゲット選定、つまり”誰のためのブランドなのか?”も設定するのですが、いわゆるデモグラフィック情報よりもむしろサイコグラフィック(心理的)な要因で決めることになります。
正確にはターゲットは「決める」というより、むしろ「決まる」といった感じで、様々なターゲットとプロダクトの組み合わせを考えていったときに、最もはまる組み合わせがターゲットだと言えます。
なぜこのような決まり方になるかと言うと、課題解決型の訴求であれば、画一化されたデモグラフィック情報(性別・年齢・居住地域など)でターゲットが見えてきますが、DNVBでは情緒的な価値訴求が前提にあるので、心理的な要因をより重要視するためです。
D2Cも全方位的に良質なブランド体験を提供する
ここまでDNVBの言葉の意味と、ブランディングにおける特徴を3つお伝えしてきました。
一般的な認知度が高いのはD2Cですが、筆者はD2Cを本質的に理解するにはDNVBの理解が必要だと考え、今回の記事を執筆しました。
D2Cは良質な体験を作り、顧客に長期的かつ継続的に愛され続ける(LTVを伸ばす)ことで成立するビジネスです。
その点はDNVBの理解と何ら変わりません。
前述したように、D2Cもまたデジタルネイティブとされる若者たちに対して、全方位的に良質なブランド体験を提供することが重要なのです。
【最後に】
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