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売れるランディングページ(LP)の作り方。ツール選びと手順を解説

売れるランディングページ(LP)の作り方。ツール選びと手順を解説

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この記事でわかること

    キーボードとCTRの文字
    Web広告やSNSからの集客を最大化するには、効果的なランディングページ(LP)が欠かせません。ですが、初心者にとって、デザインやコーディング、構成の設計はハードルが高く感じられるものです。

    この記事では、初心者でも実践できるLPの作り方を7つのステップで解説します。さらに、自分に合った作成ツールの選び方や、成果を出すためのコツも紹介します。

    これからECカートを決める方・いまのECカートに満足してない方へ。以下の記事にも、あなたのお悩みが解決する情報が満載です。
    4つのECサイト構築事例。新鋭D2Cブランドの動向から読み解く「狙い」とは?

    ランディングページ(LP)とは?ホームページとの違いは?

    PC作業をしながら微笑む人
    Webマーケティングにおいて、耳にする機会の多いランディングページ(LP)。通常のホームページとは役割や構造が大きく異なります。LPの定義とホームページとの違いをみていきましょう。

    LPはユーザーに特定の行動を促す単一のページ

    LPとは、企業の商品・サービスの購入につなげるための広告ページです。 広義では、ユーザーが最初にアクセス(着地)するページ全般をいいますが、マーケティングの現場では「購入」「申し込み」「資料請求」といった特定の行動(CV:コンバージョン)を達成するために特化した、縦長の1枚ページを指すのが一般的です。

    LPの特徴は、リンクやメニューを極力減らし、ユーザーを申し込みボタン(CTA)まで一直線に導く構造にあります。これにより、ページからの離脱を防ぎ、高いコンバージョン率を実現できます。
    LP(ランディングページ)とは?ECサイトとの違い・特徴・メリットや活用方法を解説

    ホームページとの違い

    ホームページ(コーポレートサイト)とLPとの大きな違いは、情報の扱い方とページ構成です。

    ホームページは企業情報や商品一覧、採用情報など、幅広い情報を複数のページに掲載し、訪問者に回遊してもらうことを目的としています。多くのコンテンツやリンクを含んでいます。

    一方、LPは特定の商品やサービスをアピールする単一のページです。ホームページが「広く浅く」情報を網羅して信頼を獲得するのに対し、LPは「狭く深く」商品の魅力を伝えてクロージングを行う点が異なります。

    ランディングページ(LP)の目的と役割

    キーボードと電卓、カートのおもちゃ
    LPを作成する最大の目的は、Web広告やSNSなどから訪れたユーザーに特定の行動を促し、コンバージョン率(CVR)を最大にすることです。ここでの特定の行動とは、商品購入、資料請求、メールマガジン登録などを指します。

    LPは通常のホームページとは異なり、単一ページ構成が基本です。ユーザーの行動はスクロールするだけ。他ページへのリンクやメニューバーといった「迷いにつながる要素」を極力排除して設計されています。余計な選択肢をなくし、シンプルな入力フォームや分かりやすいボタン(CTA)だけに集中させてユーザーの離脱を防ぎ、スムーズに成果へとつなげます。

    LPの役割は、広告費や人的リソースといった投資を、できる限り高い成果に変えることでもあります。例えば同じ広告費をかけていても、LPの内容によって獲得できるコンバージョン数やCPA(顧客獲得単価)は大きく変わります。

    LPは単なるデザイン物ではなく、「ビジネス指標を改善するための装置」と捉えましょう。自社の売上構造やLTV(顧客生涯価値)を踏まえ、「このLPでどの指標をどれだけ改善したいのか」を明確にしておくと、制作・改善の優先順位も決めやすくなります。

    ランディングページ(LP)の作り方【手段】

    タブレット画面とノート
    初心者がLPを作る方法は、LP作成ツールやCMSを使うか、プロの制作会社やフリーランスに依頼するのが一般的です。それぞれの方法で費用感や向いている人の特徴は異なるので、一長一短を知った上で作成方法を選ぶのがおすすめです。

    ここでは、初心者でも作れるLPの作り方についてチェックしていきましょう。

    1. LP作成ツールで制作する

    手軽に始められるのが、クラウド型のLP作成ツールを利用する方法です。 LPを作成するにあたってはペライチやWix、STUDIOなどのLP作成・デザインツールを使う方法がおすすめ。ローコード・ノーコードで制作できるツールも多いです。
    あらかじめ用意されたテンプレートに画像やテキストを当てはめていくだけで、プロ並みのデザインが完成します。
    料金体系については使用するデザインや機能によって変わりますが、月額数千円から利用できるものが多く、コストを抑えたい場合に最適です。

    2. WordPressで制作する

    WordPress(ワードプレス)は、世界で最も使われているCMSです。CMS(Contents Management System)とは、Webサイトを構成するテキストや画像、デザイン、レイアウトなどの情報を保存管理するシステムのこと。専門的な知識がなくても、Webサイトやページの作成・更新が行えるため、効率的なコンテンツ運用が可能になります。無料・有料のテーマ(テンプレート)を活用することで、プログラミング知識ゼロでもLPの作成が可能です。
    WordPressは、ブログ機能やプラグインによる拡張性が高く、自社サイトのドメイン配下でLPを運用しやすいメリットがあります。サーバーやドメインなどの初期設定の手間はかかりますが、手軽にLPが作れます。
    長期的にコンテンツを積み上げたい場合や、SEO(検索エンジン対策)も意識したい場合におすすめです。

    3. 制作会社に依頼する

    信頼できる制作会社やフリーランスにLP作成を依頼する方法もあります。フリーランスや小規模な制作会社への依頼はコスパがいい一方で、他社との差別化がしにくい可能性も。
    有名な制作会社は料金が高いですが、強みが見せられるLPを作成しやすいです。
    制作会社によっては、単にデザインを作るだけではなく、マーケティング視点に基づいた構成案の作成や、広告運用のサポートまで行ってくれる場合もあります。予算に余裕があり、確実に成果を出したい場合は検討してみましょう。

    【比較表】自社に合わせた手段の選び方

    手段 費用感 制作難易度 クオリティ・自由度 おすすめな人
    LP作成ツール 低(月額制など) 低(初心者向け) 中(テンプレート依存) コストを抑えてすぐに公開したい人
    WordPress 低~中 中(設定が必要) 高(カスタマイズ可) 自社で更新・管理を行いたい人
    制作会社 プロに一任 高(完全オリジナル) 予算をかけてでも成果・品質を重視する人

    ランディングページ(LP)作成ツール選びのポイント

    PCを見ながら確認する人たち
    ツールを使ってLPを自作する場合、どのツールを選ぶかで成果は大きく変わります。同じデザインでも、カートとの連携しやすさなどによってコンバージョン率は左右されます。ここでは、LP作成ツールを選ぶためのポイントを紹介します。

    「カート機能」とスムーズに連携できるか

    LP上で直接商品を販売する場合、カートシステムとの連携は必須です。カート機能とは、ユーザーがECで購入する際、商品の一時保存ができる機能です。カート機能により、一時保存した商品の確認や数量の変更ができるようになります。
    ユーザーが「購入する」ボタンを押した後、別サイトに遷移したり、入力フォームが煩雑だったりすると、離脱(カゴ落ち)の原因になります。LP一体型のフォーム機能があるか、既存のカートシステムとスムーズにデータ連携できるかを確認しましょう。

    「EC特化テンプレート」があるか

    LP作成ツールを選ぶ際は、提供されるテンプレートの種類とカスタマイズ性を確認しておくのも大切です。
    豊富なデザインテンプレートが用意されていれば、自社で作りたいLPに近いものを見つけやすく、少しの調整で効果的なLPを作成できます。LPの構成に関する専門知識がない場合でも安心して取り組めるでしょう。一方、テンプレートの数が限られていたり、カスタマイズの自由度が低かったりすると、理想とするLPを実現できない可能性があります。

    また、一般的なWebサイト用のテンプレートと、LPのテンプレートとは異なります。EC特化型のテンプレートには、商品の魅力を引き立てるギャラリー機能や顧客レビュー、FAQなど、通販LPに必要な要素があらかじめ組み込まれています。構成を一から考える手間を大幅に削減できます。

    ブランドカラーやフォントの使用、自社のスタイルに合わせたレイアウト変更が可能かどうかも、ツール選びの重要なポイントです。

    公開後の「分析・改善(LPO)」に対応しているか

    LPO(Landing Page Optimization)とは「ランディングページ最適化」のことで、LPのデザインやコンテンツ、構成などを改善することで、コンバージョン率(CVR)を高めるマーケティング施策を指します。広告運用の効果を最大化するために、LPOは欠かせない要素の一つです。
    LPは作成して終わりではなく、公開後の継続的な改善が成果を左右します。ツールを選ぶ際には、「ページのどの部分でユーザーが離脱したか」「どのボタンがクリックされたか」といったデータを簡単に確認できる分析機能が搭載されているかを確認しましょう。

    【目的別】LP作成ツールの選び方

    キーボードにLPの文字
    LP作成ツールにはそれぞれ特徴があり、得意・不得意があります。何を実現したいか、目的に合わせて最適なツールを選びましょう。

    手軽さ重視なら「デザイン特化型ツール」

    「専門知識はないが、今すぐ綺麗なLPを作りたい」「まずは低予算でテスト販売をしたい」という場合は、ペライチやWix、STUDIOなどのデザイン特化型ツールが最適です。

    デザイン特化型ツールの特徴は、直感的な操作性とスピードです。あらかじめ用意されたテンプレートを選び、写真と文字を入れ替えるだけで、洗練されたデザインが完成します。

    サーバーやドメインの複雑な設定も不要な場合が多く、登録したその日にLPを公開することも可能です。

    ツール名 特徴
    ペライチ 操作がシンプルで、日本語UI・サポートも充実。デザインやコーディング知識がなくても直感的にLPを作成できるため、初心者や早く公開したい人に向いている。
    Wix テンプレート数が豊富で、フォーム設置や機能拡張も可能。LP作成からサイト運用まで幅広く対応できるため、デザインも機能もある程度こだわりたい人に適している。
    STUDIO 洗練されたデザインと高い自由度が特徴。ノーコードでありながら細かなレイアウト調整ができ、ブランド感やビジュアル重視のLPを作りたい人に向いている。

    出典:ペライチWixSTUDIO

    こんな人におすすめ:デザインやコーディング知識がない初心者、スピード重視の人

    自由度重視なら「CMS(WordPressなど)」

    「デザインにこだわりたい」「ブログ記事も発信してSEO効果を高めたい」という場合は、WordPress(ワードプレス)などのCMSが適しています。
    WordPressは世界中で利用されており、デザインのテーマ(テンプレート)や、機能を追加するプログラム(プラグイン)が豊富です。
    初期設定の手間はかかりますが、自社独自のドメインで運用できるため、Webサイト全体が資産として積み上がっていくのが大きなメリットです。

    ツール名 特徴
    WordPress 世界シェアの高いオープンソース型CMSで、LP作成からオウンドメディア運用まで幅広く対応できる。
    有料・無料のテーマやプラグインを活用することで、デザイン性の高いLPや、SEOを意識したコンテンツ発信も可能。
    カスタマイズ性が高く、事業の成長に合わせてサイトを拡張しやすい。

    出典:WordPress

    こんな人におすすめ:カスタマイズ性を重視する人、オウンドメディアと連携したい人、中長期的に運用したい人

    売上・LTV重視なら「カートシステム一体型」

    「D2Cで売上を最大化したい」「リピーターを増やし、LTV(Lifetime Value)を高めたい」という目的が明確なら、ecforceなどのカートシステム一体型がおすすめです。
    カート一体型なら、LPの中に購入フォームが埋め込まれているフォーム一体型LPを簡単に作成できます。ユーザーがLPから移動せずに購入を完了できるため、コンバージョン率(CVR)の向上につながります。
    また、購入完了直後に別の商品を提案する(アップセル)機能など、顧客単価を高めるためのマーケティング機能が充実しているのも特徴です。

    ツール名 特徴
    ecforce D2C・サブスクリプションモデルに強みを持つ国産のECプラットフォーム。フォーム一体型LPの作成に加え、アップセル・クロスセル、定期購入管理、広告効果測定など、売上最大化を目的とした機能が標準で搭載。広告運用と連動した本格的なEC事業を展開したい場合に適している。
    Shopify 世界中で利用されているECプラットフォームで、LP構築から商品管理、決済まで一元管理できる。アップセルやLTV向上施策については、アプリ連携が必要なケースもあるが、拡張性が高く、事業規模の拡大に合わせた運用が可能。

    出典:ecforceShopify

    こんな人におすすめ:本格的にEC事業を行う人、広告運用で成果を出したい人、リピート売上を重視する人

    ランディングページ(LP)の作り方【7ステップ】

    Webページ作成の様子
    ここからは、LPを作成するための手順を7つのステップに分けて解説します。LPを作るためには、以下の手順を踏むのが一般的です。

    ステップ1. LP作成の目的を明確にする

    LPを作成する前に、まずは具体的な目標(KGI)と評価指標(KPI)を設定します。

    KGI(Key Goal Indicator)とは「重要目標達成指標」といい、売上高・成約数などプロジェクトの最終目標を指します。また、KPI(Key Performance Indicator)とは「重要業績評価指標」のことで、Webサイトの流入数(トラフィック数)・リピート率・直帰率といったKGIを達成するまでのプロセスを評価する中間指標です。
    「新商品の売上を伸ばしたい」といった曖昧な目的ではなく、例えば「自社商品・サービスの月間売上1,000万円」という最終目標(KGI)を設定し、「サイトへの流入数」「クリック率」「購入率(CVR)」といった数値指標(KPI)を設定します。

    このように具体的な数値目標を立てることで、現状の課題が明確になり、目標達成に向けたLPの改善に役立てられます。

    ステップ2. ターゲット(ペルソナ)を設定する

    出稿先のサイトからLPに流入してくるユーザーは誰なのかを想定しておくことも重要です。アンケートやアクセス解析、SNS、既存顧客データなどから、ユーザーに関する情報を集めましょう。集めたユーザー情報をもとに、ユーザーの性別や年齢、出身地、職業、家族構成、性格、ライフスタイルなど、できる限り細分化したペルソナ(流入が想定されるユーザー像)を設定します。

    ペルソナを設定することは、ユーザーの心理状態(インサイト)を深く理解することにつながります。ペルソナの具体的な行動や心理状態をイメージし、「このペルソナなら、このキャッチコピーを見てどう思うか?」「このボタンを押そうと思うか?」と常に問いかけながら、LPの設計図を描いていきましょう。

    ステップ3. LPの構成・全体図を設計する

    次にLPの全体像(ワイヤーフレーム)を考えます。ワイヤーフレームとは、Webページの設計図のことです。「どの順番で」「どんな情報を」「どこに配置するか」という骨組みを決定していきます。
    LPはファーストビュー(画像やコピーなど)・ボディ(ストーリーや口コミなど)・クロージング(Q&Aや質問フォームなど)の3つから構成されているのが一般的です(詳細は後述します)。

    この段階では、詳細なデザインや色味は決める必要はありません。商品・サービスの購入につながるストーリーや要素が配置されているかをチェックすることに集中しましょう。この設計図がしっかりしていれば、後のコンテンツ作成やデザイン工程で迷うことがなく、ローンチ後もPDCAを繰り返してクリックや購入につながるページを目指しやすくなります。

    ステップ4. コンテンツを作成する

    ワイヤーフレームができたら、具体的な文章(コピーライティング)や画像素材を準備します。売れるLPには画像や動画、デザインの要素が必要不可欠です。ストーリー性を強調し、ユーザーがつい購入したくなってしまうようなコンテンツを考えましょう。
    魅力的なコンテンツにするには、以下を意識するのが大切です。

    • LPに訪れたユーザーの悩みや興味(現在の課題)は何か
    • 商品やサービスを選ぶ際に最も重視していることは何か
    • なぜ他社の商品やサービスを購入しなかったのか

    特に、ユーザーの悩みへの共感から解決策の提示、そしてベネフィット(商品を使った後の未来)への流れを意識してください。
    図解やグラフを活用したり、内容に応じて動画コンテンツを使って、商品やサービスの魅力を訴求したりするのも効果的です。

    ステップ5. ユーザーファーストのデザインを作る

    素材が揃ったら、デザインに落とし込みます。LPのデザインを作成するにあたっては、ユーザー目線に立って全体の配色やレイアウト、LP全体のデザインについて考えましょう。見た目の美しさだけではなく、「文字は読みやすいか」「申し込みボタンは押しやすい位置にあるか」といったユーザビリティが大切です。
    特に重要なのが申し込みボタン(CTA)のデザインです。

    • 色:ページ内で最も目立つアクセントカラー(補色)を使います。全体が青っぽいページなら、ボタンは反対色のオレンジにします。
    • 形と大きさ:一目で「押せるボタンだ」とわかる立体的なデザインにし、スマホでも指で押しやすい大きさを確保します。
    • 配置:ファーストビュー、ボディの区切り、クロージングの直後など、ユーザーの気持ちが高まるタイミングに合わせて複数箇所に設置するのがおすすめ。

    設定したターゲット層からの反応がいい見た目のデザインを作成し、なおかつPC版・スマホ版などの使用デバイスごとに自動でレイアウトが切り替わるレスポンシブデザインの導入も大切です。

    ステップ6. コーディングを実装する

    続いてコーディングを行い、デザインをWebページとして表示させます。LPサイトの文字の大きさやレイアウト、細かなデザインはプログラミング言語で動いています。そのため、必要であれば、HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を駆使し、LPの細部を手直しするプロセスも必要になります。
    コーディング時には、以下のポイントを押さえておきます。

    • モバイル対応(レスポンシブデザイン):
      現在はアクセスの多くがスマホ経由です。スマホやタブレットなど、さまざまな画面サイズで正しく表示されるようにします。文字サイズやボタンの押しやすさも、デバイスごとに最適化してください。
    • 表示や動作の確認:
      Chrome、Safari、Edgeなど主要なブラウザで表示テストを行い、レイアウトが正しく表示されるか、動作に問題がないかを必ず確認します。
    • 表示速度の最適化:
      ユーザーにストレスを与えず、快適に閲覧してもらうためには表示速度が大切です。高画質すぎる画像や、整理されていないプログラムコードがあると、ページの読み込み速度が遅くなる原因に。画像の圧縮やソースコードの最適化を意識し、サクサク表示される「軽いページ」作りを心がけましょう。

    LP作成ツールやCMSはノーコードで使えるものもあります。ツールを使用している場合は、コーディングの工程は自動化されることが多いため、大幅に工数を削減できます。

    ステップ7. LP公開後に効果測定・改善を行う

    LPを公開してからが本番です。LPの公開後は、KPIに沿った数値目標は達成できているのかを確認し、KGIを達成できるようなLPになっているのかをチェックします。もしユーザーからの反応が悪く、実際にKPIを下回る原因を見つけたら、その部分を改善するための策を講じましょう。

    LPの公開・検証・改善のプロセスを回すことが売れるページを作る道です。これをLPO(ランディングページ最適化)といいます。ヒートマップツールでの分析や、デザインを変えて比較するA/Bテストなどを繰り返し、ユーザーにとって最も購入しやすいページへと磨き上げていきましょう。
    LPOとは?メリットを最大化しコンバージョン獲得へ|LP ARCHIVE

    LP公開前のチェックリスト

    キーボードとCHECKの文字
    LP公開後に不具合が見つかると、せっかくの広告が無駄になってしまう可能性があります。公開する前に、以下のポイントをチェックしましょう。

    基本的な確認事項

    • 誤字脱字の確認:
      キャッチコピーや本文に誤字脱字がないか、複数人で確認しましょう。特に価格表記や商品名、会社名などの重要な情報は入念なチェックが必要です。
    • リンク切れの確認:
      すべてのリンクが正しく機能するかを確認します。外部サイトへのリンク、CTAボタンのリンク先、プライバシーポリシーや特定商取引法のページなど、すべてのリンクをクリックしてテストしましょう。
    • 各デバイスでの表示確認:
      PC、スマホ、タブレットなど、さまざまなデバイスで表示を確認します。特にスマホは画面サイズが多様なため、複数の機種でチェックすることをおすすめします。文字の大きさ、画像の配置、ボタンの押しやすさなどもチェックしましょう。
    • フォームの動作テスト:
      エントリーフォームが正しく動作するか、実際にテスト送信を行います。入力エラーが適切に表示されるか、送信後の確認メールが届くか、入力内容が正しく送信されるかをチェックしましょう。
    • ページ速度の測定:
      GoogleのPageSpeed InsightsなどのツールでLPの読み込み速度を測定します。表示速度が遅いとユーザーの離脱につながるため、スコアが低い場合は画像の圧縮やコードの最適化を検討しましょう。
    • アクセス解析ツールの設定確認:
      Google AnalyticsやGoogle Tag Managerなどの解析ツールが正しく設定されているかを確認します。コンバージョンのトラッキングが正常に動作するか、テスト送信で検証しておきましょう。

    法的・コンプライアンスの確認

    • 特定商取引法に基づく表記:
      事業者名、住所、電話番号、返品・交換に関する事項など、特定商取引法で定められた情報が適切に記載されているか確認します。
    • プライバシーポリシーの掲載:
      個人情報の取り扱いについて明記したプライバシーポリシーを掲載し、フォームからリンクを設置します。
    • 薬機法・景品表示法への対応:
      健康食品や化粧品を扱う場合は、薬機法(旧薬事法)に違反する表現がないか、過度な効果効能を謳っていないか確認しましょう。「必ず痩せる」「病気が治る」といった断定的な表現は避けます。

    売れるランディングページ(LP)の基本構成

    Webページの構成
    LPの基本構成を確認しましょう。売れるLPには、ユーザーの心を動かす構成のパターンがあり、大きく分けてファーストビュー、ボディ、クロージングの3つの部分があります。

    構成 要素
    ファーストビュー キャッチコピー
    メインビジュアル画像
    CTAボタン
    ボディ 共感を促すストーリー
    商品・サービスの説明
    メディア掲載実績
    導入事例・体験談・口コミ
    サービスや購入の流れ
    クロージング よくある質問(FAQ)
    エントリーフォーム(CTA)

    ファーストビュー

    ファーストビューとは、LPの最上部に位置し、ユーザーが最初に目にする部分のことです。通常、キャッチコピー、商品やサービスのメインビジュアル画像、CTAボタンを配置します。
    ファーストビューは、LPの成果を左右する最も重要な要素です。ここでユーザーに「自分には関係ない」と判断されると即座に離脱されてしまいます。
    メインビジュアル画像やキャッチコピーではユーザーの注目を集め、画像は一目で何のサービスや商品か伝わるものを選びましょう。
    CTAボタンは、資料請求や商品購入といったユーザーに具体的な行動を起こしてもらうためのボタンです。コンバージョン率(CVR)に直結するので、ファーストビューに設置するのが一般的ですが、LPのボディ部分やクロージング、追従エリアなどにも配置します。

    ボディ

    ボディ部分は、商品の詳細や魅力を伝えるLPのメイン部分です。「共感」→「解決策の提示」→「証拠」→「信頼」というストーリー展開で、ユーザーの購買意欲を段階的に高めていきます。
    ボディは、次のような要素を組み合わせて構成します。

    • 共感を促すストーリー:
      ユーザーの共感を得るために、ターゲット層が抱える具体的な悩みや不満に寄り添う文を作成します。「こんなお悩みありませんか?」と悩みを代弁することで、ユーザーは「自分のことだ」と感じ、LPの内容を読み進めてもらいやすくなります。
    • 商品やサービスの説明:
      商品やサービスの特徴や機能、得られるメリット(ベネフィット)を解説します。単なる説明ではなく、ユーザーが「この商品・サービスを使えばこんなことができるのか」と直感的に価値を理解できる情報の提供がポイントです。
      例えば「作業時間を50%短縮」「経理コストを1/3に削減」といった具体的な数値を取り入れることで訴求力が高まります。料金や使い方など、ユーザーが気にしやすい点を洗い出し、過不足なく掲載しましょう。
    • メディア掲載実績:
      新聞、雑誌、テレビなどのメディア掲載実績がある場合は、LPの目立つ位置に表示します。ロゴやメディア名を掲載することで、権威性やサービスの信頼性を高める効果があります。掲載実績がなくても、ユーザー数や導入企業名、業界団体での受賞歴などを記載しても効果的です。
    • 導入事例・体験談・口コミ:
      事例や口コミを通じて、商品を利用するメリットを具体的に紹介します。似た立場の人の意見を聞くことで、ユーザーは商品やサービスに安心感を持ちやすくなります。
      できる限り氏名(仮名)・年齢・性別・職業などの属性情報を明らかにし、リアルな利用者像を伝えます。文字だけでなく、利用者の写真やアイコンなどの画像を含めた訴求が効果的です。必要に応じて、導入事例や体験談の詳細ページへのリンクを設置するのも良いでしょう。
    • サービスや購入の流れ:
      商品やサービスを利用するまでに複数の工程がある場合は、工程の順序を明記しておきます。例えば「お問い合わせから○日でお届け」といった段階ごとの期間や発注プロセスを、図式(フローチャートなど)を用いて説明すると、ユーザーが理解しやすくなります。

    クロージング

    クロージングは、ユーザーに最終的な行動を促すLPの締めくくり部分です。特典やオファー(初回限定価格、送料無料など)、よくある質問(FAQ)、追伸などを配置し、行動を迷っているユーザーの背中を押します。わかりやすい入力フォームを設置することも大切なポイントです。

    • よくある質問(FAQ):
      商品の返品方法やサービス利用上の注意点など、ユーザーが抱きやすい疑問をQ&A形式で解消します。

      FAQ作成の際は、実際に問い合わせで寄せられた質問を取り上げるのが効果的です。例えば「初期費用はかかるの?」「解約時の条件は?」といった料金プランや契約に関する疑問に明確に回答することで、ユーザーの不安を払拭し、コンバージョン率の向上につながります。
    • エントリーフォーム(CTA):
      前述のように、LPには行動喚起のためのCTAを設置することが一般的です。
      CTAのリンク先を別ページのフォームにする方法と、フォームをLP内に直接埋め込む方法がありますが、PC表示時のサイドバーに追従でフォームを設置しておけば、ユーザーが興味を持った瞬間にすぐ入力できます。
      フォームは、商品やサービスに興味を持ってくれている見込み客を逃さないための重要な施策です。どのような設置パターンが効果的かを検証し、継続的に改善していきましょう。

    売れるLPを作るための3つのコツ

    デスクで仕事をする様子
    成果が出やすいLPを作るには、ユーザー目線でターゲットの心理に寄り添い、他社と差別化できる強みを明確にすることが大切です。また、LP公開後も継続的に改善できる体制を確保しておきましょう。それぞれのポイントを説明します。

    1. ユーザー目線でターゲットの心理に寄り添う

    作る側の気持ちではなく、ユーザー目線で見ることが大切です。ユーザーファーストでコンテンツ・デザインを作ることを徹底しましょう。LPは見栄えも重要ですが、最も重要なのはユーザーを惹きつけるデザインとコピーです。何よりもユーザーの興味関心を引き、成果につなげられるコンテンツ作りが求められます。

    2. 競合分析をもとに他社と差別化できる強みを明確にする

    LPで自社商品・サービスを販売する際には、競合他社で成果を上げているLPを分析し、自社ならではのアピールポイント(推しポイント)や強みを組み込むことが重要です。ターゲット設定時に洗い出した強みとは別に、競合分析で得られた見せ方も積極的にLPに取り入れてみましょう。

    3. 継続的に改善(LPO)できる体制を確保する

    LP作成は作ったらそれで終わりではなく、作った後も競合他社分析やページ分析をして、さらに効果が出るLPへと磨き上げていく必要があります。継続的にLPを分析・改善していけるような体制・環境づくりが大切です。

    LPの良し悪しは、制作者個人のセンスだけで決まるものではありません。ユーザーインタビューやアンケート、カスタマーサポートに寄せられた質問内容など、ユーザーの生の声を素材として集めておくと、説得力のあるコピーや事例を作りやすくなります。

    社内だけで議論していると視点が偏りやすいため、定期的に第三者の目でレビューしてもらう仕組みを取り入れるのも効果的です。マーケター、デザイナー、カスタマーサポートなど、異なる立場の意見を反映しながらLPを育てていきましょう。

    LPの作り方に関するよくある質問

    Q&Aの積み木
    制作期間や素材の使い方、法律面での注意点など、LPに関するよくある質問をまとめて紹介します。

    Q. LP1本の制作にかかる期間はどのくらいですか?

    作成方法によりますが、ツールを使って自社で作成する場合は数日~2週間程度、制作会社に依頼する場合は1ヵ月~3ヵ月程度が一般的です。構成案の作成や素材の準備に時間がかかることが多いです。

    Q. 無料の画像素材を使っても問題ないですか?

    商用利用可能な素材であれば問題ありません。ただし、サイトによって利用の仕方は変わりますので、必ず画像を提供しているサイトの利用規約を確認してください。また、他のサイトとかぶりやすいリスクもあります。商品の魅力を伝えるためのメインビジュアルや商品写真は、プロのカメラマンに撮影してもらうか、質の高い有料素材を使用することをおすすめします。

    Q. 薬機法や景品表示法など、法律面で気をつけることは?

    健康食品や化粧品などのLPでは、薬機法(旧薬事法)や景品表示法を遵守する必要があります。虚偽・誇大広告や、医薬品的な効能効果を謳うことは法律で禁止されています。不安な場合は、専門家のチェックを受けるようにしましょう。

    Q. LPの長さはどのくらいが適切ですか?

    適切なLPの長さは商材や目的によって異なります。一般的に、知名度が低い商品や高額商品は、LPが長くなる傾向にあります。ユーザーの不安を払拭し、十分な情報を提供するためです。一方、無料商材や知名度が高い商品は、短くシンプルな構成でもコンバージョンが見込めます。長さそのものではなく、最後まで飽きさせない構成やリズムが重要です。

    自分に合ったLPの作り方を実践し、集客・売上アップを実現しよう

    右上がり矢印の背景にこぶしを握るビジネスマン
    ランディングページ(LP)は、ただ作るだけでは成果につながりません。ターゲットに合わせた構成、適切なツール選び、そして明確な手順を踏むことで、売れるLPとして機能します。

    LPは、LP作成ツールやCMS、制作会社・フリーランスに依頼することで作成できます。初めはノーコードで作成できるツールやCMSを使うのがおすすめです。
    まずは目的に合ったツールを選び、基本構成を押さえたLPを実践的に作成してみましょう。LPを公開した後は、分析・仮説実証・改善のサイクルを繰り返していきましょう。
    改善を繰り返すことで、集客力と売上は着実に伸びていきます。
    費用対効果の高いLPを作成して、自社商品・サービスの売上につなげましょう。

    Ecforce

    D2Cを成功に
    導くために必要なものとは?

    御社のD2Cを成功に導くには、D2Cに必要な要素を全て備えたカートが欠かせません。「ecforce」は数々のD2C事業の立ち上げ経験から生まれたカートサービス。
    多くのD2Cブランドがecforceを導入して、今までに合計1,000億円を超える売上を達成しています。

    平均年商

    2 億円

    以上 ※1

    売上

    230 %

    UP ※2

    継続率

    99.7 %

      ※3

    D2Cを成功に導くために必要なものとは?
    ※1:稼働済みショップの平均年商 / 集計期間 2021年7月~2022年6月
    ※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
    ※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月

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