この記事でわかること

※この記事は 時点の情報をもとに執筆しています。
商品カタログを一から作ろうとすると、レイアウトの設計やデザイン決めに意外と時間がかかってしまうものです。そんな時に便利なのが、テンプレートを使ったカタログ作成。あらかじめ構成が整っているため、写真やテキストなどの素材を入れ替えるだけで、見栄えが良く質の高いカタログが、効率よく作れます。本記事では、テンプレートの選び方からおすすめツール、参考事例までを分かりやすく紹介します。
商品カタログはなぜ必要?作成の目的と一般的な流れ

商品カタログは、商品やサービスの魅力を正確に、そして分かりやすく伝えるために欠かせないものです。購入を検討している人が、それぞれの商品を比較しながらじっくり選べ、販売促進に直接つながります。
カタログが持つ3つの役割
商品カタログには、以下の重要な3つの役割があります。
- 商品の魅力を伝えること
- 購入を後押しすること
- ブランドイメージを高めること
見た目や短い説明文だけでは、商品の特徴は伝わりにくいもの。また、人は「理解できたもの」や「信頼できるもの」に対して、興味や購買意欲を持ちやすいとされています。
商品カタログなら、価格・機能・使用シーンなどを整理し、読み手が判断しやすい形での情報提供が可能です。また、統一感のあるデザインでまとめることで、信頼できる企業やブランドであることを伝える効果が期待できます。
例えば、家電メーカーのカタログでは、製品のスペックだけでなく使用シーンやユーザーの声、比較表などが掲載されています。これにより、使用イメージがつき、購入につながりやすくなるでしょう。
このように、商品カタログは、営業やマーケティングにおいて欠かせない存在です。
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商品カタログ作成の基本ステップ
商品カタログを作成する際は、必要な情報や構成を整理してからデザインに入ることが大切です。「何を伝えるカタログなのか」を明確にすることで、読み手にも分かりやすい内容になります。
さらに、作成途中での修正も減るので、クオリティの高いカタログに仕上がるでしょう。
以下は、商品カタログを作成する際の一般的な流れです。
【商品カタログ作成の基本ステップ】
| STEP | 例 |
|---|---|
| ①目的とターゲットを決める | 「新商品を知ってもらいたい」「既存顧客に買い替えを促したい」など |
| ②掲載する商品情報を整理する | 写真、価格、仕様、説明文、キャッチコピー など |
| ③ページ構成(構成案)を作る | どの順番でどの情報を見せるかを決める |
| ④デザインする | 配色やレイアウトを統一して見やすさを重視 ※テンプレートを使うと効率的 |
| ⑤レビューと修正を行う | 誤字脱字・情報の誤りをチェックする |
| ⑥冊子もしくはデジタル形式でカタログを公開する | Web配布ならPDFやデジタルカタログが便利 |
目的を明確にしてから、情報整理→構成→デザイン→確認の順に進めることで、読みやすく購買につながる商品カタログに仕上がるでしょう。
商品カタログ作成にテンプレートを使うメリットとは?

商品カタログ作成には、テンプレートを活用するのがおすすめです。デザイン知識が少なくても仕上がりを高められるほか、作業が効率化されるため、時間やコストの節約にもつながります。ここでは、テンプレートを使うメリットについて詳しく見ていきましょう。
デザイン知識がなくても本格的な見た目に仕上がる
テンプレートには、プロのデザイナーが設計したレイアウトや配色、フォントの組み合わせがあらかじめ用意されています。目的に応じた構成や商品紹介の構図が整っているため、初心者でもデザインに迷うことなく、見栄えの良いカタログを短時間で作れるでしょう。
実際、テンプレートを活用している企業によると、「制作にかかる時間を短くできる」「低価格で一定のクオリティが担保されている」といった声があがっています。
このように、テンプレートを使えば、デザインに不安を抱えずに素早く本格的なカタログを作成できるのです。
作業時間を短縮できる
テンプレートを活用すれば、使用すべきブロックや構成があらかじめ定義されているため、ゼロからレイアウトを考える必要がありません。その結果、作業工程が大幅に短縮されます。
具体的には、写真配置・キャッチコピー挿入・価格表示といったレイアウトの調整が不要になるでしょう。納期が厳しいプロジェクトや、改定の頻度が高い商品カタログには、テンプレートの導入が有効です。
誰でも使いやすく、一定のクオリティを維持できる
テンプレートを使えば、デザインの共有が可能なため、「配色が違う」「フォントがバラバラ」「余白が不均一」といった仕上がりのバラつきを防げます。誰が作成しても、一定のクオリティを維持できるほか、抜け漏れやレイアウト崩れも軽減できるでしょう。
また、文字数や写真の位置などもルール化されているため、校正やチェックを効率的に進められます。
デザインに統一感が出る
ブランドの印象をしっかり伝えるためには、「このカタログはこの会社のもの」とすぐに分かるような、統一感のある見た目が大切です。テンプレートを使えば、色や文字の種類、レイアウトなどがあらかじめ決まっているため、ページごとや商品ごとにデザインがバラバラになる心配がありません。
また、紙のカタログだけでなく、デジタルパンフレットなど他の媒体にも同じデザインを使いやすくなるので、いろいろな場面で同じイメージを伝えることができます。これにより、見る人に安心感を与え、ブランドへの信頼も高まります。
制作コストを抑えられる
テンプレートを導入することで、レイアウトを一から考える手間や、細かい仕様を決める時間を大幅に削減できます。後から追加で手を加えたい時には、「テンプレートのこの場所だけを変える」といった修正の仕方が可能です。
また、テンプレートを使い回せば、紙・Web・PDFといったさまざまな形式に展開できます。その結果、制作費用だけでなく、情報の差し替えやカタログの管理にかかるコストも抑えられるので、少ない予算でも質の高いカタログを作り続けられるでしょう。
商品カタログのテンプレート選びで失敗しないためのポイント

カタログのテンプレートは、「デザイン」「目的」「フォーマット」「編集のしやすさ」の4つの観点を軸に選ぶと安心です。そうすることで、導入後、「こんなはずではなかった」といった事態を防げます。
デザインの基本ルールを押さえる
テンプレート選びで大切なのが、デザインの基礎が押さえられているかどうかです。
特に「配置」「配色」「フォント」の3つは、カタログの読みやすさや印象を大きく左右します。これらが適切なものになっていないと、情報が伝わりにくくなるだけでなく、ブランドとしての信頼も損なわれかねません。
配置の基本|近接・整列・反復・対比
「近接」「整列」「反復」「対比」は、レイアウトの基本原則です。
近接:関連する情報をまとめる
整列:文字や画像の位置・ラインをそろえる
反復:同じデザインのパターンを繰り返して統一感を出す
対比:強調したい部分との「差」を作る
例えば、商品説明と価格など関連性のある情報を近くに配置し、異なる情報の距離を置くことで見た目が整理され、読み手が内容を理解しやすくなります。
文字の位置が揃っていれば、全体にまとまりが出て、同じデザインを繰り返し用いることで統一感が出て、ブランドらしさを出せるでしょう。
さらに、色や大きさに対比をつけることによって、より伝えたい情報に視線を集められます。
このように、原則を押さえられているテンプレートを選ぶと、後から修正する手間を減らせるでしょう。
配色の選び方|ターゲットに合わせた配色
「好み」だけで色を決めてしまうと、読み手の印象やブランドイメージとずれてしまうことがあります。配色を決める際には、年齢・性別・用途といったターゲット層や、ブランドが伝えたいイメージを整理しておきましょう。そのうえで、メインカラー・サブカラー・アクセントカラーを決めるのがおすすめです。
また、色の種類を抑えることで統一感のある見た目になり、ごちゃごちゃした印象になるのを防げます。
フォント選び|読みやすく印象に残る文字
フォントは、読みやすさだけでなく、与える印象やブランドイメージにも大きく関わります。
例えば、見出し・本文・キャプションごとにフォントを使い分けると、情報が伝わりやすくなるでしょう。ただし、多くのフォントを使いすぎないよう、使用する種類を絞っておくと、全体に統一感が出て見た目もすっきりします。
もし、どのフォントを選べばよいか迷った時は、テンプレートにあらかじめ設定されているものを使うのがおすすめです。
商品カタログの目的とターゲットを明確にする
テンプレートを選ぶ前に、「カタログで何を伝えたいのか」「誰がターゲットなのか」をはっきりさせることが大切です。
例えば、新商品の紹介なのか、既存のお客さまに買い替えを促したいのか、目的によっても載せる情報やページの構成、写真の使い方は変わります。
また、購入者に向けたものなのか、展示会で使う企業向けのものなのかによっても、伝え方を変えなくてはいけません。
目的やターゲットを明確にしておけば、それに合ったテンプレートを選べるので、スムーズに作成できるうえに、あとから修正する手間を省けます。
用途に合ったフォーマット・仕様を選ぶ
「どの形式で使うのか」をあらかじめ決めておくことが大切です。紙で配るのか、PDFで送るのか、Web上で公開するのかによって、適したフォーマットや仕様は異なります。
加えて、ページ数やサイズ、綴じ方向なども、早めに決めておくとスムーズです。
展示会用のダイジェスト版やネット配布用など、いろいろな用途で使い回す予定がある場合は、形式の変更に対応しやすいテンプレートを選ぶと良いでしょう。
編集のしやすさ・操作性をチェックする
テンプレートは、実際に編集しながら使っていくものです。
そのため、使うソフトが分かりやすいか、レイアウトの構成が見やすいか、画像や文字を簡単に入れ替えられるかどうかなど、使い方を事前にチェックしておくと安心です。
また、担当者が変わったり、他の部署と共有したりする場合、あるいは、内容を更新する必要が出てきた時でも、無理なく使い続けられるテンプレートを選ぶことで、より長く運用できます。
商品カタログテンプレートの種類と選び方

カタログテンプレートにはいくつか代表的な形があります。選び方を誤ると「構成が合わない」「差し替えが大変」といったトラブルにつながりかねません。ここでは、用途に応じたテンプレートのタイプと、その選び方について解説します。
一覧型テンプレート
一覧型テンプレートとは、商品を並べて紹介する形式です。複数の商品を1冊もしくは1ページにまとめたい時に適しています。商品画像と、価格・短い説明が規則的に並び、比較しやすい構成になっているのが一般的です。
複数の商品を紹介する「全商品カタログ」や、毎年内容を見直して作られる「年間カタログ」などでよく使われています。テンプレートを使えば、掲載する商品が多い場合でもレイアウトを効率的に統一できるため、情報整理と見やすさの両方を実現できるでしょう。
一商品フォーカス型テンプレート
一商品フォーカス型テンプレートは、1つの商品を大きく紹介するレイアウトが特徴です。製品の魅力・仕様・使用シーンなどを詳しく伝えたい場合に適しています。例えば、新発売のモデルや主力商品、プロモーションの対象商品などに適用されることが多いでしょう。
見る人が商品を理解しやすいように、写真やキャッチコピー、仕様表などがまとまって掲載されているデザインが一般的です。このタイプのテンプレートを選べば、特に売り出したい商品を効果的にアピールできます。
写真メイン型テンプレート
写真メイン型テンプレートは、画像が中心に配置されているタイプ。商品の雰囲気が見る人に届きやすいレイアウトです。例えば、インテリア・アパレル・雑貨など、商品そのものの見た目や質感を強調させたい時に特に有効です。
テキストは控えめで、ビジュアルで引きつける構成が多いため、テンプレートを選ぶ際は「写真用の余白」や「キャプション位置」が整っているかを確認するとよいでしょう。
デジタルカタログ用テンプレート
デジタルカタログ用テンプレートは、スマホやタブレット、PCなどでの閲覧を前提に設計された形式です。紙のカタログとは異なり、スクロールやタップ、リンクなどの操作が想定されているため、レイアウトやフォーマットに特徴があります。
テンプレートを選ぶ際は、「縦スクロールに対応しているか」「ナビゲーション機能があるか」「ファイルサイズや読み込み速度に問題はないか」などもチェックすると良いでしょう。このタイプを選べば、Webからの流入も期待できます。
カタログテンプレートが使えるおすすめツール

商品カタログを作る時、テンプレートが使えるデザインツールの選び方も大切なポイントです。特に、「誰でも編集できる」「印刷やWebにも対応している」「テンプレートが豊富にそろっている」という条件を満たすツールを使えば、制作の手間がぐっと軽くなります。ここでは、カタログ作成におすすめの4つのツールを紹介します。
Canva
Canvaは、デザイン初心者でも使いやすいクラウド型のデザインツールです。豊富なテンプレートがそろっており、カタログ用のレイアウトが簡単に作れます。
PC・スマホ・タブレットなど、さまざまなデバイスからアクセス・編集可能で、画像や文字の入れ替えも、ドラッグ&ドロップでスムーズ。印刷版・Web版どちらにも使えるため、カタログを多用途で使いたい時に便利でしょう。
出典:Canva公式サイト
Adobe Express
Adobe Expressは、プロ仕様の機能を備えながらも、初心者でも扱いやすい操作性が魅力のツールです。テンプレート内で、写真・動画・文字を自由に編集でき、プランによっては複数人での共同作業にも対応しています。
カタログだけでなく、プレゼン資料・販促用チラシの作成など幅広い用途でも使えるため、社内のデザインツールを一本化したい場合にもおすすめです。
出典:Adobe公式サイト
ラクスル
ラクスルは、印刷データの作成から印刷・配送までを支援するサービスです。カタログ・冊子用の無料テンプレートを提供しており、テンプレートを選んで数クリックするだけで、印刷データを作成できます。
特に紙カタログを低コストで制作・配布したい場合に便利です。
出典:ラクスル公式サイト
MiriCanvas
MiriCanvasは、直感的な操作と豊富なテンプレートが魅力のツールです。スマホやタブレットからでも、基本的なカタログデザインを作成できます。
若い世代を対象にしたカタログや、SNSと連動したデジタルカタログを作りたい時に特におすすめ。AI機能を備えたプランもあり、作成の効率化に役立ちます。
商品カタログデザインの参考実例がわかるサイト

デザインをゼロから考えるより、実際にテンプレートが使われているカタログを見て参考にすると、イメージが湧きやすいでしょう。色使いやレイアウト、写真の見せ方などのヒントになるはずです。ここでは、すぐに参考にできる国内サイトを3つ紹介します。
ナイスデザイン
「ナイスデザイン」では、会社案内・パンフレット・カタログなど、数多くのデザインサンプルを掲載しています。見る人が知りたい情報にフォーカスしたレイアウトや、ブランドの世界観を伝える構成が豊富です。
実例を眺めるだけでも「見せ方の型」がイメージでき、テンプレート選びや構成案づくりの参考になるでしょう。
パンフレット専科
「パンフレット専科」は、会社案内・パンフレット・カタログ制作を専門に扱うサイトで、用途や目的別に制作事例が掲載されています。
営業資料向け、採用向け、BtoB向けなど、目的別に構成が紹介されており、何のカタログを作るか決まっている時に参考にできる見本が豊富です。
100人のデザイナー
「100人のデザイナー」 は、厳選された100名以上のデザイナーがコンペ形式で提案するデザインサービスです。カタログやパンフレットの制作実績も多数公開されています。
さまざまなデザインや構成を見られるので、「どのテイストに近づけたいか」など、カタログデザインの方向性を決めるヒントになるでしょう。
商品カタログテンプレートに関するよくある質問Q&A

商品カタログのテンプレートを選ぶ際、「自分たちの目的に合っているか」「実際に使いやすいか」といった不安を抱くことも多いでしょう。ここでは、よくある疑問に対して分かりやすく回答します。
無料テンプレートでもプロ品質に仕上がる?
無料テンプレートでも、クオリティの高いカタログを作ることは十分に可能です。デザインの基盤が整っているため、素材を差し替えるだけでも完成度の高い仕上がりになります。
ただし、使用する際は、「自社ブランドとのズレがないか」「印刷・Web両方の形式に対応しているか」を確認することが重要です。用途や目的に合ったテンプレート選びをすれば、無料のテンプレートでもプロ品質に近いカタログが完成するでしょう。
他社のカタログデザインと被る心配は?
テンプレートを使うと、他社と似たデザインになる点が懸念されがちです。
しかし、フォントや配色を自社ブランドに合うものにしたり、オリジナルの写真やアイコンなどの素材を使ったりすることで、デザイン被りを防げます。
テンプレートは、あくまで「構成の型」としての活用にとどめ、ブランドらしさを加えることで他社との差別化が可能です。
自社に合ったテンプレートはどう選べばいい?
自社に合ったテンプレートを選ぶ時は、次のポイントを意識しましょう。
| チェックポイント | 内容 |
|---|---|
| 目的・ターゲット | 新商品の紹介・買い替えの促進・展示会配布など、目的に応じた構成になっているか |
| 形式・仕様 | 紙・Web・PDFなど用途に合ったフォーマットに対応しているか |
| 編集のしやすさ | 素材の差し替えや色変更、フォント変更が簡単にできるか |
上記をチェックしておけば、テンプレート選びでの失敗を避けられ、自社に最適なカタログ設計を進められるでしょう。
スマホやタブレットでも作成できる?
スマホやタブレットだけでカタログを作成できるテンプレートは増えています。
クラウド保存や複数デバイスなどに対応しているものであれば、編集場所を選びません。
ただし、画面サイズや操作性、フォントの見やすさ、画像の解像度などは、端末によって違いが出る場合があります。そのため、仕上がりは最後にパソコンで確認するのがおすすめです。
テンプレートを活用して、理想の商品カタログを作成しよう

テンプレートを活用すれば、デザインや構成に悩むことなく、誰でも効率よくカタログを作成できます。見る人に伝わりやすい内容にするには、目的やターゲットに合ったテンプレートを選ぶのがポイント。さらに、配色やフォントを工夫することで、自社らしさを表現することも可能です。手間をかけずに、伝えたい情報をしっかり届ける手段として、テンプレートを上手に活用してみてはいかがでしょうか。
※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月
