この記事でわかること

※この記事は 時点の情報をもとに執筆しています。
「商品問い合わせへの返信方法が分からない」「丁寧に対応したいけれど、時間がかかる」そんな悩みを抱えていませんか?
商品問い合わせメールへの対応は顧客の信頼を得る機会である一方、担当者の負担にもなりがちです。本記事では、問い合わせへの返信メール作成の基本、シーン別の例文、さらに対応を効率化するための具体的なコツを紹介します。
なぜ重要?適切な商品問い合わせメール対応によるメリット

商品問い合わせメールへ適切な対応を行うことで、顧客満足度を高め、企業イメージや売上の向上につながります。ここでは、商品問い合わせメール対応がもたらす主な3つのメリットを紹介します。
顧客からの信頼獲得につながる
商品に関する問い合わせメールは、顧客との大切なコミュニケーションの場です。迅速で丁寧な返信は、相手に「自分の意見をきちんと聞いてもらえる」と安心感を与え、信頼関係の構築につながります。たとえクレーム対応であっても、誠実に対応することで不満が信頼に変わることも。顧客に、今後も安心して取引できる相手だと感じてもらえるでしょう。
企業のイメージアップとブランド構築に貢献する
問い合わせメールへの対応の良し悪し質は、企業の印象を大きく左右します。メールの文面や返信の速さ、言葉遣いの丁寧さは、顧客に企業としての姿勢を感じさせます。
誠実で分かりやすい対応を続けることで、ブランドへの信頼が高まり、企業イメージの向上につながるでしょう。逆に、不適切な対応が続くと口コミやSNSでネガティブな評価が広まり、信頼を損なう恐れもあります。
購入率・リピート率が向上する
適切な問い合わせ対応は顧客の不安を取り除き、購入を後押しします。商品詳細や使い方への質問に丁寧に回答することで、顧客は安心して購入できるでしょう。さらに、購入後の問い合わせにも誠実に対応すれば、顧客満足度が高まり、リピート購入や定期購入へとつながります。誠実な対応が、売上の拡大と顧客からの信頼向上につながります。
EC事業のLTVを上げるカスタマーサポートの3つの課題と対策とは?
商品問い合わせメールへの適切な返信の書き方

件名のつけ方
商品問い合わせへの返信メールには、内容が一目で分かるように具体的で簡潔な件名を付けます。
例:【(企業名)】(問い合わせ内容)に関するご回答
企業名や問い合わせ内容を含んだ件名なら、用件が分かりやすく、安心して開封してもらえるでしょう。
問い合わせメールの件名に「Re:」をつけたまま返信しても良いのですが、場合によっては迷惑メールと誤解されることもあるので、変更することをおすすめします。
宛名と導入文の書き方
宛名
顧客の名前が分かる場合は、必ず宛名を書きます。企業からの問い合わせの場合は会社名、部署名、担当者名を正確に書きましょう。わからない場合は「お客様」または「ご担当者様」とします。
導入文
まず、問い合わせをいただいたことへの感謝を述べます。「この度は、弊社製品についてお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。」といった一文を添えましょう。
返信が遅くなった場合は「返信が遅くなり、誠に申し訳ございません。」とお詫びの言葉を加えます。
本文(回答)の流れ
あらためて顧客からの問い合わせ内容を明記します。「お問い合わせいただいた〇〇の件につきまして、ご回答いたします。」のように記載すると良いでしょう。
続いて回答を記載します。回答は結論から簡潔に述べます。結論の後にその理由や詳細な情報を補足します。現時点で具体的な回答ができない場合には、確認でき次第連絡をする旨を説明してください。
結びと署名の書き方
「ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。」など、相手を気遣う一文で結びます。今後も良好な関係を築きたいという気持ちを伝えましょう。
本文の後に必ず署名を記載し、誰が返信したのかを明記します。
署名の基本項目は以下の通りです。
| 会社名(ショップ名) |
| 部署名・役職 |
| 氏名 |
| 会社の住所 |
| 電話番号・FAX番号 |
| メールアドレス |
| 自社のウェブサイトURL |
| 営業時間 など |
読みやすさを高める本文の工夫
- 適度に改行や空白行を入れる
- 箇条書きを使う
- 専門用語を避ける
- 記号や罫線を使う
20〜30文字程度で改行し、段落ごとに空白行を入れると全体的に読みやすくなります。
複数の項目を伝える際は、箇条書きにすると要点が伝わりやすくなります。
専門用語は避けて、初めての方にも伝わりやすい言葉で説明しましょう。どうしても専門用語を使う必要がある場合は、カッコ書きなどで注釈を付け加えて言葉を補うなどの配慮をします。
強調したい部分に【】などの記号を使ったり、情報を整理するために罫線を使ったりするのも効果的です。ただし、多用するとかえって読みにくくなるので、注意が必要です。
【シーン別】商品問い合わせメールへの返信例文集

問い合わせ確認の自動返信メール例文
顧客が問い合わせフォームを送信した直後に、自動送信される受付確認メールです。自動送信であることを明記しておきましょう。
|
件名:【株式会社〇〇】お問い合わせを受け付けました |
在庫・納期に関する問い合わせへの返信メール例文
商品の在庫状況や配送日数に関する問い合わせには、できるだけ早く、正確に回答しましょう。在庫切れの場合は次回の入荷予定日を伝え、顧客が購入を検討しやすいように配慮します。
|
件名:【株式会社〇〇】 商品〇〇の在庫・納期についてのご回答 |
商品仕様・使い方に関する問い合わせへの返信メール例文
商品仕様や使い方については、専門用語を避け、分かりやすい説明を心がけましょう。
|
件名:【株式会社〇〇】商品〇〇の仕様についてのご回答 |
不良品・返品に関する問い合わせへの返信メール例文
届いた商品に不備があった、または返品を希望する顧客への返信です。丁寧にお詫びをし、迅速に対応しましょう。
|
件名:【株式会社〇〇】商品不良のお詫びと交換手続きのご案内 |
クレームに関する問い合わせへの返信メール例文
商品やサービスに対する厳しいご意見(クレーム)へは、顧客の心情に寄り添い、真摯な謝罪と誠実な対応が必要です。
|
件名:【株式会社〇〇】〇〇の件に関するお詫び |
お客様の意見・要望に関する問い合わせへの返信メール例文
商品やサービス改善に繋がるご意見やご要望をいただいた場合は、感謝の気持ちを伝え、今後のサービス向上に活かす姿勢を示します。
消費者センターからクレームがあった場合。EC事業者がとるべき3つの対応方法とは?
|
件名:【株式会社〇〇】 〇〇に関するご意見ありがとうございます |
商品問い合わせメール対応業務を効率化する5つのコツ

返信テンプレートを作成する
よくある問い合わせに対しては、返信テンプレートを作成しておくと対応時間を短縮できます。在庫確認、納期回答、商品仕様の説明、お詫びなど、シーンに応じた複数のテンプレートを用意しましょう。
テンプレートを活用することで、対応時間を短縮でき、担当者による回答のばらつきを抑えて一定の品質を保てます。ただし、テンプレートはそのまま送信せず、状況に応じて表現を修正することが大切です。
FAQページを整備する
過去の問い合わせ内容を分析し、「よくある質問(FAQ)」としてウェブサイトに掲載するのも効果的です。
FAQを充実させることで、顧客は担当者からの返信を待たずに、24時間いつでも疑問を解決できます。商品の使い方や仕様、返品・交換の手続き、送料など、頻繁に寄せられる質問への回答を、図や画像を交えて分かりやすく掲載しましょう。
問い合わせフォームの近くにFAQページへのリンクを設置しておくと、顧客が自己解決しやすい導線を整えられ、結果的に問い合わせ件数の削減にもつながります。
FAQシステムおすすめ6選比較|メリット・注意点・選び方を解説【EC向け】
対応フローを作成し、徹底する
問い合わせメールの受信から返信完了までの流れを対応フローとして明文化し、チーム全体で共有しましょう。返信までの時間を短縮し、対応品質のばらつきを防げます。
顧客向けの対応マニュアルだけではなく、社内向けの運用マニュアルも用意しておくと効果的。オペレーターが判断に迷うケースや例外的な問い合わせについては、相談先や承認ルートを明確にしておけば、確認にかかる時間も削減できます。
システムにて一元管理し、情報の共有と分析をする
メール共有システムや問い合わせ管理ツールを導入し、すべての問い合わせを一元管理しましょう。
複数の担当者で問い合わせ対応を行う場合、個人のメールソフトで管理していると、対応漏れや重複対応が発生する恐れがあります。一元管理によって対応状況を可視化できるので、担当者が不在でも他のメンバーがスムーズに引き継ぐことが可能です。
さらに、蓄積された問い合わせデータを分析することで、FAQコンテンツの改善や商品・サービスの品質向上にも役立ちます。
チャットボットを導入する
チャットボットとは、顧客からの問い合わせに自動応答するプログラムのことです。チャットボットを導入することで、よくある質問に24時間365日自動で対応できます。営業時間外でも顧客の疑問を即座に解決できるため、顧客満足度の向上につながります。
またチャットボットが一次対応を担うことで、担当者は複雑な問い合わせに集中できるようになり、業務全体の生産性が向上します。チャットボットで解決できない場合に備え、スムーズに有人チャットや電話窓口に引き継ぐ仕組みを整えておくことも大切です。
チャットボット導入でCSコスト15%削減。具体的な事例や導入課題とメリット、注意すべき点とは?
商品問い合わせメール返信での注意点

顧客との信頼関係を築くために、問い合わせメール返信時に押さえておくべき注意点を紹介します。
問い合わせ内容を正確に把握・明記する
顧客からの問い合わせに的確に回答するためには、内容を正確に理解することが大切です。
まずは問い合わせの文章を注意深く読み、顧客が何を知りたいのか、何を解決したいのかを把握します。
返信メールでは「○○についてのお問い合わせありがとうございます」のように問い合わせ内容を明記しておくと、相手にわかりやすく、認識のずれも防げます。
専門用語や略語は避ける
社内や業界では当たり前に使っている用語でも、顧客にとってはわかりにくい場合があります。
専門用語をそのまま使うと、顧客に不親切な印象を与え、伝えたい内容が正確に伝わらないことも。
特に成分名・技術仕様・システム関連の略語などは、できるだけ日常的な言葉に言い換えたり、簡単な補足説明を添えたりします。顧客が理解しやすい表現を心がけましょう。
迅速な対応を心がける
問い合わせメールには、できるだけ早く返信します。遅くても24時間以内には対応しましょう。
返信が遅れると顧客の不安や不満が高まり、信頼を失う恐れがあります。迅速な対応が、顧客満足度の向上につながります。
正式な回答ができない場合でも、「お問い合わせありがとうございます。現在確認中です」といった一次返信を送ることで、顧客に安心感を与えられます。確認でき次第、あらためて連絡することを伝えましょう。
商品問い合わせメール返信についてのよくある質問

返信メールで気をつける一言は?
問い合わせメールの返信では、印象を和らげ、より丁寧になるクッション言葉を活用しましょう。
クッション言葉とは、「恐れ入りますが」や「お手数をおかけいたしますが」のように会話の前置きとして使われる言葉のことです。特に、相手の要望に応えられない場合に使えば、冷たい印象を与えずに内容を伝えられます。
ただし、多用しすぎるとわかりにくくなるので、形式的な文面になりすぎないよう、状況に応じて自然な言葉を選びましょう。
テンプレを使うと冷たい印象にならない?
テンプレートは業務効率を向上するために有効ですが、そのまま送ると、画一的で冷たい印象を与えてしまう可能性があります。
テンプレートはあくまでも雛形です。それぞれの文脈に合わせてカスタマイズすることが大切です。顧客の名前を加え、問い合わせ内容やそれまでのやり取りなどを踏まえ、最後は人の言葉で仕上げましょう。
返信はどのくらいの時間以内にすべき?
返信の目安は、24時間以内が基本です。
早い返信はそれだけで信頼につながります。すぐに対応できないときは「確認のうえ、○日以内にご連絡いたします」と一次返信を入れることが大切です。連絡を入れることで、顧客の不安を軽減し、トラブル防止につながります。
商品問い合わせメールへの適切な返信で顧客満足度を高めよう

問い合わせメールへの返信は、顧客との信頼を結ぶ大切なコミュニケーションです。返信の速さや文面の丁寧さによって、顧客の受ける印象やその後の購買意欲が変わります。
できるだけ早く、遅くとも24時間以内の対応を心がけてください。相手の立場に立ってわかりやすく具体的に伝えることで、顧客満足度を高められます。さらに、返信テンプレートの活用や、問い合わせ管理システムの導入によって、返信漏れや対応の重複を防ぎ、安定した高品質のカスタマーサポート体制を築いていきましょう。
ecforceは日本国内のEC/D2Cビジネスの現場を知り尽くした、SUPER STUDIOが提供する国産SaaS型ECシステムです。EC/D2Cのサイト構築から運用・改善まであらゆる場面をサポートします。自社に合ったECサイトの構築や運用をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。
※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月
