この記事でわかること
近年、マーケティングにおいて「UGC」が注目されています。
UGCとは「User Generated Contents(ユーザー生成コンテンツ)」のことで、ブランドのファンを育成する上で重要な指標の一つとなっています。
情報過多の時代において、消費者は日々多くのニュースや情報を得ています。その中でも認知してもらうためには、信憑性の高い情報である必要があります。
その結果、知り合いや自分と繋がりのある人が投稿したもの=UGCだと目にとめてもらいやすい傾向があるため、ブランドや商品にとってはUGCを自然につくることが非常に重要となっているのです。
UGCの発生タイミングで多いのが、実は商品使用時だけでなく商品が届いた時。商品の開封時は、お客様が初めて実際にブランド・商品と接する場所=第一印象にも繋がる重要な場であるためお客様の感動を生みやすく、ここでいかにUGCをつくるかが他のお客様にもブランド・商品を知ってもらえるかに繋がってきます。
そこで今回は、箱に入っている同梱物や見せ方にこだわり、InstagramをはじめとしたSNSにUGCをつくることに成功した事例を、代表的なパターンに合わせていくつか紹介いたします。
パターンとしては、大きく3つあります。
1. Instagramの写真映えをしやすくする
2. 撮影ポイントを多くする
3. カスタマイズしやすくする
各々のパターンについてご紹介します。
パターン1 インスタの「写真映えをしやすくする」の事例
snaq.me(以下、スナックミー)は、おやつが定期的に届く「おやつ体験BOX」。
ナチュラルな素材でつくられた美味しいおやつが、ポストに投函されて届きます。
「おやつ体験BOX」とうたっているだけあり、おやつを食べる時間がよりワクワクした時間になるように箱のデザインや開封体験に工夫を重ねられています。結果、継続的なUGCにも繋がっている事例。
順調にUGCが広がっているようにみえるスナックミーですが、裏には開封体験の改善があったようです。
改善前のスナックミー開封イメージ例
出典:https://marketingnative.jp/snaqme/
おやつごとに各ラベルが貼られており、どんな成分が入っているかがひと目で見やすいものの、前回届いたおやつと違うおやつが入っていても見た目がほぼ同等になってしまう状態でした。
そのため、ユーザーが投稿しても同じような投稿が続く形に…。
そのような現状を受け、前回と同じおやつが入っていてもユーザーが毎月のSNS投稿することを楽しめるようにするため、以下のように改善したとのことです。
改善後のスナックミー開封イメージ例
出典:https://marketingnative.jp/snaqme/
すると、スナックミーユーザー同士がハッシュタグをたどりお互いの投稿をみた時にさまざまな投稿をしやすくなりInstagramを中心にUGCが生まれていきました。
透明な袋に入れることで特徴のあるおやつがより映えやすくなり、インスタなどのSNS投稿に繋がっています。
このように「いかに開封体験が映えるようにするか」「写真映えするバリエーションが多く生まれるか」を考える視点は、UGCを発生させる上で重要な視点となるのではないでしょうか。
パターン2「撮影ポイントを多くする」の事例
PostCoffee(以下、ポストコーヒー)は、パーソナライズ化されたコーヒーが届く定期便。10個の質問に答える簡単なコーヒー診断後、約15万通りの組み合わせから自分だけのコーヒーが届き、月イチで3タイプのコーヒーがポストに入るサイズで投函されます。
ポストコーヒーは毎月のコーヒー体験を飽きさせないよう、商品はもちろんですが箱や開封体験も工夫がされています。
ポストコーヒーの開封体験の特徴は、箱を閉じたままでも開けてもどちらでもInstagramで映えるようにデザイン設計されているところです。
外箱を撮影した写真が投稿されているUGCの例
出典:https://postcoffee.co/
ポストに入るサイズの箱は立てかけられるので、部屋のインテリアに使われやすくなっているのも嬉しいポイント。捨てずに置いておきたくなるデザインは、エコの観点からも良い着眼点ではないでしょうか。
箱の中身を撮影した写真が投稿されているUGCの例
出典:https://postcoffee.co/
撮影ポイントを増やすことで、同一ユーザーからの複数投稿も期待できます。
パターン3「カスタマイズしやすくする」の事例
出典:https://phoebebeautyup.com/
PHOEBE BEAUTYUP(以下、フィービービューティーアップ)は美容メディアから生まれたブランド。メディアによせられた美容の悩みをもとに開発された、まつげ美容液や毛穴に着目した美容液で人気を集めています。
スキンケアとしての機能はもちろん見た目が映えやすいつくりにしている点もこだわりがあり、開封体験にもこだわっています。フィービービューティーアップは投稿時に撮り方を色々工夫できてカスタマイズできる楽しさが特徴で、それが投稿パターンのバリエーションに繋がっています。
出典:https://phoebebeautyup.com/lp
さらに化粧箱とは別でクリアポーチをつけることで投稿のバリエーションを増やし、箱と化粧箱だけでは見せれなかった表現の幅を広げることに成功しています。
出典:https://phoebebeautyup.com/lp
カスタマイズ性をもたせ「どんな投稿にしようかな!」とユーザーに考えてもらうことで、SNSに投稿する楽しさを提供することができます。
そのため、定期商材であっても同一ユーザーが複数回投稿することが期待できてよいのではないでしょうか。
以上、開封体験でUGCをつくるための代表例である「写真映えをしやすくする」「撮影ポイントを多くする」「カスタマイズしやすくする」の主な3つの方法をもとに、各ブランドの事例をご紹介しました。
良質なUGCを生み出して、さらにブランド価値を高める取り組みはD2Cにとって必須です。
ぜひ、ご参考にしてください。
【最後に】
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※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月