この記事でわかること
D2Cブランドを立ち上げる際、「クラウドファンディング」は前向きに検討したい選択肢の一つです。
まだブランドの知名度もなく、応援してくれる人たちもいない状況において、プロダクト完成前にクラウドファンディングを行うことは大きな意味があります。
何より初期の顧客を発見することができますし、想定していたニーズの答え合わせができます。支援の金額はさることながら、顧客体験を重視するD2Cだからこそ、顧客の貴重な声を聞ける大きなチャンスなのです。
本稿では実際にクラウドファンディングを行い、目標金額995%達成という大きな成功をおさめた猫砂「しぐにゃる」の事例を参考に、D2Cブランドがクラウドファンディングで支援を集める方法を紐解いていきましょう。
D2Cブランドによるクラウドファンディングの成功事例
猫砂のD2Cブランド「しぐにゃる」は、尿のpH値などで砂が5色に変化することで猫の健康状態を知らせてくれる猫砂を企画・開発し、クラウドファンディングで支援を募りました。
https://www.makuake.com/project/threes3s/
その結果、開始わずか3時間で目標金額を達成して、1週間後には目標達成率600%を記録しました。最終的には、480万円を超える支援金額と931人もの支援者を集めることに成功しています。
なぜ「しぐにゃる」はクラウドファンディングで大きな成功を収めることができたのでしょうか。この成功の裏には「クラウドファンディングへの理解」と、人々が自然と口コミでポジティブな情報発信を拡散したくなるPR戦略が存在していました。
D2Cブランドがクラウドファンディングで支援を集める方法
そもそもクラウドファンディングを資金調達方法の一つだと認識していると、その本質が見えてきません。
もしクラウドファンディングが「多くの人から資金を集めるための方法」であれば、表現は「購入」でも良いはずです。そこにはお金の関係しかないからです。
しかし、クラウドファンディングは購入ではなく「支援」を募ります。そして人々は確かにお金を投じるわけですが、共感なくして支援はしません。
つまり支援者は機能的価値だけではなく、むしろ情緒的価値に反応すると言えます。この行動心理は情緒的価値を重視するD2Cでは、特に親和性が高く、外せないキーポイントです。
「しぐにゃる」では支援者が931人も集まりましたが、この人たちに共通するのは、「困っている猫を助けたい」といった想いへの共感でした。
「しぐにゃる」の事例のように共通の目的やテーマのもとに人々の共感を集め、その人たちが拡散したくなるストーリーを届けることで、クラウドファンディングで支援を集める素地をつくることができます。
クラウドファンディングを理解した上でPR戦略を立てることこそ、クラウドファンディングで支援を集める方法の一つなのです。
<関連記事>
D2Cブランドの具体的なPR事例。931人の支援者が集まった猫砂「しぐにゃる」のPR戦略とは?
クラウドファンディング成功の裏にあるメディアの存在
さらにクラウドファンディングの成功には、信頼できるメディアの存在が欠かせません。
クラウドファンディングを使ってデビューするいわば無名の商品にとって、応援される背景状況や信頼性は最も重要な要素の一つだからです
「しぐにゃる」は、2014年の1号店オープン以来、一貫して保護猫活動を続けており猫好きからの信頼も厚いネコリパブリックさんと企画をご一緒しました。
新しいブランドである「しぐにゃる」の信頼度はありませんが、同じく猫の健康的な生活をとても大事にしているネコリパブリックさんの企画に共同で取り組むことで、結果的に猫を愛する顧客からの信頼を得ることに繋がりました。
猫が好きな人たちの信頼を得て情報拡散が波及的にうまくいった結果、「しぐにゃる」はBusiness Insider Japanのような大きなメディアに取り上げられ、支援者がさらに増えたのです。
クラウドファンディングの本質を理解した上で、信頼できるメディアとのPRへの取り組みが功を奏し、新興のD2Cブランドでも支援者や支援額を集めることができる好事例ではないでしょうか。
<参考記事>
前代未聞の「コロにゃ危機」にネコがZoomでリモートワークする理由(Business Insider Japan)
PR戦略について詳しく知りたい方は、「しぐにゃる」の事例をぜひご覧ください。
【最後に】
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