この記事でわかること
D2Cブランドを立ち上げる際に、クラウドファンディングを検討する人は多いかもしれません。
無名のブランドにとって初期の顧客を発見できるだけでなく、顧客の心情やニーズを知ることができる大きなチャンスだからです。
D2Cブランドがクラウドファンディングで支援を集める方法を以前お伝えしたので、ここでは「しぐにゃる」の事例だけではなく、ALL YOURS(オールユアーズ)と海外事例としてAllbirds(オールバーズ)をご紹介したいと思います。
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D2Cブランドがクラウドファンディングで支援を集める方法【目標金額995%達成の事例付】
猫砂のD2Cブランド「しぐにゃる」のクラウドファンディング事例
「しぐにゃる」は猫砂のD2Cブランドとして、自身初となるプロダクト企画・開発にクラウドファンディングを活用しました。
猫砂とは尿のpH値などで砂が5色に変化することで猫の健康状態を知らせてくれる砂で、病気になっても判明しづらい猫にとって、命綱にもなりうるアイテムです。
https://www.makuake.com/project/threes3s/
クラウドファンディングで支援を集めたところ、多くの猫好きが支援をして、最終的には、480万円を超える支援金額と931人もの支援者を集めました。
この成功の裏には、優れたPR戦略がありました。「しぐにゃる」では、以下の3つを要点としてPR戦略を考えたことで、非常に大きな成功を収めることができたのです。
- ターゲット設定:誰が広めてくれるのか?
- 文脈形成:なぜ広めてくれるのか?
- 信頼度:0→1の無名ブランドがどう信頼を得られるか?
「誰が」「なぜ」「どうやって」を設計したことで、自然な形で良い情報が拡散される状況を作りました。詳しくはぜひ以下の記事を読んでみてください。
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D2Cブランドの具体的なPR事例。931人の支援者が集まった猫砂「しぐにゃる」のPR戦略とは?
ALL YOURS(オールユアーズ)のクラウドファンディング事例
ALL YOURSは池尻大橋に拠点を構えるアパレルブランドで、服ではなく着る人を中心に考えて服作りをする哲学のもと、見た目や流行に囚われない発想で服を作り続けています。
国内のD2Cブランドでクラウドファンディングを最も活用しているのは、おそらくALL YOURSではないでしょうか。
24ヶ月連続でクラウドファンディングにチャレンジして、累計5,000万円もの支援額を集める偉業も達成しました。
https://camp-fire.jp/projects/view/116558
印象に残るのは、顧客を「お客様」ではなく「共犯者」と呼び、一緒にブランドを作り上げるスタンスです。クラウドファンディングはなおさら、ALL YOURSのようなスタンスが合います。
なぜならブランドに余白があった方が、人々が自分事にしやすいからです。
「商品を買ってください」というスタンスでは見向きもされなくても、「一緒にブランドを作りましょう」と言われたら、参加したくなるのが人の心理ではないでしょうか。
Glossier(グロッシアー)の事例でも共創やコミュニティの重要性をお伝えしましたが、顧客を「共犯者」と呼ぶALL YOURSのスタンスも、非常にD2C的だと言えます。
Allbirds(オールバーズ)のクラウドファンディング事例
最後は海外D2Cブランド、Allbirdsのクラウドファンディング事例です。
Allbirdsは以前、サスティナブルな取り組みをするD2Cブランドとしてサクボでもご紹介しましたが、ブランド立ち上げのエピソードも秀逸です。
創業者の1人、元プロサッカー選手のTim Brown(ティム・ブラウン)氏は、Allbirdsのアイディアはあったものの、すぐに製品化に動かずにKickstarter(キックスターター)でクラウドファンディングを開始します。
https://www.kickstarter.com/projects/3over7/the-wool-runners-no-socks-no-smell
ポイントはTim Brown氏は完成された商品を売るのではなく、構想をオープンにすることで人々の注目を集めた点です。言い換えれば「ウールで作ったシンプルで美しい靴」というアイディアに支援が集まり、人々のリアルな反応が構想を推し進めました。
このように、クラウドファンディングの魅力は製品ができていなくても、アイディアがあれば支援を集められる点にあります。プロトタイプを世に出すハードルを低くすることができるので、顧客の反応を見ながらアプローチを変えることもできます。
そして構想段階から参加した支援者は、確かに「購入者」ではあるのですが、アイディアを形にするための仲間にもなり得ます。
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Allbirds、5つのキーポイント。Amazonにも屈しないD2Cブランドの信念とは
相性が良いD2Cブランドとクラウドファンディング
ここまでD2Cブランドがクラウドファンディングを実施した3つの事例を見ました。
それぞれ異なるアプローチではありますが、どの事例にも共通して言えるのは、顧客の心情を理解して共感を募り、何かを一緒に行っている点にあります。
「しぐにゃる」は顧客と一緒に困っている猫を助け、「ALL YOURS」は顧客を共犯者と呼び、Allbirdsは構想を一緒に形にしました。
顧客と直接的に繋がる意味をもつ「D2C」とクラウドファンディングは、見ての通り非常に相性が良いことがわかると思います。
特にD2Cブランドの立ち上げにおいて、クラウドファンディングの活用を考えることは必然と言っても過言ではないかもしれません。
【最後に】
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※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月