この記事でわかること
2021年1月現在、世界は新型コロナウイルスが猛威をふるう状況下にあります。
この状況が収まった「アフターコロナ」において、D2Cビジネスはどんな変化を遂げるのでしょうか。
本稿ではアフターコロナ時代におけるD2Cビジネスの変化や、その在り方を様々な角度から予想すると同時に、今後のD2Cに求められるものも解説していきたいと思います。
アフターコロナも国際的にD2Cが成長する予想
D2Cだけでなく、従来型のECも以前からシェアを拡大してきました。しかし、2020年1月末から世界中で問題となっている新型コロナウイルスにより、今後も国際的にD2Cの普及が進むのではと予想されます。
なぜなら外出する機会が減った現在、オンラインで全てが完結するD2Cブランドの需要はより高まっていくからです。
実際、D2Cアパレルブランドの「ALL YOURS(オールユアーズ)」は、ショールーム的に機能していた実店舗を休業して、全面的にオンライン接客に切り替えました。
この結果、業績は昨年対比プラスを記録し、業績悪化にあえぐ企業が続出する中で異例ともいえる存在となったのです。
以前からの顧客や、リモートワークでもストレスなく着られる服が好調なようですが、その他にもオリジナルのマスクを販売するなど、状況に応じたスピーディな対応をしているのもD2Cならではの強みだと言えます。
このようにD2Cブランドが事業成長をするケースは国内にとどまらず、アフターコロナにおいても世界的にも見られることでしょう。
大手メーカーやハイブランドもオンライン化の傾向
コロナ禍では、ショーやイベントもオンライン化を余儀なくされました。それが顕著となったのが、ミラノやパリで行われたファッションウィークです。
2月18日~24日に渡って開催されたミラノ・ファッションウィークはイタリアがロックダウン政策を行う前でしたが、すでに中国では感染が拡大しておりデザイナーや関係スタッフの多くが入国できませんでした。
そのため、WeiboなどのSNSプラットフォームや中国のメッセージアプリであるWechatを活用してショーに関するコンテンツをデジタルで配信しました。同様の動きは2月24日~3月3日に行われたパリコレでも見られ、CHANELは20-21A/Wコレクションをブランド設立以来初めてとなるライブ配信し、大きな話題を呼ぶこととなったのです。
上海ファッションウィークでは、アリババのライブコマースを使いオンライン配信を前提としての開催が決定。上海の新天地には50ブランドが期間限定ショップをオープンさせ、市の中心部から注文すれば2時間以内に商品が配送されるという新たなサービスを提供し、オンラインショッピングの新しい形を提示しました。
感染拡大の状況は国によって違いますが、今後もオンラインを重視する動きは続くでしょう。
D2Cで重要なのは顧客との結びつき
アフターコロナの社会では、デジタル空間や技術をフル活用したD2Cがより普及が進んでいくと思われます。そんな中D2Cを成功させるために重要なのは、顧客との結びつきをいかにして作り、それを強固なものにしていくかということです。
例えばGlossier(グロッシアー)という女性向け化粧品を販売する会社では、SNSを通じて顧客の声を積極的に取り入れています。
例えばブログでセレブや著名な女性にメイクにまつわるTIPSを聞き、その内容をよりカジュアルなテイストで書いて発信。そして発信を受け取ったSNSのフォロワーやブログの読者から意見をもらって、商品企画やサービスの向上に活かしたりしています。
このようにデジタルを通じて顧客との関係性を構築することが、D2Cにおいては非常に重要です。
アフターコロナの社会ではよりオンライン化が進むため、多くの企業がD2Cに進出する可能性があります。そのような状況でも、顧客との関係性が築けていればD2Cはうまくいくでしょう。
※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月