この記事でわかること
D2C発祥のアメリカを始めとして、国際的に美容業界でD2Cコスメブランドが増加し成長を続けています。
今後はアジアを中心にメンズコスメの需要が拡大すると考えられているため、現在伸びているコスメブランドの事例が事業のヒントになるかもしれません。
本稿は、海外のコスメブランドの事例を4つご紹介していきたいと思います。これからの市場の予測に役立つヒントがあるので、ぜひ最後までご覧ください。
D2Cコスメブランド代表格のGlossier
D2Cコスメブランドとして、代名詞的な存在のGlossier(グロッシアー)。創業者のEmily Weissは、VOGUEでスタイリングアシスタントを務めていた時に「Into the Gloss」という美容系ブログを始めました。
現在はインフルエンサーというとSNSやYouTubeで活動することがほとんどですが、当時はブログが主なコンテンツ発信の場でした。ブロガー出身の実業家としては他にも現在ファッションブランド「ARE YOU AM I」を手掛けているRumi Neelyなどがいます。
Glossierはブロガー発のブランドらしく、マーケティング手法はデジタルがメイン。ブランドのInstagramアカウントはフォロワー283.2万人(2020年9月時点)で製品についてコンスタントに発信しています。
また、メッセージアプリSlackにSNSのフォロワーを誘導してブランドや製品に関する議論を行い商品開発に役立てるという、顧客との距離が近いブランドでもあります。
<参考記事>
Glossierを理解するための5つのヒント。「共謀者」と共創したコミュニティとは?
資生堂も認めたDrunk Elephant
引用元:https://www.drunkelephant.com/
2019年末に資生堂が買収したことでも話題になった「Drunk Elephant(ドランクエレファント)」はミレニアル、Z世代(1995年~2009年生まれ)から支持を集めるスキンケアブランドです。Drunk Elephantは2012年、Tiffany Mastersonの手により生まれました。
ブランド誕生のきっかけとなったのは、リーマンショックによる不況の最中である2009年のこと。家計のために海外の高級石鹸のセールスを行っていたTiffany Mastersonは、すぐにその石鹸が肌荒れを起こすことに気づきました。それが契機となり、肌に優しいケアを追求することになったのです。
原材料に使われているマルラオイルは抗酸化作用が高く、アフリカでスキンケアや民間療法にも使われてきました。実は、このマルラの実はゾウが食べると酔っ払った状態になるため「Drunk Elephant」というブランド名の由来となっています。
Drunk Elephantはセフォラでも人気の高いブランドの1つで、ラインナップは石鹸・美容液・クリーム・ピーリングパック・日焼け止めなどがあり、どの商品もバラペンや合成香料・BPAなどの添加物を使用しておらず肌に優しい処方です。
天然素材も製品に使用しているもののものの、「100%ナチュラルであることは必ずしもいい製品であることと符合しない」とケミカルな成分もバランスよく取り入れています。
クリームが60ドル~68ドルと、価格はミドルレンジ~ハイレンジの中間ほど。フルライン揃えるとなるとそれなりのお値段になるため、初めて購入する人でも手軽に試せる「The Littles 」というミニサイズキットが人気です。
順調に売上を伸ばしていますが、他のD2Cブランドとは大きく違う点は以下のような点があります。
・流行は追わない
・事業拡大は望まない(ケア製品以外は作らない)
・インフルエンサーマーケティングを行わない
会社が軌道にのってからは大手企業への売却を視野にいれ、資生堂がアメリカ地域会社を通じて8.45億ドルで買収しました。
これにより今後はアジア展開に力を入れ、国際的なシェア拡大が期待されています。
DIYのスキンケアができるBybi
Bybi(バイビー)は、Clean Beauty Insiders(クリーンビューティインサイダース)という美容ポッドキャストから誕生したイギリスのブランドです。
Clean Beauty Insidersではハーブティーや野菜やオイルなど、身近なナチュラル素材を使ってDYIのスキンケア情報を発信してきました。Bybiもその理念を受け継ぎ、100%自然素材を使い動物実験を行わないクリーンなスキンケアプロダクトを販売しています。
ラインナップを見てみると、ティーツリーオイルやパクチーなど植物エキスをふんだんに使っていることが分かります。インドのアーユルヴェーダや漢方からヒントを得ているようで、ブログでは様々な情報が発信され、今注目のCBDアイテムも登場。肌に優しいスキンケアを試したい人やヴィーガンの人たちから支持を得ています。
ビジネスモデルの観点からだと、BybiはD2CともDNVBとも呼ばれることがあります。DNVBは商品だけではなく、それに関連するサービスのチャネルが付随することがD2Cとの違いです。Bybiはスキンケア製品だけでなく、スキンケアや環境についてのコンテンツをClean Beauty Insidersのサイト上で発信しています。
パッケージにも強いこだわりがあり、有機素材を使って環境への配慮も忘れません。使い終わったボトルなどは商品に付属されている返送ラベルを貼って送れば滅菌処理をして再利用されます。
コーヒー豆スクラブが人気のFrankbody
引用元:https://www.frankbody.com/us/
Frankbody(フランクボディー)のフィロソフィーは、「Clean, not complicated skincare(複雑なスキンケアではなく、クリーンなものを)」です。
このクリーンには、「余計なものが入っていない」「シンプルで分かりやすい」「環境や人に優しい」といった意味が込められています。
創設者のJess Hatzis、Bree JohnsonとパートナーのSteve Rowleyは経営していた豪・メルボルンのカフェで、たくさんの女性客が使い終わったコーヒー豆をスクラブとして使うためを分けてもらえないかと頼まれたそう。この経験をヒントに、コーヒー豆を使ったスキンケアブランドを立ち上げました。
3人の創業者は2013年、5,000ドルの投資でコーヒー豆スクラブの販売を開始。
その後現在に至るまで、
・インスタグラムのフォロワー数690,000人を突破
・ブランドのハッシュタグを使った投稿は100,000を超える
・149ヶ国で200万個以上のスクラブを販売
という華やかな業績を残しています。
ブランドの象徴となるアイテムを重視し、ストーリーを共有しマイクロインフルエンサーに絞ったマーケティングを実施し、見事成功に繋がりました。
D2Cのコスメブランドを成功させる秘訣
今回ご紹介したD2Cコスメブランドに共通するのは、環境に優しいナチュラルな原料を使い、肩の力が抜けたカジュアルなおしゃれさがあることです。
またSNSを利用して顧客と良好な関係を築いているブランドが多い点も特徴です。
D2Cのコスメブランドを成功させるためには、以下が秘訣です。
・顧客に受け入れられるコンセプトがある
・SNSなどを利用して顧客を広げる
・顧客と継続的・長期的な関係を作っていく
日本でも機能性や効果、ブランド性だけではなく「エシカルな商品であるか?」という点も重視する顧客が増えています。
D2Cのコスメブランドを成功させるためにも、こうした要素をしっかり抑えられるような設計をしていきましょう。
【最後に】
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※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月