この記事でわかること
最近、パーソナライズを主軸に据えるD2Cブランドが増えてきました。
実は以前、D2C国内事例をまとめた際もブランド成長のキーワードの一つを「パーソナライズ」としたのですが、さらに直近でリリースが相次いでいます。
今回は過去にピックアップしたMEDULLA(メデュラ)・snaq.me(スナックミー)といった有名D2Cブランドと合わせて、パーソナライズD2Cサービスを展開する11のブランドをご紹介します。
わかりやすくするため、ヘルスケア・ヘアケア・フード&ドリンクの3つに分けて整理したので、興味がある領域から見ていただいても構いません。最初はヘルスケア領域から見ていきましょう。
最後にパーソナライズD2Cシステム「ecforce profile」のご紹介もあるので、あわせてご覧ください。
参考:6つのD2C国内事例。ブランド成長のキーワードは「モノづくり×パーソナライズ」
これからECカートを決める方・いまのECカートに満足してない方へ。以下の記事にも、あなたのお悩みが解決する情報が満載です。
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4つのECサイト構築事例。新鋭D2Cブランドの動向から読み解く「狙い」とは?
ヘルスケアにおけるパーソナライズD2Cサービス
ヘルスケアのパーソナライズサービスは3領域の中でも最多で、特にサプリメントは多く、D2Cのアプローチとパーソナライズの相性が非常に良いことがわかります。
海外ブランドとしてCare/of(ケアオブ)の事例をご紹介しましたが、顧客のデータを秀逸なUI/UXで集積し、データドリブンなアプローチでブランドを成長させる事例からも、その点を窺い知ることができます。
ビジネスリーダー向けの飲むパフォーマンスケアiHack(アイハック)
iHack(アイハック)の商材はパーソナライズサプリメントですが、「ビジネスリーダー向け」と顧客層を絞っている点に特徴があります。
クラウドファンディングのMakuakeでは、「飲むパフォーマンスケア」といったコピーと共に、ビジネスシーンにおける訴求で支持を集めました。目標100万円に対して、162%の達成率の好成績です。
「睡眠サポート」・「集中力サポート」といったビジネスマンにとって嬉しい効能だけでなく、3分間の無料診断の結果からオリジナルの配合をしてくれたり、専門家と共同開発した点など、新規性や信頼性が高い点も見逃せません。
サービスの肝となるのは「独自の診断アルゴリズム」と「医学論文に基づいたオリジナル配合」。論理的思考を好むビジネスリーダーに対して、しっかりと最新のエビデンスや知見を提示しつつソリューションを提供する姿勢が非常にマッチしています。
自宅の尿検査で栄養の過不足がわかる「VitaNote(ビタノート)」
パーソナライズサプリメントはすでに多様な進化を見せており、なんと尿検査の結果を元にサプリメントを提案するサービスも存在します。
VitaNote(ビタノート)は、自宅で尿検査をするだけで簡単に自身の栄養バランスがわかるサービスで、アプリで結果を見ることができ、ビタミン・ミネラル・たんぱく質・酸化ストレスといった15種類もの要素から栄養の過不足がわかります。
VitaNoteの結果を元に一人ひとりにカスタマイズされたサプリメントがVitaNote FOR(ビタノートフォー)で、2018年に行われたジャパン・ヘルスケア ビジネスコンテストで優秀賞を受賞しています。
尿検査自体に抵抗がある方もいるかもしれませんが、簡単なクイズやアンケートではなく、より精緻な情報から最適なサプリを提案して欲しいというニーズは一定数あるでしょう。
VitaNoteがそのようなニーズに応えることができれば、ユニークなパーソナライズD2Cとしてその地位を不動のものとするはずです。
MYLOHASから誕生したパーソナライズD2C「wellvis(ウェルヴィス)」
wellvis(ウェルヴィス)はチェックリストによる健康診断を元に、医師からのアドバイスと共にサプリメントが届くパーソナライズD2Cです。
月間1200万人を超える来訪者を誇るヘルスメディア『MYLOHAS(マイロハス)』を運営する株式会社メディアジーンと、株式会社分子生理化学研究所が共同でサービススタートしたと発表がありました。
MYLOHASという一大メディアから誕生したサプリメントである点と、銀座上符メディカルクリニックの院長である上符 正志 氏が監修している点が他のサービスとは異なる特徴です。
パーソナライズに関しては、ベースサプリメントは必ず含まれ、ユーザーが答えたチェックリストの内容に沿ってオプショナルサプリメントが提供される形式です。
この形式は組み合わせ数こそ増えませんが、ユーザーにとってはベースサプリメントを服用することで、パーソナライズだけに頼らない安心感があると言えるでしょう。
完全オーダーメイド処方のリキッドタイプmyfine(マイファイン)
myfine(マイファイン)は、錠剤タイプのサプリメントを「あらゆる成分を摂取するには何粒も飲む必要がある」として、栄養成分をリキッドタイプで届けるサービスです。
もともとFine(ファイン)の名前で5種類のリキッドから最適なものを提供する形式でしたが、完全オーダーメイド処方に切り替えて、myfineとなった経緯があります。
パーソナライズの方法に関しては、栄養士監修のオンライン診断の結果を元に独自の処方行う方法を採用していて、20以上の成分を用意していると発表しています。
錠剤タイプのサプリメントは多様なサービスが生まれていますが、現時点でmyfine以外にリキッドタイプで思い浮かぶサービスはありません。錠剤よりもリキッドが良いと啓蒙することができれば、ヘルスケア領域でのmyfineの存在感はさらに増していくことでしょう。
ところで、成長中のEC・D2Cブランドがこぞって使うECカートの存在をご存じですか?
- 平均年商2億円以上
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- 導入後の成長率265%アップ
これらの数字が気になったら、ぜひ以下をチェックしてください。
ecforce(イーシーフォース)
ヘアケアにおけるパーソナライズD2Cサービス
つづいてヘアケア領域ですが、ユーザーの髪質は千差万別なので、必ずしも既存のプロダクトに満足しているとは言い切れません。
その点、自分に合った最適をオススメしてくれるパーソナライズD2Cが入り込む余地は大いにあると言えます。
この領域はシャンプーのパーソナライズD2C「MEDULLA(メデュラ)」が人気を博しますが、その他のブランドも後を追うように誕生しています。順番に見ていきましょう。
パーソナライズシャンプーの先駆けMEDULLA(メデュラ)
MEDULLA(メデュラ)は髪にまつわる人それぞれの様々な悩みに対して、約3万通りの処方から最適なシャンプーを提案するパーソナライズD2Cです。
ボトルにはそれぞれ「FLOWER」「OCEAN」「SUN」といった名前がつき、可愛らしいだけでなく、ひと目でたくさんの組み合わせがあることを想像させる秀逸なデザインが印象的です。
パーソナライズシャンプーの先駆けといった印象が強いMEDULLAですが、運営元の株式会社Sparty(スパーティー)は2020年5月にパーソナライズスキンケアブランド「HOTARU PERSONALIZED(ホタル パーソナライズド)」のローンチも発表しています。
https://hotaru-personalized.com/
同社にはシャンプー・スキンケアにまつわる顧客情報だけでなく、パーソナライズ自体のノウハウが蓄積されているので、今後もこのノウハウを活かして別ジャンルでのパーソナライズD2Cを展開していくことが予想されます。
研究所から自宅に直送されるパーソナライズシャンプーlaborica(ラボリカ)
laborica(ラボリカ)はユニリーバ・ジャパンが開発したパーソナライズシャンプーです。
毛髪診断士※監修の髪診断をすることで、自分の頭皮にあったシャンプーを2万通り以上の組み合わせから調合してくれます。
既製品を売るのではなく、オーダーを受けてからハンドメイドで調合するというだけで驚きですが、なんと研究所から自宅に直送してくれるユニークな試みもしています。
スタートアップによるパーソナライズ領域のサービスローンチが相次ぐだけでなく、ユニリーバ・ジャパンのような大手企業も参入していることからも、パーソナライズ自体の市場に広がりを感じます。
※「毛髪診断士」は日本毛髪科学協会の登録商標。
新たな選択肢を提示するパーソナライズヘアカラーCOLORIS(カラリス)
COLORIS(カラリス)は、高級ヘアサロンのような仕上がりを自宅で体験できる日本初のパーソナライズヘアカラーです。
美容室で髪を染めると数万円はかかるし、低価格の市販のヘアカラーだと髪の傷みが気になります。大きく2つの選択肢しかなかったところに、COLORISがパーソナライズD2Cで新たな選択肢を提示しました。
COLORISがユーザーの髪質を知るために行うのは、カラーベースを基にした11個の質問です。この質問に答えるだけで、最適な処方を1万通り以上の組み合わせから提案してくれます。
新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で人々が自宅待機する時間が増えた結果、会員数は前後で20倍増の1万人を突破したとのことで、この追い風が吹く中、どこまでサービスシェアを伸ばせるかに注目が集まります。
フード&ドリンクにおけるD2CパーソナライズD2C
フード&ドリンク領域のパーソナライズD2Cと言えば、2015年創業のsnaq.me(スナックミー)が有名ですが、最近ではいくつかの新しいブランドが誕生しています。
食の領域だけあって、パーソナライズもどこか楽しさを感じるサービスが多いのが印象的です。
パーソナライズおやつ体験BOXsnaq.me(スナックミー)
D2C国内事例としてご紹介したお馴染みsnaq.me(スナックミー)ですが、パーソナライズD2Cとしても国内では先駆けとなります。
ヘルシーなライフスタイルに興味関心がある女性向けに、「おやつと一緒に何を飲むか?」「おやつを食べる場所はどこか?」といった1分ほどで終わるアンケートを行い、その答えから最適化された「美味しくて健康的なおやつ」をBOXに入れて届けてくれます。
自社で製造するおやつは100種以上を超えるため、BOXを開けた時に何が入っているかを知るのは単純に楽しみですし、アレルギーや嫌いなものを原料ベースで除くことができる細やかな対応には安心感もあります。
最近では新型コロナウィルス(COVID-19)の影響を考慮して、宅飲み専用のおつまみBOX「オツマミー」をリリースするなど、「おやつ」に縛られない新たな動きを見せています。
AIが選ぶパーソナライズコーヒーPostCoffee(ポストコーヒー)
PostCoffee(ポストコーヒー)は10個の簡単な質問に答えるだけで、約15万個もの組み合わせからAIが選んだ最適な3種類のコーヒー提案してくれるパーソナライズD2Cです。
コーヒーだけでなく、フィルター・シュガー・ミルクまで全てセットになって届くのも嬉しいですね。
「ハンドドリップ」「コーヒーバッグ」「エアロプレス」の3種類から飲み方自体も選べますし、届いたコーヒーが好みでなければ自ら調整することもできます。
今まで何となくコーヒーを買ってきた人にとって、PostCoffeeは新たなコーヒーに出会い、本格的なコーヒーライフを送るチャンスかもしれません。
瞬間冷凍された野菜やフルーツが自宅に届くGREEN SPOON(グリーンスプーン)
GREEN SPOON(グリーンスプーン)は、瞬間冷凍された野菜やフルーツが自宅に届くスムージーのパーソナライズD2Cです。
スムージーの定番レシピは全部で25個あり、ユーザーはからだにまつわる5つの悩みと生活習慣にまつわる5つの悩みに答えることで、オススメのスムージーに出会うことができます。(2020年7月時点)
今夏には3種類の限定レシピも登場して、ますます多様な組み合わせの中から野菜・フルーツの栄養や味から好きなものを発見する楽しみが増えました。
ミキサーでスムージーを作るという一手間はありますが、健康的な生活に楽しみが加わることで、良いものを定期的に摂り続けたいというニーズに答えることができています。
パーソナライズサービス×食品の課題と可能性
snaq.me・PostCoffee・GREEN SPOONの3つのパーソナライズD2Cブランドをご紹介しました。どのブランドも特徴的ですが、直感的に“楽しさ”を感じたのではないでしょうか。
毎日のことであり、嫌いな人はいないであろう食品。さらにパーソナライズサービスだからこそ、選んだり合わせたりしてもらえる“楽しさ”が重要な要素だと捉えることができます。
ただ、パーソナライズサービス×食品にも課題があります。
食品は個人の嗜好が大きく影響するため、パーソナライズによる"合う・合わない"の判断はむずかしい側面があるからです。個々人が判断するといった意味で何も問題はありませんが、ブランド側がその判断を想定したり、規定したりすることは難易度が高く、ユーザーの期待を超える価値を提供するのは一筋縄ではいかないのです。
一方で大いなる可能性もあります。サプリメントでうたわれるような効果・効能から切り離された"食の楽しみ"にユーザーが気づけば、パーソナライズサービスを継続するモチベーションが作れる可能性は十二分にあるからです。
パーソナライズサービス×食品の課題と可能性は、どちらも無視できないポイントです。既存のEC・D2Cブランドの動向をチェックしながら、独自のアプローチを模索する必要があるでしょう。
パーソナライズD2Cを展開する上で重要なこと
ここまでD2Cブランドをご紹介しましたが、最後に「パーソナライズD2C」を展開する上で重要なことを考えてみましょう。
前提として「パーソナライズ」を謳う以上、ユーザーにとっての期待は「自分に合う最適なもの」なので、届く商品が自分に合っている、あるいは少なくとも「合わせようとしれくる」とユーザーが感じることは重要なことだと言えます。
パーソナライズ自体も魅力的ではありますが、それだけではユーザーを魅了するサービスにはなり得ません。すでに11個ものD2Cブランドが誕生している以上、「パーソナライズ」というアプローチだけで注目を集めるのは難しいものがあります。
さらにパーソナライズD2Cは単なるパーソナライズサービスではなく、D2Cです。
パーソナライズの入り口になるアンケートや診断、クイズのUI/UX、実際に商品が届いて使用する一連の体験が良質であり、かつ世界観に一貫性があって納得感があることは「パーソナライズD2C」を展開する上で疎かにできない点ではないでしょうか。
パーソナライズD2Cシステム「ecforce profile」のご紹介
最後にご紹介となりますが、私たちSUPER STUDIOはパーソナライズD2Cを展開するブランド様向けに、パーソナライズD2Cの質問フォームシステム「ecforce profile」をご提供しています。
まさに今回お伝えしたD2Cブランドのように、ユーザーの好みやライフスタイルを聞くことができる質問フォームを、管理画面上で簡単に作成できるサービスです。
使い方は簡単で、シナリオに沿って質問を作成し、各質問の回答内容に応じてスコアリングを行い、最終的なスコアに合わせて購入者の好みや体質に合わせた商品パターン(SKU)をご提案します。
フォームは複数パターンを作れるため、より購入率(CVR)の高いフォームに近づけるためのPDCAを継続して回すことができます。
さらに「ecforce profile」はSUPER STUDIOが提供するEC基幹システム「EC Force」とAPI連携をすることが可能です。スコアリングデータを受注顧客と紐づけることで顧客セグメントを切ることができ、CRMや各種マーケティング活動に活かすことができます。
もしご興味を持っていただいた場合は、お問い合わせいただけたら嬉しく思います。まだまだ盛り上がるパーソナライズD2C、サクボ編集部はこれからも注目して参ります。
【最後に】
ここまで読んでいただきありがとうございます。ここで最後にecforceのご紹介をさせていただきます。ecforce(イーシーフォース)は日本国内のEC・D2Cビジネスの現場を知り尽くした、わたしたちSUPER STUDIOが提供する国産SaaS型ECシステムです。EC・D2Cサイト構築の際の要件定義から成長拡大まであらゆるフェーズをサポートします。
累計1,000以上のショップ様に導入されている国産SaaS型ECシステム「ecforce」。さらなる実績や機能のご紹介は以下からご覧ください。
ecforceには、主に3つの特徴があります。
特徴1. EC/D2Cビジネストレンドを踏まえた最先端のシステム
豊富な搭載機能/カスタマイズ性/アップデートスピードでEC事業スタート・カート切り替えに対応。毎月平均で10-20個の新機能をリリース。
特徴2. 売上を最大化する多彩なマーケティング機能
クライアントニーズや自社経験を元にトレンドを抑えてた「効果がある」機能を搭載。「広告改善・CVR向上」や「LTV向上/CRM最適化」まで顧客獲得〜リピート化といった各フェーズに対応した機能群で、マーケティング施策を一貫して実施できます。
特徴3. CSオペレーションやシステム運用工数を削減
CSオペレーションや広告管理といったEC運営では工数がかかり煩雑化する業務も自動化と操作性の高いUIで効率化。運営コストを削減します。
「ecforce」は、ECサイトの構築はもちろん、サイトを開設したあとの機能も充実。売上を上げるための豊富な機能からコストを削減する仕組みまで、ECビジネスの成長をサポートします。
ご興味がある方はぜひ、以下からお問い合わせをいただければ幸いです。
その他、ecforce公式サイトでは、弊社が実事業経験から得たEC/D2Cノウハウを無料ebookで多数公開しております。弊社が独自に提供しているノウハウをたくさんご活用下さい。
※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月