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Amazonマーケットプレイス出品ガイド|メリット・手数料・FBAまで徹底解説

Amazonマーケットプレイス出品ガイド|メリット・手数料・FBAまで徹底解説

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この記事でわかること

    Amazonマーケットプレイスは、個人事業主や法人がAmazon上で商品を販売できる仕組みで、圧倒的な集客力と手軽な出品プロセスが魅力です。
    一方で、「個人でも出品できるの?」「どんな費用がかかる?」「売上を伸ばすにはどうすればいい?」といった疑問を持つ方も少なくありません。

    本記事では、Amazonマーケットプレイスの概要から出品の流れ、料金体系、販売戦略、よくあるトラブル対応の仕方まで、これから出品を始めたい事業者に向けて網羅的に解説します。
    Amazonを活用したネット販売を成功させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

    さらに、次のようなテーマもあわせて押さえておくと、販売の幅がより広がります。

    Amazonマーケットプレイスの基本を理解しよう

    Amazonマーケットプレイスは、Amazonが提供するECプラットフォームの一部であり、個人や法人の出品者がAmazonの巨大な集客力を活用して、商品を直接販売できる仕組みです。
    新品はもちろん、中古品やハンドメイド商品、海外輸入品など、幅広いジャンルのアイテムが対象となっており、出品者にとっては非常に自由度の高い販売チャネルです。
    マーケットプレイスは、単なる「出品の場」ではなく、Amazonが持つ物流・決済・集客インフラをそのまま活用できるビジネスの支援基盤とも言えます。

    ここでは、まず「Amazonマーケットプレイスとは何か」についてしっかり理解することから始めましょう。

    Amazonマーケットプレイスは個人や法人が出品できるプラットフォーム

    Amazonマーケットプレイスは、Amazon.co.jp上で個人や法人が「出品者」として商品を販売できる仕組みです。
    出品者が登録した商品は、Amazonの検索結果やカテゴリページに表示され、購入者はAmazonを通じてこれらの商品を購入できます。
    最大の特徴は、Amazonが在庫を持たない形式(=マーケットプレイス)でありながらも、Amazon公式サイトと同じインターフェースで商品が販売される点です。
    購入者から見れば、Amazon直販とマーケットプレイス出品はほぼ同じ場所に並んで表示されるため、信頼性のある販売チャネルとして認識されやすいというメリットがあります。
    また、出品者の立場もさまざまで、以下のような多様なビジネス形態に対応しています。

    • 副業レベルの個人出品(古本や中古家電の販売など)
    • 小規模D2Cブランド(自社製品の販路拡大)
    • 中堅企業の越境EC
    • 卸売業者やメーカーの在庫処分・B品販売 など

    つまり、Amazonマーケットプレイスは誰でも始められますが、成長に応じた拡張性もあるという柔軟な構造を持つECインフラなのです。

    Amazon直販の商品とマーケットプレイス商品の見分け方

    Amazon上では、「Amazonが直接販売している商品」と「出品者がAmazon上で販売している商品」が混在しています。
    この2つを見分けるには、商品詳細ページ内の「販売元」と「出荷元」の情報をチェックするのが基本です。
    見分け方としては以下の特徴があります。

    • Amazon直販商品:販売元/出荷元がともに「[Amazon.co.jp](http://amazon.co.jp/)」と表示
    • マーケットプレイス商品:販売元がショップ名(例:「〇〇ストア」)になっている

    また、マーケットプレイス商品であってもFBA(後述)を利用している場合は、発送がAmazonから行われるため「プライムマーク」が付きます。
    これにより、購入者にはAmazonの品質基準を満たした商品として認識されやすく、購入率が向上する傾向にあります。

    Amazonマーケットプレイス活用例

    Amazonマーケットプレイスは幅広い出品者に対応していますが、特に以下のようなビジネスモデルにフィットしやすい傾向があります。

    • すでに在庫を持っているが販路が限定的な事業者
    • 実店舗中心で販路を広げたい中小企業、地方の老舗メーカーなど
    • 商品数が少なく、独自ECサイトを運営するには負担が大きい事業者
    • 広告運用やSEOの知識が浅い事業者
    • 単品リピート通販・定期購入型モデルを試したいD2Cブランド

    もちろん、上記すべてのビジネスに最適というわけではありません。
    たとえば、「リピーター戦略に強い独自ブランドサイトを育てたい」といった目的がある場合は、自社ECサイトとの併用や、別モールとのバランスも重要になります。
    このように、Amazonマーケットプレイスの仕組みと向き不向きを理解することで、「とりあえず出してみる」ではなく、「どのように出品すれば収益性を高められるか」という視点で戦略を立てやすくなります。

    Amazonマーケットプレイスに出品するメリット

    Amazonマーケットプレイスを活用することは、事業者にとって非常に大きなビジネスチャンスとなります。
    特に、集客・物流・販売インフラといった面での恩恵は、他の販売チャネルでは得られない大きな強みと言えるでしょう。
    ここでは、Amazonマーケットプレイスを利用する主なメリットを3つに分けて詳しく解説します。

    Amazonの圧倒的な集客力をビジネスに活用できる

    Amazonは、日本国内でも圧倒的な集客力を誇り、総合利用者数が約6,724万人に上ります。
    楽天市場の6,631万人を上回る数字で、ECモール間の競争の中でも頭ひとつ抜けた規模です。
    このような広範なユーザー起点にアクセスできるという点で、広告やSNS集客に頼らずとも、一定の閲覧数や販売機会を確保しやすいという点が、Amazon出品の最大の強みとなります。
    購入意欲の高いユーザーが日常的に訪問しており、すでにクレジットカード登録済の状態で「買う前提」で検索している点が、他メディアと決定的に異なります。
    これにより、出品した商品は広告なしでも一定の閲覧数(インプレッション)が見込め、広告やSNS集客が苦手な事業者でも販売チャンスを得やすいという特徴があります。

    特に以下のようなケースで、Amazonの集客力は大きな武器になります。

    • 商品ジャンルに明確な需要がある(例:日用品・家電・健康食品)
    • 楽天市場や自社ECでは流入が伸び悩んでいる
    • コンテンツ制作やSEOに割くリソースが限られている

    また、Amazon内でのレビュー、売上、検索順位などが相互に影響し合う仕組みがあるため、一度ヒット商品を作れれば長期的な売上が見込める点もメリットの一つです。

    出典:Monthly Totalレポート 2024年7月25日発表|ニールセン デジタル株式会社

    FBA(フルフィルメント by Amazon)で物流・CSを自動化できる

    FBA(Fulfillment by Amazon)は、Amazonが提供する物流代行サービスであり、出品者に代わって以下の業務を代行してくれます。

    • 商品の保管
    • 注文処理
    • 梱包・発送
    • カスタマーサポート
    • 返品・返金対応

    出品者はあらかじめ商品をAmazonの倉庫に納品するだけで、その後の物流業務をすべてアウトソースできます。
    これにより、本来かかる手間と人件費が大幅に削減され、スケーラブルな販売体制を構築することが可能になります。

    特に以下のような事業者にとってFBAは有効です。

    • 自社で物流設備を持たない(初期コストを抑えたい)
    • 顧客対応に工数を割けない
    • 全国への迅速配送体制を確保したい

    さらに、FBAを利用すると商品ページに「プライム」のロゴが表示され、プライム会員向けの迅速配送や特典の対象となるため、顧客からの信頼性や購入率が向上する点も大きなメリットです。

    出典:フルフィルメント by Amazon|アマゾンジャパン合同会社

    初期費用・知識がなくても出品をすぐに始められる

    Amazonマーケットプレイスの大きな魅力のひとつは、「始めやすさ」にあります。
    EC初心者であっても、必要なものをそろえれば最短で即日出品スタートが可能です。

    【主な準備物一覧】

    • 顔写真付きの公的な身分証明書(例:パスポート、運転免許証)
    • 過去180日以内の取引明細書(例:クレジットカードの明細、通帳の取引履歴)
    • メールアドレス(Amazon出品用として未使用のもの)
    • 電話番号(確認コードの受信のため)
    • 国内対応クレジットカード
    • 銀行口座情報(売上金の受取先)

    これらを準備すれば、Amazonの出品アカウント登録はガイドに沿って進めるだけで完了でき、煩雑なシステム設定や専門的な知識は不要です。
    また、すでにAmazonで取り扱いのある商品であれば、「相乗り出品」という方式で商品ページを作成する手間も省けます。

    さらに、商品をJANコードとともに登録すれば、1商品単位からオリジナル商品やD2C(自社ブランド)商品を自由に展開できる点も大きな魅力です。
    つまり、商品規模やスキルに関わらず、低コストかつ低リスクでEC販売をすぐに始められます

    出典:Amazon出品用アカウント登録ガイド|アマゾンジャパン合同会社

    このように、Amazonマーケットプレイスは「集客」「物流」「システム」の3つをすべて外部化・簡素化できるプラットフォームです。
    特に限られた人手や資金でオンライン販売を始めたい個人・中小事業者にとって、Amazonは極めて効率のよい選択肢となるでしょう。

    出品前に知っておきたい注意点・デメリット

    Amazonマーケットプレイスは、集客力や出品のしやすさといったメリットが注目されがちですが、実際に出品を始めてから気づく落とし穴も少なくありません。
    成功するためには、出品前にあらかじめデメリットや注意点を理解し、対策を講じておくことが不可欠です。
    ここでは、Amazon出品にあたって押さえておくべき代表的なリスクや課題を3つ紹介します。

    月額費用や販売手数料などのコストが発生する

    Amazonへの出品は無料で始められると思われがちですが、実際には出品プランによって異なる手数料体系が適用されます。
    主な出費項目は以下の通りです。

    • 出品プラン(月額登録料)
      ・大口出品:4,900円(税抜)
      ・小口出品:月額無料。ただし1商品ごとに基本成約料100円(税抜)が発生
    • 販売手数料:商品が売れるごとに、カテゴリー別に商品代金の8〜15%程度の手数料が発生
    • FBA利用手数料(任意):配送代行手数料や在庫保管手数料など。商品サイズ・重量により変動

    さらに、長期保管商品や返品時の手数料など、想定外のコストが後から発生するケースもあるため、出品前に料金体系をよく確認し、利益計算をシミュレーションしておくことが重要です。

    出典:出品にかかる費用|アマゾンジャパン合同会社

    他の出品者との価格競争が起こりやすい

    Amazonでは、同一商品を複数の出品者が販売する「相乗り出品」が一般的です。
    そのため、商品価格の下げ合い(価格競争)が非常に起きやすいという特徴があります。
    特に以下のようなケースでは、利益を圧迫されやすくなります。

    • 型番商品(誰でも仕入れ・販売できる既製品)
    • ブランドが同じで差別化しにくい商品
    • レビュー数が少ない状態でのスタート時

    また、カートボックス(Buy Box)を獲得できなければ、同じ商品でも購入ボタンに表示されないリスクもあります。

    カートボックス(Buy Box)とは、Amazonの商品ページにある「今すぐ購入」や「カートに入れる」ボタンを通じて販売される出品者枠のことを指します。
    Amazonでは、同一商品を複数の出品者が扱っている場合でも、このカートボックスを獲得した1社のみが購入ボタン経由での売上をほぼ独占する構造になっています。
    つまり、カートボックスを獲得できなければ、同じ商品を出品していても購入ボタンに表示されず、売上機会を逃すというリスクがあるのです。

    カートボックス(Buy Box)の獲得には、価格以外にも配送スピード、レビュー評価、在庫状況など複数の要素が影響します。
    価格競争に巻き込まれないためには、以下のような対策が有効です。

    • 自社製品(オリジナル商品)を販売する
    • FBAを活用して発送の信頼性を上げる
    • 顧客満足度を高めてレビューを集める

    出典:おすすめ商品(ショッピングカートボックス)の利用資格|アマゾンジャパン合同会社

    独自の施策が難しくリピーターを獲得しにくい

    Amazonでは、Amazon全体のユーザー体験を統一する設計がなされており、各出品者が独自にブランディングを行うことが難しいという側面があります。

    • 商品ページの構成がテンプレート化されている
    • カートを通しての購入体験がAmazon主導で完結する
    • 購入者との直接的なコミュニケーションは制限されている

    これにより、「Amazonで買った」という記憶は残っても、「○○のブランド・ショップで買った」という認識は薄れがちです。
    そのため、リピーターの育成やCRM施策が展開しにくいというデメリットがあります。

    ただし、以下のような工夫を通じて間接的なブランディング強化は可能です。

    • 商品名や商品説明に自社ブランド名を入れる
    • 質の高いレビュー・Q&Aを増やす
    • 梱包や同封チラシにブランド要素を盛り込む(自己発送の場合)

    また、顧客満足度を上げることでレビュー評価が蓄積され、信頼性のあるブランドとして育つという、長期的な効果も期待できます。

    出典:出品・販売に関する重要な規約・ポリシー一覧|アマゾンジャパン合同会社

    Amazonに向いている商品・向かない商品

    Amazonマーケットプレイスは多様な商品ジャンルに対応していますが、すべての商品がAmazonで売りやすいとは限りません。
    プラットフォームの性質上、売れやすい商品とそうでない商品には明確な傾向があります。
    ここでは、Amazonに向いている商品と向いていない商品の特徴を比較しながら解説します。

    向いている商品

    Amazonで成果を出しやすいのは、次のようなニーズが明確で、検索されやすい商品です。

    • 日用品・消耗品(例:洗剤、ペット用品、衛生用品など)
      定期的に購入される商品は、Amazonの購買導線と相性が良い
    • ガジェット・家電・周辺機器(例:イヤホン、モバイルバッテリー、キーボード)
      型番で検索されやすく、価格比較にも強い
    • 専門性のあるニッチ商品(例:釣具、DIYパーツ、模型材料など)
      Amazonは検索起点の購買が多いため、ニッチ市場でも勝負しやすい
    • レビューや機能訴求で差別化できる商品
      競合が多くても、品質やレビューを積み重ねることでカート獲得が可能

    また、FBAとの相性が良いとされる小型・軽量・高単価の商品は、物流コストの効率がよく、利益を確保しやすいため、積極的に検討する価値があります。

    向いていない商品

    反対に、Amazonでは次のような商品は販売に苦戦しやすい傾向があります。

    • 独自の魅力やブランドストーリーを強く伝えたい商品
      Amazonは商品一覧での比較がメインとなり、ブランドの世界観は伝わりにくい
    • 高単価で説明が必要な商品(例:家具、健康食品、投資系書籍など)
      購入前に丁寧な説明や接客が必要な商品は、CV率が低くなりがち
    • 賞味期限が極端に短い商品、生鮮品
      保管・発送のハードルが高く、FBAでも取り扱い制限がある場合がある
    • 取扱に法的制限がある商品(例:医薬品、化粧品の一部、輸入制限品)
      Amazon側の審査や事前申請が必要で、出品できない場合もある

    これらの商品を扱う場合は、Amazon以外のモールや自社ECサイトと併用する戦略が効果的です。

    迷ったときの判断ポイント

    自社の商品がAmazonに向いているか迷った場合、以下の3点をチェックしてみましょう。

    • 検索されるキーワードが存在するか?
    • 競合と比べて価格・評価・機能などで差別化できるか?
    • 物流面でFBAを活用できそうか?(サイズ・重量・梱包)

    上記を満たす商品であれば、Amazonでの出品によって安定した販売チャネルを築ける可能性は十分にあります。

    Amazonマーケットプレイスへの出品手順を4ステップで解説

    Amazonマーケットプレイスで出品を始めるには、いくつかのステップを順に踏んでいく必要があります。
    ここでは、出品までの全体像を4つのステップに分けてわかりやすく解説します。

    ステップ1|出品用アカウントを作成する

    最初のステップは、Amazonセラーセントラルで出品アカウントを作成することです。
    必要な準備物は以下の通りです。

    • 顔写真付きの身分証明書(パスポートまたは運転免許証)
    • 過去180日以内に発行された銀行明細またはカード明細(住所記載のあるもの)
    • メールアドレス(未登録のもの)
    • 電話番号(SMS認証用)
    • 国内対応のクレジットカード
    • 銀行口座情報(売上金の振込先)

    本人確認の書類は、表記ミスや画像の不鮮明さで差し戻しになるケースが多いため注意が必要です。
    書類アップロード後、数時間〜数日で審査が完了し、承認されれば出品を開始できます。

    出典:Amazon出品用アカウント登録ガイド|アマゾンジャパン合同会社

    ステップ2|商品をセラーセントラルに登録する

    出品アカウントが承認されたら、実際に商品を登録します。これには2通りの方法があります。

    【1】相乗り出品(既存の商品ページを利用)

    • JANコードや商品名で検索し、既存ページに「在庫数」「価格」を入力するだけで出品が完了
    • 商品画像や説明文の入力は不要で、初心者に最もおすすめの出品方法

    【2】新規出品(オリジナル商品・未登録商品)

    • JANコードまたは製品コード(GTINなど)を用意し、商品情報を一から登録
    • 商品名、ブランド名、画像、詳細説明など、すべて自分で入力
    • D2Cブランドや自社製品を展開する事業者におすすめ

    ※Amazonに登録されていない商品を出品する場合は、JANコード取得が必須となるため、事前にGS1 Japan(https://www.gs1jp.org/)などで申請する必要があります。

    出典:Amazon セラーセントラルとは|アマゾンジャパン合同会社

    ステップ3|商品を梱包・発送する

    商品が購入されたら、次は商品を梱包して発送するステップに進みます。
    Amazonでは、出品者自身が発送する「自己発送」と、Amazonがすべてを代行してくれる「FBA(フルフィルメント by Amazon)」の2つの方法を選択できます。

    自己発送(出品者が梱包・配送する)

    自己発送とは、商品が売れた際に出品者自身が梱包・配送業務を行う発送方法です。
    購入が確定すると、セラーセントラルに注文情報が表示されるので、それを確認し、納品書を同梱の上で商品を発送します。
    配送業者の手配や、追跡番号の登録なども出品者の責任で行います。

    【メリット】

    • 送料や梱包方法を自社で自由に設定できる
    • 商品数が少ない場合、コストを抑えられる
    • 商品ごとに柔軟な対応が可能

    【デメリット】

    • 発送遅延・誤配送・破損などのリスクを自社で管理する必要がある
    • 配送スピードや対応品質が低いと、カートボックスの獲得率が下がる可能性がある

    FBA(Amazonが発送・CS対応を代行)

    FBA(Fulfillment by Amazon)は、出品者があらかじめ商品をAmazonの倉庫(フルフィルメントセンター)に納品しておくことで、注文後の発送、梱包、カスタマーサービス、返品対応までをAmazonが代行するサービスです。
    FBAを利用した商品には「プライムマーク」が付き、プライム会員向けの配送特典が適用されるため、表示順位が上がり、購入率も高まりやすい傾向にあります。

    【メリット】

    • 物流・カスタマー対応を完全外注できるため、業務負担が軽減
    • プライムマークが付与され、売上向上につながりやすい
    • 配送トラブルやクレームが減り、レビュー評価にも好影響

    【デメリット】

    • 商品サイズや重量によってFBA手数料が発生する
    • 納品作業に不慣れなうちは工数がかかることもある
    • 長期間売れない商品には在庫保管料がかかる

    自己発送とFBAのどちらを選ぶかは、ビジネスの規模や運用体制、そして「どこに手間をかけ、どこを効率化したいか」によって変わってきます。

    少量の商品で手元での管理を優先するなら自己発送ビジネスを拡大させたい場合や作業を効率化したいならFBAの活用がおすすめです。
    どちらを選ぶにせよ、自分の販売スタイルや体制に合った方法を見極めることが、長期的な成功への第一歩となります。

    出典:フルフィルメント by Amazon(FBA)|アマゾンジャパン合同会社

    ステップ4|売上金を受け取り、取引を完了する

    商品の発送が完了し、購入者からの受領が確認されると、通常は2週間ごとのサイクルで売上金が登録口座に振り込まれます。
    ただし、出品者のアカウント状況やフルフィルメント方法、商品カテゴリーなどによって、入金タイミングは変動する場合があります。
    Amazonからの支払い処理開始から銀行口座への入金までは、最大で5営業日ほどかかることがあります。

    セラーセントラルでは以下のような情報を確認できます。

    • 売上の明細・振込履歴
    • 注文ごとの手数料控除額
    • 保留中の支払い(キャンセルや返金対応の影響)

    売上の反映タイミングや金額に不明点がある場合は、セラーセントラル内の「支払いレポート」で詳細確認が可能です。
    また、口座情報やクレジットカード情報が変更になった場合は、速やかにセラーセントラルから修正しておくことが重要です。

    出典:支払いに関するよくある質問|アマゾンジャパン合同会社

    出品プランと各種手数料の料金体系

    Amazonマーケットプレイスで商品を販売する際には、出品プランの選択と販売手数料の理解が重要です。
    これらの費用構造を正しく把握せずに出品を始めてしまうと、利益がほとんど残らない、あるいは赤字になるといった事態にもつながります。
    ここでは、出品前に必ず知っておきたい料金体系の基本と計算の考え方を解説します。

    出品プランの違い(大口・小口)

    Amazonには、事業者の販売スタイルや規模に応じて選べる2種類の出品プランがあります。

    【大口出品プラン】

    • 月額登録料:4,900円(税抜)
    • 商品が何点売れても定額で利用可能
    • 一括出品・広告機能・API連携などが利用できる
    • スポンサープロダクト広告を使いたい場合は必須

    【小口出品プラン】

    • 月額登録料:無料
    • 商品が売れるたびに1商品ごとに100円(税抜)の基本成約料が発生
    • 出品や管理機能が限定的(広告・一括登録などは非対応)

    選び方の目安としては、月に50点以上を販売する予定があるなら、大口出品の方がコスト効率が良くなります
    反対に、少量の商品を試験的に販売するだけなら小口出品から始めるのも一つの方法です。

    出典:出品にかかる費用|アマゾンジャパン合同会社

    販売手数料の仕組み

    商品が実際に売れると、「販売手数料」が商品代金に対して発生します。これは出品プランにかかわらず共通の費用です。
    販売手数料の料率は商品カテゴリーによって異なりますが、おおよそ8〜15%が一般的です。

    【例】

    • 家電:8%
    • 書籍/CD:15%
    • ファッション:15%(ブランドによっては変動あり)

    また、一部の商品カテゴリでは「カテゴリー成約料」や「高額商品手数料」が追加で課金されるケースもあります。
    セラーセントラル内の手数料早見表を参照し、商品ごとの利益率をシミュレーションしておくことが重要です。

    出典:出品にかかる費用|アマゾンジャパン合同会社

    FBA利用時の追加コスト

    FBA(フルフィルメント by Amazon)を利用する場合は、販売手数料とは別に以下のコストが発生します。

    【1】配送代行手数料(注文ごとに発生)
    商品のサイズ・重量によって決まり、1商品あたりの送料が自動計算されます。

    例:標準サイズ商品の場合(2024年現在)

    • 小型:¥302
    • 中型:¥408
    • 大型:¥559〜

    【2】在庫保管手数料(月額)
    商品の保管にかかるスペース単位で発生し、売れ残り在庫が多いほどコストが膨らみます。
    特に年末など繁忙期は保管料が高騰するため、販売ペースに合わせた納品管理が重要です。

    出典:出品にかかる費用|アマゾンジャパン合同会社

    利益シミュレーションの具体例

    たとえば、下記のような想定で利益シミュレーションをしてみましょう。

    ・商品価格:2,000円
    ・商品原価:800円
    ・配送方法:FBA(標準サイズ・中型)
    ・販売手数料:10% → 200円
    ・FBA配送手数料:408円
    ・FBA保管料(1ヶ月):50円

    想定利益:2,000円 −(原価800円+手数料200円+FBA配送408円+保管50円)=542円

    このように、実際の利益を計算することで、売れたのに利益が出ないという状況を防げます

    出典:FBA料金シミュレーター|アマゾンジャパン合同会社

    売上を伸ばすために押さえておきたい販売戦略

    Amazonで商品を出品しただけでは、継続的な売上は期待できません。
    出品後にしっかりとした販売戦略を実行することで、商品の露出を増やし、購入率を高め、リピーターを獲得することが可能になります。
    ここでは、初心者でも実行しやすい3つの戦略を紹介します。

    魅力的な商品ページを作る

    Amazonにおける「商品ページ」は、実店舗で言えば「売り場そのもの」です。
    写真・説明文・レビューなど、購入判断に直結する要素を最適化することが、購入率(CVR)を高める鍵となります。

    【改善すべき主なポイント】

    • 画像:白背景、複数角度、使用シーンを含む構成が理想
    • 商品タイトル:ブランド名+特徴+用途を含め、検索キーワードを自然に盛り込む
    • 箇条書き(商品説明):サイズ・素材・使い方・保証などを明確に

    Amazon広告を活用する

    Amazonでは「出品=露出される」わけではなく、競合商品の中に埋もれてしまうことも多々あります。
    そのため、広告を活用して商品ページへの流入を増やすことが非常に有効です。
    特に初心者には以下の広告が効果的です。

    • スポンサープロダクト広告:検索結果や商品詳細ページに表示
    • スポンサーブランド広告:ブランドロゴや複数商品を一括掲載

    広告はクリック課金型(CPC)で運用でき、低予算からテストが可能です。
    また、Amazon内で完結するため、外部広告よりも成約率が高くなる傾向があります。

    出典:
    スポンサープロダクト広告|アマゾンジャパン合同会社
    スポンサーブランド広告|アマゾンジャパン合同会社

    高評価のレビューを集める

    Amazonで商品を購入する際、レビューは購入者の意思決定に大きく影響する要素です。
    レビューが10件以上あり、平均評価が4.0を超えていると、カートボックス獲得や検索上位表示にも好影響を与えると言われています。

    高評価を集めるためには以下の施策がおすすめです。

    • 丁寧な梱包・配送で初期印象を良くする
    • 商品に説明書やお礼メッセージを同梱(FBA利用時以外)
    • 不良品・トラブル時のスピーディな対応でネガティブ評価を防ぐ

    なお、レビュー依頼はAmazon公式の「購入者へのレビューリクエスト機能」を使えば、ポリシー違反の心配なく依頼できます。

    出典:購入者にレビューをリクエストする|アマゾンジャパン合同会社

    このように、商品ページの最適化・広告運用・レビュー獲得という3本柱の戦略をバランスよく実施することで、Amazonマーケットプレイスでの売上は着実に伸ばしていくことが可能です。

    困ったときのトラブル対処法

    Amazonマーケットプレイスで販売をしていると、必ずしも順調に進むわけではありません。
    返品やキャンセル、あるいは「商品が届かない」といったクレームなど、予期せぬトラブルに直面することがあります。
    これらに適切かつ迅速に対応できるかどうかが、アカウントの健全性を維持し、長期的に販売を続けるための重要なポイントです。
    ここでは、代表的なトラブルとその対処法を解説します。

    購入者からの返品・キャンセル依頼の対応方法

    購入者は、注文後に「キャンセル」や「返品」を希望することがあります。
    対応ルールはシンプルで、出荷前か、出荷後かによって変わります。

    出荷前の場合:購入者が注文履歴からキャンセル可能で、出品者の対応は不要です。
    出荷後の場合:購入者が返品を希望した際、出品者は返品を受け付け、商品到着後に返金処理を行います。返品を拒否したり放置すると、Amazonが介入し「マーケットプレイス保証」に発展することがあるため注意が必要です。
    FBA利用時:返品受付・返金処理はAmazonが代行するため、出品者が直接対応する必要はありません。FBAを利用することで返品対応の負担は大幅に軽減されます。

    つまり、返品依頼が届いたら48時間以内に誠実に対応することが、アカウント健全性を守る第一歩です。

    出典:返品ポリシー|アマゾンジャパン合同会社

    Amazonマーケットプレイス保証を理解しておく

    Amazonマーケットプレイス保証は、購入者が安心して取引できるための制度です。
    商品が届かない、説明と違う商品が届いたといった場合に購入者が申請でき、Amazonが返金を行います。
    出品者にとっては、保証申請が認められると返金額が負担となるほか、注文不良率(ODR)にカウントされるリスクがあります。

    そのため、以下を徹底しましょう。

    • 発送は必ず追跡番号付きで行う
    • 商品ページに誤解を招く記載を避ける
    • 購入者からの問い合わせは48時間以内に回答する

    これらを守ることで、保証申請に発展するケースを最小限に抑えられます。

    出典:Amazonマーケットプレイス保証|アマゾンジャパン合同会社

    アカウントの健全性を維持する

    Amazonでは、顧客満足の担保を最優先とするポリシーのもと、出品者のパフォーマンスを点数化する「アカウント健全性」の仕組みがあります。
    注文不良率(ODR)だけでなく、キャンセル率や出荷遅延率、追跡可能率なども重要な評価対象として扱われ、その数値が高まれば強制的な権限制限につながる可能性があります。

    特に注文不良率(ODR)については、Amazonが1%未満を目安としているという認識が一般的です。
    また、アカウント健全性には「注文不良率」「キャンセル率」「出荷遅延率」「追跡可能率」を含む複数の評価指標があることも知られています。

    出典:
    アカウント健全性の評価に含まれるポリシー|アマゾンジャパン合同会社
    注文不良率:%未満|アマゾンジャパン合同会社

    返品・キャンセル・保証申請といったトラブルは避けられませんが、対応の速さと誠実さがアカウントを守る最大の防御策です。
    特に初心者のうちは、FBAを利用して返品や顧客対応の負担を軽減することで、安心して販売を継続できます。

    まとめ

    Amazonマーケットプレイスは、日本国内で数千万人規模のユーザーが利用する巨大なECプラットフォームです。
    初期費用を抑えてすぐに出品でき、FBAを利用すれば物流やカスタマーサポートも自動化できるため、個人事業主から大企業まで幅広い事業者にとって強力な販売チャネルになり得ます。

    ただし、販売手数料やFBA利用料といったコストが発生し、価格競争やレビュー管理といった課題に直面することもあります。
    そのため、出品前には料金体系や販売ルールをきちんと理解し、自社の商品がAmazonで成果を出しやすいのかどうかを見極めることが重要です。
    記事の中で紹介したように、出品プランの選択や商品ページの改善、広告の活用、レビューの獲得、そして返品やトラブルに対する適切な対応を組み合わせることで、Amazonでの売上は着実に伸ばしていくことができます。

    Amazonは単なる販売の場ではなく、戦略的に活用することでブランド成長や新規顧客獲得を支える強力な土台となるのです。

    これからAmazonでの販売を検討している方は、自社の体制や販売戦略に照らし合わせて、どのように活用するのが最適かを考えてみてください。
    正しい準備と運営を行えば、Amazonマーケットプレイスは大きな成長のきっかけとなるはずです。

    Ecforce

    D2Cを成功に
    導くために必要なものとは?

    御社のD2Cを成功に導くには、D2Cに必要な要素を全て備えたカートが欠かせません。「ecforce」は数々のD2C事業の立ち上げ経験から生まれたカートサービス。
    多くのD2Cブランドがecforceを導入して、今までに合計1,000億円を超える売上を達成しています。

    平均年商

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    D2Cを成功に導くために必要なものとは?
    ※1:稼働済みショップの平均年商 / 集計期間 2021年7月~2022年6月
    ※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
    ※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月

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