この記事でわかること
ECサイトにはさまざまな決済方法がありますが、EC事業者にとってマストで導入したいのはAmazon Payです。Amazon PayとはAmazonのアカウントを利用した決済サービスのこと。定期通販と親和性が高い決済方法で、EC事業者に多くのメリットをもたらします。
定期通販はその特性ゆえ、特にCVR向上やLTV上昇が運営成功の鍵。これらの数値をもっとも伸ばせる決済手段がAmazon Payなのです。
今回はAmazon Payを定期通販に導入すると、なぜCVRやLTVが伸びるのか、導入のメリットや導入の流れについて詳しく解説します。
これからECカートを決める方・いまのECカートに満足してない方へ。以下の記事にも、あなたのお悩みが解決する情報が満載です。
【ECサイト構築サービス22個の比較表】おすすめ国産SaaS型ECシステムもご紹介 4つのECサイト構築事例。新鋭D2Cブランドの動向から読み解く「狙い」とは?
Amazon Payとは?
Amazon Payとは、Amazonのアカウントを利用した決済サービスのことです。Amazonアカウントに登録された住所や支払い情報で、外部ECサイトで決済が可能になります。
Amazon pay導入の顧客側のメリットとは?
Amazon Pay導入は、顧客側にもさまざまなメリットをもたらします。
まず顧客側にとって最大のメリットは、簡単に決済を行えることです。Amazon PayではすでにAmazonアカウントに登録している住所や支払い情報を利用するため、面倒な入力の手間を省け、購入フローが簡単になります。
また、ECサイトごとに新しくアカウントを取得せずに済むので、IDやパスワードの管理もありません。
さらに、Amazonという大きなブランドの決済サービスのため、セキュリティ面でも安心感があります。
クレジットカード情報をそれぞれのECサイトで新たに入力するのは、情報漏洩などに不安が残ります。その点、Amazon PayはAmazonによる世界基準のセキュリティを利用した決済のため、安心して利用できます。
Amazon pay導入のEC業者側の3つのメリットとは?
Amazon Pay導入にはEC業者側にも大きなメリットがあります。Amazon pay導入による、EC業者側のメリットをみていきましょう。
新規顧客の獲得
すでにAmazonのアカウントをもっているAmazonユーザーを新規顧客として獲得できます。Amazonは世界中で利用されているECサイトであり、その利用者数は世界一位です。
Amazon Payを自社のECサイトに導入することで、Amazonアカウントを持つ多くのユーザーが利用しやすくなり、商品を購入する可能性が高まります。
CVRの向上
ECサイトにとって購入フォームの入力のしやすさは、CVRの向上へつながります。購入フォームの入力に手間がかかれば、その分カゴ落ちしてしまう可能性も高くなるからです。
購入者情報や決済情報の入力で時間がかかってしまうことにストレスを感じた顧客は、途中で購入をやめてしまったり、ほかのECサイトで購入するケースもあります。
海外のEFOプラットフォーマーが公表しているデータ下記のデータによると、フォームへ個人情報を入力し購入手続きをはじめた顧客の内、12.7%~17.5%しか最終的な購入完了まで至っていません※。
8割以上の顧客がフォームに入力する過程で離脱しているという事実は衝撃的ではないでしょうか。
従って、商品やLP、ショップサイトのデザインの魅力に加えて、EFOを徹底することがCVRの向上に欠かせないのです。
その点、Amazon Payは、普段、顧客がAmazonで使っているメールアドレスもしくは電話番号とパスワードを入力するだけで、氏名や住所、クレジットカード情報といった必須項目が自動的に購入フォームに入力されます。
例えば、フルーツの定期宅配サービス「フルオーツ」では、Amazon Pay導入により決済手段の約60%がAmazon Payとなり、顧客の継続率が向上しています。
ecforce移行でCVRが110%改善・半年で顧客数2倍に増加。売上向上を実現させたecforce maの活用の方法とは。の記事で詳しく解説しているので、本記事と合わせてご確認ください。
つまり、これまでフォーム入力の煩雑さにより購入を断念していた顧客に対して、その入力の一部を省略させることが可能になるのです。Amazon Payによってスムーズに決済を行えるため、途中で購入をやめてしまうカゴ落ちが減少し、CVR向上へと結びつくということです。
Amazonアカウントに登録している配送先住所やクレジットカード情報を利用できるのは、EC事業者にとって他の決済では得がたい強力なメリットといえるでしょう。
※出典:Formisimo Is Now Called Zuko!(Zuko Form Optimization and Tracking Analytics Tools)
不正取引対策
Amazonではクレジットカードでの決済に対し、独自の不正検出ルールなどでセキュリティ対策を実施しています。精度の高いAmazonのセキュリティを利用した決済なので、EC業者側にとって不正注文対策になり、確認作業の軽減にもつながります。
また、Amazon Payでの決済は、購入商品のコンディションや配送を保証する「Amazonマーケットプレイス保証」の対象になるため、チャージバックのリスクも回避することができます。
定期通販のEC事業者がAmazon Payを導入するメリットは?
Amazon Payは定期通販のEC業者にも導入メリットがあります。定期通販では商品を顧客に訴求する際、価格の割安感をアピールするEC業者が多くいます。
しかし、それはコストに敏感な顧客を獲得している可能性があり、代金引換で商品を購入する際、財布から現金が減ることで「節約」の意識を芽生えさせることになりかねません。顧客が節約を意識してしまうと、定期購入の解約へとつながってしまうのです。
その点、Amazon Payはクレジットカードでの決済になるため、コスト意識を低減させることができ、消費を促しやすい決済方法です。
当社が調べた、ある健康食品と化粧品商材を扱うECサイトで、決済ごとのLTVを集計したデータがあります。このデータによると、代引きや後払いなどの現金での決済方法と比べ、Amazon Payを選択した顧客のLTVは上昇しています。
【健康食品/決済毎の定期継続率】
【化粧品/決済毎の定期継続率】
さらに、Amazon Payの決済に近いクレジットカードでの決済と比較しても、Amazon Payに軍配が上がります。これは、購入フローでクレジットカードを手元に用意しなければならない手間による、カゴ落ちが考えられます。
また、このデータによると健康食品の定期回数4回目で、Amazon Payによる継続率が代引きのおよそ2倍と高水準を維持。化粧品商材についても定期回数8回目で23%近くの顧客が定期購入を継続しています。
このことから、Amazon Payは定期通販において、高い水準のLTVを維持しているといえます。
LTVが高い決済手段はどれ?D2Cブランドの最適な決済手段の見つけ方の記事でLTVが高い決済方法について詳しく解説しているので、本記事と合わせてご確認ください。
ところで、成長中のEC・D2Cブランドがこぞって使うECカートの存在をご存じですか?
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ecforce(イーシーフォース)
なぜクレジットカード以外にAmazon Payが必要なのか?
Amazon Payを導入するとLTVが上昇しやすいことがわかりました。しかし、それならばクレジットカードで十分なのではないか・・・という疑問もわいてきます。
確かにクレジットカードも顧客に対してコスト意識を低減させ、定期の継続につなげやすい決済です。
しかし、こんなデータもあります。
これは総務省が公表する「ネットショップを利用しない理由」をまとめたデータです。
資料によると、全世代の多くのユーザが、インターネットを利用した通販を敬遠する理由として、決済手段のセキュリティに不安があることをあげています。
つまり、クレジットカードなどの個人情報をインターネット上で入力することに抵抗を感じていることを示しているのです。
ましてや、知名度が低いEC事業者のサイトでクレジットカードを入力することは、顧客へリスクを感じさせてしまうことにつながります。
その点、Amazon Payは、Amazonのロゴを自社サイトに掲げることが出来るほか、顧客はAmazonアカウントさえあれば、直接的にクレジットカード情報を入力する必要はありません。まさに、Amazon Payの大きな魅力といえるでしょう。
デメリットとしてあげるとすれば、顧客がAmazon Payのお客様画面から、契約中の定期注文のお支払い方法よりAmazon Payの支払い設定を解除できることです。
その場合、別のお支払い方法をご案内いただくというオペレーションが発生しますが、クレジットカードのオーソリエラーと同様のオペレーションですし、それを踏まえたLTVなので問題ではないでしょう。
決済手数料4%※も、クレジットカードと比較すると多少高めですが、広告から得られるCVRの恩恵に比べれば、デメリットとは言えないレベルなのです。※デジタルコンテンツの場合は4.5%
以上より、Amazon PayはこれからEC事業をやる上で最も簡単にCVRとLTVを伸ばせる施策の一つであり、マストで導入すべきだといえるでしょう。
Amazon Pay導入の流れ
EC業者なら導入しておいて損のないAmazon Pay。初期費用や月額費用などは無料、決済手数料も高額ではないため、導入ハードルは低いサービスです。
ここでAmazon Pay導入の流れを確認しておきましょう。
Amazon Pay利用には事前審査があり、以下のものが必要になります。
・Amazon Pay用のメールアドレス
・売上金入金用の銀行口座
・登記簿に記載している会社情報
これらを事前に準備し、Amazon Payへの利用申し込みを行いましょう。
- お申し込みページから必要事項を入力してAmazon Pay利用登録を行います。審査完了まで、一週間程度かかります。
- Amazon Pay利用登録が終わったら、自社のECサイト内でAmazon Payのインテグレーション作業を行います。
- テストとインテグレーションが終われば、Amazon Payボタンを反映して注文を受けられる状態にして完了です。
以上、3つの工程でAmazon Payの導入は完了です。想定よりも簡単だったのはないでしょうか。
Amazon PayはEC業者が積極的に取り入れたい施策のひとつ
Amazon PayはEC事業を運営する上で、導入するだけで簡単にCVRとLTVを伸ばせる施策だと言えます。
決済手数料は4%とクレジットカードと比較すると多少高めにはなりますが、広告から得られるCVRの恩恵に比べると、デメリットとは言えません。
確認した通り導入ハードルも低く、特に定期通販において高い水準のLTVを維持しているため、EC業者(なかでも定期通販事業者)はAmazon Payを導入するのがスタンダードです。ぜひ導入に踏み切ってください。
【最後に】
ここまで読んでいただきありがとうございます。ここで最後にecforceのご紹介をさせていただきます。ecforce(イーシーフォース)は日本国内のEC・D2Cビジネスの現場を知り尽くした、わたしたちSUPER STUDIOが提供する国産SaaS型ECシステムです。EC・D2Cサイト構築の際の要件定義から成長拡大まであらゆるフェーズをサポートします。
累計1,000以上のショップ様に導入されている国産SaaS型ECシステム「ecforce」。さらなる実績や機能のご紹介は以下からご覧ください。
ecforceには、主に3つの特徴があります。
特徴1. EC/D2Cビジネストレンドを踏まえた最先端のシステム
豊富な搭載機能/カスタマイズ性/アップデートスピードでEC事業スタート・カート切り替えに対応。毎月平均で10-20個の新機能をリリース。
特徴2. 売上を最大化する多彩なマーケティング機能
クライアントニーズや自社経験を元にトレンドを抑えてた「効果がある」機能を搭載。「広告改善・CVR向上」や「LTV向上/CRM最適化」まで顧客獲得〜リピート化といった各フェーズに対応した機能群で、マーケティング施策を一貫して実施できます。
特徴3. CSオペレーションやシステム運用工数を削減
CSオペレーションや広告管理といったEC運営では工数がかかり煩雑化する業務も自動化と操作性の高いUIで効率化。運営コストを削減します。
「ecforce」は、ECサイトの構築はもちろん、サイトを開設したあとの機能も充実。売上を上げるための豊富な機能からコストを削減する仕組みまで、ECビジネスの成長をサポートします。
ご興味がある方はぜひ、以下からお問い合わせをいただければ幸いです。
その他、ecforce公式サイトでは、弊社が実事業経験から得たEC/D2Cノウハウを無料ebookで多数公開しております。弊社が独自に提供しているノウハウをたくさんご活用下さい。
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※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月