この記事でわかること
D2Cにおいて欠かせない要素は何でしょうか。
時に総合格闘技に例えられるように、実に様々な要素が複雑に絡み合うD2Cです。人によって答えは違うかもしれませんが、その一つに「ストーリー」があることは否めないでしょう。
D2Cブランドは自分たちのストーリーを発信し続けることで顧客に情緒的価値を伝え、機能的価値だけでは動かない人々の心に迫ります。
ストーリーこそD2CがD2Cたらしめる一つの要素であり、このストーリーを伝えていくアクション=ストーリーテリングの良し悪しが成功の鍵になることは間違いありません。
今回はD2Cにおけるストーリーテリングの重要性を理解すると共に、サプリメントD2Cブランドの「Ritual(リチュアル)」の事例を見ていきたいと思います。
D2Cブランドのプロダクトはストーリーをまとう
デザイン・イノベーション・ファームTakramのビジネスデザイナー、佐々木 康裕 氏は著書『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』で以下のように述べています。
プロダクトは、メディアとなったブランドがアウトプットする多様なコンテンツの1つと位置付けられている。(中略)「プロダクトがコンテンツ化する」とは、「プロダクトがストーリーをまとう」ということだ。ストーリーをまとったプロダクトは、意味レベルの価値を持つ。
佐々木 氏の言葉を整理すると、以下のようになります。
- ブランドはメディアになる。
- プロダクトはコンテンツになることで、ストーリーをまとい、意味レベルの価値を持つ。
これで難なく理解できる方は良いのですが、D2Cについて詳しくない方や、マーケティング・ブランディングの経験がない方は理解しにくいかもしれません。
捉え方を変えると見えるものがあるのですが、そもそもD2Cブランドのプロダクトがストーリーをまとう必要があるのはなぜでしょう。
ここにストーリーテリングの重要性を知るヒントがありそうです。
なぜD2Cにおいてストーリーテリングが重要なのか?
「D2Cブランドのプロダクトはコンテンツになることで、ストーリーをまとい、意味レベルの価値を持つ」とお伝えしましたが、裏を返せばプロダクトがストーリーをまとう必要があるのは、「意味レベルの価値」を持つためです。
「意味レベルの価値」については、以前「D2Cが注目される背景」でお伝えした消費行動の変化が関わってきます。
日本はすでに豊かになっているため、モノが不足しているわけではありません。このような状況では、人々は機能的に役立つ商品(機能的価値)ではなく、意味のある商品(情緒的価値)にお金を出すようになります。
「意味のある商品」とは、例えばコンセプトや世界観に共感したり、商品が生まれるまでのストーリーに感動したりするなど、何かしらの情緒的価値があるモノのことです。
ここでお伝えしていることは、今は意味のある商品でないと人々にお金を出してもらえない時代、状況であるということです。
Takram佐々木さんの言葉をお借りするなら、「意味レベルの価値」がプロダクトになければ極端な話、売れないと言えます。
D2Cにおけるストーリーテリングは、この「意味レベルの価値」を作るためにとても重要なのです。
ストーリーテリングが秀逸なD2Cブランド「Ritual(リチュアル)」
最後にストーリーテリングの事例として、サプリメントの海外D2Cブランド「Ritual(リチュアル)」についてお伝えします。
Ritualは創業者が妊娠期に理想のサプリメントを探したところ見つけることができず、既製品に対して不信感を抱くに至ったことがきっかけで世に誕生しました。
Ritualの事例が秀逸な点は、この創業ストーリーが「透明性」をキーワードにブランドの世界観や姿勢、メッセージ、原料選定など、あらゆる要素に反映され、プロダクトに意味レベルの価値を作っている点です。
アメリカではサプリメント市場は飽和状態でした。人々にとって真新しいサプリメントはそうありません。しかしRitualは単なるサプリメントではなく、「サプリに不信感をもった創業者が作ったサプリ」です。
これは同じく不信感を抱く人々にとって、Ritualを買う大きな理由の一つになっています。Ritualは創業ストーリーを伝え続ける(テリング)することで、「意味レベルの価値」を作ることに成功しているのです。
ストーリーテリングについてはここまでですが、Ritualの事例は数あるD2Cブランドの中でも非常に秀逸なものです。さらに詳しく知りたい方は、以下の参考記事もぜひ合わせてご一読ください。
<参考記事>
5つのD2C海外事例。若い世代が求める究極にユニークな顧客体験とは?
Ritualを知るための5つの視点。透明カプセルと「栄養は9種類」の理由とは?

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