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定期縛りはもう古い?「縛る」から「続けたい」へのモデルチェンジとメリット

定期縛りはもう古い?「縛る」から「続けたい」へのモデルチェンジとメリット

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この記事でわかること

    売れてる定期通販事業者の成功法を大公開

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    実例をもとに解説しています

    こちらから

    今回は、定期通販の「縛りモデル」について考えてみたいと思います。
      
    定期通販における「縛りモデル」は、EC事業者へ安定した収益をもたらした一方で、購入者からのクレームを受けるという好ましからぬトラブルが多発する結果をもたらしました。
     
    つまり、販売条件により顧客を一定期間つなぎ止めることで、LTVといった数値における一定の成果はあるものの、縛られることを好まない顧客とWin-Winの関係を築きにくいという問題を内在させることにつながりました。
     
    しかし、ここにきて、たとえLTVが下がったとしても、縛りモデルから脱却しつつ、他の施策を駆使することで結果的に売上げを確保する取り組みもみられるようになってきました。
     
    今回は、定期縛りの問題点、そして、トラブルをどのように回避するか。さらに、別モデルへの転換に関する取り組みまで含めてご紹介したいと思います。

    この記事を最後までご覧いただいた方のために、事業にすぐ使える実践フォーマットを配布させていただいております。ぜひご活用下さい。

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    【ECサイト構築サービス22個の比較表】おすすめ国産SaaS型ECシステムもご紹介
    4つのECサイト構築事例。新鋭D2Cブランドの動向から読み解く「狙い」とは?

    縛りモデルとは

    改めて、「縛りモデル」について整理させていただきます。
    縛りモデルとは、定期通販において、定価よりも割安な価格で商品を提供する代わりに、顧客に対して、一定期間の継続を約束させる販売モデルのことです。
     
    例外を除いて、このモデルで獲得した顧客は、必ず、商品を一定回数、継続購入することになるため、EC事業者側からすれば、1名の顧客に対する利益が保証されていることになります。
     
    メリットはそれだけではありません。新規顧客獲得に必要な広告費に対して、「粗利はいくら」といった収益の計算を容易にし、かつ、予測の再現性が高いという、EC事業者にとっては、願ってもない施策といえるでしょう。
     
    しかし、前述の通り、消費者庁から問題視されてしまいました。
     
    新規顧客の獲得に多額の広告費をかけるEC事業者にとって、願ってもない縛りモデル。
    なぜ、問題視されることになってしまったのでしょうか。

    問題となりやすい縛りモデルの形態

    実は、すべての縛りモデルが問題となるわけではありません。
    はじめから継続する意思のある顧客からすれば、安価に商品を購入することができるモデルだからです。
     
    では、問題視される理由は、どこにあるのでしょうか。
     
    それは、一部のEC事業者が、明確に販売条件を表示しなかったことが影響しています。
     
    初回は、大幅な割引価格で顧客を獲得し、継続すべき定期回数を縛った上で、2回目以降の商品価格を引き上げる事業者は多数います。
     
    顧客は、安価な商品を購入したはずが、2回目以降に高額の請求が届き、そして、一定期間、解約が認められないという憂き目を感じる方が多数いました。
     
    もちろん、EC事業を営む上で、多少のクレームは避けられません。
     
    しかし、特に問題だったのが、これらのEC事業者の中には定期購入の契約条件に「縛り」が存在することをわかりやすく表示していないケースが散見されたため、問題視されるに至ったのです。
     
    我々、SUCCESS BOARDでは、適切な運営のもと行われる縛りモデルは、顧客とEC事業者の双方にメリットがあり、一概に問題のあるモデルとは考えていません。
     
    しかし、トラブルを回避する意味でも、顧客が販売条件に納得した上で購入できる仕組みは必須といえるでしょう。

    縛りモデルでトラブルを回避する方法

    では、健全な縛りモデルを実施する上で、どのような点に心配りをすればよいのでしょうか。
     
    まず、大前提として理解したいことは、平成29年12月1日に施行された改正特定商取引法において、定期販売自体に販売条件を明記する義務が規定されたことです。

    2回以上継続する定期販売を行うためには、

    ・定期である旨
    ・金額
    ・契約期間
    ・特別な条件がある場合は、その記載。
    ・縛りがあるときは、その旨。任意で解約できる場合もその旨

    を記載しなければならなくなりました。
     
    さらに、消費者庁のガイドラインにより、上記に加えて「支払い総額」を購入完了前画面に明記しなければならなくなりました。
     
    以下が、国民生活センターが示した確認画面における問題のある表示と問題ないとされる表示方法の参考例です。

    <問題ないとされる表示方法の一例>

     

    <問題があるとされる表示方法の一例>

    ステップ1

    ステップ2

    出典:独立行政法人国民生活センター報道発表資料「「お試し」のつもりが「定期購入」に!?第2弾-健康食品等のネット通販では、契約内容や解約条件をしっかり確認しましょう-」より 

    たとえ、確認画面に支払総額を表示していたとしても、スクロールしなければわからない箇所に記載されていたり、定期購入のすべての条件が、1画面中にわかりやすく表記されていなければ、問題のある表示例と判断される例が示されています。

    もちろん、問題ないとされる表示例も、絶対的にトラブルを防げるものではないですし、消費者庁から絶対に指摘を受けないことを保証するものでもありません。しかし、国民生活センターの情報として参考にすべきものであることは確かです。
     
    なお、専門的に表示内容に問題がないかをチェックするコンサルティングサービスも存在します。薬事法ドットコムです。

    曖昧なまま販売を進め、行政指導を含めたトラブルに発展するリスクをあらかじめ防止する意味でも、ぜひ、利用されることをお勧めします。

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    縛りなしでも収益を確保する取り組み

    前述のように縛りモデルは、顧客の理解のもとで販売されたものであれば問題はない一方で、消費者庁のガイドラインにより事細かな販売条件の説明が義務付けられるようになりましたが、 これを受けて、昨今、縛りモデルから脱却する事業者が現れ始めました。
     
    これまでは、契約で顧客をつなぎ止めていたものを、縛りをやめ、顧客の自由意志で定期を継続することを促す取り組みです。
     
    顧客は不自由な契約から解放され、よりよい買い物ができるようになり、EC事業者としても、問題になりやすいモデルから前進し、さらに進化を遂げようとしはじめているのです。
     
    気になるのは「LTVの確保」と「粗利予測の再現性の高さ」がウリであった縛りモデルをやめることで、ビジネスに、どのような影響を及ぼすかという問題です。
     
    そこで、我々は、縛りモデルから、縛りなしのモデルへ転換した化粧品関連サイトの事例を元にCPAとLTVの影響度合いを調べてみました。
     
    以下が縛りありと縛りなしの比較表です。

    <縛りあり/設定条件:初回価格980円、2回目以降5980円) 獲得CPA:16000円>

     

    <縛りなし/設定条件:初回価格2980円、2回目以降5980円) 獲得CPA:7500円>

     

    確かに、データを並べると、縛りなしモデルへ転換することで、LTVが下がることは見て取れます。
     
    一方で、上記の販売サイトは、縛りを適切に明記していたことから、縛りありのモデルの獲得CPAは高額でした。
     
    逆に縛りなしを一つのセールスポイントとして推すことで、たとえ初回価格を3倍に値上げしても、獲得CPAを大幅に下げることに成功した点は注目に値するのではないでしょうか。
     
    たとえLTVが減少しても、獲得CPAというコストを下げることで、結果的に帳尻がとれているとも考えられるからです。
     
    最終的な利益が確保できれば、これもまたEC事業としての戦略の一つともいえるのではないでしょうか。
     
    さらに、縛りなしモデルを成功させるために以下のような施策に取り組むとよいでしょう。

    同梱物の改善

    定期を継続していただくために、同梱する冊子に、この商品を継続することで、どのような効果が現れるのかを実体験を交えた記事として掲載します。

    もともと、化粧品関連商品は、数回使っただけでは効果を実感することは難しいものです。

    もし、お客様が効果を実感する前に諦めてしまったとしたら、たとえ高品質な商品だとしても、その魅力を伝えることはできません。

    そこで、ゴールを明確化することで、途中で挫折するお客様を減らし、継続して使用することの大切さを伝えるのです。

    また、商品が生まれた背景を丁寧に説明するなど、商品が誕生したバックグラウンドが伝わるような記事作りも心がけたいものです。

    例えば、素材選びから工場の製造工程の紹介。そして開発者のこだわりポイントなど、まるで、消費者を商品開発の現場へ誘うような情報をふんだんに掲載します。

    メーカーの想いをお客様と共有することにより、お客様へ商品に対して愛着をもってもらい、解約の防止につなげましょう。

    コールセンターによる解約阻止の強化

    コールセンターの体制やオペレータ・スタッフの教育を通じて、解約を希望する顧客が解約を踏みとどまり、継続していただけるためのトークスキルを強化します。

    お客様は様々な理由で解約に至ります。
    しかし、せっかく高額なコストをかけて獲得したお客様です。
    そのまま解約を受け付ければ、お客様との関係性も、そこで終わってしまうでしょう。

    そこで、徹底した傾聴を実施し、お客様のニーズを引き出せるよう、トーク・マニュアル見直します。

    一般的なコールセンターでは、はじめに商品の情報や基本的なシステムの操作などを学び、後は先輩社員のトークをモニタリングしながら学ぶケースが多くあります。最後にOJTを行い、一定以上のトークができれば晴れて独り立ちとなるパターンが大半ですが、このような運用では、オペレータによりスキルにバラツキが出るほか、スキルを身につけるまでに非常に多くの時間がかかります。

    これを解決する一つの方法が、想定問答集をつくり、お客様の解約理由により、提案できる選択肢を洗い出しておくことです。

    例えば、「商品が余る」と回答があった場合のトーク例は以下のようなものです。

    提案1:配送サイクルの変更
    普段はどのような使い方をされていますか?
    毎晩お使いいただいているのですね?
    この商品は、1日2回使用する商品ですが、お休み前しかご利用されない場合は、商品の配送サイクルをご変更致しましょうか?

    提案2:1回スキップ
    普段はどのような使い方をされていますか?
    毎晩お使いいただいているのですね?
    この商品は、1日2回使用する商品ですが、お休み前しかご利用されない場合は、一回分、配送をお休み致しますか?

    このように、想定される回答を洗い出しておき、それに対して、解決策とトーク例を複数用意しておくことで、経験の浅いオペレータも円滑に応対ができるようにしておきます。

    また、いわゆるマニュアル対応を防ぐために、マニュアルに「解約阻止の目的」「オペレータがマニュアルを超えて判断しても良い基準」「管理者へ判断を委ねる基準」を設けることで、オペレータが自主的に判断してトークできる範囲も広げるようにすると良いでしょう。

    例えば、定期サイクルのスキップであれば、原則として1回のスキップを前提としたマニュアルとするが、2回目まではオペレータの判断で提案可能とし、それ以上の休止をご希望されるお客様には管理者の判断を仰ぐなどです。

    これにより、オペレータに自主性を持たせて、積極的にお客様と対話をする機会を設けました。各オペレータが、自分で考える機会を設けたことで、コールセンターとしてのスキルも飛躍的に上昇したのです。

    先ほどご紹介した化粧品関連サイトでも以上のような取り組みを実施しています。
     
    繰り返しになりますが、化粧品は、一度の使用では効果が実感しにくい性格の商品です。
     
    これまでは、「効果を実感していただくために継続利用をお願いする」縛りモデルだったわけですが、顧客を契約で縛り、「実感させる」のではなく、同梱物やコールセンターのオペレータを通じて顧客と向き合い、そして効果を理解していただけるように訴えかけることで、顧客と信頼関係を構築することに成功した好例ではないでしょうか。

    もちろん、商品数の多いEC事業者は、お客様の悩みを引き出し、別の商品に切り替えてもらうことも可能です。いわゆるクロスセルを実施することにより、本来の商品の解約は受け付けつつ、他の商品を長く使っていただくことも考えられるでしょう。

    コールセンターのスキルを磨くことで、縛りに囚われない売上の確保は可能なのです。
     
    以上の事例で見て取れるように、これからは、顧客を縛って売上げを伸ばす時代ではありません。
     
    よい商品を顧客に提供し、素直に商品の良さを訴えかける。
    顧客は、商品を愛し、EC事業者を信頼する。
     
    つまり、顧客自ら「定期を継続したい」と感じるような本質的な戦いの時代になったといえるではないでしょうか。

    さて、ここまで読んでいただいた方に、お伝えしたいことがあります。

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    ※1:稼働済みショップの平均年商 / 集計期間 2021年7月~2022年6月
    ※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
    ※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月

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