EC基礎・戦略, EC/D2C基礎知識

定期通販とは?仕組み・メリット・始め方・必要なシステムをわかりやすく解説

定期通販とは?仕組み・メリット・始め方・必要なシステムをわかりやすく解説

この記事をシェア

この記事でわかること

    ※この記事は 時点の情報をもとに執筆しています。

    購入単価・継続率をアップさせるLTV改善策

    定期通販とは、「一度売って終わり」ではなく、商品を継続して届けながら顧客との関係を育てる販売モデルです。
    売上を見込みやすい一方で、通常通販やサブスクリプションとの違い、商品との相性、解約率や法務表示まで考える必要があります。
    この記事では、定期通販の仕組み、メリット、注意点、向いている商品、始め方、カートシステム、販売ページや申込画面に記載すべき項目を整理します。
    小規模ECやD2Cで導入を検討する方が、始める前に確認すべき判断軸を把握できる内容です。

    【この記事の主な内容】

    • 定期通販の基本と違い
    • 導入メリットと注意点
    • 向いている商品と導入手順
    • カートシステムの主な機能
    • 申込画面と法律の注意点

    関連記事
    【2026年最新】定期通販カートシステムおすすめ12選|比較の仕方・機能を解説|ecforce blog
    定期通販のオペレーションとは?業務フローや改善手順を解説|ecforce blog

    定期通販とは、決まった商品を定期的に届ける販売モデル

    カートのアイコンと人形

    定期通販は、一度の申し込みを起点に、商品を継続的に届ける販売モデルです。
    まずは、一般的なネット通販やサブスクリプションと比較する前に、定期通販そのものの仕組みを押さえることが重要です。ここでは、基本的な定義と代表的な商材を整理します。

    定期通販の基本的な仕組み

    定期通販とは、顧客が一度申し込むことで、決まった商品やコース商品を一定の周期で継続的に購入する販売モデルです。
    毎月1回、2カ月に1回など、あらかじめ設定した配送サイクルに沿って商品を届ける形式が多く見られます。
    「定期購入」「単品リピート通販」と呼ばれることもあり、化粧品、健康食品、サプリメント、食品、日用品など、継続して使う商品と相性がよい傾向があります。顧客にとっては買い忘れを防ぎやすく、都度注文する手間を減らせる点が利便性になります。

    事業者にとっては、一定数の継続顧客がいることで売上や出荷数を見込みやすくなる可能性があります。
    ただし、継続購入を前提にする分、初回購入後の満足度、解約率、問い合わせ対応、法務表示などの設計が成果に影響しやすい点には注意が必要です。
    定期通販の仕組みを理解する際は、「売って終わり」ではなく、顧客との関係を継続的に育てるモデルとして捉えると整理しやすくなります。

    定期通販でよく扱われる商品例

    定期通販で扱われやすい商品には、日常的に消費され、一定の周期で補充ニーズが発生するものがあります。たとえば、スキンケア用品、シャンプー、健康食品、サプリメント、プロテイン、コーヒー、ペットフード、洗剤などです。
    これらの商品は、使い切るタイミングがある程度予測しやすく、顧客側も「なくなる前に届く」ことに価値を感じやすい傾向があります。
    また、継続利用によって変化を実感しやすい商品では、購入を続ける理由を設計しやすくなります。

    一方で、単に消耗品であればよいわけではありません。
    価格、配送頻度、競合との差別化、顧客が感じる便益、解約時の体験まで含めて設計する必要があります。自社商品が定期通販に向いているかを判断するには、商品そのものの特徴だけでなく、継続して使う理由を説明できるかを確認するとよいでしょう。

    定期通販とサブスクリプション・頒布会・通常通販の違い

    電卓とカート

    定期通販は、サブスクリプションや頒布会、通常のネット通販と混同されることがあります。
    いずれも継続的な購買や利用に関わる仕組みですが、提供する価値や購入形態には違いがあります。ここでは、導入前に整理しておきたい違いを確認します。

    定期通販とサブスクリプションの違い

    定期通販とサブスクリプションの違いは、主に提供する価値の中心が「商品の継続購入」か「サービスや利用権の継続利用」かという点にあります。
    定期通販は、化粧品や食品などの商品を顧客に届け、継続的に購入してもらう形が一般的です。
    一方、サブスクリプションは、動画配信サービス、ソフトウェア、オンラインサービスのように、一定期間サービスを利用する権利を提供するモデルとして使われることが多くあります。
    ただし、家具や衣類のレンタル、食品ボックスなど、商品とサービスの要素が混在する例もあり、両者の境界が明確に分かれない場合もあります。
    EC事業者が検討する際は、名称よりも「顧客が何に継続的な価値を感じるのか」を整理することが重要です。商品を所有することに価値があるのか、利用体験や選定の手間を省くことに価値があるのかによって、販売ページやCRM施策の設計も変わります。

    ECサイトの構築をあわせて検討する場合は、下記の記事も参考になります。
    ECサイト構築を始める前に知っておきたい知識|5つの構築方式・費用・成功のコツ【2025年版】|ecforce blog

    定期通販と頒布会の違い

    頒布会は、一定の周期で商品を届ける点では定期通販と似ています。ただし、届ける商品の内容に違いがあります。
    定期通販では、原則として同じ商品や同じコースを継続的に届ける形式が多いのに対し、頒布会では事業者が選んだ異なる商品を毎回届ける形式が多く見られます。
    たとえば、毎月同じサプリメントを届ける場合は定期通販に近く、季節ごとに異なる食品や雑貨を届ける場合は頒布会に近いと考えられます。
    頒布会は「何が届くかを楽しむ」体験を設計しやすい一方、在庫管理や商品企画の負担が大きくなる場合があります。
    自社商品が定期通販に向いているのか、頒布会に向いているのかは、顧客が求める価値で判断するとよいでしょう。
    同じ商品を使い続けたいニーズが強い場合は定期通販、発見や選定の楽しさを提供したい場合は頒布会が選択肢になります。

    定期通販と通常のネット通販の違い

    通常のネット通販は、顧客が必要なタイミングで商品を都度購入する形式です。定期通販は、一度申し込むと、解約や変更がない限り継続的に商品を届ける形式です。
    この違いにより、売上予測、在庫管理、顧客対応、広告投資の考え方が変わります。
    通常通販では、購入のたびに顧客の意思決定が発生します。定期通販では、初回購入時に継続利用への期待を持ってもらい、その後は商品体験やコミュニケーションによって継続理由を維持する必要があります。
    そのため、定期通販では初回購入のCVRだけでなく、2回目以降の継続率、解約率、LTV、問い合わせ内容、配送変更のしやすさなども重要な管理項目になります。
    通常通販よりも運用設計の範囲が広くなる一方、うまく設計できれば継続的な収益基盤につながる可能性があります。

    定期通販を導入する3つのメリット

    虫眼鏡とカートのアイコン

    定期通販には、売上の見通しや顧客関係の面でメリットがあります。
    ただし、メリットは仕組みを導入するだけで自然に得られるものではありません。商品、価格、継続体験、CRM施策を組み合わせて設計することで、効果を得やすくなります。

    1. LTVを高めやすく、売上を予測しやすい

    定期通販の大きなメリットは、LTVを高めやすい点です。
    LTVは、顧客が取引期間中にもたらす価値を示す指標として使われます。
    定期通販では、顧客が一定期間にわたって商品を購入するため、都度購入型のECよりも顧客単位の売上を見込みやすくなる場合があります。

    売上を予測しやすくなると、広告投資、在庫計画、商品開発、顧客対応体制の計画も立てやすくなります。たとえば、平均継続回数や解約率を把握できれば、1人の新規顧客を獲得するためにかけられる広告費の上限を検討しやすくなります。

    ただし、LTVは継続率に左右されます。初回購入の件数が増えても、2回目以降に離脱する顧客が多い場合、十分な収益につながりにくい可能性があります。そのため、広告、商品体験、メール、同梱物、マイページ導線などを含めて、継続してもらうための設計が必要です。

    2. 需要予測がしやすく、在庫管理を効率化しやすい

    定期通販では、継続顧客数と配送周期をもとに、将来の出荷数を見込みやすくなります。
    毎月の配送数や次回お届け予定がある程度把握できるため、生産計画や仕入れ計画に反映しやすい点がメリットです。
    在庫管理が安定すると、欠品による販売機会の損失や、過剰在庫による保管コストの増加を抑えやすくなります。食品や化粧品のように期限やロット管理が重要な商品では、需要予測の精度が運用効率に影響しやすくなります。

    一方で、急な解約増加、配送周期の変更、キャンペーンによる初回購入増加などがあると、見込みとの差が生じる場合があります。
    定期通販でも、在庫計画を固定するのではなく、継続率や解約率、キャンペーン実績を定期的に確認することが重要です。

    3. 顧客との継続的な関係を作りやすい

    定期通販では、商品を届けるたびに顧客との接点が生まれます。発送前のメール、商品同梱物、使用方法の案内、次回お届け前のリマインド、マイページでの変更手続きなど、継続的なコミュニケーションを設計しやすい点が特徴です。
    これらの接点を活用すると、商品理解を深めたり、使い方を補足したり、顧客の不安を減らしたりできます。特に、初回購入後に効果的な使い方を案内することは、2回目以降の継続に影響する可能性があります。

    ただし、コミュニケーション量が多すぎると、顧客に負担を感じさせる場合もあります。
    メール配信や同梱物は、顧客の購入回数、商品カテゴリ、利用状況に合わせて調整することが望ましいでしょう。単なる販促ではなく、顧客が継続する理由を感じられる情報提供にすることが重要です。

    定期通販の3つのデメリット・注意点

    デメリットのブロックと人形

    定期通販は、売上の安定化につながる可能性がある一方で、導入前に確認すべき注意点もあります。
    特に、新規顧客獲得、解約率、法務表示、顧客対応は事業成果に影響しやすい領域です。メリットだけでなく、リスクも含めて判断することが大切です。

    1.新規顧客の獲得ハードルが高くなりやすい

    定期通販は、継続的な購入を前提にするため、顧客が初回購入時に慎重になりやすい傾向があります。
    通常の都度購入であれば「一度試してみる」という判断をしやすい場合でも、定期購入では「続ける価値があるか」「解約しやすいか」「総額はいくらか」といった不安が生じやすくなります。

    そのため、販売ページでは、商品の特徴だけでなく、配送周期、支払い総額、解約条件、休止やスキップの可否、初回特典の条件などをわかりやすく示す必要があります。
    初回割引やお試し価格は購入のハードルを下げる手段になりますが、割引だけに依存すると、継続率が伸びにくい場合があります。

    新規顧客を獲得するには、価格の魅力だけでなく、継続利用によって得られる価値を説明することが重要です。
    商品がどのような悩みに役立つのか、どのくらいの期間使うと変化を感じやすいのか、どのような使い方が適しているのかを整理すると、購入前の不安を減らしやすくなります。

    2.解約率が収益に影響しやすい

    定期通販では、解約率が収益に大きく影響します。新規顧客を獲得しても、早い段階で解約されると広告費を回収しにくくなり、LTVも伸びにくくなります。

    特に、初回割引を大きく設定している場合は、2回目以降の継続が収益性に影響しやすくなります。
    解約率を下げるには、解約を難しくするのではなく、顧客が続けたいと思える体験を作ることが重要です。商品到着後のフォロー、使用方法の案内、配送周期の変更、休止・スキップの提案、問い合わせ対応の改善などが選択肢になります。

    解約理由の把握も欠かせません。価格が高い、商品が余る、効果を感じにくい、使い方がわからない、配送頻度が合わないなど、理由によって改善策は異なります。
    解約フォームや問い合わせ内容から理由を整理し、商品設計やCRM施策に反映すると、継続率の改善につながる可能性があります。

    3.法務表示や解約導線に不備があるとトラブルにつながる

    定期購入では、初回価格や解約条件などの販売条件が伝わりにくいと、顧客の誤認につながる場合があります。
    販売ページ、最終確認画面、マイページ、FAQ、問い合わせ導線を一体で確認し、顧客が条件を理解したうえで申し込める状態を整える必要があります。
    具体的な表示項目は後述します。

    定期通販に向いている商品・向いていない商品

    PCのデスクトップ

    定期通販の成果は、商品特性との相性に左右されます。
    導入前には、継続利用の理由があるか、配送頻度を設計しやすいか、粗利や物流コストを踏まえて成立するかを確認することが重要です。ここでは、向いている商品と向いていない商品を整理します。

    定期通販に向いている商品の特徴

    定期通販に向いている商品には、いくつかの共通点があります。

    まず、日常的に使用・消費される商品です。化粧品、健康食品、サプリメント、食品、飲料、ペットフード、洗剤などは、一定の周期で補充ニーズが生まれやすい傾向があります。

    第二に、継続利用によって価値を感じやすい商品です。スキンケア用品やサプリメントのように、一定期間使い続けることで体感や習慣化につながる商品は、継続理由を説明しやすくなります。
    ただし、効果効能をうたう場合は、薬機法や景品表示法などの確認が必要になる場合があります。

    第三に、独自性や専門性がある商品です。スーパーやドラッグストアで容易に代替できる商品は、価格比較の対象になりやすい傾向があります。

    一方で、ブランド独自のコンセプト、成分、製法、世界観、サポート体験がある商品は、顧客が継続する理由を作りやすくなります。
    さらに、粗利率や配送コストも重要です。定期通販では送料無料や初回割引を設定することがありますが、継続回数が短いと採算が合いにくい場合があります。
    商品単価、原価、配送費、広告費、継続率を踏まえて、無理のない販売条件を設計することが必要です。

    定期通販に向いていない商品の例

    定期通販にあまり向いていない商品には、継続購入の理由を作りにくいものがあります。たとえば、家具、家電、宝飾品などの耐久消費財は、一度購入すると長期間使うため、定期的な補充ニーズが生まれにくい傾向があります。

    冠婚葬祭用品やイベント用品のように、特定の機会だけで必要になる商品も、継続購入には向きにくい場合があります。
    また、トレンドの変化が大きいファッションアイテムなどは、毎月同じ商品を届ける形では顧客の期待に合わない可能性があります。
    ただし、向いていない商品でも、関連消耗品やメンテナンス用品、会員向けサービスと組み合わせることで、継続モデルを設計できる場合があります。

    商品単体で判断するのではなく、顧客の利用シーン全体を見て、定期的に価値を提供できる接点があるかを確認するとよいでしょう。

    定期通販の商品を作るときの考え方

    定期通販の商品コンセプトでは、「何を売るか」だけでなく、「顧客がなぜ購入を続けるのか」を明確にすることが重要です。
    顧客は定期購入を申し込む際、商品そのものの機能に加えて、継続することで得られる変化や安心感を見ています。

    たとえば、健康食品であれば「毎日の栄養習慣を整える」、スキンケアであれば「季節や肌状態に合わせたケアを続ける」といった継続理由を設計できます。単に成分やスペックを説明するだけでなく、顧客の悩み、利用シーン、継続後の状態を言語化すると、販売ページやメール施策にも展開しやすくなります。

    一方で、コンセプトが曖昧なまま初回割引だけで獲得すると、商品価値を感じる前に解約される可能性があります。
    顧客が続ける理由を初回購入前から伝え、購入後も使い方や変化の見方を案内することが、継続率の改善につながる可能性があります。

    定期通販を始めるための流れ【5ステップ】

    PCと考える女性

    定期通販を始める際は、商品を登録して販売開始するだけでは不十分です。商品設計、価格設計、システム選定、販売ページ、法務表示、CRM運用を順番に整える必要があります。
    ここでは、導入前に確認したい流れを5つに分けて整理します。

    1. 商品・ターゲット・継続理由を整理する

    最初に整理すべきなのは、誰に、何を、どのような理由で継続してもらうのかです。ターゲット顧客の悩みや利用シーンを具体化し、商品がどのような頻度で使われるのかを確認します。

    たとえば、毎日使う商品なのか、週に数回使う商品なのかによって、配送周期や内容量は変わります。顧客が商品を余らせてしまうと解約理由になりやすいため、使用量と配送頻度の整合性を確認することが重要です。

    また、継続理由の設計も必要です。「なくなる前に届く」「継続利用で変化を感じやすい」「会員限定のサポートがある」など、顧客が続ける価値を言語化します。

    商品、ターゲット、継続理由が整理できると、販売ページやCRM施策の方向性も決めやすくなります。
    商品開発を成功に導く3つのポイント。売れる商品を作るプロセスと考え方の極意|ecforce blog

    2. 価格・配送サイクル・初回特典を設計する

    次に、価格、配送サイクル、初回特典を設計します。定期通販では、初回価格、2回目以降の価格、送料、支払い総額、最低継続回数の有無、休止や解約の条件などを明確にする必要があります。

    初回割引は購入のハードルを下げる手段になりますが、過度に大きい割引は、継続率や収益性に影響する場合があります。
    初回価格だけでなく、平均継続回数、広告費、原価、配送費を踏まえて、採算が合う設計にすることが大切です。
    配送サイクルは、商品の使用量に合わせて決めます。毎月、45日ごと、2カ月ごとなど複数の選択肢を用意すると、顧客に合ったペースで続けやすくなる場合があります。

    商品が余ることによる解約を防ぐため、マイページで周期変更やスキップができる設計も検討したいポイントです。
    出典:特定商取引法ガイド|消費者庁

    3. 定期購入に対応したカートシステムを選ぶ

    定期通販では、通常のカートシステムに加えて、配送周期や継続課金を管理できる仕組みが必要です。
    システム選定では、初期費用や月額費用だけで判断しないことが大切です。現在の事業規模に合っているかに加えて、商品数が増えたとき、広告施策を拡大したとき、顧客対応が増えたときに運用できるかを確認します。
    具体的な機能は後述の「定期通販に必要なカートシステムの主な機能」で整理します。

    定期通販向けのカートシステムを比較したい方は、機能や選び方をまとめた以下の記事も参考にしてください。
    【2026年最新】定期通販カートシステムおすすめ12選|比較の仕方・機能を解説|ecforce blog

    4. 販売ページ・最終確認画面・解約導線を整備する

    システムを選んだら、販売ページ、最終確認画面、解約導線を整備します。販売ページでは、商品の特徴だけでなく、定期購入の条件をわかりやすく示すことが重要です。

    初回価格、2回目以降の価格、送料、配送頻度、支払い総額、解約方法などは、顧客が申し込み前に確認できる状態にします。
    最終確認画面では、顧客が申し込み内容を誤認しないように、分量、販売価格、支払い時期、引渡時期、申込期間、解除条件などを整理します。

    特に、初回価格を強く訴求する場合は、2回目以降の価格や総額も近い位置で確認できるようにすることが望ましいでしょう。
    解約導線も顧客体験に関わります。解約を防ぐ目的で手続きをわかりにくくすると、問い合わせや不満につながる可能性があります。休止、スキップ、配送周期変更などの選択肢を用意し、顧客が状況に応じて選べる状態にすることが重要です。
    出典:通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン|消費者庁

    5. CRM施策で継続率を改善する

    定期通販は、販売開始後の運用改善が重要です。初回購入後に何も案内しない状態では、顧客が商品の使い方や価値を十分に理解できないまま解約する可能性があります。

    CRM施策としては、購入直後のサンクスメール、商品到着後の使い方案内、次回お届け前のリマインド、購入回数に応じた同梱物、会員ランク、限定クーポンなどが考えられます。
    顧客が商品を使い続ける理由を感じられるように、タイミングに合わせて情報を届けることが大切です。

    また、解約理由や問い合わせ内容を分析し、商品や販売条件を改善することも重要です。商品が余る顧客が多い場合は配送周期を見直し、使い方がわからない顧客が多い場合は説明コンテンツを強化します。

    顧客データをもとに改善を続けることで、継続率の向上につながる可能性があります。
    ECサイトのCRMとは?売上・LTVを最大化する活用事例&ツール比較ガイド|ecforce blog

    定期通販で失敗しやすいポイント

    購入単価・継続率をアップさせるLTV改善策

    キーボードと操作する手

    定期通販では、初回獲得、システム、解約導線のいずれかに偏ると、成果が伸びにくくなる場合があります。
    失敗しやすいポイントを事前に把握しておくことで、導入前の設計や運用改善に活かしやすくなります。

    初回購入だけを重視し、継続率の設計が不足している

    定期通販で起こりやすい失敗の一つは、初回購入だけを重視することです。初回割引や広告訴求で購入数を増やしても、2回目以降に継続されなければ、LTVは伸びにくくなります。

    特に、初回価格と2回目以降の価格差が大きい場合、顧客が継続する価値を感じられないと解約につながる可能性があります。初回購入時点で、継続利用の理由や2回目以降の価値を伝えることが重要です。

    また、F2転換率(初回購入者が2回目購入に進む割合)、平均継続回数、解約理由などを確認しないまま広告投資を増やすと、収益性の判断が難しくなります。獲得施策と同時に、継続率を改善する仕組みを設計しておくことが望ましいでしょう。

    カートシステムの機能不足で施策が実行できない

    カートシステムの機能不足も、定期通販で失敗しやすい要因です。たとえば、配送周期の変更ができない、休止やスキップに対応していない、購入回数に応じたメール配信ができない、顧客セグメントを作れないといった場合、継続率改善の施策が制限されます。

    初期費用を抑えることは重要ですが、必要な機能が不足していると、運用開始後に手作業が増えたり、顧客対応が煩雑になったりする可能性があります。

    特に、顧客数が増えた後にシステムを移行する場合は、データ移行や運用変更の負担も発生します。
    システム選定では、現在必要な機能だけでなく、将来的に必要になりそうなCRM、分析、在庫連携、広告連携、問い合わせ対応の機能も確認しておくとよいでしょう。
    定期通販のカートシステム選定では、必要な機能と運用体制をあわせて確認しておくのがおすすめです。

    解約・休止の選択肢が少なく顧客不満につながる

    解約や休止の選択肢が少ないことも、顧客不満につながる場合があります。
    顧客が商品を余らせている、旅行や出張で一時的に受け取れない、支払いタイミングを変えたいといった状況でも、解約しか選べない設計では、継続の機会を失いやすくなります。

    休止、スキップ、配送周期変更、商品変更などの選択肢があると、顧客は解約以外の方法を選びやすくなります。
    ただし、選択肢を増やすだけでなく、マイページやメールでわかりやすく案内することが必要です。

    解約を防ぐために導線を隠すのではなく、顧客が納得して続けられる状態を作ることが重要です。結果として、問い合わせ負担の軽減や顧客満足度の維持につながる可能性があります。

    定期通販に必要なカートシステムの主な機能

    カートと様々なグラフのデータ

    定期通販を安定して運用するには、専用機能を備えたカートシステムが必要になります。
    ここでは、定期購入管理、自動決済、マイページ、CRM、分析機能など、導入前に確認したい機能を整理します。

    定期購入管理・自動決済機能

    定期通販の基本となるのが、定期購入管理と自動決済機能です。顧客ごとに配送周期、次回お届け日、商品内容、数量、支払い方法を管理できることが重要です。

    自動決済では、クレジットカードなどの継続課金に対応し、決済失敗時の再決済や通知にも対応できるかを確認します。
    決済失敗が続くと、出荷停止や解約につながる場合があるため、顧客への案内や支払い方法変更の導線も必要です。

    また、注文データ、在庫データ、出荷データが連携できると、運用負担を減らしやすくなります。手作業で管理する範囲が広いと、配送ミスや顧客対応の遅れにつながる可能性があります。

    マイページ・休止・解約手続き機能

    顧客が自分で手続きを行えるマイページ機能も重要です。
    お届け日の変更、配送周期の変更、休止、スキップ、商品変更、支払い方法変更、解約手続きなどに対応できると、顧客の利便性が高まります。

    マイページで変更できる範囲が少ない場合、問い合わせ対応が増え、運用負担が大きくなる可能性があります。
    特に、定期通販では配送タイミングや商品内容の調整ニーズが発生しやすいため、顧客が自分で変更できる設計が望ましいでしょう。
    解約手続きについては、わかりやすさと適切な情報提供が重要です。解約理由に応じて休止や周期変更を案内することは有効ですが、解約そのものを過度に妨げる設計は避ける必要があります。
    出典:特定商取引法ガイド|消費者庁

    CRM・販促・分析機能

    定期通販では、CRM・販促・分析機能が継続率改善に関わります。
    購入回数や継続期間に応じてメールを出し分けたり、会員ランクを設定したり、クーポンを配布したりできると、顧客との関係を育てやすくなります。

    分析機能では、LTV、継続率、解約率、F2転換率、商品別の継続状況、顧客属性別の傾向などを確認できると、改善施策を検討しやすくなります。

    たとえば、特定の商品で解約率が高い場合は、商品説明、価格、配送頻度、使い方案内を見直すきっかけになります。
    カートシステムにはさまざまな種類があるため、総合的に比較したい場合は、こちらの記事も参考になります。
    おすすめECカートシステム比較15選!種類・機能・選び方を解説|ecforce blog

    定期通販で注意したい法律・申込画面の表示項目

    PCを前に考え込む人

    定期通販では、特定商取引法をはじめ、商材によっては景品表示法や薬機法などの確認が必要になる場合があります。
    法務に関する記載は、商品カテゴリや販売条件によって対応が変わるため、公式情報や専門家の確認を前提に進めることが望ましいです。

    特定商取引法で確認すべき表示項目

    通信販売では、消費者が申込み内容を正しく確認できるように、販売条件の表示が求められます。
    消費者庁の資料では、申込みの最終段階において、分量、販売価格・対価、支払い時期・方法、引渡時期、申込期間、申込みの撤回・解除に関する事項などの表示が示されています。

    定期通販では、初回価格だけでなく、2回目以降の価格、支払い総額、配送回数、解約条件などが重要です。
    これらが小さく表示されていたり、別ページに分散していたりすると、顧客が条件を理解しにくくなる可能性があります。
    販売ページと最終確認画面では、顧客が申し込み前に条件を確認できる状態にすることが大切です。

    キャンペーン価格や期間限定特典を設ける場合も、条件や適用範囲を明確に示す必要があります。
    出典:通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン|消費者庁

    景品表示法・薬機法などにも注意が必要な場合がある

    定期通販で扱う商品によっては、景品表示法や薬機法などにも注意が必要になる場合があります。
    景品表示法では、商品やサービスの品質、価格、取引条件について、消費者に誤認される表示が問題になることがあります。

    たとえば、「通常価格」「初回限定」「実質無料」などの訴求を行う場合は、表示の根拠や条件を確認することが重要です。
    優良誤認や有利誤認に当たらないよう、事実に基づいた表現にする必要があります。

    また、健康食品や化粧品、医薬部外品などを扱う場合は、商品分類ごとに確認すべき表示ルールが異なるため、公式情報や専門家の確認を受けることが望ましいでしょう。
    出典:景品表示法|消費者庁医薬品等の広告規制について|厚生労働省

    定期通販を始める前のチェックリスト

    チェックリストとキーボード

    定期通販を導入する前には、商品、価格、運用体制、システム、法務、CRMを横断して確認することが重要です。
    ここでは、検討段階で使いやすいように、導入前のチェック項目を整理します。

    商品・価格・運用体制のチェック項目

    まず、商品と価格、運用体制を確認します。次の項目を満たすほど、定期通販として設計しやすくなります。

    • 継続利用される理由があるか
    • 商品が一定周期で消費されるか
    • 顧客が商品を余らせにくい配送頻度か
    • 初回価格と2回目以降の価格差が適切か
    • 原価、配送費、広告費を踏まえて粗利を確保できるか
    • 問い合わせや解約対応の体制があるか
    • 在庫管理と出荷体制を継続的に運用できるか

    これらの項目は、導入後に修正できるものもあります。
    ただし、商品特性や粗利構造のように後から変更しにくい要素もあるため、販売開始前に確認しておくことが大切です。

    システム・法務・CRMのチェック項目

    次に、システム、法務、CRMの観点を確認します。
    定期通販では、顧客が継続的に購入するため、運用の小さな不備が解約や問い合わせにつながる場合があります。

    • 定期購入管理ができるか
    • 自動決済と決済失敗時の対応ができるか
    • マイページで変更・休止・解約ができるか
    • 最終確認画面で条件を明確に表示できるか
    • 特商法、景品表示法、薬機法の確認ができているか
    • 購入回数に応じたCRM施策を実行できるか
    • LTV、継続率、解約率を確認できるか

    チェックリストは、一度確認して終わりではありません。
    広告施策、商品改定、価格変更、配送条件の変更を行うたびに見直すことで、顧客体験と法務対応の両面を整えやすくなります。

    定期通販に関するよくある質問

    Q&Aと書かれたブロック

    最後に、定期通販を検討する際によくある疑問を整理します。
    本文で扱った内容を短く確認できるよう、違い、導入可否、解約率改善の観点でまとめます。

    定期通販とサブスクリプションの違いは何ですか?

    定期通販は、主に商品を継続的に購入してもらう販売モデルです。
    サブスクリプションは、主にサービスや利用権を継続的に提供するモデルとして使われることが多くあります。
    ただし、商品とサービスの要素が混在するケースもあるため、名称だけでなく、顧客が何に継続価値を感じるかで整理するとよいでしょう。

    個人事業主や小規模ECでも定期通販は始められますか?

    個人事業主や小規模ECでも、定期通販を始めることは可能です。
    ただし、商品特性、価格設計、配送体制、問い合わせ対応、法務表示、カートシステムの機能を確認する必要があります。
    小規模で始める場合は、商品数や販売条件を絞り、継続率や解約理由を確認しながら改善する進め方が現実的です。

    定期通販の解約率を下げるには何が重要ですか?

    解約率を下げるには、解約を難しくするのではなく、顧客が続けたいと思える状態を作ることが重要です。
    商品到着後の使い方案内、次回お届け前のリマインド、休止・スキップの選択肢、問い合わせ対応、解約理由の分析などが役立つ場合があります。
    顧客の不満や利用状況を把握し、商品体験とCRM施策を改善し続けることが大切です。

    まとめ|定期通販は継続して選ばれる設計が重要

    スマホで買い物をする人

    定期通販は、商品を継続的に届けながら顧客との関係を育てる販売モデルです。
    売上を見込みやすい一方で、商品との相性、価格設計、解約率、申込画面の表示などをあわせて確認する必要があります。
    始める前には、まず「顧客が続けたい理由」を作れるかを見極めましょう。

    そのうえで、配送サイクルや休止・解約導線、CRM施策、カートシステムの機能を整えることが大切です。
    導入後も、継続率や解約理由を見ながら改善を重ねることで、自社に合った運用へ近づけやすくなります。

    まずは自社商品が継続利用される理由を持つかを確認し、必要な機能と販売条件を整理することから始めるとよいでしょう。

    Ecforce

    D2Cを成功に
    導くために必要なものとは?

    御社のD2Cを成功に導くには、D2Cに必要な要素を全て備えたカートが欠かせません。「ecforce」は数々のD2C事業の立ち上げ経験から生まれたカートサービス。
    多くのD2Cブランドがecforceを導入して、今までに合計1,000億円を超える売上を達成しています。

    平均年商

    2 億円

    以上 ※1

    売上

    230 %

    UP ※2

    継続率

    99.7 %

      ※3

    D2Cを成功に導くために必要なものとは?
    ※1:稼働済みショップの平均年商 / 集計期間 2021年7月~2022年6月
    ※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
    ※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月

    合わせて読みたい記事

    さあ、ECでビジネスの可能性を広げよう。

    サービスの導入や移行、その他様々な運営のお悩みについて
    お気軽にお問い合わせください。

    お問い合わせ