この記事でわかること
「最近D2Cという言葉をよく聞くが、ECとの違いがわからない」
本稿では、そんな方のためにD2CとECの違いを解説していきたいと思います。
D2Cとは「Direct to Consumer」の略ですが、言葉は違えど商品をECサイトで顧客に販売するのだからECと同じだと思う人もいるでしょう。
しかし、D2CとECは同じ意味を持つ言葉ではありません。
はたしてD2CとECの違いはどのような点にあるのでしょうか。詳しく解説していきます。
これからECカートを決める方・いまのECカートに満足してない方へ。以下の記事にも、あなたのお悩みが解決する情報が満載です。
【ECサイト構築サービス22個の比較表】おすすめ国産SaaS型ECシステムもご紹介
4つのECサイト構築事例。新鋭D2Cブランドの動向から読み解く「狙い」とは?
D2CとECの言葉の定義
D2CとECの言葉の定義を端的に説明すると、以下のようになります。
まずECはelectronic commerce(エレクトロニックコマース)の略です。日本語では、電子商取引と訳されることが多いように、インターネットを介した取引を指します。
一方でD2Cは「Direct to Consumer」の略で、ブランドの世界観を重視しつつ顧客に商品を直接的に販売するフレームワークの一つだと言えます。つまりD2Cの「販売」は電子商取引も内包しますので、ECの定義と重複している部分があります。
この辺りが混乱を生む理由の一つかもしれません。
<参考記事>
6つの要素で形作られるD2Cの定義とは?(現場でD2Cを遂行する視点から)
D2CとECの違い
それではD2CとECの定義を理解した上で、違いはどこにあるのでしょうか。
そもそも違うものなので、「違い」を説明しはじめたらキリがないのですが、ここでは顧客視点でそれぞれが提供する「価値」に着目して説明してみましょう。
まず従来のECで主に求められていたのは、商品の機能的価値だと言えます。「この商品はこんなにすごい機能がついています」ということを訴えることで、売上につなげていました(ここでは省いていますが、「価格が安い」という価値も別途ありました)。
もちろん機能性は商品を販売する上では、とても重要な要素です。しかしモノが溢れる時代において、機能的価値の追求には限界があります。
一方でD2Cブランドが重視するのが、「世界観」といった言葉に代表されるような「情緒的価値」です。
例えばAwayはスーツケースを売るブランドにとどまらず、雑誌を作ったり、ホテルをつくったりすることで、旅好きが好む世界観を重層的に作り上げています。
Awayのファンは、機能的価値だけに魅力を感じるのではなく、情緒的価値も含めてAwayのことが好きなのです。
このように顧客への提供価値に着目すると、機能的価値を重視してきた従来型のECと、情緒的価値を重視するD2Cという違いが浮かび上がってきます(無論、前述したようにD2Cの販売手法自体がECなので、あくまでここでは「従来のEC」と「D2C」の違いを述べている点は明記しておきます)。
<参考記事>
Awayを知るための5つのキーワード「Awayはスーツケースを売るブランドではない」
ところで、成長中のEC・D2Cブランドがこぞって使うECカートの存在をご存じですか?
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ecforce(イーシーフォース)
海外D2Cブランド2つの事例
最後に先進的な取り組みが多数ある、海外のD2Cブランドの事例を2つご紹介します。
どちらも従来のEC、特にブランド創りの過程ではなかなか見ることができなかったD2Cらしい事例です。従来型のECではなくD2Cに挑戦しようと考えている方は、これらの事例を深く掘り下げていくのが遠回りのようで近道でもあります。
コスメD2CブランドGlossier(グロッシアー)
GlossierはD2Cで成功しているブランドの一つです。Glossierの事業が伸びた要因は、顧客とダイレクトな対話を実現したコミュニティの存在が挙げられます。
従来のコスメブランドはいかに自社の商品がいいかをPRし、販売につなげていきました。一方Glossierでは創業者であるEmily Weiss(エミリー・ワイス)氏自身が顧客の声に返答するなど、SNSを通じて顧客とのコミュニケーションを積極的にとっていきました。
その結果、多くのファンを獲得すると同時に、顧客の声を反映させた商品づくりが人々に受け入れられて功を奏したのです。
このように顧客とダイレクトな対話をするには、SNSの存在が欠かせません。ただ一方的に情報発信をするのではなく、顧客との対話を大切にすることがD2Cでは大切です。
Glossierについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
<参考記事>
Glossierを理解するための5つのヒント。「共謀者」と共創したコミュニティとは?
シューズD2CブランドAllbirds(オールバーズ)
Allbirdsは日本の原宿にも店舗進出するなど、だんだんとメジャーな存在になりつつあるシューズブランドです。
AllbirdsがD2Cで成功したカギは、リーンなプロダクト開発にあります。Allbirdsは環境に優しい取り組みをするサスティナブルなブランドですが、それだけでなく機能性・デザイン性にも優れた商品を開発しています。
さらにその製造工程を公開することで、人々の耳目と信頼を集めているのです。本来、プロダクト開発は秘密裏に行われるものなので、Allbirdsのように情報を公開して細かな修正をリーンに加えていく手法はとても現代的です。
しかし、顧客視点に立つと舞台裏までオープンにしてもらった方がファンになりやすく、共感が生まれる土壌も育まれます。Allbirdsのオープンな姿勢は結果的に多くのファンを作り、世界的にも知られるD2Cブランドに成長しました。
Allbirdsについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
<参考記事>
Allbirds、5つのキーポイント。Amazonにも屈しないD2Cブランドの信念とは
従来のECとD2Cの違いへの本質的な理解が求められる
ここまでD2CとECの違い、D2Cの有名な事例について紹介しました。2つの事例を見てもわかりますが、D2Cブランドにはさまざまな成功の形があります。
これからD2Cにチャレンジしようと考えている方は、従来のECとD2Cがどう違うのか、その本質への理解が求められます。
そのためには今回ご紹介した事例にとどまらず、国内外の様々な事例に触れ、良いエッセンスを積極的に取り入れていく必要があります。
商品や事業のフェーズ・特性に応じた最適なマーケティング・ブランディング戦略を考え、ぜひ人々に支持されるD2Cブランドを創ってください。
【最後に】
ここまで読んでいただきありがとうございます。ここで最後にecforceのご紹介をさせていただきます。ecforce(イーシーフォース)は日本国内のEC・D2Cビジネスの現場を知り尽くした、わたしたちSUPER STUDIOが提供する国産SaaS型ECシステムです。EC・D2Cサイト構築の際の要件定義から成長拡大まであらゆるフェーズをサポートします。
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ecforceには、主に3つの特徴があります。
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特徴3. CSオペレーションやシステム運用工数を削減
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「ecforce」は、ECサイトの構築はもちろん、サイトを開設したあとの機能も充実。売上を上げるための豊富な機能からコストを削減する仕組みまで、ECビジネスの成長をサポートします。
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<参考記事>
6つのD2C国内事例。ブランド成長のキーワードは「モノづくり×パーソナライズ」?
5つのD2C海外事例。若い世代が求める究極にユニークな顧客体験とは?
※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月