この記事でわかること
※この記事は 時点の情報をもとに執筆しています。
インターネットの普及とスマートフォンの浸透により、私たちの買い物のスタイルは大きく変化しました。
その中心にあるのが、オンラインショッピングです。
オンラインショッピングとは、Webサイトやアプリを通じて商品やサービスを購入する行為のことを指し、実店舗に足を運ばなくても、24時間いつでも買い物ができる仕組みとして急速に普及しています。
本記事では、「オンラインショッピングとは何か」という基本的な定義から、ネットショッピングとECサイトとの違い、主なメリットと注意点、活用のヒントまで、わかりやすく整理して解説します。
これからEC事業を始めたい方や、ネットショップの開業を検討している方にとっても役立つ内容となっています。
下記の記事では、ECサイトの種類や仕組み、主要サービスの特徴から、運営に必要な業務やスキルまで、詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。
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オンラインショッピングとは?定義と普及した背景
オンラインショッピングとは、インターネット上のWebサイトやアプリを通じて商品やサービスを購入する行為を指します。
「オンラインショッピング」または「インターネットショッピング」とも呼ばれ、EC(Electronic Commerce)という言葉と併せて使われることもあります。
もともとはパソコンからの利用が主流でしたが、スマートフォンの普及に伴い、今ではアプリを使って簡単に買い物ができるようになりました。
場所や時間に縛られず、必要な商品をすぐに検索・購入できる点が評価され、若年層から高齢者まで幅広い層に普及しています。
オンラインショッピングの定義と意味
オンラインショッピングは「商品を探して、比較して、注文し、届けてもらう」という一連の購買行動を、すべてネット上で完結できる仕組みです。
ECサイトやネットショップといった販売元の形態にかかわらず、利用者の視点から見た買い物行為そのものを指すのが特徴です。
この意味での「オンラインショッピング」は、デジタルコンテンツの購入やアプリ内課金、旅行・保険の申し込みといったサービス領域にも広がりつつあります。
オンラインショッピング普及の背景と利用率の推移
日本国内のオンラインショッピング利用率は、年々上昇しています。
経済産業省のデータによれば、物販系分野のBtoC-EC化率は2019年時点で6.76%でした。
その後、2020年以降の社会情勢の変化により、ネットショッピングの利用は急速に広がりました。
実際、2020年4月〜5月の緊急事態宣言時には、57.1%の人がインターネットショッピングを利用したという調査結果があります。
特に日用品や食品といった生活必需品の購入がオンラインにシフトし、EC市場全体の拡大を後押ししました。
このように、ネットショッピングの意味は単なる通販にとどまらず、生活全体に影響を与える購買スタイルとして定着してきています。
出典:
・電子商取引に関する市場調査|経済産業省
・令和3年版 情報通信白書|総務省
オンラインショッピング・ECサイト・ネットショップとの違い
オンラインでの買い物に関連する用語には、「オンラインショッピング」「ECサイト」「ネットショップ」など、似たような言葉が多く使われています。
どれもインターネットを活用した商品・サービスの売買に関係していますが、それぞれ指す意味や使われ方に微妙な違いがあります。
これらの定義を正しく理解しておくことで、情報収集や事業運営の際に混乱を防ぎ、より精度の高い判断が可能になります。
オンラインショッピング=「買い物行為」そのもの
「オンラインショッピング」は、消費者がインターネットを通じて商品を検索し、比較し、購入するという一連の購買行動そのものを表す言葉です。
ウェブサイトやアプリなど、利用するプラットフォームに関係なく、行為としての買い物体験を指します。
たとえば、「週末にオンラインショッピングを楽しんだ」という場合、特定のサイト名や運営形態には触れていません。
このように、使われ方としては消費者視点の総称的表現であることが特徴です。
ECサイト=商品を売買する「場」
「ECサイト」は、Electronic Commerce(電子商取引)を実現するWebサイトの総称です。
企業や個人が商品を販売する場であり、サイト単体で完結する自社EC型や、複数店舗が出店するモール型など、さまざまな形態が存在します。
オンラインショッピングという行為が実際に行われる「場所」がECサイトである、という関係性で理解するとわかりやすいでしょう。
この言葉は主に事業者・開発者側の視点で使われることが多く、システムや運営形態の違いに言及する際に用いられます。
ネットショップ=ECサイト内の「店舗」
「ネットショップ」は、ECサイトの中に存在する「個別のお店」単位を指す言葉です。
「オンラインショップ」と呼ばれることもあり、消費者がショップ単位でブランドやセレクト性を感じる場合に使われやすい用語です。
たとえば楽天市場やAmazonのようなモール型ECでは、出店している一つひとつのショップが「ネットショップ」に該当します。
また、企業が独自に構築した自社ECもネットショップとして捉えられます。
ECサイトやネットショップについて詳しくは、以下の記事でも用語の違いと特徴を解説しています。
ECサイトとは?種類や仕組み・メリットと主要なECサービス一覧|ecforce blog
オンラインショッピングを利用する5つのメリット
オンラインショッピングは、単なる買い物の手段を超え、私たちの生活に欠かせない存在となりました。
その背景には、利用者にとっての明確なメリットが存在します。
ここでは、代表的な5つのメリットを解説します。
1.時間や場所に縛られずいつでも買い物できる
ネットショッピングの最大の魅力は、24時間365日、どこからでも利用できる利便性です。
実店舗と異なり、営業時間を気にする必要はありません。
仕事が忙しい人、子育て中で外出が難しい人、深夜や早朝にしか時間が取れない人でも、自宅や移動中にスマートフォンやPCからすぐに商品を購入できます。
アプリを使えば、通勤中でも手軽に商品をチェックでき、時間を有効活用できるのも大きな魅力です。
2. 商品を自宅まで届けてくれる
重いものや大きなものを購入しても、自宅や指定の住所まで配送してもらえるのはオンラインショッピングならではのメリットです。
特に、米や水、家具・家電など、持ち運びが負担となる商品には最適です。
高齢者や車を持たない人、忙しくて買い物に行けない人にとって、配送の利便性は大きな価値を持ちます。
ギフトや贈答用の商品も、相手に直接届けられる点で重宝されています。
3. 実店舗よりも豊富な品揃えから選べる
オンラインストアは物理的な陳列スペースに縛られないため、実店舗では取り扱えない数のアイテムが並ぶのが特徴です。
複数のECサイトを横断して比較できるため、価格・仕様・レビューなどを確認しながら、自分に最適な商品を選ぶことができます。
また、地方には出回らないブランドや、店舗限定だった商品、海外製品なども購入できるのが大きな魅力です。
4. レビューや評価を見て安心して選べる
購入前に他の利用者のレビューや星評価を確認できる点は、ネットショッピングにおける信頼性向上の鍵です。
実際の使用感やサイズ感、耐久性、ショップの対応など、主観的な情報も含めて事前に確認できることで、購入後の後悔を減らすことができます。
とくに洋服や靴など、試着ができないカテゴリでは、サイズ感や素材に関するレビューが大きな参考になります。
5. 限定品やレア商品にも出会える
オンラインショッピングでは、全国・海外を含むあらゆるショップにアクセスできるため、実店舗では手に入りにくい商品や数量限定品も見つけやすいです。
例えば、地方限定スイーツ、廃盤になった家電、ヴィンテージの洋服、アート作品など、ニッチなニーズに応える商品が充実しています。
趣味性の高い商品やコレクター向けアイテムを探している人にとっては、ネットショップは非常に強力な選択肢となります。
オンラインショッピングで注意すべき5つの課題・デメリット
オンラインショッピングは便利である一方で、注意すべき課題があります。
ここでは、ネットショッピングを利用する上で知っておくべき5つの課題を紹介します。
1. 商品を直接確認できない
ネットでは商品を手に取って確認することができないため、イメージと実物が異なることがあります。
色味、素材感、サイズ感など、写真や説明文だけでは判断しづらい部分もあるため、洋服やインテリア、化粧品などでは特に注意が必要です。
届いてから「思っていたのと違う」と感じるリスクを減らすには、詳細な商品情報やレビューをしっかり確認することが大切です。
2.注文から商品到着までにタイムラグが発生する
ネットで注文した商品は、発送から到着までに時間がかかることがあります。
急ぎで必要な商品には向かない場合もあり、配送の混雑や天候の影響で遅延が起こることもあります。
最近では当日配送や翌日配送に対応するサービスも増えていますが、対応地域や条件は限られているため、購入前に必ず納期を確認しておくことが重要です。
3. 送料が発生し、合計金額が割高になることも
商品自体は安くても、送料や手数料がかかることで結果的に高くつくケースがあります。
特に少額の注文や、遠方からの配送の場合は送料の割合が大きくなります。
「○○円以上で送料無料」といった条件も多く見られますが、それに合わせて不要な商品まで買ってしまうと、本末転倒になりかねません。総額での比較検討が、オンラインショッピングでは非常に重要です。
4. 偽サイト・詐欺サイトによる金銭トラブルのリスク
実在するブランドやショップを模倣した偽サイト(フィッシングサイト)による被害も報告されています。
商品が届かない、偽物が届く、クレジットカード情報を抜き取られるといったトラブルが発生する可能性があります。
URLや会社情報の確認、SSL対応(https表示)の有無など、利用サイトの信頼性を確認する習慣が求められます。
5. 個人情報の漏洩リスクがある
オンラインショッピングでは、氏名・住所・電話番号・クレジットカード番号などの個人情報を入力する必要があります。
悪意のある第三者による不正アクセスや、ECサイト側の管理体制の不備により、情報漏洩が発生する可能性があります。
利用者側でも、セキュリティ対策としてパスワードの使い回しを避ける、二段階認証を設定する、信頼性の高いサイトのみ利用するといった対策が不可欠です。
ネットショップを開業する際に参考にすべきモール型・ECサイト事例
ネットショップを始めるにあたり、まず理解しておきたいのが「モール型」と「自社EC」の違いです。
モール型は、楽天市場やAmazonのように多数のショップが出店する場で、集客力が強い反面、競争が激しく手数料も発生します。
自社ECは、自社で立ち上げた独立サイトのこと。
ブランドを自由に表現でき、顧客データを活用できる一方で、自力での集客が課題となります。
どちらにもメリット・デメリットがあり、事業の目的や規模によって選択が変わります。
モール型EC、自社ECについて詳しくはそれぞれ以下の記事でより深く解説しています。
はじめてのECモール出店ガイド|仕組み・種類・メリットから主要5モール比較まで一挙解説|ecforce blog
ECサイトとは?種類や仕組み・メリットと主要なECサービス一覧|ecforce blog
ここからは、それぞれの成功事例を見ながら、どんな運営工夫があるのかを整理していきます。
モール型ECの代表的な参考例
モール型ECとは、楽天市場やAmazonのように、複数の店舗が集まって出店する大型ショッピングモール型のプラットフォームを指します。
既に多くの利用者が集まっているため集客しやすく、スタートアップや中小企業にとっても売上を伸ばしやすいのが大きな魅力です。
ただし、競争の激しさや出店手数料といったコスト面はデメリットとなります。
楽天市場
国内最大級のECモールで、食品からファッション、家電まで幅広いジャンルの商品を取り扱っています。
多彩な店舗が競争する中で目立つためには、縦に長い「ロングページ」で商品の魅力を丁寧に伝える工夫や、楽天スーパーSALE・お買い物マラソンといった大規模セールに合わせた販売戦略が欠かせません。
また、出店者向け教育プログラム「楽天大学」や、ショップ同士が学び合える「楽天NATIONS」など、学習・交流の機会も充実しており、初心者にとっても参考になるノウハウが揃っています。
公式サイト:楽天市場|楽天グループ株式会社
Amazon
世界最大規模のモール型ECで、圧倒的な集客力と物流インフラ「FBA(フルフィルメント by Amazon)」が強みです。
出品者はFBAを利用することで、Prime対応商品として表示され、購入率の向上が期待できます。
ただし競合も多く、商品検索で上位表示されるためのSEO対策(タイトル・キーワード設定)や、レビューの獲得・管理が成功の鍵です。
シンプルなページ構成の中でどう差別化するか、事例から学ぶポイントは非常に多いです。
公式サイト:Amazon|Amazon.com, Inc.
Yahoo!ショッピング
TポイントやPayPayとの連携により、強力な集客力を持つモールです。
楽天やAmazonに比べて出店料のハードルが低く、初めてネットショップを開業する中小事業者に向いている点も特徴です。
毎年開催される「ベストストアアワード」では、売上や顧客対応に優れたショップが表彰されており、受賞店舗のページ作りやプロモーション施策は参考にすべき事例といえます。
公式サイト:Yahoo!ショッピング|LINEヤフー株式会社
ZOZOTOWN
ファッションに特化した国内最大級のECモールで、若年層を中心に高い支持を集めています。
カテゴリ設計が直感的で探しやすく、商品ページにはスタッフの着用例やコーディネート写真が豊富に掲載されており、購入後のイメージを具体的に持ちやすい点が強みです。
ファッション系のネットショップを運営する際には、ユーザーの購買体験を高めるUI/UX設計として大いに参考になります。
公式サイト:ZOZOTOWN|株式会社ZOZO
自社ECの代表的な参考例
自社ECとは、企業や個人が独自に構築・運営するオンラインショップのことです。
ブランドの世界観を自由に表現でき、顧客データを直接蓄積できるため、長期的なファンづくりや、新規のお客様を集めるだけでなく、リピートしてもらうための仕組みに強いです。
一方で、集客を自力で行う必要があるため、広告やSEO、SNS運用などマーケティングの工夫が欠かせません。
UNIQLO公式オンラインストア
グローバル展開するユニクロは、OMO(Online Merges with Offline)戦略の代表例です。
オンラインで注文した商品を店舗で受け取れる仕組みや、アプリとの連携により、顧客の利便性を最大化しています。
オンラインとオフラインをシームレスに繋ぐ取り組みは、他業種にも参考になります。
公式サイト:UNIQLO公式オンラインストア|株式会社ファーストリテイリング
無印良品ネットストア
ブランドコンセプトを反映したシンプルなデザインで、ユーザーが迷わず商品を探せるUIが特徴です。
レビューやQ&Aを活用して商品理解を深めやすくし、カテゴリ整理やレコメンド機能も充実しています。
ブランドの世界観をECで表現するという点で大いに参考になります。
公式サイト:無印良品ネットストア|株式会社良品計画
北欧、暮らしの道具店
小規模ECながら非常に高い人気を誇る成功事例です。
商品の販売だけでなく、読み物コンテンツや動画を通じて暮らしに寄り添う情報を発信し、ファンとの関係を深めています。
単なる販売サイトではなく、メディアとECを融合させた「ファンづくりの場」として運営されている点は、他の小規模EC事業者にも大きな示唆を与えます。
公式サイト:北欧、暮らしの道具店|株式会社クラシコム
オンラインショッピング市場規模の拡大と今後の最新トレンド
オンラインショッピングの市場は、ここ数年で急速に拡大を続けています。
経済産業省の調査によれば、2024年の日本のBtoC-EC市場規模は26.1兆円に達し、物販分野のEC化率も9.8%と年々上昇しています。
利用者が日用品や食品まで幅広くネット購入に移行していることが、市場成長を後押ししています。
今後のオンラインショッピングを語る上で欠かせないのが、新しい購買体験の形です。
たとえば、実店舗とECを融合させるOMO(Online Merges with Offline)、SNSを活用したソーシャルコマース、動画配信を通じたライブコマースはすでに成長分野として注目されています。
また、AIを活用したレコメンドや、顧客の購買履歴に基づくパーソナライズ提案も普及が進んでいます。
こうした仕組みによって、ユーザー一人ひとりに最適化された買い物体験が提供され、より強いリピート率やブランドロイヤリティにつながると考えられます。
まとめ
オンラインショッピングとは、インターネットを通じて商品やサービスを購入する行為を指し、ECサイトはその取引が行われる「場」、ネットショップはその中の「店舗」を表す言葉です。
利用者にとっては、時間や場所を選ばない利便性、豊富な品揃え、レビューによる比較検討といったメリットがあります。
一方で、商品を直接確認できない、送料や配送の制約、偽サイトや個人情報漏洩リスクといった課題も存在します。
事業者にとっても、返品対応や在庫管理、セキュリティ投資などの負担は避けられません。
市場は拡大を続けており、OMO・ソーシャルコマース・ライブコマースなど新しい購買体験が今後さらに普及する見込みです。
ネットショップを開業する場合は、楽天市場やAmazonといったモール型ECの強み、自社ECサイトのブランド構築力を理解し、両者の特徴をうまく組み合わせることが成功の近道となります。
これからEC事業を始める方は、以下の記事もあわせて参考にしてみてください。
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※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月