この記事でわかること
※この記事は 時点の情報をもとに執筆しています。
ネットショップの運営は、商品登録や在庫管理、集客施策、顧客対応など多岐にわたる業務を伴います。
限られたリソースの中で売上を伸ばすには、運営代行サービスの活用が効果的です。
本記事では、ネットショップ運営代行の費用相場や料金体系(固定報酬・成果報酬など)をわかりやすく解説します。
さらに、依頼できる主な業務内容、メリット・デメリット、失敗しない選び方のポイントまでを網羅。自社に合った最適なパートナーを見つけるための判断材料を提供します。
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ネットショップ運営代行とは?
ネットショップ運営代行サービスでは、ショップ運営に必要な業務を外部に委託できます。
依頼する範囲が広がるほど費用は増えるため、自社の規模や目的に応じて必要な部分だけを選ぶことが大切です。
特に個人事業主や副業レベルでの活用では、「広告運用だけ」「撮影だけ」といった一部依頼から導入するケースも多く見られます。ここでは、代表的な依頼業務を6つに分けて紹介します。
売上アップを目指す戦略立案・コンサルティング
ネットショップの売上を継続的に向上させるためには、市場や競合の分析に基づいた戦略的なアプローチが不可欠です。
運営代行会社は、これまでの実績で培ったデータやノウハウを基に、現状の課題を分析し、売上目標達成に向けた具体的な戦略を立案します。
例えば、ターゲット顧客の再設定、商材の強みを活かした販売計画の策定、効果的なプロモーションの提案などが挙げられます。
副業や小規模ECのケースでは「本業と両立しているため戦略を練る時間がない」という課題が多く、ここをプロに任せることで、限られたリソースでも効率的に成果を出せます。
定期的なミーティングを通じて進捗を確認し、市場の変化に応じて戦略を柔軟に見直すことで、中長期的な視点での事業成長をサポートしてもらえます。
魅力的なサイトを作るECサイト制作・改修
ユーザーにとって魅力的で使いやすいECサイトは購入率を大きく左右する要素です。
運営代行サービスでは、新規のECサイト構築はもちろん、既存サイトのデザインリニューアルや機能追加といった改修も依頼できます。
専門のデザイナーやエンジニアがブランドイメージに合ったデザインの提案や、ユーザーが商品をスムーズに探して購入できる導線設計を行います。
またスマートフォン利用の増加に伴い、レスポンシブ対応やUI/UX改善は必須といえます。
個人で立ち上げたネットショップや副業で小規模に運営しているショップでは、デザイン部分に費用をかけるだけで大きく売上が変わるケースもあるため、効果的な投資領域といえるでしょう。
サイト制作会社については、次の記事でも詳しくまとめています。
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集客を強化するマーケティング・プロモーション
優れたECサイトを構築しても、顧客が訪れなければ売上にはつながりません。そこで重要になるのが、集客を目的としたマーケティング活動です。
運営代行会社は、SEO対策による検索エンジンからの流入増加、リスティング広告やSNS広告の運用、インフルエンサーマーケティング、メールマガジンの配信など、多様な手法を用いてターゲット層にアプローチします。
広告運用の専門家が効果測定と改善を繰り返すことで、広告費用対効果の最大化を目指します。
成果報酬型の料金体系を採用している会社もあり、売上が上がらなければ費用が抑えられる仕組みも選べます。
副業や個人事業主の場合は「時間がない」「ノウハウがない」ために広告運用を外注するケースが多く、コスト以上にリターンが見込める領域です。
商品の魅力を伝える撮影・ささげ業務
「ささげ業務」とは、ネットショップ運営における「撮影」「採寸」「原稿作成」の頭文字を取った言葉で、商品をサイトに掲載するために不可欠な一連の作業を指します。
商品の魅力を視覚的に伝える質の高い商品写真は、顧客の購買意欲を直接刺激します。
運営代行サービスでは、プロのカメラマンによる商品撮影から、サイズや素材情報の正確な採寸、商品の特徴を的確に伝える説明文の作成までを代行します。
個人や副業でネットショップを運営する場合、この作業は負担が大きいため、外注して時間と手間を省くことで効率化を図れます。
「ささげ」について詳しくは下記の記事でも解説しています。こちらも合わせてご確認ください。
ECの「ささげ」とは?撮影・採寸・原稿の業務内容と注意点・外注方法|ecforce blog
在庫管理から発送まで担う物流業務
商品の受注が増えるにつれて煩雑になるのが、在庫管理、ピッキング、梱包、発送といった一連の物流業務です。
これらのバックエンド業務は正確性とスピードが求められ、ミスが発生すると顧客満足度の低下に直結しかねません。
運営代行会社の中には物流業務に特化したサービスを提供しているところもあります。
商品の入荷管理から保管、注文に応じた梱包、配送業者への引き渡しまでをワンストップで委託可能です。
副業で運営している場合は、自宅での在庫管理や発送に限界が来やすいため、早い段階から物流代行を活用することで、安定した運営が可能になります。
顧客満足度を向上させるカスタマーサポート
顧客からの問い合わせに迅速かつ丁寧に対応するカスタマーサポートは、ショップの信頼性を高め、リピーターを育てる上で非常に重要です。
運営代行サービスでは、電話やメール、チャットによる問い合わせ対応を代行します。
副業や個人事業主の場合、本業が忙しくて対応が遅れがちになるリスクがありますが、外部に任せればプロの体制で安定した顧客対応が可能です。
さらに、問い合わせ内容を分析し、FAQの改善や顧客満足度向上につなげるといった付加価値も期待できます。
ネットショップ運営代行を利用する3つのメリット
ネットショップ運営代行の利用は、単に業務を外部に委託するだけではなく、事業成長を加速させるための戦略的な手段となり得ます。
専門家のノウハウを活用することで売上向上が期待できるほか、社内リソースの最適化やコスト削減といった経営上の利点も存在します。
ここでは、運営代行サービスを利用することで得られる3つの大きなメリットについて、具体的に見ていきましょう。
コア業務に集中するリソースの確保が可能
ネットショップの運営は、商品企画や仕入れ、ブランディングといったコア業務と、受注処理・梱包・顧客対応といったノンコア業務に大別されます。
事業が拡大するにつれてノンコア業務が増え、本来注力すべき領域に手が回らなくなるケースは少なくありません。
運営代行を利用すれば、ノンコア業務を外部に委託できるため、社内のリソースを商品開発やマーケティングなど収益直結の業務に集中できるようになります。
副業として運営している場合でも、注文処理や問い合わせ対応を代行に任せ、本業は安心して続けるといった形で、両立を実現できます。
プロのノウハウで売上向上が期待できる
運営代行会社は、数多くのECサイトを支援してきた経験から、売上を伸ばすための専門知識やノウハウを蓄積しています。
SEO、広告運用、UI改善など、自社だけでは実行が難しい施策をプロに任せることで、試行錯誤の時間や費用を大幅に削減できます。
例えば、広告運用を成果報酬型で依頼すれば、売上が上がった分だけ費用を支払う形になるため、リスクを抑えつつ確実に成果を狙えます。
副業で運営している人にとっても、経験がなくてもプロの知見を活かせる点は大きな安心材料です。
運営にかかる人件費や固定費を削減できる
EC運営業務をすべて自社で担う場合、人件費や倉庫費用などの固定費が膨らみます。
特に専門スキルを持つ人材を採用・育成するには大きなコストがかかります。
運営代行を活用すれば、必要な業務を必要なタイミングで外注できるため、自社雇用に比べてコストを抑えやすくなります。
物流を委託すれば倉庫費用が不要になり、カスタマーサポートを外部に任せれば人員削減につながります。
特にEC事業運営が個人経営や副業の場合、人を雇うほどの規模ではないが、対応業務は多いという状況になりやすいため、外注することで少ない費用でも効率的な運営が可能になります。
ネットショップ運営代行を利用する際の注意点
多くのメリットがある一方で、ネットショップ運営代行の利用にはいくつかの注意点も存在します。
コストの発生やノウハウの蓄積不足、コミュニケーションの難しさを事前に理解しておくことで、導入後のミスマッチを防ぐことができます。
ここでは、代行会社を利用する際に押さえておくべき代表的な3つの注意点を解説します。
外部に委託するためのコストが発生する
運営代行サービスを利用する以上、当然ながら委託費用が発生します。
料金体系は「月額固定制」や「成果報酬型」などがありますが、依頼範囲が広がればその分コストも大きくなります。
- 部分依頼(例:商品撮影だけ)なら数万円程度〜
- 総合依頼(戦略立案〜物流まで)なら数十万円規模になるケースが多い
といった相場感を理解しておく必要があります。
固定費が重くのしかかるリスクもあるため、成果報酬型を選んで売上に比例した費用負担にすると安心です。
契約前に複数社から見積もりを取り、サービス内容とコストを慎重に比較しましょう。
自社に運営ノウハウが蓄積されにくい
運営業務の大部分を外部に任せてしまうと、ECサイト運営に関する知識や経験が社内に残りにくくなります。
契約が終了した際に自社だけで運営を続けられないリスクが生じるのです。
これを防ぐには、代行会社を単なる外注ではなくパートナーとして扱うことが重要です。
定期的なレポートを共有してもらい、何を実施し、どのような結果が出たのかを社内でも把握する体制を整えましょう。
迅速な情報共有や意思決定が難しくなるケースがある
外部の会社に委託すると、社内完結に比べてコミュニケーションの工程が増えます。
緊急性の高いトラブル(在庫切れや顧客クレームなど)が起きた場合、連携が遅れると機会損失や顧客満足度低下につながるリスクがあります。
契約前に次のような要件を明確に取り決めておくことが大切です。
- 報告頻度(例:週次/月次レポート)
- 連絡手段(チャット/電話/メール)
- 緊急時の連絡フロー
個人や副業の運営では特に本業中に即対応できない状況が起きやすいため、即時対応可能な代行会社かどうかを確認しておきましょう。
ネットショップ運営代行の料金体系と費用相場
ネットショップ運営代行の費用は、依頼する業務範囲や代行会社の料金体系によって大きく異なります。
主な料金体系には「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型」の3種類があり、それぞれに特徴があります。自社の売上規模や予算、そして代行を依頼する目的を明確にした上で、最適な料金体系を選択することが重要です。
ここでは、それぞれの料金体系の仕組みと費用相場について解説します。
毎月定額を支払う[固定報酬型]
固定報酬型は、毎月一定額の費用を支払い、契約範囲内の業務を継続的に依頼できる料金体系です。売上に関わらず費用が一定のため、予算管理がしやすいのが大きなメリットです。
営業代行サービスにおける固定報酬型の費用相場は、依頼する業務内容や稼働人数によって異なりますが、一般的に営業担当者1人あたり月額50万円から80万円程度が目安とされています。
安定的に売上がある企業に向いていますが、固定費が重めになるリスクもあるため、依頼範囲を最小化する工夫が必要です。
売上に応じて費用が変動する[成果報酬型]
成果報酬型は、売上や利益に応じて費用が変動する仕組みです。
売上が上がらなければ費用も抑えられるため、立ち上げ期のショップや副業レベルでの利用に適しています。
- 相場:売上の 5〜20%程度
- メリット:初期費用を抑えられ、リスクが低い
- デメリット:売上が急伸すると費用が固定型より高くなることも
最低保証費用が設定されているケースもあるため、契約時に売上ゼロの場合の支払い条件を必ず確認しましょう。
固定費と成果報酬を組み合わせた[複合型]
複合型は、固定費+成果報酬 を組み合わせた料金体系です。
基本的な業務は固定費でまかないつつ、売上が上がれば成果報酬を支払う仕組みのため、双方にメリットがあります。
- 相場:固定費 10万円前後〜 + 成果報酬 売上の3〜10%程度
代行会社は安定収益を確保でき、事業者は成果が出た分だけ追加費用を払う形で、中長期的にパートナーとして伴走してもらいたい場合におすすめです。
副業や個人の場合でも最低限のコストを抑えつつ、売上が出ればさらにサポート強化できるため、安心して利用できます。
失敗しない!ネットショップ運営代行会社の選び方
ネットショップ運営代行会社は数多く存在し、それぞれに得意分野や特徴が異なります。
自社の目的や課題に合わない会社を選んでしまうと、期待した成果が得られないばかりか、余計な費用や時間を失う可能性もあります。
ここでは、代行会社選びで失敗しないために確認すべき5つのポイントを解説します。
依頼したい業務範囲に対応しているか
まずは自社の課題を明確にし、「どの業務を外注したいのか」をリストアップすることが重要です。
例えば、集客が弱ければ広告運用やSEOに強い会社、商品数が多いなら物流や商品登録に強い会社が適しています。
代行会社によって、戦略立案から物流まで幅広く対応する総合型や、集客や制作など特定の分野に特化した専門型など、得意領域は様々です。
自社のニーズと代行会社の提供サービスが一致しているか、公式ウェブサイトや資料でしっかりと確認し、ミスマッチを防ぐ必要があります。
ECサイトの種類(モール型/自社型)に強いか
楽天市場やAmazonなどのモール型ECと、自社ドメインで構築する自社ECサイトでは、必要とされるノウハウが大きく異なります。
- モール型:検索アルゴリズム対策、広告運用、セールイベントへの対応などが重要
- 自社型:SEOやコンテンツマーケティング、ブランド戦略の強化が重要
検討している会社がどちらのECに強いのかを確認し、自社と同タイプの事例が豊富かどうかを見極めることが大切です。
実績・成功事例があるか
代行会社の信頼性を測るうえで、過去の実績や成功事例は欠かせません。
特に同じ業界や同規模の企業を支援した実績があれば、自社の課題解決にも活用できる可能性が高いです。
商談時には、売上やアクセス数、コンバージョン率の改善といった数値を含めた実績を確認すると安心です。
実績が豊富な会社ほど、ノウハウの再現性が高く、成果を出せる可能性も大きくなります。
予算と料金体系が合っているか
運営代行にかかる費用は、長期的なコストとなるため、自社の予算内で無理なく継続できる料金体系の会社を選ぶことが不可欠です。
料金体系には前述の通り、「固定報酬型」「成果報酬型」「複合型」があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
自社の売上規模や事業フェーズに応じて、以下のように検討すると判断しやすくなります。
- 売上が安定している場合 → 固定報酬型が適する
- 立ち上げ期や変動が大きい場合 → 成果報酬型が向く
- 中長期的な成長を狙う場合 → 固定+成果報酬の複合型がバランス良い
複数の会社から見積もりを取り、料金だけでなく、費用に含まれるサービス内容やサポート体制を詳細に比較することが重要です。
不明瞭な料金項目がないか、追加費用の発生条件なども事前に確認しておく必要があります。
担当者とのコミュニケーションが円滑か
運営代行は、自社の事業の一部を任せるパートナーです。そのため、担当者との相性やコミュニケーションの円滑さは、プロジェクトの成否を大きく左右します。
契約前の商談や問い合わせの段階で、担当者の対応の速さや丁寧さ、業界知識の深さなどを確認しましょう。
自社のビジネスモデルや要望を正確に理解し、専門的な視点から的確な提案をしてくれるかどうかも重要な判断基準です。
また、報告の頻度やコミュニケーションツールなど、実際の運用が始まってからの連携方法についても具体的に確認しておくと安心です。
信頼関係を築き、二人三脚で事業を成長させていけるような、コミュニケーションが取りやすい担当者がいる会社を選ぶことが望ましいでしょう。
[特徴別]おすすめのネットショップ運営代行サービス16選
ネットショップ運営代行会社には、それぞれ得意分野や特徴があります。
「すべてを任せたい」「モールの売上を強化したい」「広告やSEOを集中して改善したい」「商品登録を効率化したい」など、自社の課題によって最適なパートナーは異なります。
ここでは、総合サポート型、モール特化型、マーケティング特化、制作・ささげ業務特化、中小企業向けの5つに分けて、おすすめの会社を紹介します。
総合サポート型
ネットショップ運営を丸ごと外注したい場合に適しているのが「総合サポート型」です。
このタイプは、戦略立案からサイト構築、広告・販促、物流、顧客対応まで幅広く支援してくれるため、社内に専門人材がいない場合や、ECを成長の柱に据えたい企業に特に向いています。
また、複数の業務を一本化できるため、社内での情報共有や意思決定がスムーズになる点も大きなメリットです。
その一方で費用は高めになりやすいため、一定以上の予算を確保できる企業におすすめです。
会社名 | 公式サイト | 特徴 |
---|---|---|
株式会社いつも | itsumo365.co.jp | 戦略設計から広告・運営・物流まで、マルチチャネルに対応したEC総合支援。 |
ブランディングテクノロジー株式会社 | branding-t.co.jp | 中堅・中小企業向けに、EC運営とデジタルマーケティングを一体で支援。 |
アートトレーディング株式会社 | art-trading.co.jp | 15年以上の実績を持ち、制作から運営改善までをワンストップで提供。 |
モール特化型
楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングといったモールでの販売を強化したい場合には「モール特化型」の代行会社が最適です。
モールにはそれぞれ特有の検索アルゴリズムや販促イベントの仕組みがあり、モール経験が豊富な会社ほど効果的な施策を提案できます。
モール特化型の会社は、「出店したけれど思うように売上が伸びない」「モール内での広告運用が難しい」といった課題に対して有効です。
特に楽天市場ではイベント対応や広告出稿の最適化が成果に直結するため、この分野に強い代行会社の価値は高いといえます。
会社名 | 公式サイト | 特徴 |
---|---|---|
サヴァリ株式会社 | savari.jp | 楽天・Amazonなどモール通販に特化し、広告運用やSEOを含む総合支援を提供。 |
株式会社YUGETA ECコンサルティング | ecconsulting.tokyo | 楽天市場を中心に、売上改善や運営最適化の実績を持つ専門コンサル。 |
株式会社Proteinum | proteinum.co.jp/ | ECコンサルと運営代行を組み合わせ、戦略立案から実行までワンストップ支援。 |
株式会社アドブレイン | adbrain.co.jp | 楽天・Yahoo!ショッピング等の広告運用に強みを持つモール特化型。 |
株式会社スクロール360 | scroll360.jp | 通販物流を中心に、発送代行・フルフィルメントまで包括支援。 |
マーケティング/集客特化型
「サイトは作ったが集客が思うように伸びない」「広告を出しているのに効果が感じられない」という場合には、マーケティングや集客に特化した会社が適しています。
広告運用やSEO施策、SNS活用など、顧客を集めて売上を伸ばすノウハウに強みを持っています。
このタイプは、特に競合が多いジャンルで差別化したい場合や、既存施策の改善に課題を抱えている場合に効果を発揮します。
費用は成果報酬型を採用しているケースもあり、リスクを抑えて試せるのもポイントです。
会社名 | 公式サイト | 特徴 |
---|---|---|
株式会社ネットショップ総研 | netshop-soken.co.jp | ECサイトの集客改善に特化し、広告運用やコンサルで売上アップを支援。 |
株式会社イルグルム | yrglm.co.jp | 広告効果測定ツール「アドエビス」を提供し、データに基づくマーケティング支援を展開。 |
制作・ささげ業務特化型
「商品数が多くて登録作業が追いつかない」「写真の質を上げたい」「説明文作成に時間をかけられない」場合には、制作・ささげ業務に特化した会社が有効です。
これらの業務は売上に直結する一方で非常に手間がかかるため、外注することで大きな効率化が期待できます。
専門の代行会社に依頼すれば、プロの撮影・正確なサイズ情報・魅力的な商品説明を揃えることができ、ECサイト全体の品質向上につながります。
会社名 | 公式サイト | 特徴 |
---|---|---|
商品登録代行ドットコム(株式会社ラスホート) | syouhintourokudaikou.com | 商品登録や画像加工など、ECサイトのささげ業務を専門的に代行。 |
株式会社イディオム(idiom) | idiom-inc.co.jp | 制作・運営・販促まで対応し、成果報酬プランにも対応可能。 |
株式会社Eストアー | estore.jp | ECシステム提供と併せて、商品登録や運営業務をサポート。 |
株式会社フルバランス | fbl.jp | サイト制作から商品登録まで、小規模事業者向けに柔軟に支援。 |
中小企業向け
「限られた予算でECを伸ばしたい」「スモールスタートでまずは試したい」という場合には、中小企業向けの柔軟な代行サービスが適しています。
このタイプは比較的リーズナブルに始められ、部分的な委託にも対応してくれるのが特徴です。
初めて代行サービスを利用する企業でも取り組みやすく、伴走型のサポートやコンサルティングを受けられる点も魅力です。
会社名 | 公式サイト | 特徴 |
---|---|---|
株式会社ブティックスター | boutiquestar.jp | 中小規模のEC事業者向けに、運営代行と集客支援をリーズナブルに提供。 |
HELP YOU(株式会社ニット) | help-you.me | オンラインアシスタントとして、商品登録や受注処理などバックオフィス業務を幅広く代行。 |
ネットショップ運営代行の費用を抑えるコツ
ネットショップ運営代行は非常に便利ですが、長期的に利用すると大きなコスト負担になることがあります。
「思った以上に費用がかかってしまった…」という失敗を避けるためには、あらかじめどの業務を外注し、どう契約するかを戦略的に考えることが大切です。
ここでは、費用を抑えながらも効果的に代行サービスを活用するための具体的な工夫を4つ紹介します。
1.依頼する業務範囲を必要最低限に絞る
まず最初に取り組むべきは、「どこまでを外注するか」をはっきり決めることです。
運営代行会社のサービスは幅広く、すべてを任せることもできますが、その分費用は高額になります。
- 自社でも対応できる業務(例:簡単な商品登録や日常的な在庫チェック)
- 社内リソースでは難しい業務(例:広告運用、撮影・ささげ、物流)
このように切り分けて、本当に外部の力が必要な業務だけを委託すれば、無駄なコストを省けます。
2.複数社から見積もりを取り比較する
運営代行の費用は会社ごとに大きな差があります。
同じ広告運用代行でも、月額数万円〜数十万円まで幅広いため、必ず複数社から見積もりを取って比較することが重要です。
比較の際には料金だけでなく、以下もチェックしましょう。
- 提供されるサービスの範囲(どこまでが基本料金に含まれるか)
- 追加費用が発生する条件(例:成果報酬の上限、オプション業務)
- サポート体制(担当者の専門性、報告頻度、対応スピード)
見積もり比較を通じて安さではなく費用対効果の高さで判断することが、長期的なコスト削減につながります。
3.成果報酬型の料金体系を活用する
初期費用や固定費を抑えたい場合は、成果報酬型の契約を検討するのも有効です。
売上が伸びた分だけ費用を支払う仕組みで、リスクを最小限に抑えることができます。
ただし、以下の点には注意が必要です。
- 売上が大きく伸びた場合、成果報酬額が高額になるリスクがある
- 最低保証費用が設定されている会社もあるため、契約内容を確認する必要がある
成果報酬型は立ち上げ期や売上の変動が大きい時期に向いており、安定期に入ったら固定報酬型や複合型に切り替えるのも選択肢の一つです。
4.長期契約割引やパッケージを活用する
運営代行会社によっては、長期契約を結ぶことで割引が適用されるケースがあります。
また、「サイト制作+広告運用」、「物流+カスタマーサポート」といったパッケージプランを利用することで、単体で依頼するよりもコストを抑えられることもあります。
契約前に長期契約やセットプランの有無を確認し、自社の計画に合わせて最適な形を選びましょう。
まとめ
ネットショップ運営代行は、戦略立案から制作、集客、物流、カスタマーサポートまで、幅広い業務を外部に任せられる便利なサービスです。
しかし、選び方や契約内容を誤ると「思ったより成果が出ない」「費用ばかりかかる」といった失敗につながる可能性もあります。
本記事では以下のポイントを整理しました。
- 依頼できる業務内容:戦略・制作・広告運用・物流・顧客対応など多岐にわたる
- メリットと注意点:売上アップやリソース最適化が期待できる一方、費用やノウハウ不足に注意
- 料金体系と相場:固定報酬型/成果報酬型/複合型の3種類、それぞれにメリット・デメリットがある
- 会社の選び方:業務範囲、実績、料金体系、担当者との相性を見極めることが重要
- おすすめ企業:総合型からモール特化、マーケティング特化、制作特化、中小企業向けまで、目的別に選べる
運営代行を活用する最大のメリットは、自社では補えないリソースやノウハウを短期間で取り入れられることにあります。
自社の現状や課題を明確にしたうえで、信頼できるパートナーを見つけることが、長期的なEC成長につながります。
外注はあくまで任せっぱなしではなく、伴走してもらうパートナーシップとして捉えるのが理想です。
費用と成果のバランスを見極めながら、自社に最適な代行サービスを選びましょう。
※2:ecforce導入クライアント38社の1年間の平均データ / 集計期間 2021年7月と2022年7月の対比
※3:事業撤退を除いたデータ / 集計期間 2022年3月~2022年8月